『世界のニュースを日本人は何も知らない』は、どんな本?
『世界のニュースを日本人は何も知らない』は、ズバリ!「日本ってあんがいイケてるじゃん!」がわかる本です。
本書はこのような本
著者の谷本真由美(たにもと・まゆみ)さんは、元国連専門機関職員です。
ご主人はイギリス人で、現在ロンドンにお住まいです。
つまり、「海外の諸事情に詳しい専門家」ということです。
そんな著者が、この『世界のニュースを日本人は何も知らない』で伝えたいのは、あまりにも日本人が海外に対して無知でいて、「日本のすばらしさ」を知らないことを再確認してほしいという思いであるといえます。
本書を読むと、世界各国のイメージがガラッと変わりますし、「日本人で良かった」と再確認できます。
まだまだ海外と交流が自由にならず、各所で不穏な動きで、頭を抱えることが多いですが、このシリーズを読むことで、「なぜそうなるのか?」ということを納得することが可能であるといえます。
本書がおすすめな人
『世界のニュースを日本人は何も知らない』が、おすすめな人
- 日本という国に期待を持てない人
- 海外にあこがれる人
- もっと活発に海外と交流したい人




『世界のニュースを日本人は何も知らない』の要点は?
情報が活発に行きかう現代においても知らないことは多いものです。
わたしたち日本人は、海外のことについてどのくらい知っているというのでしょうか?
そして世界から見た日本がどれくらい恵まれているかを知っているでしょうか?
それを知るには、知っている人から聞くのが一番手っ取り早いと思います。
本書の著者は、元国連専門機関職員であり、現在も海外で暮らしています。
つまり、非常に海外通なわけです。
「本書の内容を鵜呑みにしろ」というわけではありませんが、参考にしたり、海外をもっと知るうえできっかけにできる一冊です。



それでは本書から、私の独断と偏見で、気になる海外情報と対しての日本の内実、正しい情報の取り方を紹介したいと思います。
この記事から、「この本、いいなあ」と思われたなら、ぜひ手に取って読んでみることをおすすめします。
日本で発信されるニュースに世界はおどろいている
世界を知らない日本人
海外では当たり前のように報道されているのに、知らない日本人が多いと著者は言います。
たとえば、欧州では2015年以降、シリアやアフガニスタンからの難民が大量流入して大変な問題になりました。
ギリシャでは地元住民と難民との間でトラブルが発生し武装警官が出動する騒ぎになったり、エーゲ海のコス島では公園や海岸が難民キャンプに占拠されたりと観光客が激減する事態になったといいます。
ところが日本人の多くはこのようなニュースをまったく見ていなくて、騒動が起こっている最中に「新婚旅行でギリシャを訪れたい」などという人すらいたそうです。
それと同時期に爆発事件が発生したり暴動が起こったりし、戒厳令が敷かれていたトルコのイスタンブールの状況を日本では報道しませんから「トルコを一周してみたい」と考える人も出てくるわけです。
ビジネスの面では、キャリアアップのために海外のインターンシップに挑戦を試みた20代の人は、ビジネスニュースや経済ニュースを丹念に目を通すほどの語学力がないのにもかかわらず、ある国の企業に履歴書を送り続けます。ところが、一向に返信がありません。
なぜかというと、欧米でのインターンシップは、ある程度のスキルのある若い人をお試し雇用し、実力があれば本採用するという仕組みで、即稼げるスキルや経験がない人には給料を出さないどころか、経費はすべて自己負担なのだそうです。
仕事を丁寧に教えてくれるわけではなく、研修費用を徴収する会社も少なくないといいます。
でも日本では、インターンシップの表層的な部分だけ報道するので、そのようなことをまったく知らない人が出てくるわけです。
まったく「おめでたい」としかいえない状態なのですが、なぜこのような平和ボケというか世間知らず的な日本人が多く発生するのでしょうか。
日本の「トップニュース」は内向き?
まず、外国人は日本の報道するニュースに驚くそうです。
海外ではまず最初に報道されるのは、「国際情勢」です。
たとえば、「シリアの紛争」「中東の情勢」とか、自国の通貨やビジネスに大きく影響するニュースを大々的に報道します。
なぜなら、自分の生活や仕事に大きく影響し、このような国際的トピックにアンテナを張る人が非常に多いからです。
ところが日本ではこのような国際ニュースはマイナー扱いで、多くの人々の生活に影響を与える可能性のないもの、たとえば、「老人のクルマが暴走」「あおり運転事件続発」「崎陽軒シウマイ売り切れ」「ヒグマに襲われた」などです。
日本のテレビや新聞ではこのようなニュースがトップで報じられますが、「ヒグマに襲われた」とか「皇室のメンバーの婚約者が親の借金について説明する」などというのは、海外ではゴシップ新聞に載る程度のトピックです。
でも日本では、クオリティペーパーであっても、なぜかこういった内容がニュースとして大きく取り上げられるのだそうです。
アメリカやイギリスのクオリティペーパーでは、「オピオイド危機でジョンソン&ジョンソンに判決」「アマゾンの火災でブラジルが貿易交渉でEUを脅す」「香港デモ」「クルド人の動向」といった重大ニュースがトップになります。
つまり海外のトップニュースは、国内外の政治経済トピックが多く、日本のようにスポーツ選手や芸能人なんて一切登場しないし、食レポやヒグマ、イノシシに関するニュースなんて出ないのです。
良い悪いは、それぞれ個人の判断ですが、海外のニュースは日本の報道と違って、堅くて真剣みがあるといえます。
それがなぜなのかは、日本人が知らない海外の実態が関係しているからでしょう。
次はそれを見ていきます。
世界は、自由がなくて無茶苦茶
著者から見て、海外は日本以上に自由がなく無茶苦茶であるといいます。
何を見て、自由であるかは見方がわかれるところですが、まず言えることは、海外は安全ではないということです。
まずに日本のように中学生までの子どもが一人で外出するなんていうことは、海外では考えられません。というのも海外では子どもの誘拐が日本の比じゃないくらい起きているからです。
目的は、子どもの人権を無視した性的虐待目的や人身売買まであるというからおどろきです。アメリカでは学校の行き帰りでさえ、親の送り迎えが当たり前というのもうなずけます。
誘拐だけではなく、アメリカでは銃乱射や銃撃戦といった犯罪がよく問題になるほか、イギリスではナタを持った100人を超える中高生が映画館などで抗争したりするそうです。
とくに貧困層家庭では、せっかく学業が優秀でも家族に勉強を邪魔されたり、経済状況、私生活の問題、衛生問題、家庭内暴力に振り回され学業をあきらめざるをえないといいます。
このほかの国でもスリやスクーター強盗が多く、大人でも大変危険なのに子ども一人で外出させることができる日本はかなり安全な国といえますね。
どれもこれも「格差」の広がりが原因の一つではないでしょうか。
日本は世界的に見て、素晴らしく恵まれている国
格差の広がりがすさまじいアメリカでは貧困層に容赦しません。リベラルなはずのサンフランシスコやシアトルのような大都市で、貧しい人を地域外へ追い出す動きが盛んなのだそうです。
これらの街では「差別反対」と叫んでいる人も多く、裕福なIT企業も多いので、とても裕福なエリアであるにもかかわらず、その裏でホームレスがバスに乗せられ、他の都市へ「配達」されているということです。
アメリカは経済的成功者には寛容な一方で、貧困層や落伍者に対しては信じられないほど冷酷ということで、この事実を日本ではなかなか報道しないのです。
イギリスではイングランド、ウェールズ、スコットランドといった全土において、ヘロインやコカインといった薬物が蔓延し、それが影響してか、街のいたるところでガチで本物のヤンキーが闊歩しています。
ほかの欧州の国々でも、風紀面、健康面、汚職といったダークの面も横行し、世界一幸福な国フィンランドでも、教育レベルはかなりやばい状況だと報告されているそうです。
テレワークにしても、海外は日本よりもグーンと進んでいるような印象を受けますが、アメリカにしても2019年時点でテレワークの制度を設けている民間企業は全体のたった7%だといいます。
しかも多くの企業が「テレワーク離れ」しているそうです。
というのもテレワークは個人で自己完結する仕事には向いているけど、他者と強調しつつチームで働く業務には向いていないからという説が目立ってきたからです。
テレワークも知識産業が中心である北欧の国々では割合が増えます。というのも小規模な国が多く、人口も少ないので仕事を効率的に回し、生産性を高めなければ国として生き残れないという事情もがあるからです。
一方、ギリシャやブルガリア、イタリアなどの南部は農業や漁業に従事する人が多いためテレワークが不可能で、採用率の割合は低くなります。
就職難も大きな問題です。
アメリカにおいても実際に雇用不安から「FIRE(早期リタイア)ムーブメント」を生むきっかけになりました。
ミレニアル世代(1981年~1996年に生まれ)は、こうした雇用不安の影響を大きく受けているそうです。子どもが親よりも高い収入を得ることが困難になり、アメリカンドリームはもはや不可能だといいます。
一方、欧州では子どもが親世代の階層超える割合が高めで、第一位はキプロス、そしてデンマーク、イギリス、スウェーデンが名を連ねています。
欧州ではないけど日本も六位にランクインして、世界で成り上がりやすい国の一つになっているのです。
その理由にしてもいろいろと見方が変わりますが、日本では、中級以下の下位層の両親に生まれた子どものうち、18%が階層を移動してトップ階層に上りつめていきます。
これはアメリカに比べて、実に高い数字です。
それから、公的教育のレベルが高く、費用も安価なことも幸いしています。
職業差別や階層による差別が非常に少なく、はい上がってきた人も差別されることがほとんどありません。
これをどのように受け取るかですが、日本の未来が明るくないわけではないといえます。
世界と日本人の国民性の違いが、コロナ感染の明暗を分けた
世界的なコロナウィルス感染症の拡大は、それぞれの国での対応・対策が明暗を分けました。
2020年8月30日の時点で、アメリカでは死者が18万人を超えていましたし、イギリスでもおよそ6万人、イタリアやフランスでも3万人を超えていました。
ところが日本では、同じ時期の累計を見ると1300人ほどでした。
このような差がひらいた背景には、日本にはまず「マスクをする」という習慣があり、インフルエンザが流行る時期や花粉症の季節にマスクをする人が街にあふれます。
ところがアメリカをはじめ欧州、オセアニアではマスクを真っ向から否定し、身につける習慣があるのは医療関係者だけだといいます。
なぜマスクをしないのかというと、「マスクは感染防止に効果がない」とか「政府が個人生活に介入すべきではない」「健康管理は個人の権利だ」とした自己チューな国民性が災いして、当初「マスクをしない」が、まかり通っていたからです。
同時期にWHO(世界保健機関)が「他人に感染させないためにもマスク着用を推奨する」としても当のその国々は、「マスクは不要だ」とする人が大多数でした。
そんな人たちは、日本人をはじめとするマスク必要派のアジア諸国のことを「科学的ではないバカげたことをする東洋人はやっぱり未開地の人間だ」としていました。
なぜマスクをするのがいけないのかというと、彼らには「マスクをしてる奴はヤバい奴」という認識があるからです。
もともとマスクは弱者や病気の象徴であり、目にするだけで不気味だと考えている人が大勢います。しかも口元を隠すマスクは、「自分の本心を隠している」ととらえられていて、口元を手で隠して話すだけでも不快に感じる人が大多数なのです。
マスクをつけないだけではありません。
外から帰ったら手洗いうがいの習慣もなく、土足で建物の中に入る、トイレや公共の場は衛生管理がなされていないという問題も大きいでしょう。
雇用の面でも対応が違っています。
日本以外の先進国では、外出禁止令が発令された前後に大規模な解雇を行った企業も多く、街は失業者だらけだったといいます。
とくに航空業界では、新型コロナ危機の直後、従業員を数万人単位で解雇したのに対し、日本ではその時点においてもJALやANAは、従業員を解雇せず、防護服を作る仕事にあてがうという対策をしたのです。
給付金に関しても、外国は手厚いという報道ばかりが目立ちますが、その条件やら、のちのちの対応まで見れば、かなり裏も深いといいます。
日本では、赤ん坊から受刑者、認知症のお年寄り、さらに日本に住んでいる外国人にまで、資産や審査もせず、一律で10万円を配りました。
外国はウィルス検査は無料でも、治療は日本と違って有料なところも多いのです。
日本では国民皆保険という制度まであります。
アメリカでは高齢者を除いて、このような公的制度はなく、民間の医療保険に入らなければいけません。
医療費は自己負担分を支払うことが多いが、そう簡単に全額払ってもらえるわけでもなく、毎回保険会社と交渉しなければならないといいます。
しかも、自己負担の最低金額が数万円など、保険があっても医療費の負担が高額で、病気やケガによっては数百万円の治療費を請求され、破産する人もいるといいます。
このように日本が海外に比べて、大変に恵まれた環境で、新型コロナウィルス感染症の対応にしても、優れていたことを日本のメディアの多くは報道しませんでした。
そのうえ、日本政府や医療機関の対応に文句ばかり言っていました。
これでは、日本人が世界に対して胸を張れる国民になれないのは無理がないといえますね。
世界の情報を正しく見るために
正しい情報を得るポイント
いままでテレビニュースやネットニュースをそのまま鵜呑みにしていたなら、気をつけましょう。
それは何かの意図を持ったフェイクニュースが混ざっているかもしれないからです。
日本では学校で情報の読み方を体系的に教えていないため、日本人をだますのは簡単だと外国人は見ています。
一方、外国では子どものころからどうやって情報の裏側を読み取るかを訓練させるそうです。
なぜ子供のうちからかというと、これらの国では「他人のことは基本的に信用しないのが当たり前で、他人は相手をだましても悪びれず、だまされるほうが悪いという感覚が根づいている」からです。
たとえば、イギリスでは教育熱心な学校だと小学1年生から「事実的」な文章やニュースを見たり読んだりする際には、次のことに注意せよと教育するそうです。
- どんな媒体か?
- 誰が運営していてお金の出どころはどこか?
- 媒体の政治的なポジションはなにか?
- 読者は誰か?
- 何を目的とするか?
- 何かを売りつけたい/政治的な意識を変えたい/宣伝したい/娯楽を提供したい
- 誰が書いているか、つくっているか?
- 制作者や筆者の実績や背景/支援者/協力者
- 発表された日時
- なぜそのタイミングで出したか?
- 関連する重要な事件は?
- 自分自身の思い込み 等々
どうですか?
これまで見てきたテレビ番組やニュースで、ここまで情報の裏側を意識してみたことはないのではないでしょうか。
これらは、情報リテラシーを持つために非常に大切な考え方であるといえますよね。
フェイクニュースの見分け方
では、フェイクニュースの見分け方についても、どのようなことを注意すべきかをみてみましょう。
これは、著者がフェイクニュースを見分けるときに目安にしているポイントです。
- 異常に人気がある(ページビューや「いいね」が多い)
- 書いている人が匿名
- とにかく「!」が多い
- 字が間違っている
- 胡散くさい場所から配信されている(例:タックスヘイブンの国)
- やたらと絵が多い
- 写真や絵を他のサイトから盗んでいる
- 典型的な陰謀論が満載(例:人工地震)
- あやしい音楽が流れる
- アクセスカウンターが設置されている
- 左から右へ流れるGIFアニメを設置
- なぜか仮想通貨を推している
- サラリーマンを非難してフリーランスを称賛
- 「たった一日でなんちゃら」「たった10秒でなんちゃら」
- とりあえず意識が高い
- かなり空白が多い
- 断捨離を必要以上に強く勧めている
- 頻繁に白いシャツの人が出てくる
- 超高価な製品をアゲアゲ
- 浄水器、英会話教材、情報教材のアフェリエイトリンクが多い
まあ、とりあえず内容がかたよっていたり悪意を感じるようなものは、何かの意図があるものとしてみたほうがいいということですね。
信用できる情報ソースを厳選すべし
信用できる情報ソースの目安は次のとおりです。
- 中央政府や地方自治体、国際機関などの公的な組織
- 知名度がある大学や研究所
- 医師や弁護士、不動産鑑定士、建築士など許認可が必要な専門家
- 長年堅実経営している一部上場企業の公式発表
- 知名度が高く専門家に評価されている新聞、雑誌、通信社
- 評価の高い学術論文誌に掲載されている論文
- 老舗大手出版社出版している書籍やニュースレター
- 公共放送、大手民間放送
- 専門家などから評判のいいニュースサイト
政府や大手優良企業、大学や研究機関などは発信する情報の責任を重視するので、組織内部に発信情報を精査する仕組みがあるそうです。
つまり、複数の目があるため、誤解を生む内容やクレームのリスクがありそうな情報は内部承認の時点で削除や習性が入ります。
日本ではもちろんのこと、外国にいたっては日本とは比較にならないほどの訴訟社会のため、読者の健康情報を害するような書籍を出版したり、変な情報を発信できません。
しかも英語圏の放送局では出演する人に出演前に100ページ近い契約書にサインさせますし、料理番組などではレシピが再現できるかどうか入念なチェックが入るそうです。
本を大量に読むべし
ニュースに目を通すのと同じで、本をたくさん読むと、自分にとって必要な情報がどの分野のどんな本に書いてあるかが感覚的にわかるようになるといいます。
その際に参考にすべきは、著者名、著者のバックグラウンド、出版社、表紙のデザインやフォントです。
著者や出版社は得意分野がありますから、自分の好きな分野や仕事の専門に注目しておけば、すぐに必要な本が見つかるとのことです。
たくさんの本に触れられるようにぜひ公共や大学の図書館を活用しましょう。
求めている本がなかなか見つからない時には司書の方に相談すると最適な一冊を見つけてくれます。
動画を活用すべし
情報を得るためには文章だけでなく、動画を活用することも重要だと著者は言います。
サブスクリクションサービスや動画サイトを活用し、効率的に情報を仕入れていきましょう。
世界のニュースを得るのに活用できる動画サービスが次のとおりです。
Apple TVは、Appleが提供する動画サービスで、このサービスの良いところは、さまざまなアプリをApple TV内でダウンロードして動画を楽しめることです。
アプリ内には「RT」「Sky News」「アルジャジーラ」「NHK World」「BBC」などの国際放送局もいくつか含まれています。
これらのほとんどが無料で、24時間、世界のニュースを放送しています。
Amazon Prime Videoは、さまざまなコンテンツが提供されていますが、特に勉強になるのは海外のドキュメンタリーや時事問題を扱ったドラマや映画です。
コツは、まずアメリカやイギリス、欧州など海外のAmazon Prime Videoのサイトを覗いて、今どんなものが人気かを調べます。
現地の人が利用しているものがわかったら、日本版のAmazon Prime Videoで観たり購入するといいと著者は言います。
Netflixのすばらしいところは、多言語で字幕や音声が提供されているところです。
多種多様なマーケット向けにつくられたオリジナルコンテンツを観ることができ、世界事情を知るのに役立ちます。
たとえば、日本にいながらインドやメキシコのマーケット向けにつくられたコンテンツを見れば、現地の様子や話題になっていることが一目瞭然だそうです。
Khan Academyは、アメリカの教育系非営利団体が完全無料で提供しているオンラインの学習サイトです。
子ども向けの算数や理科だけではなく、歴史や英語まで幅広く提供しており、大人向けにプログラミングや理系の講座も提供されています。
世界のニュースを知りたい人にとって特に役に立つのが、世界史を扱うものや時事問題を解説する動画です。
クリティカルシンキングを身につけるべし
情報を入手したら、それらを咀嚼して自分なりに理解する必要があります。
常に「これは正しいか?」「別の考え方はないか?」「この著者がこのように主張する理由は何か?」「このタイミングでこの情報が出るのはなぜか?」などと疑問を持ちながら情報を整理していくことが大切です。
これを「クリティカルシンキング」といいます。
情報や他人の意見を批判的な視点で分析する方法で、メンタリストDaiGoさんが『悩む力』という本の中で、「クリティカルシンキング」の重要さを説いています。
たとえば最初の考えから少し離れて「ん? ちょっと待てよ。本当にそれで合っていると言えるのか? 別の方法はないのか?」と自問自答する行為や考え方をすることでかれ自身の原点となるスキルだとしています。


クリティカルシンキングのスキルを鍛えるには、論理的な思考を養うのが近道です。
ニュースや物事を目にした際には理論的に考えてみて、何かおかしなところはないかと問うところから思考が始まるからです。
先ほどのメンタリストDaiGoさんの『悩む力』以外に、著者がすすめる書籍として、次の二冊がおすすめだそうです。
- バーバラ・ミント著『考える技術・書く技術~問題解決力を伸ばすピラミッド原則』ダイヤモンド社; 新版 (1999/3/1)
- ピーター・シュワルツ著『シナリオ・プランニングの技法』 東洋経済新報社 (2000/6/1)
検索力を身につけよう
数多くのサイトでは、学術論文や役に立つ科学技術情報が多数提供されています。
検索する際には、その検索すべきフレーズや用語をうまく選ぶ必要があり、そのノウハウを身につけなければ、いつまで経っても他人に押し付けられる記事や情報を読むしかありません。
そこで、正しいリテラシーを身につけるためにサーチテクニックを身につけましょう。
スキルを学ぶのに参考になるのは図書館情報学です。
大学の図書館や公立図書館では、情報検索の方法を指導してくれるところがあったり資料を公開しているので自分で探して勉強できるそうです。
検索のテクニック本は、図書館情報学を専門に研究している人や図書館司書の方が書いたものが良いそうです。
それから、著者は情報を検索するためのノウハウが記されたWebツールを2つほど紹介してくれました。
『世界のニュースを日本人は何も知らない』の感想・まとめ
日本人に生まれたことに幸福を感じ、いま一度胸を張ろう!
さすがにこの3冊を一挙に一つの記事にまとめるのには無理がありました。
しかし、共通して思うことは「日本は恵まれている」とか「日本人に生まれて良かった」という事実と実感でした。
世界を見てきた人は、すでにこの事実を把握しているとは思いますが、大多数ではないと思います。
ですので、この谷本真由美(たにもと・まゆみ)さんの『世界のニュースを日本人は何も知らない』シリーズをぜひ読んでみていただきたいと思います。
このシリーズは、今回紹介した内容のほかにも「世界が日本をどう見ているか」とか「あんがい日本社会は国際化?」「イギリス王室」といったみんなが興味を惹かれるものが多数あります。
まだまだ海外に旅するには、難しい時期ではありますが、自由に行き来できるようになったときのために本書で予習しておきませんか?
これは、多くの日本人に希望を与える本でもあります。
ぜひ手に取って読んでみてください。
これらの『世界のニュースを日本人は何も知らない』は、現在(2023年1月14日時点)amazonの本読み放題サービス「キンドルアンリミテッド」の対象になっています。
キンドルアンリミテッドは、ビジネス書からマンガまで幅広いジャンルの本が読み放題です。ぜひこの機会にご検討ください。
そしてこの『世界のニュースを日本人は何も知らない』シリーズは、第4巻もあります。
今回この記事では、取り上げませんでしたが、興味がある方はぜひ読んでみてください。
『世界のニュースを日本人は何も知らない』の概要
本書の目次
『世界のニュースを日本人は何も知らない』第1巻
はじめに
序章 日本人はなぜ世界のニュースを知らないのか
第1章 世界の「政治」を日本人は何も知らない
第2章 世界の「常識」を日本人は何も知らない
第3章 世界の「社会状況」を日本人は何も知らない
第4章 世界の「最新情報」を日本人は何も知らない
第5章 世界の「教養」を日本人は何も知らない
第6章 世界の「国民性」を日本人は何も知らない
終章 世界の重大ニュースを知る方法
おわりに すべては日本人のこれからのために
『世界のニュースを日本人は何も知らない』第2巻
はじめに
第1章 世界の「マスク騒動」を日本人は何も知らない
第2章 世界の「称賛」を日本人は何も知らない
第3章 世界の「自己チュー」を日本人は何も知らない
第4章 世界の「教育」を日本人は何も知らない
第5章 世界の「イギリス王室」を日本人は何も知らない
第6章 世界の「格差」を日本人は何も知らない
第7章 世界の「残酷な国民性」を日本人は何も知らない
第8章 世界の「技術」を日本人は何も知らない
第9章 世界の「重要なニュース」を知る方法
おわりに
『世界のニュースを日本人は何も知らない』第3巻
はじめに
第1章 世界の「ずさんな戦略」を日本人は何も知らない
第2章 世界の「オリンピック熱」を日本人は何も知らない
第3章 世界の「日本のイメージ」を日本人は何も知らない
第4章 世界の「日本の人気」を日本人は何も知らない
第5章 世界の「同調圧力」を日本人は何も知らない
第6章 世界の「ヤバすぎる国民性」を日本人は何も知らない
第7章 世界の「イギリス王室と政治家」を日本人は何も知らない
第8章 世界の「風俗とドラッグ」を日本人は何も知らない
第9章 世界の「エンタメ事情」を日本人は何も知らない
第10章 世界の「重大ニュース」を知る方法
おわりに
著者の紹介
谷本真由美(たにもと・まゆみ)
著述家。元国連職員。
1975年、神奈川県生まれ。
シラキュース大学大学院にて 国際関係論および情報管理学修士を取得。
ITベンチャー、コンサルティングファーム、 国連専門機関、外資系金融会社を経て、現在はロンドン在住。
日本、イギリス、アメリカ、イタリアなど世界各国での就労経験がある。
ツイッター上では、「May_Roma」(めいろま)として舌鋒鋭いツイートで好評を博する。
趣味はハードロック/ヘビーメタル鑑賞、漫画、料理。
主な著書
『添削! 日本人英語―世界で通用する英文スタイルへ』 朝日出版社 (2015/1/26)
『日本人が知らない世界標準の働き方』PHP研究所 (2021/3/22)
『世界でバカにされる日本人』ワニブックス (2018/8/22)
『キャリアポルノは人生の無駄だ』 朝日新聞出版 (2013/6/13)
『不寛容社会』ワニブックス (2017/4/12)
『日本が世界一「貧しい」国である件について』祥伝社 (2013/4/1)
『バカ格差』ワニブックス (2018/1/11)
『脱! 暴走老人 英国に学ぶ「成熟社会」のシニアライフ』朝日出版社 (2018/10/26)
『日本に殺されず幸せに生きる方法』あさ出版 (2013/5/22)
『世界中で食べてみた危険な食事』幻冬舎 (2014/9/12)
『世界のどこでも生きられる! 外籠もりのススメ』 ディスカヴァー・トゥエンティワン (2014/1/31)
『日本の女性がグローバル社会で戦う方法』大和書房 (2014/3/26)
『日本人の働き方の9割がヤバい件について』PHP研究所 (2015/9/18)
『ノマドと社畜 ~ポスト3.11の働き方を真剣に考える』朝日出版社 (2013/3/9)
『国連でも通じる 世界の非ネイティブ英語術』KADOKAWA (2016/6/16)
『中国商い要注意マニュアル』マイクロマガジン社 (2007/10/24)
『ショック!アタリ紀行』 マイクロマガジン社 (2007/7/1)




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