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『頭の回転が速い人の話し方』から学ぶ地頭が良くなる最強の会話トレーニング術

コウカワシン

こんにちはコウカワシンです。

今回は、岡田斗司夫(おかだ・としお)さんの著書『頭の回転の速い人の話し方』から学ばせていただきます。

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目次

『頭の回転が速い人の話し方』は、どんな本?

『頭の回転が速い人の話し方』は、ズバリ!「最強の会話力は、話し方テクニックではなく、話の分かりやすさである」が、よくわかる本です。

本書はこのような本

そんなに話し方が上手というわけでもないのに、話している内容がよく伝わる人っていますよね。

最近では、話し方の教室があったり、トーク手法のハウツー本が、たくさん出版されていて、「こういったシチュエーションでは○○が有効」とか「話し上手は聞き上手」という会話テクニックを教えてくれます。

ですが、実際に相手に伝わりにくいのはなぜでしょうか?

本書の著者岡田斗司夫(おかだ・としお)さんは、これらのハウツー本は、テクニックこそ磨けるけど、そのテクニックを生かすには生かすための基盤が大事なのだと言います。

その基盤というのが、「ユニバーサル・トーク」「戦闘思考力」です。

この2つのかけ合わせこそが、相手に伝わりやすい会話術の根幹になるということです。

つまり本書さえ読んでおけば、ほかの話し方の本はいらないという一冊だということです。

 

本書がおすすめな人

『頭の回転が速い人の話し方』がおすすめな人

  • 営業マン
  • プレゼンなどで不特定多数の人の前で話す機会がある人
  • 人に教える仕事をしている人

『頭の回転が速い人の話し方』の要点は?

本書は、「ユニバーサル・トーク」×「戦闘思考力」による究極の会話術を説く本です。

「ユニバーサル・トーク」とは、どこでも、いつでも、誰にでも伝わる話し方

「戦闘思考力」とは、頭の回転をコントロールする思考の武道

この2つのかけ合わせこそが、最強の会話術ということです。

コウカワシン

ちょっと抽象的な表現になってしまいましたが、本書からわたしの独断と偏見で、最強の会話術である「ユニバーサル・トーク」、そのユニバーサル・トークを操る武器となる「戦闘思考力」について、簡単に説明したいと思います。

この記事から、「この本いいなあ」と思っていただけたなら、ぜひ本書を手に取って読んでみてください。

最強の会話術「ユニバーサル・トーク」

「年齢や能力、状況などにかかわらず、できるだけ多くの人が使いやすいように、製品や建物・環境をデザインする」といったユニバーサルデザインがあるように、誰にでも伝わる話し方・伝え方である「ユニバーサル・トーク」があります。

つまり不特定多数の人に対して、何かを伝えようとしたら、誰にでもわかりやすく伝わりやすいというのが、「ユニバーサル・トーク」ということですが、何をもってユニバーサル・トークというのでしょうか。

著者は、ただ単に話し方がうまいだけではダメだと言います。

たとえ話し方がぎこちなくても、相手にとってわかりやすかったらいいわけです。

ちょっと下の図を見てください。

上下のベクトルの上向きは「伝え上手」、下向きは「伝え下手」ではなく「受け取り上手」と考えます。言い換えれば、「伝え上手」は出力、「受け取り上手」は入力ということです。

本書で伝えたいのは、主に出力です。

著者の経験から、この出入力は同時に伸びる場合もありますが、ほとんどの場合は一方が伸びれば、一方が縮むそうです。

つまり、他人の言うことをきちんと理解しようとしている人は、自分の考えを伝えることが下手になるし、一方、自分の考えを伝えるのが上手ければ上手いほど、他人の気持ちや言葉がわかりにくくなるとのことです。

トレードオフの関係ともいえますが、コミュニケーションが上手いということは、この出入力のコントロールが上手いということでもあるのです。

ですので、あるときは出すほうに立ち、あるときは受け入れるほうに立つようにコントロールする能力が高ければ高いほどユニバーサル・トーク能力が高いということになります。

家族型社交から公共型社交へ

先ほどの図の左右のベクトルにあった「公共型社交」と「家庭型社交」。

公共型社交というのは不特定多数の人に向けたもの、家庭型社交は価値観を共有した特定少数に向けたものです。

このベクトルの向きが、仲間内では話せるのに、大勢の人の前では話せなくなってしまう原因を突き止めるキモになると著者は言います。

たとえば、同じ世代なら伝わるけど、世代を超えたらわかりにくいということがありますよね。同じ日本語なので断片的にはわかるのだけど、肝心がわからないという場合です。

これが家庭型社交であり、世代を超えたら伝わりにくくなるというのは、ポジショニングに記してある、公共型社交と家庭型社交との間にあるゆがみが、互いの意思疎通を阻害していると考えられます。

そこで、特定少数にしか伝わらない家庭型社交から不特定多数にも伝わる公共型社交に転換する必要があるのです。

しかし、何の準備もなしには移行できません。

それにはどのようにしていけばいいかを考えていきましょう。

「ユニバーサル・トーク」の共感と再構築

自分の意見を伝えるのではなく、相手の考えを理解する

公共型社交を意識して実践するためには、「自分よりもまず相手の考えを理解する」ことが重要です。

そのときに大事なのが、最初に自分と相手の立ち位置を確認するというポジショニングマップをつくります。

たとえば、「男性←→女性」「仕事あり←→仕事なし」「大人←→子ども」といったようにです。

考え方として、「賛成←→反対」「積極的←→消極的」といった項目を先ほどの十字グラフで、4分割するくらいにシンプルなものにしましょう

話題によって対立軸は変わってきますが、だいたい意見が分かれそうな軸で考えましょう。

慣れないときは図で書いてみるのもいいかもしれません。それでも難しい場合は、箇条書きで始めてみましょう。慣れてくると、頭の中で自然にできるようになります。

自分と同じ立ち位置にいる人に対してなら、理屈も気持ちも、共有するのは簡単です。

しかし、それ以外の人に、どんなに一生懸命自分の意見を述べても、なかなか理解してもらえません。というのも、違う立ち位置と話す時点で、公共型社交が生まれているからです。

こういった場合は、むしろ、自分が共感できない、もしくは自分とケンカになるかもしれない人たちのことを徹底的に考えるのです。

それも相手の意見に「共感」し、自分の意見に再構築するまでです。

まずはこれが最初の段階です。

するとこのような感じで相手との立ち位置の違いや対立軸が見えてきます。

たとえば、下記の図では、A~Dの立ち位置があって、「反対だけど消極的」というのはDに位置して、そのほかのA~Cと対立しています。

このような図式が見えてきたら、対立する相手の意見を徹底的に考え、共感し、再構築するというプロセスがしやすくなります。

誰もが納得する答えのつくり方

上記の図を見て、簡単にまとめると次のようになりますよね。

「確かにAもわかるよ(共感)。A´だもんね(再構築)」

「確かにBもわかるよ(共感)。B´だもんね(再構築)」

「確かにCもわかるよ(共感)。C´だもんね(再構築)」

人間は、相手が共感してくれた分、そのお返しとして自分のなかにも相手に対して共感する余地が生まれてきます。

ここまできてこそ、自分の意見を理解してもらうのも簡単になってくるのです。

そこでこういうように主張してみましょう。

「AとBとCの考え方もよくわかる。だから、それぞれの主張を取り入れながら、D´という方向性を探るのはどうだろうか?あるいはEという方向もあるよね」

これがユニバーサル・トークなのです。

ユニバーサル・トークとは、決して自分の考えDを是が非でも通そうとするテクニックではなく、みんなの意見を取り入れて一つになるように再構築したA´もB´もC´をひっくるめてD´やEのような答えをつくることなのです。

自分の考えは常に動いてOK

ユニバーサル・トークの「誰にでも伝わる」というのは、話し方のテクニックではありません。

周りの人たちとの対話を重視して、そこで出た結論をみんなの結論にしてしまうということです。

ですので、自分の考えは常に動いてOKなのです。

だからといって、コロコロと考えの変わるカメレオンになれというのではなく、ネガティブにとらえる必要もありません。

こっちではこう結論、あっちではああいう結論になったという矛盾をあえて受け入れるのです。

自分の結論を押し付けることが目的ではなく、みんなで意見をつくることが目的だということです。

「話し方」を武器にする

ユニバーサル・トークは「戦闘思考力」で完成する

それでは、「頭の回転が速い人の話し方」のキモになる戦闘思考力に迫ります。

「頭の回転」にユニバーサル・トークは大いに関係があります。

というのもユニバーサル・トークを意識せずに頭の回転力を鍛えるのは、野球のルールを知らずにピッチング練習ばかりしているようなもので、実戦では何の役にも立たないからです。

といっても、ユニバーサル・トークを理解したところで、頭の回転力がないのでは、まともなピッチングやバッティングができずして野球をするようなものです。

野球は、ゲーム中に状況を瞬時に把握し、分析し、対応する能力が求められます。

それと同じで、一瞬でその場の力関係を読み取る察知力とか、臨機応変に切り返せる能力がなければ、ユニバーサル・トークの基本である共感のシステムも絵に描いた餅になってしまうと著者は言います。

そこでユニバーサル・トークのエンジンというべき「戦闘思考力」を鍛えるのだということです。

戦闘思考力を形づくる3つの要素

「戦闘的思考力」は次の3つでできています。

  • ハイパワーの思考力
  • どんな価値観にも合わせられる応用力
  • 強く頼れる自己
ハイパワーの思考力

戦闘思考力における「ハイパワーの思考力」とは、トップ、ミドル、ローという3つのギアを鍛えることで磨かれます。

トップギアというのは、頭の回転を速くすることです。

たとえば、何かを聞かれたときにパッと返せる能力です。

例として、「ラーメンにナルトが乗っている理由を3つ言いなさい」と聞かれたら何と答えますか?

じつはちゃんとした正解などないのですが、ちゃんとした正解を言うよりも、20秒以内に3つを答えられるかをはかることに真意があります。

たしかに20秒で3つ答えるには、答えながら考えなければいけません。

大変難しいですが、正確性や回答の信頼度を度返ししても回答までのスピードを重視した頭の使い方こそが戦闘思考力でいうトップギアだと著者は言います。

ローギアとは、あえて少しゆっくり話し、相手のペースに吞まれない戦法ですね。

芸能人で言えば、蛭子能収(えびす・よしかず)さんのイメージです。

周りの人たちがどんなに速いやりとりをしていても、自分なりのゆっくりした回転速度に従っているから、意表を突くタイミングでものを言い、視聴者を笑わせたり溜飲を下げさせたりしているのを見たことがあるでしょ。

これはこれで、難易度が高いですが、鍛えてみる価値があるといえます。

ミドルギアとは、トップとローの中間です。

自分の意見もしっかり伝えて、相手の意見もしっかり聞く「標準的な速度」です。

たぶんこれはどの人も、リラックスしてものを考えているときの思考速度だといえます。

いわゆる自分の頭の回転の速度の基準になり、トップに一段上げる感覚と、ローに一段下げる感覚を意識できるので、戦闘思考力そのものをコントロールしやすくなります。

このトップ、ミドル、ローの3つのギアを簡単にまとめると次のようになります。

トップギア:頭の回転数(思考スピード)が速いが共感力が低い
ミドルギア:頭の回転数(思考スピード)も共感力も中くらい
ローギア:頭の回転数(思考スピー)が遅いが、共感力が強い

どんな価値観にも合わせられる応用力

その言葉通り「どんな価値観にでも合わせられる応用力」は、戦闘思考力を養ううえで大きな力になります。

たとえば、自分より話がうまい人を見かけたときの感想として「こんなに話し上手だったら便利だろうな」と思うでしょうし、あるいは一方的に話をし過ぎたり、うっかり口を滑らせて相手の機嫌をそこねることもあると思います。

人前でうまくしゃべれず、口数が少ない傾向の人は、思っていることをいつもの4倍くらい多くしゃべることを意識しましょう。

口数が少ない人というのは、正確な言葉を使おうとし過ぎているから、なかなか口から言葉が出てこないと著者は言います。

つまり、スパッと伝わるかとか、正しく相手に理解してもらえる言葉を先回りして考えようとするから、脳の容量をかなり使ってしまうということです。

このような人は、いつもの4倍くらいいっぱいしゃべって、こうかもしれない、ああかもしれない、やっぱりこうかもしれないとデッサンやスケッチでたくさんの線を引くように言葉を繰り出すべきだといいます。

一発でシュッときれいに実線を引けなくてもいいいのです。

支離滅裂でもいいから、何度も線を引いていれば精度も上がってきますし、たとえ支離滅裂でも相手が意味を拾ってくれるのですから。

口数がやたら多いという人は、ふだんの1/10しか発言しないことを意識しましょう。

口数が多い人というのは、いろんな話で説明しようとするあまり、たとえ話に流れ過ぎる傾向があります。となると「何について語っているのか?」「なんでこんな話をしている?」となります。

表現としては面白くなっても、内容が伝わりにくくなるのです。

また、おしゃべりだと、たいてい前にも話したような同じ話を繰り返したりもします。

それを相手が苦痛に思うかもしれませんから注意が必要です。

いつも考えていることを1/10くらいにしぼる努力をしましょう。

なぜ口数が少なかったり、多かったりを意識する必要があるかというと、「相手の言いたいこと」と「自分の言いたいこと」をすり合わせるためです。

これが、戦闘思考力の「どんな価値観にも合わせられる応用力」ということです。


強く頼れる自己

自分のことを「正しい」と信じて疑わないことです。

独善的ながら、他人に寄りかかったり、ブレたりしないために、脳天から足裏にまで通った1本の芯を持つ必要があるのです。

なぜなら、結局誰の考えも間違っているからです。

自信がありそうな人や正しいことを言っているように見える人というのは、みんなその場の雰囲気や調子に乗っているだけにすぎないのですが、何を言われても平気な自分をつくっているから、間違っているように見えないだけです。

著者は世の中を自分以外の人間を犬や虫けらみたいに見ているそうです。

「人間はオレ一人だけ。犬をいじめてもしょうがないから養ってあげよう。虫たちの平和も守らなきゃなあ」と考えることで、自分の主体がはっきりしてくるそうです。

著者の場合はこれぐらいして自分の主体を中心に置かないと、ブレてしまうとまで言います。

決して相手のことを見下げているわけではありません。もちろん独善的になったら失敗です。これはちょうど本番前の舞台に緊張した役者に「客席にいるのはナスかカボチャだと思え」と舞台監督が声をかけるのと同じです。

軸がぶれていないからこそ譲歩できることが見えてくるし、謝ることもできます。勘違いしている人は、言い張ったり、相手に言い勝とうとします。

でもそれでは、先ほどの「ハイパワーの思考力」「どんな価値観にも合わせられる応用力」といったものが空回りしてしまいます。

ですので、自分を律する、そして相手を守ってあげるという意味の強さを含んだ自己を持つことが大事なのです。

確実に最適解を生み出す話し方

それでは、戦闘思考力を駆使したユニバーサル・トークをするうえで、守るべきルールをお伝えします。

それが次のとおりです。

  1. 勝たない
  2. 「勝つ」のではなく「答えをつくる」
  3. 相手を負けさせない
  4. 相手を笑わせる
  5. 悩ませない
  6. すっとさせる

たとえ勝っても、相手は許さない:ルール①勝たない

意見が合わない相手と言い争いになることはあると思います。

ですが、そのような場合においても「勝たない」ことが大事です。

なぜなら、相手を言い負かしたとして、その瞬間は自己満足するかもしれませんが、言い負かされた相手は、ふつうは素直に負けを認めないものだからです。

逆にそれまでの議論の前提をひっくり返して無茶苦茶なことを言い出したり、恨み言をごちゃごちゃ言い出して、結局ろくなことにはなりません。

そして、ユニバーサル・トークの目的である「誰にでも通じる話し方・伝え方」とはまったく別方向のベクトルです。

敵対しても協力をする:ルール②「勝つ」のではなく「答えをつくる」

会話で「勝たない」という戦略を取ったなら、相手と共通の利益を得られるようにしましょう。それが「答えをつくる」ということです。

相手との間に「答え(共通の利益)をつくる」ということは、どちらも負けないということになるのです。

話し合いになったり、言い争いになるということは、そこに何か問題があるということですが、それを解決するため、お互いがもっと良いことを思いついて「これだったらお互いが協力できる」という「答えをつくる」のが最終目的なのです。

お互いが納得いく意見、建設的な意見を出し合って、有益な答えを出すというのは、とても大事なことです。

相手に勝たせるくらいの気持ちで:ルール③相手を負けさせない

先ほど、「お互いが負けない」というふうに言いましたが、自分は「勝たない」を目指し、相手にとっても「負けさせない」を意識しなければいけません。

というのも、相手に負けたと悔しがらせてしまったら、せっかく良い答えを見つけたとしても、相手は絶対にその通りに動いてくれなくなってしまいます。

たとえ、自分側のメリットを削り、相手側のメリットを増やすような結論を出したとしても、相手が「負けた」という印象を持ってしまったならおしまいです。

ですので、相手に「負けた」と思わせないことが大事なのです。

答えに気づかなかった自分たちを笑う:ルール④相手を笑わせる

相手に「負けた」と思わせないためには、相手を笑わせることも有効であると著者は言います。

戦闘思考力の使い方としては、自分が勝ったりしないし、相手を負けさせたりしません。そうではなくて、共通の「答え」をつくり、できればそのときに相手を笑わせて、自分も笑えば円満にことが運びます。

で、何を笑えばいいかというと、そんなことを思いつかなかった自分たちを笑えばいいのです。「こんな問題にひっかかってたなんてバカだなあ」とか「どうして最初にこれを思いつかなかったのかなあ」といった感じです。

こうなると、もう解決したようなものです。

もし相手が間違っているとしたら、どこか初歩的なところでつまづいているだけです。ですので、そこを見つけたら「あ、これで悩んでいたのか、いやあ気づかなかったよ。ごめんね」と、2人で笑えるはずですし、その場も和やかになります。

絶対に変なおみやげを置いていかない:ルール⑤悩ませない

やってはいけないことのルールである「悩ませない」。

言い争いになったり、お説教したりするときにこのようなことを相手に言ったりしてないですか?

「こういう意見を、もっと考えなきゃダメだぞ」

「そんな気楽な考えでいいと思っているのか!もっと考えろ!」

ついつい言ってしまう言葉ですが、これは議論の最後に「宿題」を出しているのと同じです。

これが「相手を悩ませる」ことにつながります。

相手に言い勝ち、相手を言い負かし、最後には「宿題」までおみやげにしようとする。

自分にとったら善意なのでしょうけど、相手はすごく嫌な気持ちになりますよね。しまいには自分のことを人間的に嫌いになられてしまいます。

ですので、相手に宿題を出すのではなく、相手のできそうなことを自分も一緒に考えるのです。そうしないとなかなか相手は動いてくれないはずです。

相手をマッサージするように4:ルール⑥すっとさせる

相手を「悩ませない」ときたら、大事なのは何かというと、相手を「すっとさせる」ですよね。

相手にもし問題があったとしたら、それを相手に直させるのではなく、その問題に対して2人でなんとかできる方法を考えるのは、これまでに出てきました。

しかし、その問題を解決する答えが見つからなかったとしても、今日は2人で問題が話し合えて「良かった」と、確認しあって終わりにするのです。

それが「すっとさせる」です。

「解(ほど)ける」という言葉がありますが、まさにこのとおりで、勝ったり負けたりすることで、問題という結び目がどんどん固くなります。

これでは、解こうにも解けません。

ですので、問題をやさしくマッサージして、結び目がゆるく解けるように柔らかくするのです。

2人で笑いながら話して問題を柔らかくすることで、あとは解決する力に任せます。

そして最後は、宿題を出すのではなく、「話し合えて良かった。少しすっとしたね」と終らせるわけです。

「勝たない」「負けさせない」「悩ませない」ようにして「答えをつくる」「笑わせる」「すっとさせる」といった考え方が、ユニバーサル・トークにおいて戦闘思考力を使うときのルールだと心得ましょう。

『頭の回転が速い人の話し方』の感想・まとめ

「ユニバーサル・トーク」と「戦闘思考力」で、最強の会話力を磨こう

本書の感想として、話し方のテクニックではなく、相手に対する思いやりとかエチケットについて、思考を働かすベクトルの内容でした。

つまり、相手の立ち位置や立場、自分との軸の違いを瞬時に把握し、「妥協点」を見出すことに注力し、決して相手と対立せず、平和的な結論を出すための心得を教わったということです。

これは、日ごろから意識していないとできないし、うまく相手に伝えるには、伝え方の練習を常に取り組んでいかなくてはいけません。

そうでないと、戦闘的思考力というのは、鍛えられないし、加えて、ユニバーサル・トークも磨かれないということです。

本書でやはり感じるのは、「思いやりの心」が非常に重要だということですね。

そういった意味で、ことあるごとに読み返したい一冊です。

よろしかったらぜひご一読ください。

『頭の回転が速い人の話し方』は、現在(2023年2月4日時点)amazonの本読み放題サービス「キンドルアンリミテッド」の対象になっています。

キンドルアンリミテッドは、ビジネス書からマンガまで幅広いジャンルの本が読み放題です。ぜひこの機会にご検討ください。

『頭の回転が速い人の話し方』の概要

本書の目次

『頭の回転が速い人の話し方』

まえがき 「最強の会話術」って何だろう?

第1章 なぜあなたの話は伝わらないのか?
第2章 なぜ、あなたの意見は共感されないのか?
第3章 「話し方」を武器にする
第4章 確実に最適解を生み出す話し方
第5章 あなたの頭の回転を倍速化するレッスン

まとめ あとがきに代えて

著者の紹介

岡田斗司夫(おかだ・としお)

1958年大阪生まれ。

プロヂューサー、評論家、文筆家、実業家、企画者、講演者。

大阪芸術 大学客員教授。

85年、アニメ・ゲーム制作会社ガイナックスを設立。代表取締役として「王立宇宙軍―オネアミスの翼」「ふしぎの海のナディア」な ど数々の名作を世に送る。

92年退社。「オタキング」の名で広く親しまれ、「BSマンガ夜話」「BSアニメ夜話」のレギュラーとしても知られる。

主な著書

岡田斗司夫ゼミのサイコパス人生相談』インプレス (2022/7/5)
ユーチューバーが消滅する未来』PHP研究所 (2018/11/15)
人生の取扱い説明書 』株式会社ロケット; 第1版 (2015/8/11)
カリスマ論』ビンワード; 第1版 (2016/3/3)
スター・ウォーズに学ぶ「国家・正義・民主主義」』SBクリエイティブ (2016/9/5)
大人の教養として知りたい すごすぎる日本のアニメ』KADOKAWA (2017/12/28)
30独身女、どうよ!?』株式会社ロケット; 第1版 (2015/8/11)

共著

人生の法則 「欲求の4タイプ」で分かるあなたと他人』株式会社ロケット; 第2版 (2013/11/20)
超情報化社会におけるサバイバル術 「いいひと」戦略』株式会社ロケット (2014/7/15)
あなたを天才にするスマートノート・電子版プラス』株式会社ロケット; 第3版 (2014/1/6)
評価経済社会・電子版プラス』株式会社ロケット; 第3版 (2013/7/11)
みんな、くたばればいいのに 理想型の生き方‎ 株式会社ロケット; 第1版 (2014/2/14)
いつまでもデブと思うなよ・電子版プラス』株式会社ロケット; 第1版 (2013/8/28)
プチクリ!―好き=才能!』株式会社ロケット; 第1版 (2013/12/18)
なんでみんなそんなに、バカなの? 司令型の生き方 株式会社ロケット; 第1版 (2014/2/14)
アニメの教科書 上巻: 岡田斗司夫の『遺言』より』株式会社ロケット; 第1版 (2014/6/19)
アニメの教科書 下巻: 岡田斗司夫の『遺言』より』株式会社ロケット; 第1版 (2014/6/20)
岡田斗司夫のひとり夜話 Vol.1 同人誌 総集編』物造工房クダトリノ; 第4版 (2013/9/20)
僕らの新しい道徳 』朝日新聞出版 (2013/8/30)
評価と贈与の経済学』株式会社のぞみ; 第1版 (2013/3/16)

コウカワシン

最後までお読みいただきありがとうございます。

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この記事を書いた人

四国在住。
ミニマリスト。趣味は映画観賞と音楽鑑賞、読書、野球観戦。
映画は特に好き嫌いなくほとんどのジャンルーを観ます。音楽はジャズとクラシックが大好きです。読書は歴史書が好きでよく読みます。

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