MENU

『無印良品が、世界でも勝てる理由』から学ぶ「殻を破る」ための大事なヒント

コウカワシン

こんにちはコウカワシンです。

今回は、松井忠三(まつい・ただみつ)さんの著書『無印良品が、世界でも勝てる理由』から学ばせていただきます。

スポンサーリンク
目次

『無印良品が、世界でも勝てる理由』は、どんな本?

『無印良品が、世界でも勝てる理由』は、ズバリ!「何ごとにおいても勝ちパターンをつくるための考え方」を学ぶ本です。

本書はこのような本

「無印良品」「MUJI」を知らない人は、あまりいないでしょう。

2022年8月期末では、国内532店舗、海外604店舗を展開しています。

そのように順調に海外展開する陰には、数多くの失敗もあったと無印良品を運営する良品計画の会長、松井忠三(まつい・ただみつ)さんは言います。

本書は、「海外展開に失敗する企業が相次ぐなか、無印良品はどうして勝ち続けているのか」が、テーマです。

同社が直面した過去の海外進出失敗の経緯も振り返りながら、その理由を「仕組み」「商品コンセプト」「戦略」「人材」などの切り口から解き明かした一冊です。

海外進出は、最初からすんなり成功するケースはほとんどありません。失敗しながらもトライ&エラーを繰り返し、そこから勝ちパターンを見つけていくしかないのです。

そういった取り組みは、企業にも、一個人にも参考になる部分が多いと思います。

企業なら「日本国内」、個人なら「いまの自分に置かれた状況」に留まる意識といったものを打破するという、いわば「殻を破る」ために必要な考え方を得ることができます。

本書がおすすめな人

『無印良品が、世界でも勝てる理由』がおすすめな人

  • 経営者
  • 海外勤務に対しネガティブなイメージを持っている人
  • 新社会人
  • 就活生

『無印良品が、世界でも勝てる理由』の要点は?

少子高齢化が進む日本。

こういった状況下においては、「世界で戦う」、「海外に展開する」といった意識を持たない企業はだんだんと先細りしていきます。

そして最終的には、日本国内においても居場所がない状態になります。

つまり、「世界で勝てない企業は、日本国内でも生き残れない」ということなのです。

でも、海外で勝つというのは簡単なことではありません。

では「どうすれば、海外で勝つことができるか?」ということになりますが、はっきりした答えはありません。

でも、先人の知恵に学ぶことはできます。

本書は、海外でトライ&エラーを繰り返し、失敗を重ね、そこから勝ちパターンを見つけ出した企業「無印良品」の海外展開から、どの日本企業にも実践できる多くのヒントを得ることができます。

コウカワシン

それでは本書から、わたしの独断と偏見で、「無印良品」が、行ってきた海外で勝つためのコツを少しだけ紹介したいと思います。

この記事から、「この本いいなあ~」と思っていただけたなら、ぜひ本書を手に取って読んでみてください。

決して最初から「海外への急拡大」を目指さない

無印良品が海外に進出してから二十数年が過ぎました。その間、25の国や地域に進出し、300以上の店舗を出店しました。

海外のMUJIに対して、よく引き合いに出されるのがユニクロで、ユニクロは2015年8月の段階で15カ国に進出し798店舗。2001年からの海外進出から、わずか14年間でMUJIの倍以上の店舗をつくっています。

こうやって比べてみると、「MUJIは海外でうまくいっていない」という感想を持つ人が多いでしょうけど、著者を含め無印良品の社員は、「これでいい」と考えているそうです。

なぜなら、「一店舗ずつ黒字にし、投資した分のお金を回収してから新たな店をつくる」という考え方のもと、堅実かつ着実に店を増やしているからです。

これは、、赤字になって撤退してしまう“負けパターン”を減らすためでもあります。

日本のコンビニチェーンや100円ショップも、フランチャイズ方式を採用して、ハイペースで出店してきましたが、それが、現地パートナーとのトラブルや目が行き届かなくなったり、その企業独自のカラーや運営法が成り立たなくなることが起きました。

結果、現地パートナーとの提携を解消し、その市場から撤退し、赤字も膨らむということになります。

そして、MUJIが急激な拡大を目指さないのは、市場の独占を目指しているわけではないからです。

その背景には、その商品づくりから「店舗が少なくとも、各地にコアなファンがいる」という無印良品ならではの理由があります。

ユニクロのようなアパレル業界では、独自性を出すのは難しく、H&MやGAPなどの競合する店があり、たえずシェアを競っています。

しかし、MUJIの場合は、「MUJIでしか買えないものばかり」という評価から、その国で愛される店づくりに成功しているのです。

つまり、その商品に独自性があり、それが個性となって、海外で通用するためには、ブランドとしての個性をどう打ち出すかがカギだということにいちはやく気づいているのです。

このように、海外事業が軌道に乗っているMUJIも、勝ちパターンを得るためには、負けパターンもある程度見つけることになりました。

その負けパターンの結果が海外進出して二十数年のうちの11年にも及ぶ赤字計上でした。

でもそれは、無印商品にだけに限ったことではないのです。

海外に出るかどうかで悩むヒマはない

海外で最初から日本と同じような成功ビジネスモデルは、まず築けません。

たとえば、「しまむら」は、1999年から海外進出しました。

しかし、海外進出する際に日本と同じように郊外に土地を借りて店を建てても、商品も日本よりは割高になるし、物流も日本のようにはコストが抑えられず、日本のビジネスが通用しなかったといいます。

したがって、13年間も赤字続きだったそうです。

家賃が高い都市部に出店したとたんに赤字、郊外では家賃が安くとも売り上げがついていかないので、やはり赤字になり、今は苦労しながら、黒字にする道を模索しているといいます。

それでも、「海外に進出するしかない」のだと言います。

それはなぜかというと、「しまむらは海外で通用しない」とあきらめてしまったら、永遠に海外には出られず、縮小する日本のマーケットの中で戦うしかないからです。

ですので、苦戦しながらでも海外での戦い方を今まさに学習中であり、それで失敗した事例を教材としているのです。

これからの時代は、世界で成功しない企業は日本でも生き残れないと著者は言います。

ですので、「海外に進出するかどうか」で悩んでいる場合ではなく、「どこにどのように進出するか」を悩む段階ともいいます。

海外進出に関しては、トライ&エラーの連続で、実際にやってみて失敗しながら勝ちパターンを見つけるしかありません。

無印良品にしても、まだ勝ちパターンが見えない地域もあり、失敗するケースもあるけど、それでもやるしか生き残る道はないと断言します。

たしかにビジネスでは、失敗やリスクはなるべく避けるべきです。

でも石橋をたたいて渡っていくような悠長な時間はなく、一刻も早く海外展開を始めるべきだといいます。そして肝心なのが、「成功するまでやりきること」です。

著者は、「苦戦しても突破口は見つかる」と言います。

その突破口はトライ&エラーが多いほど、早く見つけられるとも言います。

ですので、海外進出を恐れずにチャレンジしてほしいとされています。

海外で勝つための7つの方法

国境を越えたMUJIが支持され、愛される理由は、ブランドコンセプトに多くの人が共感し、店に訪れるからというのは、まぎれもない事実です。

でもこれだけではなく、企業として、勝つための戦略、戦術を立てなくては、世界で勝ち続けることはできません。

ここで紹介する「海外で勝つための7つの方法」は、無印良品が海外で“失敗”から学び、“成功”に転じた方法の一端だということです。

方法1 オリジナリティを持つ

まず考えるべきは、「競合相手がいない分野」はどこかです。

つまり、オリジナリティがないと海外で勝てないということですが、オリジナリティは「不必要な競争」をなくしてくれます。

たとえば、お掃除ロボットのルンバがあのように大ヒットし、定着したのは、発売当初、あのように自動で掃除してくれる家庭用ロボットという商品が他にはなかったからです。

今では、家電メーカー各社が、高性能で住宅事情に合ったお掃除ロボットを開発していますが、販売されるときには、どの製品も「ルンバみたいな」という前置きがついてしまいます。

それだけオリジナルの力は絶大だということです。

商品やサービスそのものの魅力はもちろん大切ですが、それ以上に「他にはない」ということが価値になります。しかし、勘違いしないでほしいのが、特許を取れるようなとか、画期的な新しい商品を開発するとかです。

そんなことをしなくてもオリジナリティを出すことは可能だということです。

方法2 郷に入っては郷に従え

著者は、「世界にグローバルマーケットはない。あるのはローカルマーケットだけだ」と言い続けてきたそうです。

つまり、「海外進出はグローバルな視点で」とか、「グローバルなマーケットに向けて情報を発信する」といった大げさなスローガンは不要だというのです。

結局のところ、グローバル企業になるということは、その土地ごとに合わせたビジネスができるかどうかなのです。

たとえば、フランスの大手スーパー・カルフールは、自分たちのビジネススタイルを日本のマーケットにマッチさせることができず、撤退しました。

これは、海外でビジネスをするときは、その国の人たちに受け入れられるようなビジネスにしない限り、成功できないというモデルケースの一つとなりました。

成功例としては、缶コーヒー「ジョージア」や、緑茶飲料「綾鷹」などの日本初の商品を生み出しているコカ・コーラや、「抹茶クリーム・フラペチーノ」「ほうじ茶ティーラテ」など日本オリジナル商品をそろえるスターバックスなどがあげられます。

アメリカの商品をそのまま持ってきても通用しないので、日本人に合う商品を開発しているのです。

MUJIとしては、海外だけで売るためだけの商品はないものの、人事・労務関係は国によって違うので、その国ごとに合わせた対応にされているそうです。

その他には、商品の配達方法や返金、商品の交換の流れなどもその国ごとに変わるとのことです。

つまり、柔軟に対応していくのが、本当のグローバル化で、日本で売っている商品をそのまま海外で売ることだけがグローバル化ではないというのが著者の主張です。

方法3 グローバル化の三条件を確立させる

海外でビジネスを成功させるには、次の三つの条件を確立させることが必要だといいます。

  • ブランド
  • ビジネスモデル
  • オペレーション力(実行力)

「ブランド」とは「信用」とほぼイコールです。

ブランドという点では、シャネルやグッチなどの高級ブランドも無印良品(MUJI)も同じです。ブランドが認められているからこそ、お客様がその商品を手に取るのです。

海外で成功するためには、ブランドの名前を広め、その国の人たちの間に浸透させなければいけません。

そのためにもまずは海外展開する前に日本国内でブランド力をつけておくことが大前提です。

海外で通用するビジネスモデルの一つに「ハイリターン」なビジネス構造があります。

いきなりハイリターンなんて無茶だというかもしれませんが、その可能性がないビジネスを海外で展開するのは難しいです。

というのも、海外では想像以上にコストがかかります。どこの国も日本以上に家賃が高いし、経済成長が目覚ましい国では、年々家賃が上がります。

物流コスト、人件費もネックになるかもしれませんが、それをも上回る利益を上げられないと海外では生き残れません。

シャネルやグッチ、ルイ・ヴィトンなどの高級ブランドは、高貴なニーズに対応するクオリティをしっかり守り、自社工場で一つひとつ丁寧につくるという昔ながらのスタイルを今でも続けています。

需要は山のようにあるのに、供給のほうが極端に少ない・・・にもかかわらず、けっして需要に応じて大量生産することはありません。そして正価販売以外はやらないのです。

無印良品のビジネスモデルは、SPA(製造小売業)と呼ばれるもので、文字通り「自分たちで製造して自分たちで売る」という業態です。

SPAの強みは、販売を通して顧客のニーズを直接聞き、商品に反映させられるところです。また、メーカーに発注するのと比べると、粗利が高いという利点もあります。

しかし、無印良品はすべてオリジナル商品ですから、商品開発がうまくいかなくなると在庫の山ができてしまうという欠点があります。

でもその点では、ハイリスクでハイリターンなビジネスモデルでもあり海外向けともいえます。

オペレーション力(実行力)は、商品の販売やサービスを提供する現場での遂行力です。日本でつくりあげたビジネスを海外に持っていくときに、現地のニーズや商習慣に合わせていく現場の力を指します。

海外ではさまざまな契約の仕方や法律による規制の違いに戸惑うこともあれば、現地の業者にだまされたり、予定通りに出店の準備が進まなかったりする場合もあります。

現場スタッフの仕事ぶりも日本とは違うでしょうし、商品の管理力も日本とは違います。

そういったタフな状況でも、それぞれの国に合わせてビジネスを展開していく能力がないと、海外で勝つことはできません。

方法4 コストはいつも重要視

海外で展開するからといって「採算度外視」は、失敗の元です。

海外が赤字でも国内の黒字で補えば問題ないという考え方もありますが、毎月大幅な赤字が出る店は、いずれ会社全体の経営を圧迫することになります。

赤字の回収ができない店舗は、早々に撤退することも考えておくべきでしょう。

コストを考える上で重視するべきは家賃ですが、売り上げやブランド力向上の兼ね合いも大事です。

海外でブランド力を確立するためには、まず、それぞれの国の首都、または主要都市に進出することが必須条件です。

たとえば、イギリスはロンドン、中国は北京、上海、フランスならパリ、アメリカならニューヨーク、ロサンゼルスなどの都市がターゲットになります。

そのような首都や主要都市の中でも、一等地といわれるような比較的いい場所に出て行って注目を集めなければ、誰でも知っているブランドとして認知してもらえません。

ドトールコーヒーは、銀座四丁目交差点という、日本で一番地価の高い場所に出店していますし、「ル カフェ ドトール」という名称で、ドトールの中でも高級店の位置づけになっています。

たしかにそれで採算がとれるかどうかはわからないにしても、日本においての一等地に出店するのはリスクがありこそすれ影響もある程度予測できるので、まだ安心ですし、ブランド認知の効果は計り知れません。

一方で、海外の場合は、土地の相場やリスクが読みづらい恐れもあり危険です。

国によっては内乱や大規模な暴動が起きることもありますし、数年前にタイで起こったような自然災害も起こります。

ですので、そういった海外事情を熟知し予期せぬ事態に備えることも忘れてはいけないのです。

方法5 失敗しない仕組みをつくる

著者は、「ビジネスに偶然はない」と言います。

とくに海外へ進出するときは、偶然のラッキーに頼っていては、継続して成功させることは難しいとも付け加えます。

手当たり次第に出店して、黒字なら残す、赤字なら撤退する、という考え方はありますが、経営的には不安定になり、赤字を出しても持ちこたえられるだけの体力のある企業はそうはありません。

たしかに失敗の中から、何らかの勝ちパターンを見つけて、少しずつでも成功の確率を上げなければいけませんが、その失敗の経験を次に活かすためには、その仕組みづくりをつくることが大事だと著者は説きます。

そしてそれは、一人の優秀な社員だけがノウハウを抱え込むのではなく、企業として蓄積して、誰がやっても同じようにできる仕組みをつくることが重要なのです。

個人の経験を会社の仕組みに置き換えることで、成功の確率を高くできるということです。

方法6 国別の浸透度に出店ペースを合わせる

海外に進出したときに、どのくらいのスピードでその国のマーケットに浸透するかは、それぞれの国の状況によって違います。

ブランドが浸透するまでの間は、店を開いても現地のお客様に足を運んでもらえない状況が続き、それはMUJIでも例外ではなかったそうです。

ユニクロのように、旗艦店をバシッと設け、宣伝にもお金をかけてマーケットへのスピードを上げる戦略もあれば、MUJIのように少しずつお店を増やし、お客様に商品を手に取ってもらってファンを増やすことでブランドを浸透させる戦略もあります。

明暗を分けたのが、欧米への出店で、ユニクロは一度ロンドンから撤退しています。そのうえアメリカでも、なかなか黒字化はできていないそうです。

日本ブランドを欧米市場に浸透させるのは、それだけ難しいということです。

とくにヨーロッパは基本的に貴族の文化で、人々はみな保守的ですから、アジアから進出してきたブランドを受け入れることには抵抗があるのです。

ですので、MUJIの商品も「上流階級の人には受け入れられない、一般の人には値段の高さから手が出ない」という状況に陥りました。

つまり、ブランドが浸透するには時間がかかるということです。

そのことから、少しずつ様子を見ながら出店するようにしていると著者は言います。

逆にアジア市場は“攻めやすい”といいます。

アジアの人にとって、日本の製品・サービスはあこがれの的ですから、ブランド自体が認知されるのも速く、ヨーロッパとは「鈍行」と「超特急」くらいな差があります。

そして、経済は成長しているアジアでは、お金を持っている世代が多いのが、圧倒的に若い人です。

アジアの若い人は、購買意欲が旺盛で、SNS発信力も高いため、その国での浸透も自然と速くなります。

一方で、成長のスピードが速い分、日本のバブルのように崩壊する恐れもあります。

ですので、もしものときのことを考え、常に変化に対応しておかなくてはいけません。

ということで、海外進出の基本として、最初の出店で様子を見て、それから次の出店計画を立てると、やみくもではない、成功率の高い出店パターンがつくれるでしょう。

方法7 海外に向いている社員の選び方

「海外進出の成否は、現地に誰を送るかによって相当に左右される」と、著者は言います。

よく「海外へ飛ばされた」という、海外勤務を希望していないのに上司と折り合いがうまくいかなくて海外勤務を命じられたという話がありますが、そんな事情で行かされても現地でうまくいくはずはありません。

会社にしてみれば、海外に人を送るのにコストがかかるので、意欲のない人を送ったりしていたら、多大な損失を発生させる原因になる可能性だってあります。

やはり大前提として、「海外勤務を希望している人」を派遣すべきでしょう。

しかし、最近では海外勤務を望んでいない人も増えているそうです。

そこで、海外に興味を持ってもらうために考えられるのが、「実際に体験してもらう」ということです。

たとえば、日立グループでは、毎年若手社員1000名ほどを海外に派遣しているといいます。滞在期間は1~3カ月で、語学研修をする場合もあれば、現地工場で現地の人に交じって働くケースもあります。

海外に出てみれば、カルチャーショックを受けることが多くあり、そういった体験で、「貧しい国の人々の役に立つ仕事をしたい」という人もいれば、「海外はコリゴリだ」という人もいます。いずれにしても、それぞれの適性がわかります。

ですので、いきなり海外勤務を命じるのではなく、ワンクッションを入れることで、企業側にとっても社員側にとっても、海外に向いているかどうかを適切に判断する機会が生まれるということです。

無印良品では、課長を全員、海外研修に行かせるそうです。

期間は3カ月で、どこの国に行って、何をするかは、本人が決め、研修期間中は本社はほとんど口出しをしません。

逆に、どんな問題も、「自分の力で何とかするしかない」状況にします。

この「自分で何とかする力」は、海外でやっていくために一番重要な力であり、そのような体験をさせることで、海外に向いている人を見極めることができるのです。

商品開発は「つくる」より「探す」

たとえば、ワイングラスって、さまざまな種類があります。

赤ワイン用、白ワイン用、シャンパン用だけではなく、ボルドーのワイン用、ブルゴーニュのワイン用、シャルドネ・・・というように用途によって使い分けるという細分化がなされているのです。

ですが、無印良品には、昔からあるような、本当にシンプルなグラスしかありません。

そのようなグラスが、海外では花瓶代わりに使われていたり、アクセサリー入れに使われていたり、口紅やメイク用の筆を入れてあったりと、ユニークな使われ方をしています。

つまり、無印良品では、世の中の多様化・細分化の流れとは真逆ではあるけど、あらゆるニーズを大きく包含するようなデザインの商品を世に出しているということです。

食品では、「干し椎茸」というと、昔は形のしっかりしたものを売っていましたが、ほとんどの家庭は干し椎茸を出汁をつくるために使っていることから割れたものや不揃いなものを「われ椎茸」と名づけ、通常の三割ほど安く売りだしました。

パッケージに「大きさはいろいろ、われもありますが、風味は変わりません」と、安くなっている理由を書いたことも効果があり大ヒットになりました。

このように、ものを「つくる」というよりは、「探す」「見つけ出す」という考え方で、大ヒットになるような商品を生み出してきました。

その考え方は、鍋やフライパンの調理器具、メモ帳やノートという日常的に使われる商品づくりにも浸透するだけにとどまらず、「探す」という姿勢は世界のいいものを無印流にアレンジする流れも生み出しました。

日本で売れる商品は「定番になる」

著者は、基本的に「日本で売れる商品は、世界のどこに持って行っても売れる」と考えています。

売れる商品は、真似されます。たとえば、PP(ポリプロピレン)ボックスは世界中で売れ筋となっていて、海外の他のメーカーでも類似商品があります。

しかし、無印良品のPPボックスは空気の圧力で引き出しがすんなり閉まらないくらい密閉度が高く、それでいてピタッと積み重ねられるほどに精巧につくられています。

これが海外の一般的な製品だと、引き出しがガタついてなかなか入らなかったり、積み重ねるとグラついたりします。

つまり、海外ですでにある製品でも、クオリティが高く、それに見合った価格であるなら、十分に勝負できるのです。

これは、無印商品に限らず、ヨーロッパなどで、コニカミノルタやキャノンのオフィス用コピー機の人気が高く、それに追随する海外メーカーがないのも、これに似た理由だということです。

一方で、車や家電がヨーロッパで売れないのは、ヨーロッパという土地柄に応じた製品ではないからだとも著者は言います。

頑丈で壊れにくく、重厚な製品を好むヨーロッパでは、多機能で便利と思わせる日本製品に対して冷ややかな視線を送ります。

これは日本とヨーロッパの文化の違いで、文化の違いによって受け入れられるものとそうでないものは変わってきます。

しかし、根本的な「完成度が高い」がないと、世界基準にはなりません。

そういった意味で、高い品質と優れたデザインで、時と人々からの評価を潜り抜けて残ったものが、本当の良品なのだということです。

『無印良品が、世界でも勝てる理由』の感想・まとめ

「企業」も「個人」も基本的な考え方は同じ。
トライ&エラーを繰り返し、勝ちパターンを見つけよう。

そのためには、リスクを小さく取りながら、経験値を積み、日常から「探す」「見つける」を繰り返すことが大事。

本書を読んでの感想は、「企業」も「個人」も考え方は同じだということです。

「海外に進出」するということは、企業にとって高いリターンを狙えるチャンスでもあると同時にリスクもはらむという、いわばトレードオフの関係です。

そこで必要になるのが、オリジナリティ(独自性)だと思うのです。

たしかに多くの人に「支持されてなんぼ」の世界ですし、いくらオリジナリティを出そうとしても人気が出れば真似されます。

しかし、常にクオリティの高いものを提供すれば、必ず根強いファンは獲得できるでしょう。

これと同じように、「個人」にいたっても、オリジナリティは必要で、オンリーワンの特技・個性を持ち、「この人にお願いしたい」という信用を得ることができれば、その人の価値が光り輝くでしょう。

そのためにも、トライ&エラーを繰り返し、経験値を蓄積させていくことが大事ですね。

しかし、取り返しがつかないなんてことがあると、なかなかダメージを取り返せないものです。

だから、小さくチャレンジして、様子を見て、検討を重ね、補正して、またチャレンジするという、リスクをなるべく小さくなるような経験値を積み重ねていくことが重要だと思います。

それから、何でも一からつくり出すことは困難です。

新開発・新発明といえども、それは、これまで経験したものから、派生するものだということを心得ておけば、自然と勝ちパターンも探し出せるでしょうね。

ということで、企業内における「個」の力を高めるためにも有益な一冊だと感じました。

会社員にとどまらず、経営者、そして、これから社会に巣立つ新社会人、そして就活生にも読んでいただきたいですね。

『無印良品が、世界でも勝てる理由』は、現在(2023年4月5日時点)amazonの本読み放題サービス「キンドルアンリミテッド」の対象になっています。

キンドルアンリミテッドは、ビジネス書からマンガまで幅広いジャンルの本が読み放題です。ぜひこの機会にご検討ください。

『無印良品が、世界でも勝てる理由』の概要

本書の目次

『無印良品が、世界でも勝てる理由』

はじめに 世界で勝てない企業は、日本国内でも生き残れない

序章 MUJIは世界でどれぐらい愛されている?
1章 成功するまで、やり抜く~「早く」進出する、そして「確実」に進出する
2章 「巡航速度」でビジネスを広げよう~海外で勝つ!7つの方法
3章 「日本の良さ」を武器にできるか~「コンセプト」はやっぱり大事
4章 海外では「商品の愛され方」が違う~商品開発は「つくる」より「探す」
5章 「MUJIイムズ」に国境はない~ブランド哲学を浸透させるには
6章 「国ごとの常識」を見つけられる人~「世界で活躍する人」の心得

特別インタビュー 「海外で勝ち続けるMUJI」の立役者、良品計画社長・松井曉さんに聞く

著者の紹介

松井忠三(まつい・ただみつ)

1949年、静岡県生まれ。

株式会社良品計画会長。

1973年、東京教育大学(現・筑波大学)体育学部卒業後、西友ストアー(現・西友)入社。

1992年良品計画へ。総務人事部長、無印良品事業部長を経て、2001年社長に就任。

赤字状態の組織を“風土”から改革し、業績のV字回復・右肩上がりの成長に向け尽力。2007年には過去最高売上高(当時)となる1620億円を達成した。

2008年より現職に就き、組織の「仕組みづくり」を継続している。

主な著書

無印良品は、仕組みが9割 仕事はシンプルにやりなさい』KADOKAWA (2013/9/10)
図解 無印良品は、仕組みが9割 仕事はシンプルにやりなさい』KADOKAWA (2015/2/27)
無印良品のPDCA』毎日新聞出版 (2017/11/21)
無印良品の、人の育て方』KADOKAWA (2014/7/10)
覚悟さえ決めれば、たいていのことはできる』サンマーク出版 (2015/5/15)
無印良品の教え』KADOKAWA (2021/10/8)

共著

賢人のアピール術』幻冬舎 (2013/8/16)

コウカワシン

最後までお読みいただきありがとうございます。

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

四国在住。
ミニマリスト。趣味は映画観賞と音楽鑑賞、読書、野球観戦。
映画は特に好き嫌いなくほとんどのジャンルーを観ます。音楽はジャズとクラシックが大好きです。読書は歴史書が好きでよく読みます。

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次