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『2040年「仕事とキャリア」年表』から学ぶ「この先20年、困らない人」になるための方法

konosak

コウカワシン

こんにちはコウカワシンです。

今回は、植田統(うえだ・おさむ)さんの著書『2040年「仕事とキャリア」年表』から学ばせていただきます。

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目次

『2040年「仕事とキャリア」年表』は、どんな本?

『2040年「仕事とキャリア」年表』は、ズバリ!「将来日本の社会の残酷な事実とその対策本」です。

本書はこのような本

著者の植田統(うえだ・おさむ)さんは、国際経営コンサルタント。

今まで日本で常識だった「メンバーシップ型雇用」が終了し、アメリカで多く採用されている「ジョブ型雇用」に移行しつつあることに多くの人が気づき対策を練るべきだと指摘しています。

さらには、20年後には、日本から「サラリーマン」が消滅するとも予想します。

つまりは、今までの雇用形態が変わり、大きな地殻変動が起こるということです。

では、この先20年、「仕事に困らない」ために、何をどうするべきでしょうか?

「新しい時代」の「新しい働き方」に備えるべく、読んで損はない一冊です。

本書がおすすめな人

『2040年「仕事とキャリア」年表』がおすすめな人

  • 若手会社員
  • 就活学生
  • 40代以上の会社員
  • 定年間近の会社員

『2040年「仕事とキャリア」年表』の要点は?

新卒一括採用、年功序列、終身雇用、定年退職制度といった日本の「雇用制度」はすでに限界にきていると多くの人が口々に言います。

これまでの日本型雇用は、次々にアメリカの「ジョブ型雇用」に切り替えなければ、持たないまでに来ているのです。

本書では、これから20年に起こるであろう「出来事」を時系列に予想されています。

その予想される情報をもとに、読者がどう気づき、どう考え、どう今後に生かし、どう行動するべきかを、うながす内容になっています。

コウカワシン

それでは、わたしの独断と偏見で、考えるヒントになるように「これからの20年に起こること予想」と「仕事とキャリアに困らない方法」について取り上げてみたいと思います。

この記事から、本書に興味を持ったなら、ぜひ手に取って読んでみることをおすすめします。

これからの20年に起こること予想

2023年 学生の就職先ランキングを「外資系企業」が独占

新型コロナの感染拡大も何のその、今は人手不足で、学生の売り手市場が続いているそうです。

比較的簡単に日本の大手有名企業に就職しやすい環境出るにもかかわらず、実は、外資系企業やベンチャー企業、はたまた自ら起業を目指す学生が増えているのだそうです。

こうした傾向が、2023年にはさらに顕著になり、優秀な学生が大手有名企業から逃げていくことになると著者は言います。

それから、2010年と2020年の東大生の就職先ランキングを比較すると、10年にはコンサルティング会社が1社もなかったのが、20年には5社入っています。

東大生の志望する業界についてのアンケート結果を見ても、IT・通信業界が16.7%で1位、コンサルティング・シンクタンクが16.2%で2位と、ITとコンサルティング志向が非常に強いことがわかります。

そしてこのアンケートでの「企業を選ぶときに最も重視するポイントは?」というと、上位5つの回答が次の通りでした。

  1. 自分のやりたい仕事であること
  2. 給料が高いこと
  3. 自分の成長が期待できること
  4. 自分の能力やスキルが生かせること
  5. 企業の安定性

つまり、自分の能力とスキルを生かせて、やりたい仕事を、いい給料をもらいながらやることが、東大生の目指すキャリア像なのです。

それから、「あなたの人生にとって、安定と挑戦はどちらが重要か?」については、49.5%が「挑戦」と答え、安定は27.7%ということだったそうです。

こうした傾向ですので、外資系コンサルティングが人気就職先になっています。

というのも、今の時代は安定を求めて有名大企業に入っても、30年にわたって安定であるはずがないということを熟知していて、それなら自分のスキルと能力が生かせるやりたい仕事に挑戦したいと考えているからです。

この傾向は、ほかの大学にも広がっているというのが著者の意見です。

2025年 「大リストラ時代」の幕開け。「70歳現役時代」の到来

2021年4月に改正高年齢者雇用安定法が施行されました。

企業に従業員が70歳になるまで就業機会を確保するよう努めることを求めるものです。

しかも、従業員側も70歳まで働きたいという意欲は強いのだそうで、70歳まで現役の世界は2025年には当たり前になっていると著者は言います。

現在でも、60~64歳までの雇用率は8割に上昇しています。

しかし、55歳時に正社員だった人のうち定年到達時直後も正社員なのは35.6%で、57.5%は非正規雇用であると労働政策研究・研修機構の調査でわかっています。

それから、定年到達後賃金が減少した人の割合は78.3%もいて、その減少率は2割以上が大多数だそうです。したがって高齢者の生活は楽ではないということですね。

そして、企業によっては業態変化にともなう「リストラ」にも注目です。

2021年8月に発表された自動車メーカーホンダの早期退職募集は2000名。

これは、ガソリンエンジン車からEVや自動運転へ技術が変化する中で、中高年層に偏った人員構成を見直すことが目的だとしています。

つまり、技術変化による雇用のミスマッチなのです。

今回は、55歳以上64歳未満を対象に、退職金を最大3年分上乗せするという条件を提示し、当初1000人を目標にしていましたが、2000人の応募があったため、この規模のリストラになったということです。

リストラについて、付け加えるならば、日本企業のいびつな人口構成を修正するために今後多くなるだろうと著者は見られています。

というのも、日本企業では、団塊ジュニア世代(1971~74年生まれ)の採用が大きく、その人たちが人件費の一番高くなる50代に突入してきたことで、人件費削減へのニーズが高まるからです。

2025年になると、団塊ジュニア世代が全員50代に到達し、人件費がピークに達することで、企業のリストラへの意欲がピークに達します。

しかも企業は70歳までの雇用義務化を恐れているため、割増退職金を払ってでも、今のうちに従業員を辞めさせておいたほうがよいと考えます。

結果、企業による早期退職、希望退職によるリストラが、大幅に広がっていくと予想されます。

2027年 リスキリング 中高年の「学び直しブーム」爆発

日本企業の大リストラが始まったら、わたしたちがやるべきことは、自分のスキルを高めることです。

ということで、「学び直し」に火がつきます。

今や、「人生100年時代」です。

2019年12月18日~20日の3日間に全国の45~69歳の有識者に日本労働組合連合会の「高齢者雇用に関する調査」を実施し、「何歳まで働きたいか」という質問をしました。

65~69歳の人の回答は、71.1歳だったそうです。

しかし企業側は、中高年社員に会社にいてほしくないのが本音です。

ですので、多くの日本人が嫌われながらも会社にしがみつくか、いっそのこと新たなスキルを身に着けて転職するなり、起業するなりして、新天地を求めるかの選択を迫られるのです。

でも、何を新たなスキルとして身に着けるべきでしょうか?

これからの社会の流れとして、事務職や工場労働者など、8500万人分の雇用が失われるとされています。その一方で、データアナリストなどの9700万人分の仕事が新たに生まれると予想されます。

40代までの人たちは、この流れにうまく乗り、雇用が伸びてくるデータアナリスト、AI技術者、デジタルマーケティング専門職、ITセキュリティ専門職などの分野に出ていくのが理想だと著者は言います。

しかし中高年は、このように対応しにくいというのが現実です。もちろん、人によっては頭が柔軟でIT関係のスキルを簡単に身に着けることができる人もいるでしょうけど、大半は荷が重いとしかいえないでしょう。

こういった場合は、自分の専門領域の延長線上でのスキル開拓を目指せばよいと著者は言います。

会社で経理をやってきた人なら、会計や経理のスキルを磨くという手があります。たとえば、日商簿記やさらに進んで、税理士や会計士の資格を狙うという手もあります。

そのほか、特定の分野をやってきた技術者なら、その分野の技術を学んでいくほうが、まったく新しいものを学ぶより効果が上がりやすいということです。

大学に通う必要はなく、関連のある分野の技術者を探している会社に転職して、そこで実施の技術を身に着けていくこともできます。

たとえば、自動車会社の機械設計エンジニアなら、航空機やロボットなどのエンジニアに転職するケースもあります。

そして、副業にも注目しましょう。

最近では副業解禁の動きがあり、本業を維持しながら副業に取り組むことで自分の知識やスキルを広げていけるようになりました。

「副業で稼ぐ」というよりは、知識、スキルの習得のために挑戦したほうが、より賢い利用の仕方だと著者は言います。

それから本業においても、40代になる前に自分の知識、経験の範囲をできるだけ広げておき、与えられた仕事はどんなものでも興味を持って取り組んだほうが将来につながるということです。

2029年 若手社員の「転職」が激増!

今でも、若手サラリーマンの3割は、就職後3年以内に転職するといわれています。

というのも、若い人に言わせれば、今の日本企業の年功序列、上位下達(じょういかたつ)といったスタイルが若者の求める合理的な仕事スタイルになっていないところに原因があるからです。

日本の企業の多くがメンバーシップ型雇用を取っているといっても、中途採用で募集する社員は、特定スキルを持っている場合が多いです。

ですが、問題なのは特定のスキルを持っていても、その人の職位、資格を入社時点が同期の人と同じ処遇としようとします。

これでは、特殊なスキルを持っていても、大きな昇給を期待することはできません。

ですので、特殊なスキル、能力があり、アクティブに昇給を求める人は、オーナーの一存で給与設定できるオーナー企業、またはフレキシビリティのある外資系企業、そしてスタートアップ企業に転職していきます。

中でも、これからの時代は、中途採用、解雇等のシステムがしっかりしている外資系企業がおすすめだと著者は言います。

たとえば、IBMならグローバルなIBMの人事制度で採用されます。アンフェアな扱いを受けることはまずありません。これは、アマゾンやグーグルでも同じです。

そしてそのような超一流どころに勤めていた経験を、日本企業や日本のビジネス社会は極めて高く評価します。

外資系から外資系へと転職した場合も、次のポジションでの給与は、前職プラス10~20%となりますから、給与も上がっていきます。

外資から日本企業では、こうもいかずオーナー企業のオーナーに気に入られた場合以外は、その会社の同一年次の給与が上限となるそうです。

2031年 サラリーマン「格差社会」の到来!?

2030年代になると、転職が盛んになり、いい職につけた人は、どんどん待遇が良くなりチャンスにも恵まれます。

会社内でも、ジョブ型雇用が広がり、ジョブによって給与に格差がつく時代にもなります。

つまり、サラリーマンが誰しも同じような給与をもらい、同じような生活をしてきた時代は終わるということです。

そして、「どの会社か」でなく「どの職種か」で給与が決まる時代になります。

外資系の中でも給与水準が高いのは、何といっても投資銀行です。

その次がコンサルティングだといわれています。

これもコンサルタントとサポート部門の人とでは、給与水準が全然違います。

コンサルタントの給与体系は、下の図を参考にしてください。

ほかに、グーグルやアマゾン、マイクロソフトなどのIT大手も、スキルを持ったプログラマーには、ストックオプションまで含めれば相当高額の給与となっています。

つまり、外資系の世界では、会社も重要ですが、それよりもどういうスキルを持っていて、どういうポジションに就けるかが、いくらもらえるかを決定するということです。

サラリーマンが、どういうスキル、能力、経験を持っているかで格差がつく時代になるのが10年先に見えている状況ということです。

2033年 社長は「外国人」「女性」が当たり前に

2018年時点では、日本企業の外部からのトップ起用は3%でした。アメリカ・カナダは21%、ヨーロッパ24%と比べると大きな開きがありますが、近年徐々に外部からトップを起用することが増えてきたそうです。

日本のグローバル企業は、グローバル市場を開拓することが重要な経営課題となっていて、グローバル市場に詳しい外国人経営者を迎えるのは、自然な流れであり、その流れはますます加速するといわれています。

そして、2030年代に入ると、女性のCEOが日本を代表する大企業にも現れてくるとされています。

というのも、これまでの日本企業のメンバーシップ型雇用では、仕事の成果よりも上司との人間関係が大事で、そういった環境においては、男性優位となるのは仕方なかったからです。

ですが、ジョブ型雇用ともなれば、男性女性といった性別は関係がなくなり、成果を出したものが強いとなります。

それから、日本企業のグローバル化が進んでいき、語学が得意な人が多い女性に有利になるということです。

当然、女性のCEOが誕生するということは、部長、課長のポストには、もっとたくさんの女性が座っているという予想が簡単にできます。

ジョブ型雇用になり、女性でも若手でも、仕事ができれば、高い地位に就くことができるというのは、当たり前になっていくことでしょうね。

2035年 「変われない会社」はどんどん衰退する

「変われた会社」と「変われない会社」が徐々に明確になってきます。

若手サラリーマンは、「変われた会社」にどんどん転職していきます。もちろん優秀な学生も就職していきます。

一方で、「変われない会社」は、70歳まで再雇用を導入し、メンバーシップ型雇用を維持し続けることでしょう。

そのことで、社員の平均年齢は高齢化し、新卒で入ってくる社員は保守的な考えを持つ人ばかりなので、会社全体が超保守的になります。

仮に、社員の誰かが新しい提案をしても、会議で検討しても、誰も何も決めません。結果、みすみすチャンスを逃し、会社の売り上げはだんだんと下がっていくことになるでしょう。

こうした企業に勤めているというのなら要注意です。

しばらくは持つかもしれませんが、じり貧になり、2035年頃には限界に達すると著者は見ています。

行きつく先は、大リストラ。ですので、将来性ある会社かどうかの見極めが必要になってきます。

経営陣の言葉や考え方、また、周囲の同僚の革新性、保守性を評価し、自分の勤める会社が「変われる会社」なのか、「変われない会社」なのかを多面的に判断するべきだということです。

もし、経営陣にリーダーシップがないとか、社員が保守的で新しいことをやろうとしない、会議ばかりで何も決まらない、、、という会社なら、早めに見切りをつけましょう。

2037年 日本企業から「若手社員」が大流出!?

2037年ともなると、「変われた会社」がどんどん勢いに乗って業績を上げていきます。

ですが、日本はまだまだ「変われなかった会社」が大半を占めます。

中高年社員が多数を占め、既得権益を守ろうとします。しかし、それを覆せる経営者はあまり出てこないだろうと著者は見ます。

それに追い打ちをかけるのが、日本の人口減少とそれにともなうグローバルマーケットの中での日本市場の地位の低下です。

「経済秩序は2050年までにどう変化するのか?」というレポートがあります。

世界のGDP(国内総生産)総額の約85%を占める経済規模上位32カ国の2050年のGDP予測をまとめたものです。

購買力平価ベースでGDPのランキングを予測しているのですが、2030年には日本は世界4位を維持するものの、50年には世界8位まで落ち込みます。

つまり、グローバルマーケットの中での日本市場の地位が大きく下がるということです。

したがって、グローバルにビジネスを展開する日本企業は、国内マーケットよりも海外マーケットのほうがはるかに重要になってくるということです。

そして、真摯に受け止めるべき事実として、日本企業の支払う給与は、世界的に見て「とても安い」ということです。

OECDの出した「OECD加盟国の2020年の購買力平価ベースの平均賃金」がありますが、日本は35カ国中22位です。

トップのアメリカの約半分、韓国よりも安いのです。

これが現在の数字なのですが、伸び率からいうと、2034年にはOECD加盟国の最下位になってしまう可能性すらあります。

若手社員の中でも、英語ができたり、海外の文化がわかる社員は、海外の企業に転職し、海外市場で勝負したいと考えるのも自然な流れだと思います。

国内に留まって小さな日本市場で小さなビジネスを展開するよりも、大きな海外市場、成長する市場で仕事をしていったほうが、いい仕事にありつけ、はるかに充実したプロフェッショナル・ライフを送れるでしょう。

したがって若手社員は、次々に日本企業から出て行ってしまうのです。

しかし、そうなったときに恐ろしいのが、空洞化する日本です。

日本の不動産価格等の資産価値は大幅に低下、それにともない、それまでに蓄積してきた資産が紙くずになる恐れも出てきます。

こうした時代にどう立ち向かうかの準備も必要になってきます。

2039年 ついに年金崩壊!?「生涯現役社会」の時代へ

日本政府の政府債務比率(対GDP比)は、2020年末には264%となりました。

債務残高は1216兆円、2019年から101兆円の増加となり、国民一人あたり970万円の借金を背負っている計算になります。

日本は、個人金融資産が豊富にあり、政府の債務残高はその範囲に納まっているから財政が破綻することはないとか、日銀が国債を買い続ければ、ファイナンスができるから大丈夫だという議論はありますが、やはり限度というものはあります。

著者は、2039年頃には、日本の経済がかなりおかしくなっているのではないかと予想しています。

状況が悪くなると、政府には債務の膨張を止めようという意思が働きます。

その時、起こることは、公務員の人件費の削減、インフラ投資の削減、増税といったことでしょうか。

そして、ドル高となり、輸入物価が上がってきます。したがってインフレも起こるでしょう。

こうした政府債務の悪化と同時並行で進むのが、「年金財政の悪化」です。

その結果、「年金支給水準の切り下げ」が起こるでしょう。

インフレが起き、年金支給額が下がるとなったら・・・高齢者の生活は苦しくなるのは目に見えています。

しかし、働いてさえいれば、会社の売上もその分増え、従業員はインフレで調整された給与をもらえるので年金支給水準の切り下げで減ったぶんをカバーしやすくなります。

つまり、こうした時代に対応できるように「生涯現役」を貫かなければいけなくなるということですね。

ですので、自分の手に職をつけたり、スキルを身に着けるといったことが大事だということです。

2041年 日本に「スタートアップ企業」が次々と生まれる!

今から20年後には、日本企業も今のアメリカ企業のようになり、ジョブ型雇用で必要なスキルを持った人を、適正な賃金で雇うというシステムに変わっています。

しかし、日本経済は縮小し、国内マーケットだけを相手にしている企業の業績は悪化しているので、高い賃金を支払ってくれる会社はなくなっています。

これにより、「会社勤めをして安定した暮らしをする」という選択肢がなくなっているので、自分で何かやってやろうと決意する人が増えてくるのではないでしょうか。

つまり、多くの人がスタートアップに挑戦するようになっていると予想されます。

日本は、もともとが保守的な国で、なかなかスタートアップ企業が育ちませんでした。

世界には、900社を超えるユニコーン企業(企業価値が10億ドル以上の未公開企業)がありますが、日本では5社しかありません。

だからか、日本では企業の新陳代謝が進まず、特にIT企業などのテクノロジー企業の台頭で遅れを取っています。

ですが、20年後はアメリカのGAFAのような企業が日本でも生まれることを期待も兼ねて予想します。

起業が活発化し、時代に合った、勢いのある最先端企業が多数誕生していることを願いたいものですね。

2043年以降 ついに、日本から「サラリーマン消滅」!?

生涯現役社会が訪れることで、会社に入り、そこで定年まで働いて、あとは年金生活をするというモデルが成り立たなくなります。

いわゆる日本式「サラリーマン」は、消滅するということです。

2043年以降には、ジョブ型雇用がふつうになり、キャリアアップを考えるなら、社内で上のポジションへの昇進を考えるより、他社で募集している地位の高いポジションに移っていったほうが早く昇進できます。

なぜなら、社内では、何年か働いてアラが見えているために、かえって昇進のチャンスを手に入れることが難しいからです。

外資系企業に入れば、そこは必ずジョブ型雇用、特に人気の高いコンサルティングや投資銀行に入るなら、そこは「アップ・オア・アウト」の世界で昇進できないようなら、外に出るしかないです。

IT企業やメーカーに入って、一つのジョブをマスターし、上のポジションを目指したいと考えても、やはり他社のポジションを探したほうが手っ取り早いとのことです。

海外で働く人、起業した人は、日本企業や外資系企業で働いている人に比べて、組織に守られていない分、もっと厳しい世界で仕事をしていくことになります。

心得ておくこととして、つまり20年後の社会は、誰もが「自分株式会社」を立ち上げ、自分に投資し、スキルを身に着け、自分マーケティング戦略を考えて、自分を商品として高く売ることを真剣に考えていく時代となります。

そのためにできることは何でしょうか?

何か準備できるものはあるのでしょうか?

「仕事とキャリアに困らない」ための準備とは?

「2040年」までの年表を見て、驚いた人もいれば、「こんなの起こりっこないよ」という人もいるでしょう。

いやいや、「このようなことは想定済み」という人だっていると思います。

それでは、「自分を商品として高く売る」ために何に取り組んでいったらいいかを考えていきましょう。

自分のキャリア・ビジョンを描こう

まず、自分のキャリア・ビジョンを設定しましょう。

目標が決まらなければ、そこにどうやって到達するのかという戦略が立てられません。

でも、一度キャリア・ビジョンを立てたからといって一生それを追い続けなければいけないということはありません。ビジョンは時々変わってもいいのです。

著者も過去40年間、行ったり来たりだったそうです。

大学の法学部進学は、弁護士になるためでしたが司法試験に通らず銀行に就職。入行4年目からアメリカにMBAに留学し、外資系コンサルティング会社に転職。

その後は、日本の資産運用会社、外資系の出版・データベース会社社長となります。

日本法の判例データベースを作る業務に携わったとき、関係者の中で自分だけが法曹資格がないことに気づき、ロースクールに通い、ふたたび司法試験にチャレンジしたのでした。

著者が言うには、とにかく、その時その時、一所懸命考えて、自分としてなりたいもの、キャリア・ビジョンを設定し、それに向かって行動することが大事だということです。

ですが、自分が興味を持つ対象が変わったら、いさぎよく切り替える。そして、またそれに向かってどりょくすればいいということです。

「会社員マインド」から「ジョブ型マインド」に切り替える

「変われる会社」が、メンバーシップ型雇用からジョブ型雇用に切り替えるように、サラリーマンも「会社員マインド」から「ジョブ型マインド」にマインドセットの切り替えをする必要があります

というのも、メンバーシップ型雇用により、いったん会社に潜り込んでしまえば、一生安泰と思っていたのですから、考え方を180度切り替えないといけなくなります。

でもこれがなかなか難しいのだと著者は言います。

ジョブ型雇用を採用している外資系企業に、日本企業から転職した人の特徴として、積極性がなく、指示待ち体質で、ただ会社に来ていればいいとでも思っているような態度をとる人が多いのだそうです。

たしかに日本企業では、「会社では、上司の命令に従っていればいい。余計なことは言わないほうがいい」という観念がありますが、それでは外資系ではやっていけません。

外資系企業では、自分の判断で仕事を進め、成果を出していかないといけません。当然、自分のキャリアも自分で作るという気概をもっていないと、うだつのあがらないまま終わってしまいます。

イメージでいえば、日本社会のサラリーマンはヒツジになることを求められ、外資系の世界(未来の日本企業)では、オオカミになることを求められるということです。

あまり、オオカミの世界をイメージできないなら、よい見本が日本にもあります。それはプロ野球の世界です。

プロ野球選手たちは、自分の努力でスキルや技術を磨き、試合に出て活躍すれば、年俸が上がります。活躍できなければ、年俸が下がったり、戦力外通告を受けるような厳しい世界です。

運よく他球団に採用してもらえる人もいますが、採用されず、そのままクビになってしまう人もいます。

プロ野球選手ですから、野球以外にスキルのある人は多くいません。だから、就職に苦労します。それでもほとんどの人は、何か仕事を探してきて、たくましく生きているというのをテレビ特集で見たことがあります。

これほどでないにしても、ジョブ型雇用の世界は似たように厳しい世界です。

ですので、今からそうした世界を覚悟して、マインドセットを切り替えておくことが心の準備として大切だと著者は言います。

75歳まで働ける「体力、気力」を養おう

繰り返しますが、これからは「生涯現役」の時代です。

おどすわけではありませんが、いつ国家財政が破綻し、大インフレの時代がやってくるのかわからない、年金もあてにできないとなったら、生涯現役で働くしかありません。

そのために必要なのは、仕事のスキルと体力です。

仕事をしていくために、筋骨隆々である必要はなく、マラソンを走れる必要もありません。必要なのは、仕事を8時間続けられるだけの体力、持久力があればいいのです。

つまり、細く長く生きる体力を身につければいいということです。

まあ現実的に100歳まで仕事を続けるというのはイメージがわきませんし、不可能でしょう。ですのでとりあえず75歳を目標に設定してみましょう。

健康バロメーターとして、毎朝元気に起きることができる、自分の歯で食べることができる、自分の足で歩いて仕事に行ける、パソコンで仕事ができる、疲れずに7、8時間仕事を続けることができる、が目標です。

健康のためにすることは、早寝早起き、栄養価のバランスのいい食事、適度な運動といったところです。

そのうえに、好きなことをやること、活動的であり続けること、人間ドックなど健康診断を欠かさず、体の手入れをすること、が大事です。

体の健康のほかにも、精神的にストレスを感じないようにしておくことも、健康維持には重要です。

将来的には、日本の仕事スタイルがジョブ型に変わってくれば、、一人ひとりの責任がハッキリし、ストレス問題はかなり解決するかもしれませんが、それまでは仕事のストレスをいかにうまく発散させるかが大切です。

家庭、運動、趣味などで仕事を完全に忘れることができる時間を作り、自分の気持ちをコントロールして、平穏な生活を送ることが長期的なキャリアの成功のために不可欠だと著者は言います。

『2040年「仕事とキャリア」年表』の感想・まとめ

柔軟にたくましく、時代に合うように自分をデザインすることが生き残るコツ。

本書を読んでいて、「そういう時代に移り変わっていくんだろうなあ」というのが、わわかったものの、まだ現実的に想像まで留まる自分に歯がゆさを感じます。

やはりわたしも、のんびり屋みたいで、間近に迫らないと意識が動かないみたいです。

ですが、突然の災害と同じで、起きてからでは遅いのです。

災害に遭っても、最小限でもいいから準備をするかしないかは、あとあと大きな差になって現れると思います。

20年というとずっと先のことに思いますが、3年先5年先なら、おぼろげでも予想がつくのではないでしょうか?

もっと先だと思っている10年先だって、ひょっとしたら想定外の速さで事態が動いているかもしれません。

危機感もっていくことに、何の妨げもないと思いますし、危機感を持つということは、ある意味チャンスだともいいます。

特に若い人は、働き方が変わるだけでもワクワクしませんか?

自分の能力次第で、どんどんポジションを変えれるなんて、本当に夢があると思います。

ですので、危機感をあおるためにではなく、希望ある将来についての考え方を持つために、ぜひ読んでいただきたい一冊だと感じました。

『2040年「仕事とキャリア」年表』は、現在(2023年2月18日時点)amazonの本読み放題サービス「キンドルアンリミテッド」の対象になっています。

キンドルアンリミテッドは、ビジネス書からマンガまで幅広いジャンルの本が読み放題です。ぜひこの機会にご検討ください。

『2040年「仕事とキャリア」年表』の概要

本書の目次

『2040年「仕事とキャリア」年表』

「この先20年」何が起こる?
はじめに 「ジョブ型雇用」時代の「新しい働き方」とは?

1章 ついに日本でも始まるアメリカの「ジョブ型雇用」とは?
2章 日本の「雇用制度」はすでに崩壊している!?
3章 激動の20年を大胆予測!未来の「仕事とキャリア」年表
4章 将来、「仕事とキャリアに困らない」ための準備

おわりに

著者の紹介

植田統(うえだ・おさむ)

国際経営コンサルタント。弁護士。名古屋商科大学経営大学院(MBA)教授。

1957年東京都生まれ。

東京大学法学部を卒業後、東京銀行(現・三菱UFJ銀行)入行。

ダートマス大学エイモスタックスクールにてMBA取得。

その後、外資系コンサルティング会社ブーズ・アレン・アンド・ハミルトン(現PWCストラテジー)を経て、外資系データベース会社レクシスネクシス・ジャパン代表取締役社長。

そのかたわら大学ロースクール夜間コースに通い司法試験合格。

外資系企業再生コンサルティング会社アリックスパートナーズでJAL、ライブドアの再生に携わる。

2010年弁護士開業。

2014年に独立し、青山東京法律事務所を開設。

主な著書

45歳から5億円を稼ぐ勉強法』CCCメディアハウス (2014/4/17)
60歳の壁 定年制を打ち破れ 』 朝日新聞出版 (2018/11/13)
捨てる7つの仕事の習慣 考え方を切り替えれば、仕事はすべてうまくいく PHP研究所 (2015/3/31)
きれいに死ぬための相続の話をしよう』KADOKAWA (2013/6/10)
誰も教えてくれない妻のための相続とお金の話』朝日新聞出版 (2016/12/7)

コウカワシン

最後までお読みいただきありがとうございます。

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この記事を書いた人

四国在住。
ミニマリスト。趣味は映画観賞と音楽鑑賞、読書、野球観戦。
映画は特に好き嫌いなくほとんどのジャンルーを観ます。音楽はジャズとクラシックが大好きです。読書は歴史書が好きでよく読みます。

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