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『無印良品の、人の育て方』から学ぶ「働きがいのある会社」のつくり方

コウカワシン

こんにちはコウカワシンです。

今回は、松井忠三(まつい・ただみつ)さんの著書『無印良品の、人の育て方』から学ばせていただきます。

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目次

『無印良品の、人の育て方』は、どんな本?

『無印良品の、人の育て方』は、ズバリ!「最強の人材育成マニュアル」です。

本書はこのような本

日本人は、「自分の勤めている会社を憎んでいる」という声をよく聞きます。

背景には、「自分の能力を高く評価してくれない」「職務環境がブラックである」「年功序列で風通しが悪い」といった日本企業独特の悪習が原因の一つであることは間違いありません。

そんな中、無印良品の離職率は、なんと5%だそうです。

つまり、「社員が働きやすい環境が整っている」ということですが、これは社内がゆるゆるで居心地の良いぬるま湯環境ではないと良品計画会長で本書の著者松井忠三(まつい・ただみつ)さんは言います。

そんな松井さんは、「人は修羅場で育つ」という人材育成理念のもと、社員を金儲けのための資源として使い捨てにせず、長く会社を支える資本として大事に育てる考えを持っています。

そのような人材育成に必要なエッセンスを本書に込めました。

経営者のみならず、管理職の方、新入社員をサポートする中堅社員、そして新入社員にとって大事な考え方を説いた一冊であるということです。

本書がおすすめな人

『無印良品の、人の育て方』がおすすめな人

  • 経営者
  • 管理職
  • 中堅社員
  • 新入社員
  • 就活生

『無印良品の、人の育て方』の要点は?

本書は、無印良品トップが語る「社員が成長せざるを得ない仕組み」を紐解いています。

社員は使い捨ての資源ではなく、長く会社を支える資本とする考え方は、「さぞ一人一人の社員に対してやさしい会社だ」と思うかもしれませんが、実はつねに逆境ともいえる環境に社員を放り込むシステムが確立している会社なのです。

でも、「働きがい」という点では、実は自己実現をどの年代においても体験・経験できる環境を用意し、社員一人一人が目的を持ち、個の力を高める努力を惜しまないシステムづくりに仕上がっています。

つまり、社員は自主性を持ち、自らの力をいつも試せる環境に置かれているといっていいでしょう。

コウカワシン

それでは本書から、わたしの独断と偏見で、「常に優れた人材を生み出す仕組み」や「強い社員を育成するための会社の取り組み」の初歩の部分を紹介したいと思います。

この記事から、「この本いいなあ~」と思っていただけたなら、ぜひ本書を手に取って読んでみることをおすすめします。

無印良品は離職率が低い

「いい会社とは、人が辞めない会社」

著者が、「いい会社の条件は何ですか?」と尋ねられたらこう答えます。

「人が辞めない会社」です。

人が辞めない会社とは、「働きがいのある会社」です。

働きがいとはお金だけで生まれるものではなく、日々の仕事の中で評価されて達成感を味わったり、自分の成長を感じたり、成果を出して心が揺さぶられたときに最も実感する感情だと著者は言います。

その働きがいを得るために社員に対してゆるい環境にしているのとは真逆で、あえて「逆境」を味わってもらっているそうです。

最近では、失敗をさせないような社員教育をしている企業が増えましたが、これだと、一度大きな失敗やトラブルに巻き込まれたら、簡単につぶれてしまいます。

これからは、企業間の競争も激しいと予想されますから、打たれ弱い人材では生き残れませんし、打たれ強い人なら、どんな時代でも生き残っていけます。

あえて逆境をつくりだすことの効果

そこで、無印良品では、ときにだいたんな異動をします。

販売部門の役員と管理部門の役員を入れ替えたり、新入社員が半年ぐらいたった時点で別の店舗に異動させたり、入社3年目には店舗の店長をやらせたり、海外赴任にしても「一か月後に中国に行ってほしい」と、いきなり通達したりします。

これは、「あえて逆境をつくりだし、社員に体験させる」という手法なのです。

もちろん「現場が混乱する」とか「海外赴任で言葉が通じなくて心配」と戸惑う声がありますが、聞き流します。

しかし、多くの社員はそういう体験をして打たれ強くなっていき、そしてどんな場面になっても「何とかなる」と開き直ることができれば、あとは自分のエンジンで走れるようになるということです。

「無印生まれ、無印育ち」の社員たち

無印良品では、本部にいきなり外部の人を入れることは基本的にないそうです。

内部採用のためにパートナー社員(アルバイト・パート)を当てることもあり、性別も学歴も、年齢も関係なく、実力でステップアップしてきた人を公正に評価しています。

無印良品の社員は誰もが「MUJIGRAM」(ムジグラム)というマニュアルをもとに指導を受けます。

この「MUJIGRAM」とは一般的なマニュアルとは違って、トップダウンでつくるものではなく、現場で働く社員の声やお客様の要望を集めていて、さらに一度つくったら終わりではなく、毎月内容を更新しているそうです。

「MUJIGRAM」の特徴として、すべての作業には目的や意味があり、どのような作業にも「なんとなく」するものはないということを教えていることです。

これにより、どの社員も無印良品の理念や哲学を、現場の作業を通して学んでいき、そのようにして「無印生まれ、無印育ち」の社員が育っていくのです。

「そうはいっても、店舗の経験者が本部に配属になっても、仕事が全然違うではないか」という疑問もありますが、無印良品では基本的に、店舗で店長を経験した人でないと、本部の社員になれないそうです。

店長を経験するということは、「一人の経営者」としてのスキルや自覚を持ってもらうという大きな目的があり、そのようにMUJIGRAMにて教育します。

絶え間ない異動が人を育てる

無印良品の異動の大きな特徴は、3~5年という短期間で移る点にあります。

たしかに一通りの仕事ができるようになり、それなりに成果を上げて、自分なりの仕事の仕方や個性を発揮にできるように期間ではあり、その段階でまったく違う仕事の部署に異動となると、一見ロスに見えます。

ですが著者は、ロスどころか、さらなる成長につながり、その絶え間ない異動は、個々のビジネスパーソンにとって多くのメリットがあるといいます。

それを5つ紹介します。

確実なキャリアアップ

一つの分野で経験を積むより、さまざまな体験をしたほうが確実にキャリアアップつながります。

たとえば、販売部でも、ただやみくもに商品を売っていればいいという時代ではありません。陳列の仕方、接客の仕方、包装の仕方など、多くの技術・知識が必要です。

ということで、販売から宣伝販促室に異動になれば、さらに戦略的に商品を売る方法を身につけられるということです。

異動でさまざまな部署を体験し、より高い専門能力を身につければ、一つの部署しか経験できない社員より強いのは言うまでもありません。

チャレンジ精神の維持

自分の成長を止めないためにも、常に新しいことにチャレンジするのが一番だと著者は言います。

人はどうしても同じ環境に長くいると、慣れが生じて、チャレンジ精神がしぼみ、守りが多くなります。

ですが、異動で新しい環境に移れば、新しいことにチャレンジできる機会を自然と得られます。そして今までの経験が全く役に立たないわけではなく、合わせればかなりな底力が身につきます。

多様なネットワークの広がり

同じ部署にいる弊害として、ふだんつき合うのも同じ部署の仲間だけという状況があげられます。そうなるといつも同じような話をして、同じような仕事しかしなくなります。

そこには、発展性が生まれません。

他の部署に異動になれば、その部署の人とのつき合いが始まります。今までの部署の人との関係も保てれば社内の交流が増えていき、団結力やチームワークが向上します。

それから、横のネットワークも築けて、かなりの情報通にもなるでしょう。

結果、仕事もスムーズに進めやすくなるということです。

他人の立場への理解が深まる

よく子どもの教育で、「相手の立場になって考えてみる」ということをいいますが、人によって立場も育った環境もまったく違うのに、そう簡単には理解できませんよね。

ただ、異動で別の部署に行くと、今までの自分の立場や環境とは違う体験ができ、自分が体験済みならば、自然と他人の立場を理解しやすくなります。

たとえば、販売部と商品部では求められていることがまったく違います。

販売部は販売部で「売れるものをつくらないから売れない」と考えるし、商品部は商品部で「いいものをつくっているのに売り方が悪い」ととらえがちです。

どちらにも言い分があるということですが、立場によって求めていることが違うことを理解していれば、「販売部が売りたいと思う商品をつくろう」とか「いい商品だから売り方を変えてみよう」となります。

そういった考え方がわかるために「相手の立場になってみる」という必要があるし、手っ取り早い方法が、相手の苦労ややり方を体験することが効果的なのです。

視野を広げられる

これは無論のこと、視野を広げるためには、さまざまな体験をしてみることが効果的です。

異動により新しい発見の連続は間違いないでしょうし、今までいた部署の常識が他部署では非常識だったなど、ハッとする体験も数多くあると思います。

視野が広がることによって、人の意見を受け入れやすくなりますし、また物事の見方は一つではないということも、さまざまな考え方があるということもわかり、人の意見を理解できるようになります。

また視野が広がることによって、多くの選択肢が持てます。それだけでなく、一つの事例で多くのことを考慮できます。

このように、物事を判断するときの材料が増えれば、より的確に、迅速に判断できるようになるのです。

折れない社員をつくるために

「現実」と「理想」のギャップを体で理解する

入社して3年以内で会社を辞めてしまう若者が、社会問題として取り上げられることがあります。

理由の一つとして考えられるのが、理想と現実の違いを知るという、「リアリティ・ショック」です。

つまり、希望や理想を持って会社に入っても、現実の会社は矛盾だらけ。それから、やりたい仕事があっても、そう簡単にやらせてもらえないということもあるでしょう。

そのような現実を突きつけられて、「自分が想像していた世界と違う」「自分にはもっと向いている仕事があるのではないか」と考えてしまうのです。

そこで、無印良品では「現実を前もって知ってもらう」という方法を取ります。

採用の内定が決まると、店舗でアルバイトさせ、そういった体験を通して、現実をじわじわと身に染みつかせるのです。

たとえば、届いた商品を倉庫に運んだり、倉庫から店頭に運んだりの力仕事、商品をすべて覚えることも必要ですし、もしかしたらお客様から理不尽とも思えるような文句も言われかもしれません。

そしてとにかく立ち仕事ですから、慣れていない人はそれも苦になるかもしれません。

さらに店舗に配属されている社員からも話が聞けるので、社内の様子がだんだんわかってきます。

なかには、この段階で辞退する学生もいますが、入社前に合わないとわかるほうが本人とってもいいことです。

入社後3年間で、「無印生まれ、無印育ち」の社員を育てられるかどうかは、ここで決まります。

入社約3年で「店長」を任せる

無印良品では、新入社員をまず店舗のスタッフとして配属され、約3年で店長になるというのが既定路線です。

「商品の開発をしたい」「海外に行ってみたい」「広報の仕事をしてみたい」といろんな理由で入社しても、最初はみんなそのルートから始めるのです。

というのも、「現場の大変さやお客様の声を知らずに本社に入っても、なにもできない」という考えを持っているからです。

そして目的はそれだけではなく、「店長を務めさせることで、リーダーとしての視点を養ってもらおう」とも考えられています。

商品を仕入れて店頭に並べて売る、スタッフを育てる、売り上げ目標を立てて販売計画を練る、トラブルが起きたときに対処するといったすべての責任を店のトップとして負う立場を経験するのです。

たしかに社会経験が少ないので、プレッシャーもかかるし、新入社員にとっての修羅場体験となりますが、それを乗り越えさせるのです。

もちろん失敗もたくさん経験するわけですが、仕事は失敗しながら学んでいくものというのが著者の意見です。

失敗をしたときに、誰に相談すればいいかを考えるだけでも、社会人として大切な訓練となり、そうやって「何とかする力」は養われていくのです。

一見、新入社員をいきなり過酷な環境に放り出すブラックな企業に見えるかもしれません。

ですが、「最初は一スタッフから始めて徐々に環境に慣れてもらい、それから店長というキャリア」を歩んでもらう道筋こそが「無印生まれ、無印育ち」社員を生み出すということです。

若手社員育成の極意は「つかず離れず」

新入社員をいきなり過酷な環境に放り込むといっても、サポートなしでは行き詰ってしまいます。

無印良品には、入社したての新人研修とは別に、入社後の「フォロー研修」を設けているそうです。これは入社3カ月後、6か月後と、区切りのいい時期に行われる研修です。

入社して、3カ月も経てば店の大まかな仕事がわかり、周りが少しずつ見えてきます。新人たちは、周りが見えるようになって初めて浮かんできた悩みや問題を、このフォロー研修に持ち寄ります。

フォロー研修では、人事部の担当が講師となり、「そういう悩みはあるよね。あの年代の、あの先輩はああしていたよ」とある程度は教えます。

新人はそのアドバイスをやるやらないは別として、自分なりの答えを見つけて、自分の店舗に戻っていきます。

さらに6カ月経つと、別の店舗に異動する新人もいるので、そこから悩みは千差万別になります。それもみんなで議論し、自分なりの考えを述べるうちに、自分の中での課題が明確になり、どうすればいいかも見えてきます。

このようなフォロー体制を整えることで、新入社員は不安な時期を乗り越えていきます。

そのほか、日常的に上司や先輩がフォローするのも大事です。

新入社員の多くは配属先の店舗の店長に相談事を持ち掛けます。

店長は、話を聞きますが、無印流が体に染みついているので、手取り足取り教えることはしません。

作業に関する悩みなら「MUJIGRAM」をもとに指導しますし、「バイトがなかなか仕事を覚えない」といったコミュニケーションに関することは、「普段はどう教えているの?」「どうすれば覚えられるようになる?」と本人に考えさせます。

なぜなら、最初から答えを与えてしまうと、本人の考えるチャンスを奪ってしまうからです。

自分で考えるということは、考える力だけではなく、決断力、責任感など、いくつもの経験値を獲得できますし、どう行動するかという決断は、どうしても本人にゆだねるしかありません。

たしかに、教える側としては、全部教えてしまうほうが本当はラクです。教えずに部下が失敗したら自分がフォローをしなければなりません。

それでも、部下が自力で何とかできるようにするのが上司の役割です。

つまり、「つかず離れず」で部下を見守るということですが、これさえできれば、部下は早くひとり立ちできますし、そのほうが結果的に上司もラクになれます。

自分で「何とかする力」を強化するには

かわいい子には、とことん旅をさせる

一昨年にあった、ある30代の課長が、タイの事業所の社長に任命された話です。

タイ赴任決定から1カ月もかけずに海外へ単身赴任、英語もほとんど話せない状態だったといいます。

無印良品は2006年にはタイに進出し、一昨年には現地の百貨店とともに合弁会社を立ち上げることになり、そこの社長に着任してもらうためでした。

それまでは、中国で製造した商品を一度日本に送り、日本からタイに輸入するという方法でしたが、これではタイでの販売価格が日本で売るよりも高い価格になってしまい、これでは現地の人になかなか買ってもらえないという状態でした。

そこで、彼は調達コストを下げるため、中国やベトナムで製造した商品を直接タイに届けるシステムを整えたのです。

商品の3/2ほどを20%価格を下げたところ、売り上げがぐんと上がったうえに、工場から商品が届くまでの日数も大幅に短縮できたといいます。

こうした改善は、現地にに足を運び、自分で問題点を発見し対策を練らないと、なかなか実行できません。

とこのように、無印良品では、まだ事業所もない地域に、いきなり一人で行ってもらうというのはよくあるケースで、これはこれからも続きます。

海外経験のない社員であってもその対象であって、それでもそこで一人で切り開いていけるだろうという信頼感があるから送り出すのだといいます。

新入社員時代から経験した無印流の過酷な環境に送り出すという修羅場体験は、中堅社員となってもいろんな形で続くということですが、これは会社側としたら「愛のムチ」であり、「かわいい子には旅をさせろ」という言葉通りであるということです。

海外短期研修は計画づくりから「本人任せ」

無印良品は2011年から課長は全員海外研修に行かせる試みを始めました。

期間は3カ月間。どこの国に行くか、そこに行って何をするのかは本人に決めてもらうそうです。

現地で滞在する場所(ホテルに住むのか、アパートを借りるのか)というところから自分で考えます。

もちろん、研修は無印良品がすでに店舗を開いている地域を選び、今の事業に関係するような計画を立てることが多いといいます。

無印良品の海外工場視察や新しい工場を開拓するという計画を立てる社員もいれば、「パスタソースを開発したい」とイタリアに行き、3カ月間ひたすらにパスタを食べていた商品開発部の社員もいたとのことです。

計画を立てて事前に人材育成委員会に報告してもらうけど、そこでストップはかけないとのことです。

完全に自主責任主義で、お金は出しても、本部では一切口出ししないのが無印良品流・海外研修ということです。

問題から逃げない姿勢を持たせる

仕事がうまくいかないときは誰にでもあります。

そんなとき著者は、「気持ちを切り替えよう」と考えるのではなく、「正面から切り開いていくしかない」とますます覚悟を決めるそうです。

なぜなら、気持ちを切り替えたところで、その問題を解決していないなら、問題は先送りされるだけですし、多くの問題は時間が経てば経つほど悪化する恐れもあるからです。

そして妥協したとしてもそれが災いし、自己嫌悪に陥り、ずっとモヤモヤした気持ちが残ります。

そういう思いをするくらいなら、その問題と真正面から向かい合い、とことん向き合うほうがよほど健全だと考えるのです。

たとえば周りの人とうまくいっていないなら、コミュニケーションの取り方を変えるしかないです。

それを「あの上司は現場のことがわかっていない」「あの部下は人の言うことを聞かない」とグチをこぼしたところで、何の解決策にもならないし、それは問題の本質から目をそらし、逃げているだけです。

それよりは、上司に現場の状況を理解してもらえる方法を考えるか、部下に従ってもらうよう指示の出し方を変えるしかなく、そのように行動するしかありません。

そうやって正面突破すれば何かしら方法はあることに気づきますし、必ず解決します。

実際にそう覚悟すれば精神的にもラクだと著者は言います。

逃げる方法は、余計にストレスが溜まっていきます。それが世の中のビジネスマンの元気がなくなった原因の一つではないのでしょうか。

『無印良品の、人の育て方』の感想・まとめ

無印良品が目指すのは「終身雇用+実力主義」
人材育成こそが、企業の成長を進化させるを知る。

本書を読んで思うのが、無印良品は決してぬるま湯ではない企業で、それぞれの年代で必要なスキルがあるということを実感できるところにあると思います。

今後、企業は「年功序列」「終身雇用」を廃止し、実力主義であるジョブ型雇用に移行していきますが、それもケースバイケースであり、欧米型の成果主義という発想が、逆に足の引っ張り合いになる恐れだってあります。

無印良品が目指すのは、チームで業績を出すチームワークで、これは協調性を保ちながら個人の実力をきちんと評価するシステムがないと成立しません。

著者は、「辞めたくない会社づくり」の方法として、「終身雇用であっても年功序列ではない。実力を評価しても欧米型の成果主義ではない」という雇用体制を実現させています。

成果を出すのは、個の力の向上が必要ですが、それだけで成果は出せないし、個の力に頼りすぎて後進が育たないではチーム力が保てません。

永続的に栄える企業をつくるには、経営者には経営者なりの、管理職には管理職なりの、スタッフにはスタッフなりの、経営感覚を磨く必要があります。

無印良品の「あえて逆境をつくる」や「絶え間ない異動」といった人材育成法は、常に次世代リーダーを生み出す土壌づくりに大きな要素を持つと思います。

日本企業に向いた、この考え方は、誰もが参考になるし、スキルアップする場合の指針になり、厳しい社会情勢に生き残るための心構えさえも得ることができるのではないでしょうか。

企業人のみならず、フリーランスの人、新社会人に対してもおすすめできる一冊です。

ぜひ手に取ってご一読ください。

『無印良品の、人の育て方』は、現在(2023年4月9日時点)amazonの本読み放題サービス「キンドルアンリミテッド」の対象になっています。

キンドルアンリミテッドは、ビジネス書からマンガまで幅広いジャンルの本が読み放題です。ぜひこの機会にご検討ください。

『無印良品の、人の育て方』の概要

本書の目次

『無印良品の、人の育て方 “いいサラッリーマン”は、会社を滅ぼす』

はじめに 人は「修羅場」で育つ

序章 無印良品は、なぜ離職率がこれほど低いのか
1章 「絶え間のない、しなやかな異動」で人は育つ
2章 若手社員を「折れない社員」に育てる仕組み
3章 自分で「何とかする力」を強化する一つの方法
4章 「チームワーク」はつくるのではない。育てる
5章 モチベーションを引き出す「コミュニケーション」術

おわりに 理念を「引き継ぐ」ために

著者の紹介

松井忠三(まつい・ただみつ)

1949年、静岡県生まれ。

株式会社良品計画会長。

1973年、東京教育大学(現・筑波大学)体育学部卒業後、西友ストアー(現・西友)入社。

1992年良品計画へ。総務人事部長、無印良品事業部長を経て、2001年社長に就任。

赤字状態の組織を“風土”から改革し、業績のV字回復・右肩上がりの成長に向け尽力。2007年には過去最高売上高(当時)となる1620億円を達成した。

2008年より現職に就き、組織の「仕組みづくり」を継続している。

主な著書

無印良品は、仕組みが9割 仕事はシンプルにやりなさい』KADOKAWA (2013/9/10)
図解 無印良品は、仕組みが9割 仕事はシンプルにやりなさい』KADOKAWA (2015/2/27)
無印良品のPDCA』毎日新聞出版 (2017/11/21)
無印良品が、世界でも勝てる理由』KADOKAWA  (2015/11/16)
覚悟さえ決めれば、たいていのことはできる』サンマーク出版 (2015/5/15)
無印良品の教え』KADOKAWA (2021/10/8)

共著

賢人のアピール術』幻冬舎 (2013/8/16)

コウカワシン

最後までお読みいただきありがとうございます。

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この記事を書いた人

四国在住。
ミニマリスト。趣味は映画観賞と音楽鑑賞、読書、野球観戦。
映画は特に好き嫌いなくほとんどのジャンルーを観ます。音楽はジャズとクラシックが大好きです。読書は歴史書が好きでよく読みます。

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