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『お金をかけない集客図鑑』から学ぶ「集客」の好循環を生むためにやるべき100の施策

コウカワシン

こんにちはコウカワシンです。

今回は、吉澤健仁(よしざわ・けんじ)さんの著書『お金をかけない集客図鑑』から学ばせていただきます。

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目次

『お金をかけない集客図鑑』は、どんな本?

『お金をかけない集客図鑑』は、ズバリ!「集客の教科書」です。

本書はこのような本

「自社の商品をたくさん売りたい」

「自社商品のファンを多く獲得したい」

「定評ある商品に仕上げて息の長いブランドにしたい」

というように、販売規模こそ違えど、商品をたくさん売り、自社の業績をアップしたいのは、ビジネスパーソンとして当たり前です。

焦点になるのがどれだけ「集客」できるかです。

しかもできるなら、「集客をお金をかけずにやりたい」というのが、本音ですよね。

本書は、“お金をかけずに”実践できる集客方法を100個、紹介しています。

しかも本書の著者、吉澤健仁(よしざわ・けんじ)さんが、自身の会社キャリーオンで、取り組み成果を上げた集客ノウハウがそのまま掲載されているのです。

さらに、具体的な方法論とともに、マーケティングの基礎知識も網羅しています。

したがって、利益、成果をできるだけ省力で上げたい企業に勤めているビジネスパーソンには必須の一冊です。

本書がおすすめな人

『お金をかけない集客図鑑』がおすすめな人

  • マーケティングや集客の担当者
  • 新人社員
  • 経営者

『お金をかけない集客図鑑』の要点は?

集客の手法は世の中にたくさんありますが、「何をどのように実施すればよいか」で、悩みますよね。

それから、

「広告代理店をはじめとする専門業者に依頼できるほどの予算はない」

という問題も存在します。

それなら無料でできるSNSを活用しようと思い、自己流でやってはみたが「思うように人が集まらない」「継続できない」といったケースが大半なのだそうです。

原因はいろいろありますが、やはり「さまざまな方法を吟味し、自社に合った手法を選定できない」からということになります。

本書は、いろんなケースを想定し、それぞれのメリット・デメリットを例をあげ、それに対応する解決策を提示してくれます。

コウカワシン

それでは、わたしの独断と偏見で、「集客」の基本、自社の強み、お金をかけずに集客する方法、リピーターの獲得法についての初歩の部分だけを紹介したいと思います。

この他にも集客ノウハウが盛りだくさんな本書。

この記事から「この本いいなあ」と思っていただけたなら、ぜひ本書を手に取って読んでみることをおすすめします。

集客の流れを理解しよう

キャリーオンに見る集客の軌跡

著者は、2013年5月に「子供服のシェアリングサービス」を手掛けるキャリーオンを創業しましたが、その当時には最大手のヤフオク、フリマアプリのメルカリといったライバルがいて、厳しい船出でした。

そこで着目したのが「子ども服の二次流通」です。SNSなどで子ども服のシェアに関するニーズを知り、シェアリングサービスが普及しはじめた時代背景や社会情勢も考慮しつつ、フォーカスしました。

特にターゲット顧客である子育てに忙しいママたちは、フリマアプリやオークションを利用したくても時間的な制約から、それらのサービスを利用しづらいものです。

それに着目したキャリーオンは、「忙しいママでも子ども服が簡単に売れるサービス」をつくる方針を掲げました。

参入市場を選ぶ際には、自分たちの「強み」と「価値提供」を基準にすることが大事です。キャリーオンの場合は「子ども服」と「二次流通」をかけ合わせ、得意分野を集中させたからこの業界でトップになれたのです。

さまざまな集客方法を実施することによって、会員数も右肩上がりで上昇し、2023年1月には10万人弱、買取店数も100万点を超えるまでに大きな成長を果たされました。

押さえておきたい集客の4ステップ

キャリーオンの集客作戦の細かい実例は、この記事では取り上げませんが、大まかな道筋としては、次の通りです。

  1. 商品・サービスを磨く
  2. 見せ方を変える
  3. 集客する
  4. リピーターをつくる

これは、キャリーオンだけに限らず、どのようなカテゴリーの企業についても当てはまるものではないでしょうか。

集客は、ただ告知して顧客を集めることだけではなく、上記4つの集客ステップを踏まえて、着実に商品・サービスを販売する流れを構築することが大切なのです。

自社のポジショニングとは?

自社の商品・サービスがどのような特徴や強み、あるいは差別化ポイントを有しているかを分析しましょう。そのうえで、変更できるところがないかをチェックし、必要に応じて改善していきます。

それを踏まえて、「自社のポジショニング」を可視化しましょう。

ポジショニングについて考えると、ターゲット顧客のニーズに対して、どのような価値を提供すると満足度を最大化できるかがわかります。

それにより、自社が顧客に提供できる一番強力なポジショニングは、独自の立場として確立され、競合他社が追いつけない唯一無二のポジションを獲得し、圧倒的な強みとなります。

それだけでなく、もうすでに強力な独自のポジションを確立しているライバルがいる場合でもポジショニングが重要です。

たしかに同じマーケットへあとから新規参入していくのは至難の業ですが、自社が戦うべきマーケットを特化して限定する(=ポジショニングする)ことで、その分野に興味ある人が高く評価してくれるものです。

たとえば、スターバックスなら、メインターゲットは「主要都市で平均以上の収入を得ているオフィスワーカー」、コンセプトは「居心地の良さや空間としての価値、都会的でオシャレな雰囲気」で、既存の喫茶店とは異なる地位を築きました。

そのうえ利用者の行動傾向は、昼と夜、平日と休日では若干の違いがあります。その点を踏まえ、それぞれの層に受け入れられる工夫を重ねながら、コンセプトを軸とした独自のポジションを確立しているのです。

ペルソナを明確にしよう

ペルソナを明確にするメリット

自社の商品・サービスに加えて、顧客ターゲットについて知り、理解を深めていけば、どのように中身を整えていけばいいかが見えてきます。

ペルソナとは、実際に商品・サービスを利用することが予想される典型的なユーザー像を指します。

ペルソナを明確にすることで、最適な事業展開が可能になるのです。

まずペルソナとターゲットは違います。

ターゲットは、たとえば「30代女性、専業主婦」というようなざっくりしたくくりですが、ペルソナでは、「家族構成」や「ライフスタイル」「口癖」といった、より細かい設定をします。

これにより、精度の高いマーケティング戦略が立てやすくなるのです。

ペルソナの設定の仕方

ペルソナは、次の4つの項目から設定してみましょう。

最初の段階ではペルソナを一つに絞らずに、いくつかの候補を出しておくのがいいそうです。

属性

性別、年齢、職業、収入、家族構成、居住地など。

パーソナリティー(個性や人柄)

性格、価値観、口癖、悩みなど。

ライフスタイル(どのように生活をしているか)

1日の過ごし方、使っているデバイス、情報収集の方法、交友関係、趣味など。

自社の商品・サービスの関わり方

どのようにして知るか、共感を得る点、購入を妨げる点、購入の決め手、購入後に得る効果など。

ペルソナを生かす

ペルソナが明確になれば、その人たちのニーズも浮き彫りになってきます。

いくつかの候補を出したペルソナの中から、特に狙いたいペルソナを選び、ニーズを満たすように商品・サービスを設計すると、満足度の高いものができます。

そしてどのチャネル認知を拡大するのか、どんなメッセージを届けるのか、などの認識も関係者の間で統一しやすくなります。

たとえば、スープ専門チェーン店Soup Stock Tokyo(スープストックトウキョー)は、架空の女性「秋野つゆ」をペルソナとし、「37歳、キャリアウーマン、独身か共働き、こだわりがある」などの要素を設定し、出店地域や商品開発、デザインなどに活用しています。

このように、自社の商品やサービスを使うであろうペルソナを明確にし、そのニーズを満たすような商品・サービス開発を行うことで、最適な事業展開が可能となります。

「弱み」を強みにする

マーケティングにおいて、他社にない自社の強みをアピールすることが大切ですが、弱点というか「弱み」に着目するのも良い方法です。

なぜなら、「弱み」も見方を変えれば、「強みのあるメッセージ」へと変換することができるからです。

競合他社にできて、自社にできないことは何かを探ってみる

「競合他社にできて、自社にはできないこと」というと、それはそのまま自社の「弱み」です。でもその弱みは見方を変えれば「強み」に転換できます。

この逆転の発想をうまく活用しましょう。

例えば次のような弱みがあればどのように考えるべきでしょうか。

  • 価格が高い
  • 品ぞろえが少ない
  • 納期が遅い
  • 場所が遠い、不便な場所にある
  • 歴史が浅い
  • 企業規模が小さい
価格が高い

価格が高いからこそ、競合他社に負けない、特別な「価値」はないでしょうか?

たとえば、「原材料を吟味している」とか「商品の質が高い」といったものです。

そのような、価格が高い分、「価値が高い」「付加価値がある」などと言い換えることができるのです。


品ぞろえが少ない

「品ぞろえが少ない」は、裏を返せば「専門性が高い」、「本当にいい物だけを厳選している」などと言い換えることができないでしょうか。

どのようなポリシーで品ぞろえをしているか考えてみれば、そこが強みに転換できる場合もあるでしょう。


納期が遅い

特定の理由があって納期に時間がかかってしまう場合は、それが強みになりえます。

たとえば、「職人が一つひとつ手作業で作っている」「在庫を持たずに、注文を受けてから仕入れるので、ムダなく環境にやさしい」などです。

あのエルメスのバッグ「バーキン」のオーダーメイドがいい例です。納期までに何年も待たされることもあるオーダーメイド発注なれど、長い待ち時間にもかかわらず、時代を超えて根強いファンがいます。

ここまでのブランド力は、なかなかに難しいですが、商品力アップすることで、強みに転換できるかもしれません。


場所が遠い、不便な場所にある

立地条件が悪いのも強み転換が可能です。

たとえば、「自然豊かな環境にある」とか「家賃などの余計なコストをかけずに、適正な価格で提供している」などと言い換えることができるからです。

「隠れ家」といったシチュエーションも場合によってはファンができやすいといえます。


歴史が浅い

「歴史が浅い=若い会社」です。若い会社だからこそ「業界の慣習にとらわれない」「時代の変化に柔軟に対応できる」ということを強みにできます。

それから、「誠実さ」、「ていねいさ」といったヒューマンスキルに力を入れることで、安心感のある組織であることを伝え、歴史が浅いということで起きる不安を解消することもできます。


企業規模が小さい

規模の小さい企業は、言い換えれば、社長や社員の顔がユーザーに直接見えやすいということでもあります。

つまり、「コミュニケーションの取りやすい組織」をアピールできます。

といった具合に、一見「弱み」と思われるものでも「強み」に転換することもできるし、チャンスにもなるということです。

このように固定観念にとらわれることなく、いつも頭をやわらかにしておくこともマーケティングにおいて大切なポイントだと著者は言います。

お金をかけずに集客しよう

お金をかけずにできる集客は、「プレリリース」と「SNS」の2つ

プレリリースの配信

プレリリースとは、メディアや媒体に送られるニュース性のある情報資料で、新製品や新サービスの発表、新規事業の開始、あるいは経営、人事などの企業情報がテーマになっています。

その目的とは、マスメディアに取り上げてもらうことです。

マスメディアとは、テレビ、新聞、雑誌、ラジオなど、不特定多数を対象に情報を発信する大衆向けの媒体を指します。

影響力の大きな媒体では、一度に数万~数千万人にリーチできますが、広告とは異なり、自社で露出をコントロールすることはできません。

注意しなければいけないところは、プレリリースを受け取ったメディア側が、ニュースを素材として利用しやすいように、文書や資料としてうまくまとめることです。

そのために、どんな内容を盛り込めばいいのか、いつ配信すればいいのかなどを戦略として整える必要があります。

SNSの運用

SNSは自分たちで好きなように情報を発信できるのが強みです。

SNSはマスメディアのような一方的に情報が発信されるだけでなく、個人ユーザーからも情報発信ができ、ユーザー同士のコミュニケーションも活発です。

代表的なものでは、「Instagram」「Twitter」「YouTube」「Facebook」「TikTok」などがあげられます。

しかし、これらのSNSをあまり活用できていない企業が多いのも実情です。

せっかく無料で気軽に利用できるのですから、これを機に活用してみるはいかがでしょうか。

自社に合ったSNSの活用

SNSを使って自社の商品・サービス情報を発信するために

SNSで情報発信をするとき、その先に自社の商品・サービスのターゲット層がいるかどうかを見極めておくことが大切です。

ターゲット層が利用していないSNSでいくら情報発信をしても、届けたい人に表報が伝わりません。

自社の商品・サービスに合ったSNSを見極めるためにも下記のような項目について情報を洗い出し、あらかじめリストアップしておきましょう。

  • ターゲット顧客の属性、性別、年代
  • 利用を想定しているSNSの特徴
  • SNSの掲載用に、どんなコンテンツが作れそうか・自社のSNS運用体制

SNSの特徴を知ろう

「LINE」「YouTube」「Twitter」「Instagram」「Facebook」「TikTok」と、さまざまな種類があるSNSですが、それぞれには下の図のような特徴があります。

(2022年現在)

SNS運用は外部委託ではなく自社で対応しよう

SNSの運用は、外部委託ではなく、自社で対応したほうが、メリットが大きいです。

SNS運用を自社で対応するメリットは、下記の3つです。

  • 商品・サービスへの理解度が違う
  • タイムリーに情報発信できる
  • 社員の意識が変わる、SNSへの反応がモチベーションになる

なんといっても自社の商品やサービスについては、社員が最も熟知しています。

このことにより、これまでに社内に集まった声なども踏まえた奥行きのあるコンテンツ作りができるようになりますし、外部企業への連絡や確認待ちの時間ロスがないので、時機を得たタイムリーな情報発信が可能です。

そして、SNSを通じて自ら発信した情報への反応を直接目にすることで、社員のモチベーションにもつながります。

たしかにいい反応ばかりではなく、時には厳しい声をもらうこともあるでしょうけど、そのようなメッセージを直接受け取ることで、責任感が芽生え、コンテンツや商品・サービスがよりよいものになっていくきっかけにもなります。

インフルエンサーの活用

SNSを運用する際、インフルエンサーをぜひ活用したいものです。

インフルエンサーとは、世間や人の思考・行動に大きな影響を与える人物のことを指します。

スポーツ選手やテレビタレント、ファッションモデル、特定の分野の専門家、インターネット上で大きな影響力を持つ一般人やブロガーなどがインフルエンサーの一例です。

消費者の興味や嗜好が細分化している現代では、インフルエンサーの影響力がますます高まっています。

SNSを中心に大きな影響力を持つインフルエンサーが商品やサービスを紹介することで、ターゲット層へアプローチすることが容易になります。

インフルエンサーの選び方

インフルエンサーを選ぶうえで重要なのがインフルエンサーの影響力です。

その影響力を大きさの指標となるのがフォロワーの数です。

トップインフルエンサーと呼ばれている人はフォロワー数が100万人以上いるような知名度の高い人です。芸能人やモデル、有名アーティスト、政治家などがこれに当たります。

それから、マクロインフルエンサー(フォロワー数:数十万人)、マイクロインフルエンサー(フォロワー数:数万人)、ナノインフルエンサー(フォロワー数:数千人)と続きます。

起用したいインフルエンサーとして選定する基準は、「自社のイメージに合っている」「訴求したいターゲット層に支持されている」といった角度から見るといいでしょう。

インフルエンサーによって施策を変える

インフルエンサーマーケティングを行ううえで大事なことは、実行する施策と起用したインフルエンサーの親和性があるかどうかです。

インフルエンサーのイメージや得意分野、そしてフォロワーの属性に合わせて、最適な施策を行うことが成果を最大限に引き出すコツです。

インフルエンサーマーケティングでの主要な施策を紹介すると次の通りです。

ギフティング

自社の商品やサービスをインフルエンサーへ無料でプレゼントする方法で、商品やサービスを実際に利用・体験した感想をSNSを通じて発信してもらうことを目的としています。

ギフティングは、インフルエンサーへ商品を贈るというイメージが強いですが、ジムなどの無料体験、アプリやオンラインレッスンなどの体験をプレゼントする企業も増えているそうです。

現地訪問(イベント、ゲスト出演など)

インフルエンサーを訴求したい場所へ招き、現地レポートやゲストとして登場してもらう施策です。

たとえば、店舗・イベント・観光地などを訪問したインフルエンサーに、現地レポートを発信してもらうことで、イベントなどへの集客につながることが期待できます。

コラボレーション、商品の監修

インフルエンサーの知名度と消費者としての目線をかけ合わせ、コラボレーションや商品監修を行う施策です。

多くのフォロワーを抱えるインフルエンサーは、最新のトレンドやフォロワーが欲しいものを理解しています。

ターゲット層に響きそうなコレボレーション商品の企画や、監修などを依頼して、ブランドや商品の認知度をアップし売り上げにもつなげることを狙います。

ライブコマース

ライブ配信に参加したインフルエンサーに商品紹介をしてもらい、オンライン販売につなげる方法です。

ライブ配信の魅力は、インフルエンサーへ直接コミュニケーションをとれることから生まれる親近感と視聴者からの質問への回答が即座に行えることです。

それにより疑問や不安がリアルタイムで解消されるため、実際の購買につながりやすいという特徴があります。

アンバサダー

インフルエンサーと長期的なパートナーシップを結び、ブランドの顔としてPRしてもらう方法です。

イベントやキャンペーンなど、さまざまなPR活動を通じて、ブランドの魅力発信を依頼します。

短期、単発でインフルエンサーを起用する場合と違って、長期的なプロモーション戦略が組めることが特徴です。

インフルエンサーに依頼する際の注意点

インフルエンサーにSNS発信を依頼する際に、注意したほうがいい点として、「ルールで固め過ぎない」「依頼のポイントを絞る」があります。

一度の投稿や発信で「あれもこれも伝えてほしい」「この情報も入れてほしい」など、企業側のリクエストが多くなりすぎてしまうことがよくあるそうです。

すると、自由度や柔軟性を狭めてしまい、本来のインフルエンサーらしい投稿や発信ができなくなってしまうのです。

どこか不自然で、本来の魅力が伝わらない発信は、「違和感」としてフォロワーに伝わり、フォロワーからのエンゲージメント(投稿への反応)も低くなるといいます。

ですので、発信の効果を最大化させるためには、インフルエンサーに対し、必要最低限のポイントだけを伝えるにとどめたほうがベターです。

インフルエンサーの裁量に任せ、できるだけ本人らしい自由な発信をしてもらうことが、エンゲージメント率のアップにつながるのです。

リピーターを多く獲得するために

新規の集客よりも重要なリピーター獲得

新規の集客も大事ですが、リピーター獲得こそ最も重要です。

というのも、リピーターが作れない状態で新規の顧客を集めても、次の購買につながらないからです。

それから、2回目の購入にまでたどり着けば、3回目の購入をする顧客の割合は一気に増加します。

リピーター獲得のためには、「次もまた買いたい」と感じさせるような顧客体験を積極的に提供していくことが重要です。

マーケティングに活用可能なデータを知る

デジタル化が進んだことで、企業が手にするデータは量も種類も増えました。そのデータをマーケティング立案に役立てましょう。

そのためにもまずは蓄積したデータを把握し、整理し、分類することが大切です。

データの分類の一例をあげますと下記の通りです。

  • 顧客データ
  • 販売データ
  • レスポンスデータ(キャンペーン、メール、電話など)
  • パフォーマンス(Webアクセスログ、Web行動解析、メール開封率など)

マーケティング施策に特に役に立つのが、顧客情報です。

自社が持っている顧客情報を整理し、より深いお客様の理解に努めることが大切なのです。

一人のお客様についてなるべく多くの情報を得て、整理してみましょう。

下記が一例です。

  • 基本情報:居住地、年齢、性別など
  • 購入情報:購入金額、購入回数、購入商品など
  • アクセス情報:閲覧ページ、訪問頻度など

実際の活用時には、お客様情報を一律に管理するのではなく、これまでの購入履歴や利用頻度などに応じてお客様ごとにキャンペーンを変えたり、より精度の高い施策を実施するように心がけるのがポイントです。

データに基づいて施策を考える

それでは、蓄積したデータに基づきアプローチ方法を考えていきます。

効果的なアプローチには、ターゲット顧客の心理や行動傾向もしっかり把握しておくことが必須で、ターゲットにしたい顧客に応じて、分析すべきデータの種類は変わります。

下記の2つのケースから分析すべきデータと手法の例を見てみましょう。

①見込み顧客のある顧客の行動を理解したい

見込み顧客の行動を理解するために、Webサイトの「アクセスログ」を分析します。

サイト来訪者や閲覧数、コンバージョン率(成約率)の推移などがわかるのがアクセスログですが、分析範囲を広くとらえて、下記のような行動傾向も分析できます。

  • どのようなキーワードで、サイトを来訪しているのか
  • コンバージョンに至るルートや離脱傾向は、どのようになっているのか
②ターゲット顧客の購買行動を理解したい

ターゲット顧客の購買行動を把握するために「販売データ」の分析を行いましょう。

これにより、顧客の購買行動を示す多くのヒントを得ることができます。

その一例としては、

  • 何がどのくらい売れているのか
  • 「どんなタイミング」かつ「どんな頻度」で購買行動が起きているのか」
  • 顧客データと合わせて、「どんな人が、何を買っているのか」

などです。

またこれにより、「Aという商品を買う人はBという商品をよく買っている」という相関分析を行うこともでき、それにより商品Aを購入した人に商品Bをすすめるという施策も展開できるでしょう。

お客様に合ったタイミングでアプローチする

ターゲットの心理や行動の傾向をしっかり分析してはじめて、それに合わせたアプローチができます。

たとえばこのようなことです。

  • 会員登録してから1週間ほど経っても商品購入がない顧客に、クーポンを配布
  • 商品購入してから1カ月経っても再購入がない顧客に、クーポンを配布
  • 顧客がお気に入り登録をしている商品が値下がりすると、メールで通知
  • 購入履歴やお気に入り登録データから、それぞれの顧客に合わせて新商品案内をメールで送信

つまり、データに基づいて施策を考えて実行することで、購買率をグッと上げることができるということです。

しかし、このようにマニュアル通りに事が進まない場合があります。

たとえば、化粧品の場合だと、アプローチのタイミングが購入から1週間後では早過ぎるし、かといって、半年後では、その化粧品はすでに使い終わっていて、ほかの化粧品に乗り換えている可能性が高くなります。

したがって、お客様の購入ペースを踏まえたアプローチが最も効果的ということになるでしょう。

そのためにも、ターゲット顧客にアプローチを行う際には、それぞれのお客様に合ったタイミングを逃がさないことが、効率よく売上を最大化するコツとなります。

では、タイミングのいいアプローチはいつかというと、やはり収集したデータを活用するしかありません。

それと同時に、自社の商品やサービスは、どのくらいの期間までなら2回目の購入がされやすいかを理解することも大切です。

お客様が2回目を買おうという興味がピークのときに、いかにタイミングを流さないようにするかポイントです。

これには、商材の特性も踏まえるべきです。

たとえば、車のような数年は買い換えないような高額商材について、毎週のようにアプローチするのはNGですし、マリンスポーツやスノーボード用品などの季節を選ぶ商材は、シーズンオフには見向きもしてくれません。

それぞれのパターンや特性を踏まえてタイミングを逃さず、購入を後押しするようなアプローチをすると、購入率がグッとアップしていきます。

『お金をかけない集客図鑑』の感想・まとめ

「集客」の好循環は、インプット・アウトプットの繰り返し

まず本書で感じたのは、どの施策も特殊ではないということです。

つまり、どのようなカテゴリーでも応用できるし、誰でも取り組めるものばかりです。

1回データなどをインプットして、対策を練りアウトプットしたら終わりではなく、その時々でデータを取り直し検証し補正・訂正してアウトプットをやり直すという繰り返しが必要ということです。

そのスパンが適正である企業が、成果を出し、業績がアップしていきます。

現在では、そういった環境がすごく整ってきていますし、使わない手はありません。

そして、外部委託に頼らず、自社でそういう分析ができるように整えていくことが、これから生き残る企業の典型となるでしょう。

自社に合ったサービスというのは、千差万別ではありますが、基本は同じです。

ですので、本書を「集客の教科書」として、企業人のみならず、フリーランスで活動されている人、そして就活生に至ってもトレンドに敏感になるマーケティング能力が高くなる一冊としておすすめします。

『お金をかけない集客図鑑』の概要

本書の目次

『お金をかけない集客図鑑』

はじめに

序章 集客の流れを理解する
第1章 商品・サービスを磨く
第2章 見せ方を変える
第3章 集客する
第4章 リピーターをつくる

おわりに

著者の紹介

吉澤健仁(よしざわ・けんじ)

1981年、大阪生まれ。

同志社大学・法学部卒業。

新卒で資生堂に入社し、化粧品の販売業務に従事。

その後、WEBサイトの企画・制作・プロモーションを行うエスト株式会社を創業し、代表取締役に就任。

WEBサービスの立ち上げ支援、ECビジネスのコンサルティングなどに従事。

2013年5月、株式会社キャリーオンを設立し、子供服のシェアリングプラットフォームを創業。子育てママに人気のサービスに成長し、約9万人の会員と買取点数100万点を越える規模に拡大。子供服の二次流通では国内最大級のサービスとなる。

2021年8月、M&Aで同社を売却。環境省グッドライフアワードの実行委員会特別賞を受賞。

コウカワシン

最後までお読みいただきありがとうございます。

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この記事を書いた人

四国在住。
ミニマリスト。趣味は映画観賞と音楽鑑賞、読書、野球観戦。
映画は特に好き嫌いなくほとんどのジャンルーを観ます。音楽はジャズとクラシックが大好きです。読書は歴史書が好きでよく読みます。

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