【書評】『小説「ライオンのおやつ」』 小川糸著(人生の最後に食べたいおやつは何ですか?)

コウカワシン

こんにちはコウカワシンです。

今回は小川糸著「ライオンのおやつ」を書評させていただきます。

ズバリこの本は「自分の最期の時に対する向き合い方」を考えさせてくれる本です。

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目次

「ライオンのおやつ」のあらすじ

主人公は海野雫(うみのしずく)33歳

雫は幼い頃、両親に先立たれ母の双子の叔父に引き取られ男手ひとつで育てられます。

18の時に父と慕う叔父の元を離れひとりで暮らしていた雫は病と闘っていましたが、ある日医師から余命を告げられます。

いろいろと検討し最後の日々を過ごす場所として、瀬戸内の島にあるホスピス(終末期ケアを施す施設)選んだ雫は、穏やかな島の景色の中で本当にしたかったことを考えます。

ホスピスでは、毎週日曜日、入居者が生きている間にもう一度食べたい思い出のおやつをリクエストできる「おやつの時間」があり、その思い出深いおやつをみんなでいただくのです。

ですが雫はなかなか選べずにいました。

著者の紹介

小川糸(おがわいと)

1973年 山形県生まれ

小説家、作詞家、翻訳家、音楽制作ユニットFairlifeのメンバー

作詞家としてのペンネームは春嵐(しゅんらん)

清泉女子大卒業後、マーケティング会社に就職。その後、編集プロダクションに転職し情報誌ライターとして仕事を始めるもその情報誌が休刊となりリストラに。アルバイトをしながら小説家として活動を開始。「密葬とカレー」がデビュー作。2006年小説「食堂かたつむり」が第1回ポプラ小説大賞にて入賞こそ逃したものの編集者の目に留まり、編集者と二人三脚で作品を完成させ2008年に出版、以降数多くの作品が、英語、韓国語、中国語、フランス語、スペイン語、イタリア語などに翻訳され、様々な国で出版されている。

「食堂かたつむり」は、2010年に映画化され、2011年にイタリアのバンカレッラ賞を受賞。2013年にフランスのウジェニー・ブラジエ賞を受賞。

2012年には「つるかめ助産院」が、2017年には「ツバキ文具店」がNHKでテレビドラマ化された。「ツバキ文具店」と「キラキラ共和国」は「本屋大賞」にノミネートされている。その他著書に「喋々喃々」「ファミリーツリー」「リボン」「ミ・ト・ン」など。

この本との出会い

この本は「文学YouTuberベルさん」の動画で紹介され読んでみたくなりました。

題名を見て「ん?、ライオンのおやつ」って思いましたが、ベルさんの説明でほのぼのとしメルカリでポチリました。

出品者さんからの説明にも「読んで良かった」と感想が綴られ自分としても「生命の向き合い方に疑問を感じていたので・・・」ますます読んでみる気になりました。

「ライオンのおやつ」の惹かれる部分

皆様、人生の最後に食べたいおやつは何ですか?

いやあ、この本を読み、それをずっと考えていました。

この本にはおやつ以外にも朝出される朝食のお粥とか雫が散歩に持ち出すお弁当とか夕食に出される食事(特にいいだこのおでんが気になる!)の描写が瀬戸内の風景ともあい重なって魅力的に描かれているんです。

もちろんホスピス(終末期ケアを施す施設)ですから人との別れのシーンが出てきます。自分がリクエストしたおやつをいただけなかった方もいらして、そのシーンは思わず目頭が熱くなります。

そしてこのお話に出てくる人物たちにも惹かれます。

まず第一にこのホスピスの代表者であるマドンナさん。この方はいつでもそーっと心に寄り添ってくれます。たしかにどの言葉もそっけないものなのかもしれません。けど必要な時に必要な言葉、そして態度で入所されてる方たちの気持ちを穏やかにしているような気がします。

そしてこの島に来て知り合ったタヒチ君。彼との間に恋にも似た感情が生まれ、もうすぐこの世からなくなる自分が恋なんてって悲壮的でもなく、良い思い出作りになったと覚悟を決めれた程よい距離感に二人の大人っぽさを感じます。

他にもたくさんの魅力的な方が現れますが・・・ここで書くのはやめておきましょう。それほどこの本は読んでいくうちに最後に近づくにつれてお名残り惜しいというか「まだ終わらないで~」って気持ちにさせてくれるんです。

まとめ

この本を読み終えた時、ふう~~ってため息をついてしまいました。人間は必ず他人に影響を与えているんですよね。言葉に発しなくとも態度・行動で分かり合えるんです。

だから自分を偽らず素直にいろんなことに向き合うべきなんです。そして1日1日を大切に生きる。これに尽きると思います。

最後にこの物語で感動した言葉を

「思いっきり不幸を吸い込んで、吐く息を感謝に変えれば、あなたの人生はやがて光り輝くことでしょう。」

シスター

「だって、私はまだ死んでないもの。命が燃え尽きるまでは、がんばらなくちゃ。」

「誰もが自分の蒔いた種を育て、刈り取って、それを収穫します」

マドンナ

これだけ聞いても何のことかわからないですよね?

だったらこの本読むしかありません。

実際、導入部というか最初の方ってどんなドラマにでもある設定でありきたりだなあって思ってましたが中間部から終盤は圧巻でした。

もう涙が止まらないんです。

そして温かな気持ちになりました。

この本の持つ意味はこのような気持ちの芽生えなんです。

ではもう一回お聞きします。

人生の最後に食べたいおやつは何ですか?

コウカワシン

最後までお読みいただきありがとうございます。

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この記事を書いた人

四国在住。
ミニマリスト。趣味は映画観賞と音楽鑑賞、読書、野球観戦。
映画は特に好き嫌いなくほとんどのジャンルーを観ます。音楽はジャズとクラシックが大好きです。読書は歴史書が好きでよく読みます。

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