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『たった1つの図でわかる!図解経済学入門』から学び「経済」を自分なりに理解できる頭を持とう!

コウカワシン

こんにちはコウカワシンです。

今回は、高橋洋一(たかはし・よういち)さんの著書『たった1つの図でわかる!図解経済学入門』から学ばせていただきます』

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目次

『たった1つの図でわかる!図解経済学入門』は、どんな本?

『たった1つの図でわかる!図解経済学入門』は、ズバリ!「簡単に経済を理解し自分なりに社会の仕組みを考える力が身につく本」です。

本書は、このような本

テレビのコメンテーターとしても有名な経済学者高橋洋一(たかはし・よういち)さん。

高橋洋一チャンネル(YouTube)でも歯切れのいい話し方で、経済や世界情勢など社会のあらゆることをわかりやすく解説されていますよね。

本書の他にもたくさんの書籍を出版されています。

本書は、他の経済入門書と違って難しい経済用語は省き、たった一つの図だけで、経済を説明しています。

たとえば、「「モノの値段はどう決まる?」とか「なぜ値上げなのか?」といった身近なことや「お金の政策」「マイナス金利」「TPP」「消費税増税」といった気になるニュースをどうとらえるかをたった1枚の図で説明しているのです。

本書を読めば、今までわからなかった「経済」について理解することができ、そのうえで、マスコミや学者、政治家の言葉を鵜呑みにせずに自分の頭で考えられるようになります。
 


 

本書がおすすめな人

『たった1つの図でわかる!図解経済学入門』がおすすめな人

  • 自分は経済オンチだと思っている人
  • 政府の発表やマスコミの報道にいつも不安を感じている人
  • もっと経済の知識を身につけたい人

『たった1つの図でわかる!図解経済学入門』の要点は?

本書は、「経済を理解するのに、難しい理論は必要ない」「経済の9割はたった一つの図でわかる」としています。

難しい経済理論などは出てきませんが、二つの言葉だけは、理解しておく必要があります。

それが「需要」と「供給」です。

「需要」というのは、消費者側の「買いたい」という意欲を指します。

「供給」というのは、必要に応じて商品やサービスを提供する活動を指します。

この「需要」と「供給」のバランスこそが、経済学のすべてといっても過言でないのです。

コウカワシン

それでは、本書からわたしの独断と偏見で「経済学」のほんのさわりの部分だけ取り上げたいと思います。

この記事から、経済に興味を持たれたなら、ぜひ本書を手に取って読んでみることをおすすめします。

物価は「需要」と「供給」で決まる

「需要曲線」と「供給曲線」が経済を左右する

ズバリ!経済とは「需要と供給」の話に他ならないと著者は言います。

わたしたちの暮らしに関する経済を理解するのに必要なのは、「物価変動」と「経済政策」だけであり、それは「需要と供給の図」一つで説明できると著者は言います。

次の図をご覧ください。

出典:社スタ「【中学公民】市場経済とは?需要、供給曲線をわかりやすく解説!」より

経済は生き物ですから、この「需要曲線」と「供給曲線」の交わる「均衡価格」というものは、常に変化します。

この「均衡価格」というのが、いわゆる「物価」であり、この変化の加減で、「物価が上がった」とか「物価が下がった」となっていくのです。

物価は市場で決まる

物価、つまりモノの値段ということですが、これは市場(しじょう)で決まります。

市場とは、モノが売り買いされる「舞台」のようなものです。消費者と生産者が、「いくらで売り買いするか?」という意識を持って、集まっている場所と考えるとよいといいます。

たとえば、100人の消費者が、ある商品について「いくらで買うか」を考えているとイメージしてください。

何人かは「100円で買う」、何人かは「200円で買う」、また何人かは「300円で買う」というように値段の希望はそれぞれです。

これを、値段の高い順に並べると【図2】のようになります。

その一方で、その商品の生産者たちが100人いて、彼らは彼らで「いくらで売ろうか」と考えます。

「1000円で売る」という人もいれば、「900円で売る」という人もいる、また別の人は「800円で売る」といったように生産者にしても、値段の希望はそれぞれです。

それを、値段の低い順に並べると【図3】のようになります。

【図2】の消費者のものは「需要」を示し、【図3】の生産者のものは「供給」を示しています。

【図2】の需要曲線が右下がりは消費者が「より安く買いたい」ということ、【図3】の供給曲線が右上がりなのは生産者が「より高く売りたい」ということなのです。

この図を重ねた【図4】が、「需要と供給の図」ということです。

【図4】のQ(数量)は、売れる個数を示しています。

つまり、買い手にとっては値段が低くなるほど「買う個数」は増え、売り手たちにとっては値段が高くなるほど「売る個数」が増えるということです。

消費者と生産者の希望が合わさったポイントが物価

市場は、モノの値段を一つに定める場所です。したがって、より多くの消費者と生産者が納得できる価格に落ち着くことになります。

それが、消費者と生産者の希望がしっかり合わさったポイントだということです。

このポイントこそが、物価(モノの値段)であり、このようにして定まっていくのです。

ちなみにこの商品の値段が500円に決まったら、「1000円で買う」と考えていた消費者は500円、「800円で買う」と考えていた消費者は300円ほど、安く買えることになります。

つまり、消費者に「お得」が出ている分を「消費者余剰」といいます。

反対に「100円で売る」と考えていた生産者は400円、「300円で売る」と考えていた生産者は200円、より高く売ることができます。

こうした生産者の「お得」の分は、「生産者余剰」といいます。

【図5】がそれを表しています。

「物価が上がる」とはどういうことか?

モノの値段が動くのは、「需要の変化」と「供給の変化」の2つの要因があります。

「需要の変化」で見る値段の変化

「買いたい」という人が増えると、需要曲線は右にシフトします。

この【図6】から、需要曲線がD1からD2というように右にシフトすると、供給曲線と交わるポイントはP1からP2というように上方に移動します。

「同じ数のモノ」に対して、「買いたい人が増えた」ということで、結果、「モノの値段が上がる」ということになります。

では逆に「買いたい人が減った」場合には、需要曲線が左にシフトし、供給曲線と交わるポイントが下方に移動し、結果、モノの値段が下がります。

それが【図7】で見ればわかるように需要D1がD2に移動すれば、値段P1がP2に下がるというように表わすことができます。

「供給の変化」で見る値段の変化

「供給の変化」とは、生産者が作る「モノの数」が増えたか、減ったか、といった話です。

次の【図8】を見てみます。

生産量が増えると、供給曲線はS1からS2というように右にシフトし、需要曲線と交わるポイントがP1からP2といった具合に下方に移動します。

これは「同じ数の消費者」に対して「モノの数」が増え、価格が下がったということです。

逆に、モノの生産量が減れば、【図9】のように供給曲線がS1からS2へ左へシフトし、需要曲線と交わるポイントがP1からP2へというように上方に移動し、値段は上がるということになります。

このように、結果だけを見れば「あるモノの値段が100円から110円に上がった」という話でも、その起こり方には、需要が変化したか、供給が変化したかの2つの可能性があるということになります。

そして、実際には、「どちらかはまったく変化せず、どちらかだけが変化した」ということはありません。需要曲線と供給曲線の両方が動いているということです。

「値段が上がった」「値段が下がった」は、その現象だけ見るのではなく、その背景を知ること

価格変動には「需要が動く」「供給が動く」という2つのメカニズムが動くということですが、ある商品の値段が上がったという現象一つにとってみても、どういう背景で起こったかを考えてみることは重要です。

たとえば、その商品の人気が高まっているようなら、「これは需要曲線が右にシフトした」と想像できます。

ですが、もし、人気は高まっているのに価格が一定レベルに保たれたなら、需要曲線は右にシフトする一方、その商品を作っている企業が大増産し、供給曲線が右にシフトした結果、値段が保たれたのかもしれないと予想できます。

値上げには、メーカー側に何か値段を上げざるを得ない事情が、生じた可能性だってあります。

例を挙げれば、「原料不足」「原材料の価格の高騰」といったことだって読み解くことができるのです。

といったように、ただ「値段が上がった」とか「値段が下がった」という現象だけを見るのではなく、その背景にまで思いを馳せてみることが重要だと著者は言います。

目の前で起こっている価格変動は、需要曲線がシフトした影響か、供給曲線がシフトした影響かと考えてみることで、社会の動きをより的確にとらえることができるからです。

「金利」と「お金の量」は表裏一体

まず、「金利」って何でしょうか?

金利とは、「お金を貸し出す際に生じる見返り」のようなものと著者は言います。

たとえば、銀行は預かったお金を投資に使い、運用益を得ています。

「銀行が預かったお金」=「銀行がお金を借りている」ということであり、銀行預金につく利子はその見返りということです。

逆に、住宅ローンなどでお金を銀行から借りれば、今度はこちらが利子を払う側となります。

この金利を誰が決めているのかというと「日銀」(日本銀行)です。

厳密にいえば、日銀が決める「政策金利」が基準値になり、個々の金融機関が決めているということです。

金利には、「短期金利」「長期金利」があります。

世の中のお金の動きを実際に変えるのは「長期金利」なのですが、日銀は長期金利を直接動かすことはできません。

そこで日銀は、金融政策により「短期金利」を誘導して、派生的、間接的に長期金利も動かすという手段を取ります。

日銀は、世の中の景気を見て「政策金利」を決めます。

政策金利から派生的、間接的に長期金利が下がり、以前よりも多くのお金が世の中に出回り、結果、それが景気が上向く推進力になっていくということです。

つまり、世の中の金利とお金の量は、常に表裏一体で、金利が下がればお金の量は増えるし、金利が上がればお金の量は減るということです。

これは、先ほどの需給曲線に当てはめることができます。

Pは「金利」、Qは「世の中に出回るお金の量」、需要曲線は「世の中のお金の需要」ということです。

金利が下がると世の中の貨幣需要が増え、貨幣量(お金の量)が増えることがわかります。

なぜこうなるかは、金利が下がると、より多くの人がお金を借りに来るようになり、それだけ貨幣が必要になります。

日銀は、世の中の貨幣需要によってお金を刷る量を決めるので、金利が下がるとお金の量が増える結果になります。

逆に、金利を上げれば、お金を借りる人が減るため、世の中の貨幣需要が減り、貨幣量が減ることになります。

つまり、金利とお金の量も需要と供給であり、金利とお金の量も表裏一体ということです。

日本の財政は「まったく悪くない」

平成31年(2019年)10月1日から、消費税の税率が8%から10%へ引き上げられました。それからいまでは、防衛増税も議論されていて、国民としては、さらなる負担を避けられそうにありません。

増税のたびに思うのは、「国民に新たな痛みを強いるほど、日本の財政状況は悪いのか?」ということです。

結論からいうと「まったく悪くない」というのが著者の意見です。

誤解を解くために著者は、国の財政状況を「平成26年度連結貸借対照表」(バランスシート)を見て説明しています。

この【図33】を見てみると、バランスシートの右側には「負債」、左側には「資産」が入ります。

右側の下方にあるのが、資産から負債を引いた額です。

この図で言えば、資産で負債をカバーして439兆円の借金が残るということを示しています。

でも、このバランスシートの資産には「日銀」が入っていません。日銀は立派な「政府子会社」ですので、含めて考えたほうが財政の実態が見えます。

日銀の資産というと、2016年3月20日時点で、日銀が持っている国債が353兆円。これを先ほどの借金残高439兆円から引けば、90兆円程度になります。

世間では「国の借金が約1000兆円もある」と騒いでいますが、実際はその1/10の100兆円程度と見たほうが正確なのです。

それから、このバランスシートには税収が載っていません。

税収というのは、国にとって年収のようなものです。毎年、確実に一定額入るのに「資産」には入らないのです。

でも、税金も政府のお金であることには違いありません。

とくに日本のような先進国の税収は、わざわざ増やさなくても、すでに莫大です。

借金を相殺するものとして、現行の税収も資産に組み込めば、100兆円なんてあっという間にカバーできて、むしろお釣りがくるくらいだと著者は言います。

もちろん、借金がふくれにふくれて、将来税収を入れてもカバーできないくらいに借金が資産を上回ったら財政破綻のリスクが生じます。

破綻すると考えたい人たちは「すぐに起こりうる」と騒ぎますが、実際問題として、借金がそこまで上回るというのは、現実的ではありません。

財務省としては増税してお金を吸い上げて、自分たちの権限で再分配するという体面を保ちたいのです。だから、無用な増税もしたがるというのが著者の意見です。

消費税増税に賛成する経済学者は、財務省に使われるコマなのです。

そのような人たちや、彼らの立場から綴られた新聞記事のいうことを鵜呑みにしてはいけないと著者は言います。

『たった1つの図でわかる!図解経済学入門』の感想・まとめ

経済を「自分の頭」で考えられるとお金の不安は消える

本書を読むまで、「経済」の話なんて、ちんぷんかんぷんで難しいと感じていました。

経済を需要と供給で、説明できるというのはわかっているつもりでも裏付けになる理論を知らなかったので、「わからない」と敬遠してきたのだと思います。

ですが、本書で見れば、経済の基本とはとてもシンプルで、その背景さえわかれば、何も怖がることはないんだと思いました。

とくに「日本は経済破綻する」とどこからの声で脅されて心配になっていた人も多いと思います。

本書で、少しは安心したのではないでしょうか。

それもこれも、情報弱者をだますペテンなのです。

だからわたしたちに必要なのは「経済を自分の頭で考える力」を身につけることなのです。

この記事では、経済の初歩の初歩の部分しか取り上げませんでしたが、他にもためになる「お話」が満載です。

ぜひ本書を読んで情報弱者から脱しましょう。

そして「わからないから考えない」を抜け出しましょう。

『たった1つの図でわかる!図解経済学入門』は、現在(2022年12月30日時点)amazonの本読み放題サービス「キンドルアンリミテッド」の対象になっています。

キンドルアンリミテッドは、ビジネス書からマンガまで幅広いジャンルの本が読み放題です。ぜひこの機会にご検討ください。

『たった1つの図でわかる!図解経済学入門』の概要

本書の目次

『たった1つの図でわかる!図解経済学入門』

まえがき
プロローグ 経済の9割は「たった一つの図」でわかる!

第1章 「モノの値段」はどう決まる?
第2章 すぐわかる!「お金の政策」の話
第3章 本当はシンプル!「日銀と経済」の話
第4章 これだけで十分!「政府と経済」の話

エピローグ これで「自分の頭」で考えられる!

著者の紹介

高橋洋一(たかはし・よういち)

1955年東京都生まれ。

都立小石川高等学校(現・都立小石川中等教育学校)を経て、東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。


1980年に大蔵省(現・財務省)入省。大蔵省理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、内閣参事官(首相官邸)等を歴任。


小泉内閣・第一次安倍内閣ではブレーンとして活躍し、「霞が関埋蔵金」の公表や「ふるさと納税」「ねんきん定期便」など数々の政策提案・実現をしてきた。

2008年退官。


現在、嘉悦大学ビジネス創造学部教授、株式会社政策工房代表取締役会長。

主な著書

世界の「今」を読み解く!【図解】新・地政学入門~地理の政治学~』あさ出版 (2022/12/15)
国民のための経済と財政の基礎知識』扶桑社 (2021/4/29)
99%の日本人がわかっていない新・国債の真実』あさ出版 (2021/9/9)
明解 経済理論入門』あさ出版 (2020/4/8)
世の中の真実がわかる!明解会計学入門』あさ出版 (2018/4/8)
戦後経済史は嘘ばかり 日本の未来を読み解く正しい視点‎ PHP研究所 (2016/1/15)
財務省、偽りの代償 国家財政は破綻しない‎ 扶桑社 (2022/4/28)
安倍さんと語った世界と日本』ワック (2022/9/1)
理系思考入門』PHP研究所 (2022/3/17)
リフレが正しい。FRB議長ベン・バーナンキの言葉 KADOKAWA (2013/5/23)
日本国民のための【明解】政治学入門』あさ出版 (2021/7/11)
「消費増税」は嘘ばかり』PHP研究所 (2019/2/15)
図解 統計学超入門 あさ出版 (2018/12/21)
未来年表 人口減少危機論のウソ』扶桑社 (2018/10/31)
これが日本経済の邪魔をする「七悪人」だ!』SBクリエイティブ (2018/3/5)
世界のニュースがわかる!図解地政学入門』あさ出版 (2016/8/2)
正しい「未来予測」のための武器になる数学アタマのつくり方』マガジンハウス (2019/5/30)
高橋洋一式デジタル仕事術 』かや書房 (2021/4/28)
【図解】ピケティ入門 たった21枚の図で『21世紀の資本』は読める!』あさ出版 (2016/8/2)
「年金問題」は嘘ばかり ダマされて損をしないための必須知識』PHP研究所 (2017/3/15)
給料低いのぜーんぶ日銀のせい』ワニブックス (2021/6/9)
データから真実と未来を見抜け! プーチンショック後の世界と日本』徳間書店 (2022/4/29)
武器になる経済ニュースの読み方』マガジンハウス (2021/1/28)
外交戦 ~日本を取り巻く「地理」と「貿易」と「安全保障」の真実~ 』あさ出版 (2019/12/12)

コウカワシン

最後までお読みいただきありがとうございます。

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この記事を書いた人

四国在住。
ミニマリスト。趣味は映画観賞と音楽鑑賞、読書、野球観戦。
映画は特に好き嫌いなくほとんどのジャンルーを観ます。音楽はジャズとクラシックが大好きです。読書は歴史書が好きでよく読みます。

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