
こんにちはコウカワシンです。
今回は、苫米地英人(とまべち・ひでと)さんの著書【頭のよい子の親がしている28の習慣】から学ばせていただきます。
【頭のよい子の親がしている28の習慣】は、どんな本?
【頭のよい子の親がしている28の習慣】は、ズバリ!「IQを高め天才脳の子どもに育てる教育法」メソッドです。
本書はこのような本
いまでこそ「教育パパ」とか「教育ママ」というのは死語となっていますが、自分の子どもが頭のいい子に育ち、社会的に成功してほしいと思わない人はいないでしょう。
そこで予想されるのが、「頭がよく、自分で考える力を持たせるにはどうすればいいか」という思いと悩みがつきないことです。
そのような悩みの答えとして、認知科学者の苫米地英人(とまべち・ひでと)さんは、「IQ(知能指数)を上げればいい」と言います。
本書は、そのノウハウを詰め込んだ最強の「IQ爆上げ攻略本」と言えます。
「鉄は熱いうちに打て」という言葉があります。
ぜひ、幼い子どもを持つ親御さんに読んでいただきたい一冊です。
本書がおすすめな人
【頭のよい子の親がしている28の習慣】がおすすめな人
- 幼い子どもを持つ親御さん、またはその家族の人




【頭のよい子の親がしている28の習慣】の要点は?
「頭をよくするには、どうしたらいいのでしょうか?」という問いに著者の苫米地英人さんは、「IQ(知能指数)を上げればいいでしょう」と答えます。
実は「IQ」って、上げることができるのだそうです。
しかも子どものころから訓練すれば、飛躍的に上げることができるのだそうです。
IQが上がれば、学習能力も当然上がりますし、「勉強する」ということ自体「苦」にならなくなります。
そうなれば、成績もおのずと上がり、将来の選択肢も増えていきます。
本書は、その道筋を教えてくれる本です。



それでは本書から、わたしの独断と偏見で、「IQを上げる方法と習慣」「メンタルづくり」「親として子どもに接する姿勢」について取り上げてみたいと思います。
この記事では書ききれない内容がまだまだありますので、ぜひお子様の教育に関心がある方は手に取って読んでみてください。
IQを上げよう
IQは誰でも上げられる
「天才は生まれつきIQが高い」
「うちの子はIQは期待できない・・・・・・」
と、このように考えてはいませんか?
だとしたら、その考え方を改めましょう。著者が言うには、人間の生まれつきのIQは、ほとんど差がないのだそうです。
大切なのは、持って生まれたIQをどれだけ伸ばすことができるか、ということなのです。
IQは子どものころから訓練すれば、飛躍的に上げることができ、それこそ「天才」の域であるといわれる「IQ200」も夢ではないといいます。
IQが上がれば、当然学習能力も上がります。
そもそもIQとは、「抽象思考ができる能力を数値化したもの」です。
抽象思考というのは、「複数のものをひとつのカテゴリーにまとめ、またまとめた対象を操作する行為」です。
たとえば、コーヒーカップといわれたら、「コーヒーカップとはこれだ」と想像し、ワイングラスとは違うものという区別はつきます。
では、容器といわれたら、コーヒーカップもワイングラスも容器として想像することができますよね。さらに他の容器を想像する人もいらっしゃいます。
これは「容器」が「コーヒーカップ」よりもひとつ上の概念であることを意味しています。そしてその関係性を「コーヒーカップ」よりも「容器」のほうが「抽象度が高い」と表現します。
抽象思考は、このように抽象度を上げてものごとを考えることです。
ちなみに、抽象の反対は具体です。
この場合、容器よりもコーヒーカップのほうが「抽象度が低く、具体度が高い」ということになります。
抽象度を上げるということは、具体度を下げるということで、抽象度を下げるということは、具体度を上げることになります。
頭がいい人というのは、抽象思考を駆使できる能力が高い人なのです。
自分のまわりを見て、「少ないヒントから答えをすばやく導き出せる人」はいませんか。いわゆる「すぐピンとくる人」ということですが、これは生まれついた才能ではなく、鍛えれば向上する能力なのです。
算数だってそうです。算数では1という数字を数字を知り、100という数字を知り、さらには自然数という概念を知り、抽象度をひとつずつ上げていくようになっています。
上へ上へと積み重ねることで、算数という学問が成り立っています。
もしそこに、かけ算の問題があったとして、抽象度の低い人はかけ算でしか解けないものと判断しますが、抽象度の高い人は、「この問題は、かけ算以外でも解ける」という視野の広い判断をします。
わり算を使ったり、たし算を使ったり、あるいはほかの見方を持っていたりします。ですので、たとえかけ算がわからなかったとしても、ほかの考え方で問題を解くことができるのです。
吸収力の高い「クリティカルエイジ」を見逃がさない
IQを上げるには、できるだけ幼いころから学習や練習を積んだほうがいいです。なぜなら幼いころのほうが、学習能力や吸収力が高いからです。
著者はIQを上げるためには、「クリティカルエイジ」がカギを握っていると言います。
クリティカルエイジとは、「脳の学習限界年齢」のことです。人間の脳を含めた各器官、機能が発達する期間を指します。
その期間はだいたい0~13歳までです。
人間の脳は13歳を過ぎると、その発達の速度がガクンと下がります。言い換えれば、13歳までは脳は発達し続けていて、学習能力が高い状態ということです。
人間は、生まれたときには非常にたくさんの脳神経細胞があるのですが、成長するにしたがってどんどん減ってしまうそうです。
ですので、脳神経が多いときに脳を活性化させれば、IQは一気に上がるのです。
頭のいい子の親はテレビを見せない
「テレビ」は、IQを上げるのを阻害します。というのも、テレビを見ることは抽象度を下げる行為にほかならないからです。
テレビは一方的に視聴者に情報を送りつけ、視聴者自身に考える暇を与えません。
ですので、子どものころからテレビばかり見せていると、与えられた情報を何でも鵜呑みにし、深く考えることをやめてしまうようになるのです。
これでは、当然IQは上がりません。
どうしても見るのであれば、報道番組や教養番組に絞るのがいいとのことです。
IQを上げる方法と習慣
まずは運動
人間は0歳~13歳までに急速に発達します。
そのために何からやればいいかですが、まずは子どものIQを上げる土台をつくってあげるべきです。
そのための手っ取り早い方法が「外で運動させる」ことです。
外で日光を浴びることで「セロトニン」という心のバランスを整える作用のある「幸せホルモン」が分泌されます。
そして運動することで「ドーパミン」というやる気や行為の報酬として感じる快楽物質が分泌されます。
人間はドーパミンが出ることで、モチベーションを高めたり、ものごとを学習することができます。
脳にとっての思考は、抽象空間での運動なので、高い抽象思考を使いこなすには、ドーパミンが欠かせないのです。
運動は何でもかまいませんが、子ども自身が楽しめる、ゲーム性のあるもの(野球、サッカーなど)がおすすめです。
「ちょっと難しいこと」をやらせる
運動でドーパミンを出させる一方で、心がけたいのが「脳に負荷をかける」ということです。
具体的にいうと、ちょっと難しい問題に取り組ませることがいいのです。
たとえば、その子どものレベルよりも少し難しい問題にチャレンジさせます。
小学校低学年であるなら、高学年やさらに上の中学生の問題をやらせてみます。子どもは簡単な問題にはすぐに飽きてしまいますし、脳も活性化しません。
でも、あまりに難しい問題ではあきらめてしまうどころか解く気自体を失ってしまいます。ですので、ほどほどに難しい問題を選ぶことが大事です。
ただ誤解してはいけないのが、「延々と勉強させる」ことです。
ある幼稚園児を持つ親は、朝7時に起床してから幼稚園に行くまでに勉強させ、帰宅後は塾、さらに夜10時まで勉強をさせているということをされていたそうです。
これではIQが上がるどころか、子どもの成長にも影響を与えかねません。
どうやらその親は著者が言う「負荷」を誤解していたそうです。
負荷をかけるというのは、時間をかけることでもなければ、大量の問題をこなすことでもありません。
負荷をかけるというのは、ほんの短い時間で良く、負荷をかけるのは、子どもの脳を短時間で活性化させるためです。
『頭の体操』のようなちょっと考えさせる問題でもいいし、会話でもかまいません。
短い時間で子どもの持つレベルよりちょっと高いレベルで考えさせるだけでいいということです。
「抽象度を上げる」を訓練する
IQを高めるために暗記で脳を鍛えようというのは、ムダな努力です。
なぜなら、暗記は記憶をつかさどる海馬などの脳の一部しか使わず、脳のわずかな領域しか活性化させられないからです。
そんなものよりも、ちょっとした考えごとをしてみましょう。
興味があることを納得できるまで考えてみるということです。
たとえば、著者は「車はなぜ動くのか?」といつもそのようなことを考えていたそうです。
それに伴っていろいろな工作もしたそうです。
ラジオを組み立てたり、お風呂のお湯が満タンになったら知らせてくれるブザーなども作りましたし、当時あった『子供の科学』という雑誌が大好きで、掲載されていたものを夢中で作っていたそうです。
当然、常に考え続け、作り続けていたことで脳が活性化され、抽象度も飛躍的に上がっていったと思うそうです。
「車はなぜ動くのか?」という問いは、その車の原理を考え、車以外の乗り物のことも考え、さらには乗り物以外の機械のことも考え、そして、ものそのもののことを考えるということ。
誰にでも当てはまりますが、興味を持ったらとことん突き詰め考える思考こそが、抽象度を上げるということにうまく導いていくということなのです。
そして考えれば考えるほど、抽象度を上げれば上げるほど、脳の前頭前野が活発になります。
考えれば考えるほど知識も増えていきます。知識がほうふになれば、さらに抽象度の階層はもっと複雑になっていきます。
IQを高めたいなら、記憶することより、考えて考えて考え抜くことなのです。
「疑問を持つ習慣」をつける
「考える習慣」というのは、言い換えれば、「疑問を持つ習慣」です。
何でもそうでしょうけど、考えるきっかけって「疑問を持つ」ことから始まります。
たとえば、子どもがこんな疑問を持ちかけてきたら、どう答えますか?
「なぜ、人間は数字を足すという概念を発明したんだろう?」
「どうして、足すんだろう?」
「数字を使う理由は何だろう?」
わたしはうまく答えることができません(笑)
これはほかの大人も同じで、すぐには答えられない人も多いだろうし、中には「そんなことを考えてはいけません」としかりつける人もいるかもしれません。
本当は、そういった疑問に寄り添ってあげられたらいいのでしょうし、「疑問を持つこと」の重要性も教えてあげられたら、なお一層、抽象度を上げる助けにもなります。
そして大事なことは、「疑問を持ったら、調べる」という姿勢です。
調べるには、何を使ってもいいでしょう。図書館で調べるなり、インターネットで調べるなり、どちらにしても、疑問が次から次へと浮かんできたら、そのつど調べさせるのです。
子どものころから疑問を持たせ続けたら、それが習慣になります。
親はそのような疑問を持つ子どもとの会話を打ち切らず、そういった疑問に寄り添い、子どもに調べさせる、考えさせる姿勢が大切だということです。
説明力の高い子どもに育てよう
抽象度を上げるために「疑問を持つ」というほかに大事なことがあります。
それは「説明力」です。
説明するということは、その対象のレベルよりもひとつ抽象度が上がった状態です。
アメリカのトップクラスの大学「ハーバード大学」と「スタンフォード大学」の両方に合格した娘を持つ親は、特別な勉強をさせていたわけではない、ただ「幼いころから何でも説明させていた」と言います。
つまり、ふだんの生活の中で娘さんのIQを上げる訓練をしていたということなのです。
たとえばこんな感じです。
子どもが「なぜ赤信号だと必ず止まらないといけないの?」という疑問を持ったなら、親は、
「どうして信号で止まらないといけないと思う?」
と聞いて、説明させるのです。
すると、子どもは子どもなりに「危ないから」という答えを出します。そこで親は、
「なぜ、危ないの?」
とさらに問いかけます。
と、このようにどんどん尋ねて、どんどん説明させるのです。
仮に返ってくる答えが間違っていてもかまいません。何でもいいのです。
とにかく疑問を持って、それを説明させるという行為が重要だということです。
もちろん、戸惑ったり、考えにつまづいて、答えがなかなか返ってこない場合もあるでしょうけど、慣れてくるとしだいによどみなく答えられるようになってきます。
これこそ「説明力アップ」のコツなのです。
抽象度を上げる習いごと
子どもにいろいろな習いごとをさせている人も多いことでしょう。
その中でも、抽象度を上げるために適したものが「ピアノやヴァイオリン、つまりクラシック音楽を習う」ことです。
音楽は抽象思考です。とくにクラシックは過去の天才たちの作品を再現します。
モーツァルトやベートーヴェンなど、過去の偉大な芸術家たちが表現したかった抽象度の高い世界をリアリティを持ってイメージしなくてはいけませんから、抽象度がとても上がるのです。
また、楽譜に描かれた世界と自分が身体を使って奏でる世界を結びつける作業は、それだけで抽象思考の訓練になります。
ピアノやヴァイオリンは、指先を素早く動かしますので、脳を活性化させるのにも適しています。そして、手を動かすことも、思考することも、ドーパミンを放出するので、それ自体も抽象度を上げるととてもいい訓練といえますね。
「努力と根性」は勉強に必要なし
IQが上がれば、必然的に勉強もできるようになります。
勉強ができるようになると、当然、勉強が好きになります。
本来、勉強は「好き」でやるものです。
それはちょうど、大好きなゲームをやっているのと同じ感覚です。
夜中までゲームをやっている子どもは、根性や努力でやっていません。楽しくて仕方ないからやっています。
勉強することが快感で、ついつい続けてしまう、勉強が好きだから、何時間でも机に向かっていられるという状態をぜひ目指したいものです。
そもそも、これからの時代は「根性」とか「努力」という言葉は必要ありません。
何であろうと、「面白がってやる人」が強いのです。
これまでは、「あきらめないで努力した人だけが合格する」とか「根性出してがんばれ」と、子どもを激励して受験などを乗り切ってきたのでしょうけど、それでは「つらい」という感覚しか子どもには残りません。
「つらい」ことは本当はやりたくないというのが、正直なところですよね。
「つらい」という経験をして受験を乗り切った後、勉強になお一層身を入れてがんばる人が多いのなら、日本を代表する大学である東大は、世界ランキングで23位ではなく、もっと上位にいくのではないでしょうか。
自己評価が高いと無敵
「エフィカシー」と「コンフォートゾーン」という言葉をご存じでしょうか?
「エフィカシー」とは、自分の能力の自己評価を指します。「自分はこういう人間なんだ」というセルフイメージ、これをエフィカシーというそうです。
人間は、自分に対して何らかの評価をし、そうやって築かれたエフィカシーによって、その人のパフォーマンスは大きく左右されます。
そして厄介なことに、エフィカシーによって評価したレベルでしかパフォーマンスを発揮できないのです。
つまり、エフィカシーが高ければ高いパフォーマンスを発揮し、エフィカシーが低ければ低いパフォーマンスになるということです。
勉強が嫌いな子どもは、「どうせがんばって勉強しても自分にはできない」というふうにエフィカシーが低い場合が多いです。
逆に、「自分はクラスで誰よりも勉強ができる」とか「自分は誰よりも走るのが速い」と、エフィカシーが高ければ、それによって発揮されるパフォーマンスも当然高くなります。
「コンフォートゾーン」とは、心理的なストレスがなく居心地の良い状態を指します。


出典:ARAN ARAN毎日の仕事の中で、楽しく成長!「成長を加速。コンフォートゾーンを出てストレッチゾーンへ」より
人間は、自分がコンフォートゾーンの中にいるときは、高いパフォーマンスを発揮することができます。逆にコンフォートゾーンを外れると、とたんにパフォーマンスが下がります。
たとえば、サッカーの試合でホームではスムーズな試合運びができても、アウェーでは苦戦することがあります。
これはアウェーに慣れていないからです。
人間は慣れていないところでは、運動能力も知的能力も下がるようになっているそうです。
つまり、コンフォートゾーンは「なわばり」のようなものです。
もし、なわばりを広げる、つまり、アウェーでも力を出せるようにするためには、イメージすることが大切だと著者は言います。
アウェーのブーイングが自分を励ます歓声に聞こえるように、ゴールを決めている自分が見えるように、エフィカシーを上げたうえで、メンタルリハーサルを何度もして、アウェーをコンフォートゾーンにするようにしたいものですね。
勉強をしたがる脳をつくろう
高いエフィカシーを設定するためには、最初にゴールを決めるのがいいと著者は言います。
ゴールとは「将来の自分の理想とする姿」です。
1年後、3年後、そしてその先に自分がなっていたい姿を設定するのです。そのうえで現在の自分の立場を決めましょう。
たとえば、3年後に現役で東大合格している姿がゴールだとすると、それを達成するためには、少なくとも今いる学校で一番でないといけないとします。
その場合、「自分は一番だ」と心から思うのです。
そして、一番というイメージを何度も頭の中でリハーサルするのです。
人間は自分にとって慣れ親しんだところに意識が向かいますから、
「自分はこの学校で一番だ」と思い続けていると、そこに無意識が向かい、自然とコンフォートゾーンになるのです。
そうすると、極端な話、成績がなぜか50番だったり、100番だった場合、それがイヤな場所がイヤになり、無意識が慌てて、1番になろうとするのです。
仮にいまが20番だったとしても「一番だ」と思い続けていたら、いつの間にか一番になれます。
エフィカシーを高く設定することにより、それから外れていたら「自分らしくない」と無意識に思い、実力はいずれ伴うようになるのです。
親の役目は重大です。
もし子どもがテストで悪い成績をとって帰ってきても、決してしかってはいけません。そんな場合はこう言いましょう。
「あら、あなたらしくないわね。本当は100点でもおかしくないのに、本当にあなたらしくない」
子どもはしかられたり、何も言われなかったら、その成績が自分のゴールだと思い込んでしまいます。そしてその成績がコンフォートゾーンとなります。
ですので、成績が悪いときは、「あなたらしくない」を強調するのです。そうすれば、子どもも、「ああ、自分らしくないんだ」と認識するはずです。
これは決して、子どもにプレッシャーをかけているわけではなく、エフィカシーを維持するために大事なことです。
このようにエフィカシーとコンフォートゾーンの設定がうまくいくかどうかで、勉強好きになるかどうかのカギとなります。
読書は「知の基礎体力」
読書はIQを高めるために効果的です。
なぜなら、読書は「知らないことが見えるようになる」からです。
著者は子どものころに家にあった百科事典をひたすら読んでいた時期があり、知識を得て、思考しを繰り返したおかげで世界観が大きく広がったと言います。
読書は、「知能の基礎体力」をつける訓練にもなります。
子どもに読書させる有効な方法として、次のことがあげられます。
- ジャンルを設定せずに読む(興味があるものなら何でもよし。マンガも可)
- 売れている本を片っぱしから読む(図書館などを利用して、月に100冊)
- 本の内容に対して、常に反論を考えながら読む
理想的なのは、図書館さながらの様々なジャンルの本が家にあることです。
実際、著者の家には、たくさんの本があって、百科事典からビジネス書、和書から洋書を子どものころから読んでいたそうです。
決して親からすすめられたのではなく、読みたいと思った本をかたっぱしから読んでいたといいます。
目安として、家には2000~3000冊程度あれば十分でしょう。
そんなに買ったとしても、出費は30万円程度です。下手な塾に通わせるよりも、よっぽど安上がりですね。
すぐにそろえる必要はなく、子どもが生まれてから1カ月に20冊ずつ、10年かけて買い続ければいいのです。
買う本のジャンルは設定せず、それこそ売れている本を片っぱしから買い、過去の名著もできれば毎月5冊ぐらいは買ったほうがいいとのことです。
子どもが10歳、できれば20歳になるまで続ければ、家は立派な図書館になるし、子どもも本を手に取ります。
やりたいことが見つかれば、必ず本を手に取るでしょうし、知らない間に読書に熱中し、読書によってコンフォートゾーン維持できるようになります。
子どもは好きなだけ甘やかそう
「好きなだけ子どもを甘やかせばいい」と著者は言います。
でもそうなると、子どもに反抗されて、言いなりになったり、子どもが付け上がったりするということを増長するからダメだという意見があります。
それに対し、著者はこう言います。
「子どもが付け上がるのは子どもと親が対等だから付け上がるのだ。最近の親は、自分のレベルを子どもと同じレベルにまで下げてしまう傾向がある。子どもに大人との差をわからせるようにしつけておけば、いくら甘やかしても付け上がってはこない」
子どもはバカではありません。
2歳になると物心はつき、3歳になればある程度のことは理解し、そして、5歳になったら、その大人が尊敬できる人かどうかの判断もできるようになるのです。
小学生、中学生ともなれば、大人と同じレベルで、人の良し悪しの判断もするでしょうし、もしかしたら子供のほうが大人よりも冷静な評価を下せるかもしれません。
ですから、親は子どもの前で気を抜いてはいけません。
日々の言動から注意しましょう。外面がよくて、家ではダメ人間ではいけません。
また決して、情動にまかせて理不尽に子どもをしかってはいけません。
子どもはそれが本当のしつけであるかどうかをしっかり見ています。ただの怒りでは、子どもからの信頼は得られませんし、尊敬もされません。
もし、子どもの前ではダメ母、ダメ父になっているという自覚がある人は、すぐ生活を改めなければいけません。
では、何でも言いなりになり買い与えて、甘やかせばいいのかというと、それは違います。
たとえば、子どもが「ゲームを買って!」とおねだりしてきたとします。それを親として、それが本人の理論が成り立っているかどうかで判断すべきです。



「買いたい理由を5つ言いなさい。そして、どのくらい欲しいか言いなさい」
すると、子どもが買いたい理由とどれくらい欲しいかを説明するでしょう。親はそれを聞き、さらに買わなくてもいい理由を5つほど言って、子どもにこれらすべてを否定させます。
そして、子どもの返答に理論が満たされていれば、買ってあげればいいでしょう。
もちろん、子どもは子どもなりに買ってもらうために感情ではなく理論で考え訴えてきます。
そうなれば、子どもは自分の希望を叶えるために必死に頭を働かせるようになります。
抽象思考を養う訓練にもなり、日々の生活すべてをIQ向上に役立てることができるのです。
【頭のよい子の親がしている28の習慣】の感想・まとめ
親は自分が正しいと思うことを子どもに押し付けてはいけない。
子ども自身が何が正しいのか、自分で判断できるように育てる。
本書の感想として、「自分の子どもたちに申し訳ないことをした」という思いがわき起こりました。
あまりにも子どもに対して申し訳なく、「親ガチャ、失敗したね」と謝らなくてはいけません。
わたしとしては、自分にできる範囲で、子どもの教育に取り組んだつもりでしたが、いまから思えばそれは「自分よがり」に違いないと感じます。
それでも、まっすぐに育ってくれた子どもには、ただただ感謝しなくてはいけません。
たしかに自分が正しいと思うことを、子どもに押し付けていたし、子どもの意思を全部くみ取らなかったことは、大いに反省すべきだと感じました。
今から思えば、子どもはきちんと考える能力は十分にあるのです。
それを間違えずに伸ばしてやる役目が親にはあります。
そういった意味で、すべての親御さんに子育ての参考にしていただきたい一冊です。
【頭のよい子の親がしている28の習慣】は、現在(2023年5月25日時点)amazonの本読み放題サービス「キンドルアンリミテッド」の対象になっています。
キンドルアンリミテッドは、ビジネス書からマンガまで幅広いジャンルの本が読み放題です。ぜひこの機会にご検討ください。
【頭のよい子の親がしている28の習慣】の概要
本書の目次
【頭のよい子の親がしている28の習慣】
はじめに 「本当にそんなことが可能なのか?」と疑う前に
ステップ1 頭がよいとはどういうことか
ステップ2 IQを上げる方法と習慣
ステップ3 自然に勉強したくなる脳を作る
ステップ4 IQが上がる読書法
ステップ5 IQを最大限に活用できるテクニック
ステップ6 「世界一豊かな人生を送る」とは
おわりに
著者の紹介
苫米地英人(とまべち・ひでと)
認知科学者((計算言語学・認知心理学・機能脳科学・離散数理科学・分析哲学)。
1959年、東京生まれ。
カーネギーメロン大学博士(Ph.D.)、同CyLabフェロー(サイバー防衛)、ジョージメイソン大学C4I&サイバー研究所研究教授(認知戦防衛)、早稲田大学研究院客員教授、公益社団法人日本ジャーナリスト協会代表理事、コグニティブリサーチラボ株式会社CEO会長兼基礎研究所長。
マサチューセッツ大学を経て上智大学卒業後、三菱地所へ入社、財務担当者としてロックフェラーセンター買収等を経験後、フルブライト全額給付特待生としてイエール大学大学院計算機科学博士課程に留学、人工知能の父と呼ばれるロジャー・シャンクに学ぶ。
同認知科学研究所、同人工知能研究所を経て、コンピュータ科学と人工知能の米最高峰カーネギーメロン大学大学院博士課程に転入。計算機科学部機械翻訳研究所等に在籍し、人工知能、自然言語処理、ニューラルネットワーク等を研究、全米で4人目、日本人として初の計算言語学の博士号を取得。
ATR自動翻訳電話研究所滞在研究員などを経て、徳島大学助教授、ジャストシステム基礎研究所所長、同ピッツバーグ研究所取締役、通商産業省情報処理振興審議会専門委員などを歴任。
1992年にはカーネギーメロン博士研究の単調性データ構造を利用した世界最初の仮想通貨ベチユニットを開発、不可変データ構造離散基盤数理として単調性理論は後のナカモト論文などにも影響を与える。
その後、次世代サイバー防衛技術開発を米国防総省とも協調しカーネギーメロンで進め、2014年から2019年にかけては自衛隊サイバー部隊の創設と教育に統合幕僚長直轄で尽力。
また2012年から複数国の顧問を務め、特に通貨システムを含む次世代基盤システムのアドバイザーをしている。
サヴォイア王家諸騎士団日本代表、聖マウリツィオ・ラザロ騎士団大十字騎士。
近年では、サヴォイア王家によるジュニアナイト養成コーチングプログラムも開発。
日本でも完全無償の子供向けボランティア教育プログラムとして普及活動中。
主な著書
『「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める! 』コグニティブリサーチラボ株式会社 (2014/4/14)
『「言葉」があなたの人生を決める』フォレスト出版 (2015/2/19)
『コンフォートゾーンの作り方』フォレスト出版 (2010/8/29)
『明治維新という名の洗脳』コグニティブリサーチラボ株式会社 (2016/10/19)
『洗脳原論』春秋社 (2000/2/15)
『残り97%の脳の使い方』フォレスト出版 (2017/2/1)
『立ち読みしなさい!』サイゾー (2013/10/7)
『日本人だけが知らない戦争論』フォレスト出版 (2015/4/30)
『日本人の99%が知らない戦後洗脳史』コグニティブリサーチラボ株式会社 (2014/10/21)
『「イヤな気持ち」を消す技術』フォレスト出版 (2021/12/6)
『思考停止という病』KADOKAWA (2016/3/26)
『まずは親を超えなさい!』コグニティブリサーチラボ株式会社 (2017/2/13)
『自分のリミッターをはずす!』ビジネス社 (2017/10/7)
『「言葉」があなたの人生を決める』フォレスト出版 (2013/9/26)
『夢が勝手にかなう「気功」洗脳術: 脳科学から見た「気功」の正体』マキノ出版 (2010/3/15)
『2050年 衝撃の未来予想』PHP研究所 (2017/2/20)
『洗脳護身術』 コグニティブリサーチラボ株式会社 (2016/9/8)
『宗教の秘密』PHP研究所 (2012/3/20)
『「イヤな気持ち」を消す技術』フォレスト出版 (2012/12/3)
『15歳若返る脳の磨きかた』フォレスト出版 (2014/3/10)
『現代版 魔女の鉄槌』フォレスト出版 (2011/6/29)
『脳と心の洗い方』 フォレスト出版 (2009/12/12)
『すごいリーダーは「脳」がちがう』コグニティブリサーチラボ株式会社 (2016/6/16)
『夢をかなえる方程式』フォレスト出版 (2011/8/16)




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