
こんにちはコウカワシンです。
今回は、五百田達成(いおた・たつなり)さんの著書『話し方で損する人得する人』から学ばせていただきます。
『話し方で損する人得する人』は、どんな本?
『話し方で損する人得する人』は、ズバリ!「得する話し方マニュアル」です。
本書はこのような本
家庭や友人間、仕事やビジネスの場、飲み会やデートなど、人との関わりは、「会話」によって行われます。
できることなら、自分の好感度を高めたいものです。
そのために会話力が必要ですが、ただ単に調子がいい話し方というだけではいけません。
とてもていねいな言葉づかいをしていても「損する言い方」をしていたら、好感度はダダ下がりです。
逆に「得する言い方」をしていたら、相手は自然と自分を好きになり、頼りにもされ、人間力アップにもつながります。
本書の著者、五百田達成(いおた・たつなり)さんは、作家であり心理カウンセラーです。
その五百田さんは、「話し方というのは、あなたが思っている以上に大切なものだ」と言います。
人間関係は、お互いの知性や立場、年齢・性別で、うまくいくかが決まるように思われがちだが、実際そうではなく「話し方」で、人間関係は良くも悪くもなるというのです。
本書で目指すのは、
- いろいろな人に誘われる
- いつもなごやかで楽しそう
- ストレスが少なく笑顔に満ちている
- 「あの人のためなら」と、まわりが動いてくれる
という人になることです。
そのほうが人生にとって得ではないでしょうか。
それは、ちょっと話し方を変えるだけで可能なのです。
つまり、どんな人にも必須の実用書である一冊なのです。
本書がおすすめな人
『話し方で損する人得する人』が、おすすめな人
- 良好な人間関係を持ちたい人
- 会話が途切れるのが不安な人
- 飲み会や恋愛でモテたい人
- うわさ話や悪口のかわし方を知りたい人
- 家庭で何を話せばいいかわからない人




『話し方で損する人得する人』の要点は?
「話し方ひとつで、損もすれば得もする」というのが本書です。
実際に日常でありがちな話し方がどれだけ「好印象」を与えて、「悪印象」を与えるかをアンケート調査から分析したものを掲載し説明しています。
シチュエーションも、「家庭・友人編」「飲み会・デート編」「仕事・ビジネス編」から例をあげて解説し「得するフレーズ」などの参考になる例も載っています。



その中から、わたしの独断と偏見で「基本的」な部分を抜き出しました。
各「得する話し方」は、実際に本書を手に取って読んでみてください。
「話したがり」は、嫌われる
相手の話をきっかけに自分の話を始める人は嫌われます。
たとえばこのような感じです。



「先週バーベキューに行ったんだけどね」



「へえ、バーベキューかあ! そういえば最近行ってないなあ。もう2年くらい行ってないかも」



「・・・・・・そ、そうなんだ。でね、バーベキューに行ったらね」



「あ、でも、バーベキューってけっこう準備とかたいへんだよね。結局、お店で飲むほうが気楽で好きだなあ。そうだ、屋上で飲めるビアガーデンがあってさ・・・・・・」



「・・・・・・」
バーベキューに行った話を始めた男性Aは、もっといろいろと「トラブルがあった~」とか「楽しかった!」といったことを話したかったはずです。
男性Fが「バーベキュー」とううキーワードに反応して、「自分は最近行っていない」とか「バーベキューは意外とたいへん」あげくの果てにはバーベキュー批判をしてしまいました。
これでは、男性Aがイヤな思いをします。当然男性Fの好感度は下がるでしょう。もう話したくないと思ったかもしれません。
これではあきらかに損です。
相手が話し始めたら「聞き役」に徹しよう
相手が話しだしたら、とにかく「聞き役」に徹しましょう。
「聞く姿勢」を持てば、それだけで相手に好印象を与えます。仕事はもちろん、恋愛などプライベートでも必ず得をすると著者は言います。
聞き上手になるのが難しいと感じるなら「聞くフリ」から始めてみましょう。黙ってうなずくだけでもOKです。
それから人が話している途中に言いたいことが思い浮かんだときは、ささっとメモをとっておくのです。
「あ、これが言いたい」と思ったらさえぎるのではなくメモをする。そして、相手の話をきちんと聞いた後に発言するのです。
話を聞いているだけで相手には「あの人とは話が合う」「話しやすい」「あの人はおもしろい」とまで思われるのだそうです。
ですので、相手の話をさえぎらず「聞く姿勢」を身につけましょう。
気を利かすために使えるワザ
いくら聞き上手が好かれるといってもやたらと「なるほど」といった相づちを打っていないでしょうか?
「なるほど」には、「あなたの話を理解しました」とか「納得です」「共感できます」といったメッセージが込められていて、本来であれば、好ましい印象が相手に伝わるはずです。
ですが、「なるほど」を繰り返すことで、「理解しました」というニュアンスから「はいはい、理解しました」とか「わかったってば」、果てには「もういいから話を切り上げてよ」などというプレッシャーを与える可能性があります。
そうなると逆に、「ほんとに聞いてくれているのかなあ?」と思わせてしまう羽目になります。
「なるほど」を多用しがちな人は、次のようなワザを使ってみましょう。
気の利いたあいづちより使える「オウム返し」
「なるほど」より使えるワザは「オウム返し」です。
たとえば、相手がこう話したら、それを「オウム返し」するのです。



「・・・・・・というあたりが問題なんですよ」



「問題なんですね」



「ひどい目にあっちゃったよ」



「ああ、ひどい目に・・・・・・」
このように男性Lが言ったことを男性Kが「オウム返し」をしています。
このようにすべてを繰り返さなくても、相手の発言の一部を繰り返すだけで、相手は「聞いてくれている」と安心して、話を続けやすくなるのです。
黙って「うなずく」だけで、相手は安心する
「オウム返し」も有効ですが、何も言わず黙ってうなずくことも相手は安心感を持ちます。
たとえば、優秀なカウンセラーは10分のカウンセリングのあいだに3つくらいしか言葉を発しないそうです。
「そうなんですね」「イヤなんですね」「そうですか」くらいなもので、「あー」とか「はいはい」など、余計な言葉は言わず、ひたすら黙ってうなずいているといいます。
人はつい、話を聞くという姿勢で、相手のためについつい相づちを打ちがちですが、実は黙ってうなずくだけで「聞いてくれている」という安心感を相手に与えられるのだそうです。
「なるほど」がいけないわけではない
もちろん「なるほど」がいけないわけではありません。
単調な相づちは繰り返すことによって相手に悪印象を与えてしまいがちです。
相づち上手になるためには、相づちバリエーションを増やす、もしくは、黙ってうなずくことで「得」な話し方になると著者は言います。
悩み相談でやってはいけないこと
友人に悩みを打ち明けられ相談に乗ることがありますよね。
ところが、相手の相談に対して、自分なりに受けとめ親身な対応をしようとしているのに、相手が不機嫌になったりすることはないでしょうか。
たとえば、このようなことです。



「・・・・・・というわけで、本当にどうしたらいいかわからなくて・・・・・・。つらいんだよね」



「なるほどね。でもさ、そんなことはよくあることだよ。オレだってさ~」
このように有人男性Gの悩みを自分事のように語り、相手にとって気持ちの軽くなるような意見を言ったと男性Hは思っています。
でもそれは相談をしてきた相手には伝わらないどころか、相手を疲れさせてしまう話し方なのです。
アドバイスせず、話を聞き共感しよう
せっかく自分にとって大変なことを話しているのに、「仕事ってこんなものだよ」「家庭ってそんなものだよ」「そんな悩みはよくあることだよ」などと簡単に片づけられていると思うのです。
しかも「オレだってさ~」と話題を奪おうものなら、「もう相談したくない」と思ってしまいます。
では男性Gは、男性Hに対して何を期待していたかというと、「共感」です。共感してもらうことで少しでも癒されたいと願っていたのです。
ですので、悩み相談を受けたなら、相手がこちらにアドバイスを求めない限りは、じっくり相談事を聞いてあげて、むやみに意見せず、相手の悩みを共感し、一緒に考えようとする姿勢が必要です。
あれこれ問いたださない
それから、あれこれ「問いださない」ことも大事です。
たとえば、「フラれちゃってさ~」→「何でフラれたの?」、「街中でとつぜん変な人に絡まれた」→「いつ?どんな人」といった相手を責めながら、返事を迫って問い立てるようなことをしてはいけません。
相手が自分の気持ちを表現するのに精一杯なのに、ついつい自分の好奇心を優先してしまうのがこの聞き方だと著者は言います。
相手にしてみれば「フラれた理由なんてどうでもいいだろ!」、「とつぜん襲われて恐ろしかったという話がしたかっただけなのに・・・・・・」と、話の腰を折られた気分になってしまうのです。
相談者はすでに自分の答えを持っている
これは余談ですが、相談者が相談する場合、その悩み事については「その人なりに答えがすでに決まっている」ということがあります。
ですので、相手が答えを問うてきた場合以外は、「アドバイスしない」「問いたださない」「相手のペースを守る」が得する話し方の鉄則だということです。
悪口は言わない
決めつけをしない
悪口というわけではないでしょうけど、「あいつは○○だ」とか「あの人は、バブル入社組だから仕事はできない」、「イケメンは絶対遊び人だ」と少しの情報だけで人を評価していないでしょうか。
見た目や属性だけでその人の考え方や行動のタイプを決めつけてしまうのは、人間ですから仕方ないかもしれませんが、言われた人も、それを聞いていた周りの人も言った人に対していい印象を持ちません。
特に「ネガティブな決めつけ」は誰も得しないのです。
なぜこのような少しの情報から「絶対○○だ」と決めつけてしまうのかというと、「人はわからないものを本能的に恐れる」からと著者は言います。
また、わからないものを一から観察して理解するとをめんどくさがるのも一因です。ですので、人であろうとモノであろうと、自分があらかじめ持っている枠組み(固定観念)に当てはめようとするのです。
でも気をつけましょう。
気の利いてことを言ってわかったつもりになっていても、それは相手にとって決めつけであり、偏見であり、場合によってはハラスメントにもなりうることをです。
こと「悪口」と取られかねないことは言わないに限るのです。
でも、まわりがついつい悪口を言っているときに同意を求められることがありますよね。とても困ることですが、どのようにかわせばいいのでしょうか。
まわりの悪口に載せられないようにするには
まずそのようなとき、わからないものは「わからない」と認めましょう。
周囲の誰かが「決めつけ」をしてきたときも「わからない」と返せば角も立たず、自分が悪口に同意したことにはなりません。
たとえば、



「あの人って整形だよね?」



「うーん、わかんない」



「あの人って、A型だから細かいのかな?」



「そうだな~、わかんない」
このように「わからない」と返すことにより、自分自身の気持ちも軽くなるはずです。
わからないものはわからない。それ以上、強引に枠にはめないようにすることが大事です。
そして、わからないなら、わかろうとじっくりコミュニケーションを重ねていくことも大切です。
「これってこうだよね」と早合点してわかったつもりになるより、「なんでこうなっているんだろ?」と好奇心を持つことが結果的に得をするはずです。
めんどくさい人と思われないようにしよう
まずはこの会話を見てください。



「昨日髪切ったんだ!」



「かわいいなあ!わたしなんて顔が大きいからショートとか絶対無理!」



「そんなことないと思うけど」



「いやいや、わたしってほら、地味な顔立ちだし、かわいげがないというか」



「そんなことないって・・・・・・」
こんなふうに「自分を卑下する」ことってないですか。
実は、、、わたしはよくあります。
「わたしなんて・・・・・・」を連発する。その後「かわいくないから」「頭が悪いから」「仕事できないから」「みんなに迷惑をかけてばかりだから」と自分否定の言葉が続いたりしますよね。
「わたしなんて~」は、「そんなことないよ」とフォローしてくれることを期待している言い方です。
それが透けて見えるので、しだいに聞かされるほうは「めんどくさい」と思います。
たしかに謙虚にへりくだっておけば「バッシング」はされませんが、「わたしなんて」が口ぐせになっていると、敵を作らない分、「めんどくさい人」のレッテルを貼られてしまうのです。
「めんどくさい人」は、こんなに損
そもそもこのような「自虐行為」は、セルフハンディキャッピングの要素もあるといいます。
セルフハンディキャッピングとは、うまくいかない要因を先にアピールして「予防線」を張る行為です。
たとえば、「今日は二日酔いで調子が悪いから・・・・・・うまくいかないかもしれない」とか「今回のテストはいろいろアクシデントがあり勉強できていないから最悪の点数になるかも・・・・・・」といった感じです。
結果的にうまくいったらラッキーだけど、うまくいかなかったときに「ほら、言った通りでしょ?」と、批判をかわすことができるということです。
そのうえ、「そんなことないんじゃない?」と支持をされるかもしれないし、うまくいったら「意外とやるじゃん」と評価も上がります。
ですが、一時でも相手に気を使わせますし、困らせます。
このような自虐的な口ぐせがある人は、「めんどくさい人」「かまってほしい人」という評価がついてしまいますので、結果的に損をしてしまうのです。
ですので、「わたしなんて」がクセになっている人は、少しずつでもいいから直していかなくてはいけません。
同じ自虐的な発言をするなら、もっと良い言い方があります。
「わたしなんて」を「わたしは」に変える
「わたしなんて」が口ぐせの人は、「わたしは」に変えてみましょう。



「わたしは、仕事は遅いかもしれないけど、頑張ります」



「わたしは、自信はないけど、自信を持つように努力しています」
女性Hさん、Kさんのように、最後は「ポジティブ」に締めるだけで印象はグッと良くなります。
人は基本的にポジティブな人が好きです。
とにかく自虐をやめるだけでも効果がありますので、ぜひ意識してみましょう。
『話し方で損する人得する人』の感想・まとめ
「どう話すか」によって人生は天国にもなれば地獄にもなる
本書に限らず、会話術の書籍は多くあります。
たしかに、人と良好な関係を保つためにマナーを教える本は多いのですが、「うまい言い換え」を教えてくれる本は、本書を含めて数冊程度ではないでしょうか。
たしかに「気の利いた言葉」なんて、とっさに出てこないものですが、このような書籍を読み、自分の引き出しをたくさん持っておけば、対応しやすくなるのではないかと思います。
やはり、誰だって「人から好かれたい」ものです。
発する言葉の多くは、「相手のことを思って」ではないでしょうか。
でも、その言葉で、かえって傷つけたり、思いが伝わらないなんて、悲しいことですよね。
そのような誤解を生まないためにもぜひ手に取って読んでみることをおすすめします。
『話し方で損する人得する人』は、現在(2022年11月17日時点)amazonの本読み放題サービス「キンドルアンリミテッド」の対象になっています。
キンドルアンリミテッドは、ビジネス書からマンガまで幅広いジャンルの本が読み放題です。ぜひこの機会にご検討ください。
『話し方で損する人得する人』の概要
本書の目次
『話し方で損する人得する人』
はじめに
第1章 家庭・友人編
第2章 飲み会・デート編
第3章 職場・ビジネス編
第4章 ちょっとした言い換えで「得するフレーズ」厳選15
おわりに
著者の紹介
五百田達成(いおた・たつなり)
作家・心理カウンセラー。
東京大学教養学部卒業後、角川書店・博報堂・博報堂生活総合研究所を経て独立。
サラリーマンとしての実体験と豊富なカウンセリング実績を活かした、人づき合いやコミュニケーションに関する実践的アドバイスが好評を得ている。
執筆や講演の主なテーマは、「コミュニケーション心理」「社会変化と男女関係」「SNSと人づきあい」「ことばと伝え方」など。
「スッキリ! ! 」(日本テレビ)、「この差って何ですか?」他、テレビ・雑誌など、メディア出演多数。
主な著書
『超雑談力』 ディスカヴァー・トゥエンティワン (2019/12/22)
『不機嫌な妻 無関心な夫 うまくいっている夫婦の話し方』ディスカヴァー・トゥエンティワン (2020/11/20)
『不機嫌な長男・長女 無責任な末っ子たち』ディスカヴァー・トゥエンティワン (2016/11/11)
『察しない男 説明しない女』ディスカヴァー・トゥエンティワン (2014/7/30)
『図解 察しない男 説明しない女』ディスカヴァー・トゥエンティワン (2016/10/22)
『「察しない男」と「説明しない女」のモメない会話術』ディスカヴァー・トゥエンティワン (2015/8/27)
『戦略的、めんどうな人の動かし方』クロスメディア・パブリッシング(インプレス) (2014/6/13)
『部下 後輩 年下との話し方』ディスカヴァー・トゥエンティワン (2022/5/27)
『“生まれ順”でまるわかり 一人っ子ってこんな性格。』ディスカヴァー・トゥエンティワン (2017/11/11)
『“生まれ順”でまるわかり 長子ってこんな性格。』ディスカヴァー・トゥエンティワン (2017/11/11)
『“生まれ順”でまるわかり 中間子ってこんな性格。』ディスカヴァー・トゥエンティワン (2017/11/11)
『“生まれ順”でまるわかり 末っ子ってこんな性格。』ディスカヴァー・トゥエンティワン (2017/11/11)
『退屈な日常を変える 偉人教室』文響社 (2016/1/29)
『繊細な人 鈍感な人 無神経なひと言に振り回されない40の考え』PHP研究所 (2021/8/26)
『超話し方図鑑』飛鳥新社 (2021/11/8)
『「言い返す」技術 』徳間書店 (2019/5/25)
『あの人との距離が意外と縮まるうまい呼び方』サンマーク出版 (2018/4/15)
『なんで水には色がないの?』文響社 (2014/11/6)
『一瞬で幸せ本能がめざめる心のゆるめかた』KADOKAWA (2014/1/22)
共著
『特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ』クロスメディア・パブリッシング(インプレス); 第1版 (2012/6/13)
『結婚できないのはママのせい? 娘と母の幸福論』CCCメディアハウス (2013/10/7)




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