
こんにちはコウカワシンです。
今回は、齋藤兼司(さいとう・けんじ)さんの著書『留学しないで英語の頭をつくる方法』から学ばせていただきます。
『留学しないで英語の頭をつくる方法』は、どんな本?
『留学しないで英語の頭をつくる方法』は、ズバリ!「英語をマスターするための根本的な考え方」を学ぶ本です。
本書は、このような本
わたしたちは、中学、高校、さらに大学で、約10年もの間、英語を学んできました。
でもほとんどの人は、英語をマスターできずにいます。
それは、学校で習う英語が「翻訳英語」であり、その翻訳英語の呪縛から解き放たれていないからです。
翻訳英語ってどういうものかというと、英語を日本語に訳して理解するというものです。
でもそれでは、英語を訳さずにそのまま理解する「英語の頭」が育たないと、本書の著者、齋藤兼司(さいとう・けんじ)さんは、言います。
英語を母語(幼時に自然に習得する言語)とするネイティブたちは、英語を訳さず「英語を英語のまま」理解しているのです。
ですので、本書は「英語を日本語に訳す」という考え方を一度破棄する必要があることを知る本です。
そのうえで、正しい英語学習をするための方法も掲載されています。
どうしても英語が身につかない人にとっての必須の一冊です。
本書がおすすめな人
『留学しないで英語の頭をつくる方法』がおすすめな人
- 英語が好きだけど、どうしてもマスターできずに困っている人
- 英語の歌や映画を訳したり字幕なしで楽しみたい人
- ネイティブと対等に話ができるようになりたい人
- 学生さん




『留学しないで英語の頭をつくる方法』の要点は?
これまでの学校教育で習った「翻訳英語」では、決してネイティブと同レベルで話せるようにはなりません。
なぜなら、彼らに比べて英語に接する絶対時間が明らかに少ないからです。
わたしたちは、世界的にみて習得が難しい「日本語」を訳さず理解することができます。
というのも、わたしたちの母語が「日本語」であり、赤ちゃんの頃から親が日本語で語りかけ、その言葉を浴びるように聞き、それが蓄積され、理解できるようになったからです。
それは英語を母語にするネイティブたちも同じです。
だいたいですが、母語を習得するのに9000時間は必要だそうです。
ですので、たかだか1週間に何時間かの英語学習でそれをやるのはなかなかに困難であるのは、明らかです。
ですが、やりようによっては、時間が少ないにもかかわらず、ネイティブとすんなり会話ができるレベルにまで達する方法があります。
それは本書が示す「英語を訳さず理解する学習法」です。



それでは本書から、わたしの独断と偏見で、「英語を訳さず理解する」ための「英語の頭」をつくるための考え方と、その基礎となるリスニング力をつけるための学習法の初歩を紹介したいと思います。
この記事から、「この本いいなあ」と感じていただけたなら、ぜひ本書を手に取って読んでみることをおすすめします。
英語が聞けない、読めない、書けない、話せないのは、努力が足りないからではない
わたしたちは、学校の授業でほぼ10年ほど英語を習っています。
でも、英文の手紙すら満足に書けず、駅で外国人に話しかけられただけで、しどろもどろになってしまう人がほとんどです。
学校の授業だけでは英語が使えるようにならないと感じた人は、英会話教室に通ったり、さまざまなテキストで表現や語彙を増やしたりしますが、いくらその様な努力をしても、ほとんどの場合、ネガティブと対等に会話ができるようにはなりません。
なぜなら、英語をコミュニケーションの道具として考えた場合、多くの人が「重要な事実」を見落としたまま、学習を進めているからです。
それは、「相手の言っていること」がわからないと言葉を返せないということです。
ではなぜ、このようなことになってしまったかというと、学校で学ぶ「文法中心の勉強法」では、本物の英語力が身に付かないということだからです。
つまり、ほとんどの人の英語力が成長しないのは、それぞれの努力やセンスが足りないからではなく、「英語の頭をつくる」という最も初歩的なことが欠けているからだと著者は主張するのです。
「日本語の頭」の外側に「英語の頭」をつくろう
日本語と英語を混ぜると身につかない
では、どうすれば英語が理解できるようになるかというと、「日本語の頭」の外側に「英語の頭」をつくらなければいけません。
わたしたちは普段、当たり前のように日本語で考え、生活できているのは、日本語の頭を持っているからです。
その日本語の頭のままで英語を詰め込むと、日本語脳の中に英語がパラパラと存在するおかしな脳をつくり上げてしまいます。
ですので、日本語の頭の外側に英語の頭をつくることが大切なのです。
英語学習は、日本語を締め出すことから始まる
解剖学者の養老孟司(ようろう・たけし)さんもあるインタビューで、「英語学習をしようというときのコツは、英語で考えることだ」とコメントされています。
つまり、英語の頭をつくるコツは日本語を締め出すべきなのです。
著者は、この2年間、毎週日曜日、神奈川県座間市の米軍基地内にあるチャペルで、ネイティブ相手に聖書(バイブル)を教えているそうです。
米軍基地のアメリカ人相手ですから、当然授業は英語で行います。そのための講義資料も英語で作成するのですが、その作業のあいだ、頭に中には英語しか存在せず、日本語を完全に締め出しているといいます。
実際のクラスは1時間程度のレクチャー形式ですが、質疑応答を含め、英語で話し続けている状況なので日本語をはさむ余地などないといいます。
このときの著者の脳は、「日本語の頭」から「英語の頭」へとスイッチを切り替え、英語のみで思考し、話をするのです。


「英文法の呪縛」から自由になる
中学・高校の授業では、ほとんどの時間が文法知識の習得に使われます。
「be動詞」「三人称単数現在形」といったら思い出す人が多いでしょう。授業はこれだけにとどまらず、「時間」「冠詞」「完了形」「仮定法」と、覚えることがどんどん増え、「英語は難しくてつまらない」と感じるようになるのです。
では、わたしたちが日本語を習得してきた過程で、「文法知識を覚えたこと」があったでしょうか?
たしかに小学校で「主語」や「述語」「品詞」や「動詞の活用」を学んだことはあったでしょうけど、親から言葉を教えてもらった時点では、「使われる言葉の蓄積」から、身につけていったはずです。
それなのに「英語の習得にまず英文法」という考え方は、自転車に乗る練習をする前に「運動力学」や「自転車の部品」について勉強するくらいおかしなことだと著者は言います。
「文法知識」はムダというだけではなく、英語習得の足を引っ張ってしまう有害なものとまで著者は言います。というのも、文法知識を詰め込んだために、いざ英語を使おうと思ったときに、その文法を使って文章を組み立ててしまうからです。
これでは、自転車をこぎ出す前にブレーキをかけてしまい、うまく運転ができないのと同じです。
このやり方しか知らない人は、英語を使うときに、頭の中で考えた「日本語の文」を英訳してしまいます。でもそれは、「中身が日本語の不思議な英語」なのです。
ですから、正しく英語を学ぶときは、この「文法知識を入れる」という勉強法を捨てないといけません。
でもそれは「文法はデタラメでいい」というわけではありません。文法知識を詰め込むのではなく、「真の文法力」を身につけるのが正しいのです。
「真の文法力」とは、「感覚的に間違いに気づく力」と「意識しなくても正しい言葉を選択できる力」のことです。
そのために大事なことが、「正しい英語を丸ごと覚えてそのまま使う」ということです。
たとえば、朝の挨拶に使われる「Good morning!」を丸ごと覚えてそのまま使うのです。別れの挨拶「See you later.」というのもそのまま使います。
決して「You see later.」でもなければ、「See later you.」でもありません。正しい英語を丸ごと覚えてそのまま使えば、文法的に間違えるリスクはなくなります。
「英語の頭」は3カ月でつくれる
でも、「英語の頭なんて、すぐにはできないでしょ?」と思いますよね。
しかし著者は、「正しいやり方をすれば、英語の頭は3カ月でつくれる」と言います。そのために、今までやってきた英語の学習法をいったん捨てる必要があります。
今まで慣れ親しんできた学習法を捨て、一から「英語の頭」をつくることは一見遠回りのように思えますが、「英語の頭」のペースをつくる訓練は3カ月程度でできるほど簡単なのだそうです。
その際に大切なことが、「英語学習から日本語を締め出す」ことです。
母語である日本語の外に「英語の頭」という器をつくらなければならないので、日本語と混ぜてしまうことは厳禁です。
日本語を締め出すのですから、英和・和英辞書は使わないようにします。
では、「単語の意味が分からないじゃないか」と思うでしょう。そんなときは、英英辞書を使います。英英辞書は、英語を英語で説明していますから、その英語の説明を理解しているうちに、ネイティブの感覚がわかるようになります。
たとえば、学校では「see」「look」「watch」をすべて「見る」と覚えてきました。
しかし、これらの単語には明確な感覚の違いがあります。英英辞書では次のような表現の定義を示しています。それを比べてみてください。


日本語でどれも「見る」ですが、英英辞書でそれぞれを調べると、ネイティブの感覚、ニュアンスの違いが明確になりますよね。それから「英語の意味」を英語で覚えていくので、英語の蓄積量が飛躍的に増えていきます。
しかし、英語を訳さずに理解する「英語の頭」ができたからといって、それで終わりではありません。
あくまでも器ができた状態です。これは、「英語力を伸ばす準備が整った」に過ぎず、その器にできた英語力を収納する棚に、「正しい英語」をしまっていく必要があるのです。


それでは、実際に英語を学習していくうえで、大事なリスニング力を身につけるために、大事なことを見ていきます。
わたしたちは英語を聞く絶対量が圧倒的に足りない
わたしたち日本人は、英語を「雑音」と処理している
わたしたちの耳の中には、日常的に多くの音が入ってきています。
たとえば、「時計の針の音」「近所の子どもの声」「車の通る音」「木々が風に揺れる音」というようにたくさんの音が耳に入ってきます。
それらをわたしたちは1つずつ認識し、「これは〇〇の音だな」と処理していたら、非常に疲れてしまいます。
それを避けるために、脳は自分に必要のない音を雑音として素通りさせます。
これを踏まえて言うと、わたしたちが英語のリスニングをするときに、英語がなかなか聞き取れないのは、わたしたちの脳が英語を雑音として処理しているからなのです。
日本語が母語である人にとって、日本語は「意味のある言葉」として聞こえてきますが、英語が聞こえてくることはほとんどありません。
自然と自分に関係ない音だと脳が判断しているということです。
ですので、「雑音」として処理されていた英語を「意味のある言葉」として認識させることができれば、英語も日本語と同じように聞き分けられるようになります。
リスニングは「3つの処理」が必要
「英語を聞ける」ようにするには、3つの処理をする必要があります。
- 英語の音を拾う能力
- 拾った音を英語として認識する能力
- 認識した英語をイメージで理解する能力
わたしたちが母語を理解するとき、この3つの能力が脳内で無意識に使われているのです。
ひとつ例をあげますと、「Let’s call it day.」という言葉は、「今日(の仕事)はこれくらいにしよう」ということになりますが、上記の3つのプロセスを通すとこのようになります。
- あたまの中に「レッツコーリタデイ」という音が残る
- その「レッツコーリタデイ」」という音が“Let’s call it day.”という英文だと認識される
- 「仕事をしている手を止め、片づけをはじめるイメージ」が頭の中に浮かび上がる
このようにできれば、英文を「聞きながら理解する」ことができます。
ですが、このようなシチュエーションはなかなかないものです。
DVDなどで英語字幕をつけて映画を観ると、表示される英文が意外と簡単であるのに、字幕がないとなかなか聞き取れないのは、脳が英語を雑音処理して「英語の音を拾う」という基本ができていないからです。
また、音が個別に拾えたとしても、「拾った音の正しい英語認識」と「英文イメージの理解」が十分でないと、相手の意図することを聞き取って理解するのは難しいです。
しかし、瞬時にこの3つの処理を行うには、鍛錬が必要です。
3つの能力は個別に鍛えよう
リスニング能力向上のためには、3つの能力をまとめてではなく、個別に、しかも段階的に鍛えていくのが効果的です。
たとえば赤ちゃんはまず、親から母語の「音のシャワー」を浴びます。親からのいろいろな「語りかけ」を通して、次第にいくつかの「音」が頭の中に蓄積されていきます。
次に繰り返して使われるそれらの「音」を、まとまりのある「単語」として認識し、最後にそれらの言葉が使われる場面を結びつけて、認識した単語を「イメージ」で理解します。
3つの能力に当てはめるとこんな感じです。
- 親からの「マンマですよ」という音が頭に残る
- 「マンマ」という単語として認識する
- 「マンマ」がご飯だとイメージで理解する
このように、段階的に理解できるようになるのです。
リスニング勉強法その1、「ナチュラルスピード」で音を大量に浴びる
とにかく長時間の英語環境が必要
赤ちゃんは言葉を正しく理解するようになるまでに、約9000時間もリスニングを続けます。
それに比べて、わたしたちは圧倒的にリスニング時間が短いというのは、先に述べました。
ではどうすればいいかですが、大人の場合だと最低1000~1500時間くらいは正しく英語を聞く必要があります。
あくまでの目安として、「英語の音が耳に残るようになるまでは、通常200時間のリスニングが必要」とも言われています。
そして、音が拾えるようになってもそのまま800~1300時間英語を聞き続けていたら、ほとんどの人がネイティブの会話を問題なく聞けるようになるとのことです。
まずはそのことを認識していないと、「自分は英語のセンスがない」と思って、リスニングの練習を途中でやめてしまいます。
それだけの練習時間を達成するために、毎日1時間聞き続けると3年かかりますが、毎日2時間練習すると1年半、毎日3時間の練習で1年間で達成することができます。
「ゆっくりの音声」をどれだけ聞いても無意味
どんな英語を聞けばいいかですが、いちばんまずいのは、「英語テキスト」に付属しているような1文1文ゆっくり、はっきりと録音されているものです。
「ネイティブが自然に話しているナチュラルスピードの英語」を聞かないと本当のリスニング力は身につきません。
たとえば、映画やドラマなどで話されている英語や、ラジオなどから聞こえてくる英語です。
スローな音声教材が聞き取れても、それは単なる自己満足でしかなく、いつまでたっても速い英語を聞けるようにはならないのです。
日本語を挟むと、頭が「元に戻って」しまう
「英語の頭」の頭をつくっているときに間に日本語を挟んでしまってはいけません。ですので、「日本語の音の入っていない音声教材」を使うことが大切です。
もしリスニング教材の中に日本語が混じっていたら、せっかく日本語を頭の中から締め出そうとしているのに、また日本語と英語、それぞれの頭がごちゃ混ぜになってしまう危険性があります。
ですので、英文や英単語の後に日本語訳が録音されている教材は、絶対に避けましょう。
子どものように、何度も繰り返し同じものを聞く
英語の音を拾える能力を伸ばす場合、「同じものを繰り返し聞く」ということが大切です。
まだ音があまり拾えない段階から、日替わりのラジオ番組などを聞いてしまうと、毎回新しい音が耳に飛び込んでくるので、なかなか英語が拾えるようになりません。
それでは耳が特定の音に慣れるという経験ができません。
耳が入ってくる音を限定するために、繰り返し同じ音声教材を聞くようにするのが鉄則です。
リスニング力がない段階では、1回で聞き取れるナチュラルスピードの英語はほとんどありませんが、繰り返し同じ教材を聞くことで1回目では拾えなかった音に脳が慣れていき、少しずつ拾える音が多くなっていきます。
一度拾えた音は、次も問題なく聞き取れますし、似たような音の単語も理解しやすくなります。
「同じものでは飽きてしまう。どんどん違うものを聞いたほうがいいのでは?」と思うかもしれませんが、効果的にリスニング力を伸ばしたいなら、ある程度がまんして同じものを聞き続けましょう。
リスニング勉強法その2、音を文字に起こして「推測力」を高める
英語の音が拾えるようになったら、次の伸ばしていくのは「拾った音を英語として認識する能力」です。
たとえば、洋楽の歌を聴いたときに、それが「意味をなさない単なる音の羅列」のままでは、それを理解することはできません。
拾った音の中にどのような英語が並んでいるのか、正しく認識する必要があります。
そのために拾った音を一字一句書き出していきましょう。
「音の羅列」から意味を取り出すための学習「ディクテーション」
拾った音を一字一句書き出すことをディクテーションといいます。
ディクテーションの練習をすると、「漠然とした音」だったものが、「英語」として正しく認識されます。
そして、1文がまとまって頭の中に残るので、その英文を理解する「余裕」が生まれ、しっかりと意味を取れるようにもなります。


本来なら、ディクテーション用の教材もナチュラルスピードのものがいいのですが、聞き取れずに手が動かないと、挫折する可能性もあるので、練習ではある程度レベルを落として、5~7割程度聞き取れる音声教材を使いましょう。
1~2回聞いてわからなくても、決してあきらめず、5回、10回と聞いてみると、1回目にはわからなかった単語でも、次第に聞き取れるようになってきます。
もちろん10回、20回聞いても不明な部分があるかもしれませんが、わからないなりに、認識できた音を一部分でもいいので書いておくと、自分の耳がどの程度正しく英語を認識できているかを確認できます。
そして聞き取ろうと粘っていると、リスニングのときに必要なもう一つの大切な能力「次にどのような英語が続くかがわかる推測力」も伸びてきます。
どうして推測力が必要かというと、実際ネイティブスピーカーと会話をしていると、相手との距離、会話スピード差、方言の違いなどから、どうしても聞き取れない部分が出てくるからです。
そんなときに、わからないなりに「きっとこういう英語が続いているんだろう」と推測しながら聞くことで伸ばしてきた推測力が力を発揮するのです。
ディクテーションは「1文ずつ」のペースで
ディクテーションで英文を書き取るときには、1~2単語で音声を止めるのではなく、必ず10単語程度、つまり1文程度はまとめて聞き、音を頭に残すようにして単語を書き取っていきましょう。
それから、書き取るときは、赤ペンで直せるように、行と行の間を1行空けてスペースを取りながら書きましょう。
同じところを何度も繰り返し聞き直し、1文を完成させてから次の文の音を聞きましょう。というのも、同じ部分を繰り返し何度も聞くことで、その音がしっかり記憶され、その後の文章も頭に残りやすくなってきます。
カタカナで書くと「英語オンチ」になる
聞き取れないところがあり、「なんとなくこんな感じかな」というカタカナを書いてディクケーションをする人がいますが、それは非常に害があるので絶対にしてはいけないと著者は言います。
というのも、英文にカタカナのフリガナをつけたり、カタカナでディクテーションをしてしまうと、「正しい英語の発音」を壊してしまうリスクがあるからです。
カタカナ表記は、音が頭に残っているときには、それらしく再現できるけど、少し時間が経って頭から音が抜けてしまうと、音を正確に再現するのをかえって難しくしてしまうのだそうです。
そもそも英語の音はカタカナで表記しきれるものではなく、せっかく英語の音を聞いてイメージをつくってきたのに、英語の音を聞いてカタカナを浮かべるような不自然な思考回路ができてしまいます。
それを避けるためにも、ディクテーションに限らず、英語の音をカタカナ表記するのは絶対にやめるべきです。
「カタカナ表記は英語オンチにしてしまう」のだと心に留めるべきです。
リスニング勉強法その3、聞こえた英語を瞬時に「理解」する
コンプリヘンシブ・リスニング
音声教材の音を拾うことができ、その音が正しい英語として認識できるようになったなら、認識した英語をイメージで「理解」する訓練をしましょう。
この段階がクリアできると、ネイティブが話す英語をほとんど理解でき、映画も字幕なしで楽しめ、TOEICなどのリスニングテストでも勉強せずに高得点が取れるようになります。
そのために、内容を理解しながら聞くコンプリヘンシブ・リスニングの練習をします。
ここでは、音や単語にフォーカスするのではなく、英文の意味をつかみながら、「文章全体でどのようなことを伝えたいのか」に意識を集中して、リスニングを行います。
ナチュラルスピードにおいていかれることなく、理解しながら聞くためには、「認識した英語を日本語に訳すことなく、語順通りにイメージで理解する」ことが重要です。
あえて、「ゆっくりな英語」を聞く
音を拾う練習や、拾った音を英語として認識する練習のときには、ナチュラルスピードの音声教材を使い、比較的難しい大人の英語を使いましたが、コンプリヘンシブ・リスニングでは、レベル的にやさしく、ゆっくりな速度の音声教材を使います。
「イメージしながら内容を理解する」ための練習ですから、肩の力を抜いて音を拾い、楽に認識できるやさしい音声教材を使うことで「内容理解」に集中して取り組みましょう。
理解度が上昇するにつれ、コンプリヘンシブ・リスニングのレベルを上げていくと、ナチュラルスピードの英語を聞きながら、内容をほぼ100%理解できるようになります。
そうなると、「英語力をつけるためのリスニング」ではなく、「英語で何かを学ぶためのリスニング」や「楽しみのためのリスニング」に変わってきます。
そうなると、「外国語を聞いている」という感覚すらなくなってくると著者は言います。
そのようなレベルを目指したいものですね。
『留学しないで英語の頭をつくる方法』の感想・まとめ
「学校英語」のやり方を捨て、「英語の頭」をつくれば、誰でも英語力を身につけることができる
本書を読んで、今まで学校で身にならない英語を勉強してきたのが、くやしい限りです。
もともと勉強ができるほうではありませんでしたが、「なぜ、英語が理解できないの?」という点にフォーカスしてみたら、「なるほど」と納得してしまいました。
これまでも、わたしなりに、英語の教材を手に入れて、勉強してきました。
しかし、根本的にどれも「学校英語」の延長で、英文を読めてもきちんと理解ができないし、それについてのコメントもちゃんとできないのは、それが「日本語で考える英語」だったからなのですね。
まずはそれを捨てないといけないということです。
本来は、英語圏の国に移住して生活を通して、英語を習得するのがいいのでしょうけど、そんなことができる人は限られています。
本書は、本当の英語学習を知るために有効な一冊です。
ですので、本気で英語をマスターしたいと考えている人には、一度本書を手に取って読んでみていただきたいです。
『留学しないで英語の頭をつくる方法』は、現在(2023年3月29日時点)amazonの本読み放題サービス「キンドルアンリミテッド」の対象になっています。
キンドルアンリミテッドは、ビジネス書からマンガまで幅広いジャンルの本が読み放題です。ぜひこの機会にご検討ください。
『留学しないで英語の頭をつくる方法』の概要
本書の目次
『留学しないで英語の頭をつくる方法』
はじめに
chapter 1 大人になっても「英語の頭」はつくれる!
chapter 2 あなたの中に「英語の頭」が完成しない理由
chapter 3 あなたにもできる!「英語の頭」を3カ月でつくる方法
chapter 4 まずはこれだけ!英語を「訳さず」理解する方法
chapter 5 「英語の頭」で英語を訳さず「聞く」方法
chapter 6 「英語の頭」で英語を訳さず「読む」方法
chapter 7 「英語の頭」で英語を訳さず「話す」方法
chapter 8 「英語の頭」で英語を訳さず「書く」方法
おわりに
著者の紹介
齋藤兼司(さいとう・けんじ)
パーソナル・イングリッシュ・コンサルタント。
1995年、専修大学経営学部を卒業。
1996年に渡米し、2年間にわたって神学を学ぶ。帰国後、T.I.E.外語学院にて英会話講師として1,000人以上の生徒を教える。
2003年3月にパーソナル・イングリッシュ・コンサルタントとして独立。インターネットを通して「英語の頭」のつくり方を指導する「イングリッシュ・マスターズ倶楽部」を主宰。
企業向け英語研修の講師としても評価が高く、各種企業での研修実績は多数。
2008年、「ニューリーフ・アカデミー」を開塾。また同年、T.I.E外語学院オンライン個別指導講座の専任講師となる。




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