
こんにちはコウカワシンです。
今回は、田路めぐみ(たじ・めぐみ)さんの著書『東大医師が教える最強の育毛革命』から学ばせていただきます。
『東大医師が教える最強の育毛革命』は、どんな本?


『東大医師が教える最強の育毛革命』は、ズバリ!「髪の毛を守るためにやることマニュアル」です。
本書は、このような本
このようなことはありませんか?
ああ、最近髪の毛が薄くなってきたなあ~
髪にハリやコシがなくなってきてヘアが決まらないわ~
高い育毛剤をきちんとつけているのに、効果がなかなか出ないなあ~
といった薄毛の悩みです。
こういった悩みは老若男女問わず幅ひろく取り上げられるほか、医療でも薄毛外来があるなど、当事者にしてみれば深刻だといえます。
本書の著者田路めぐみさんは、形成外科医で薄毛治療のスペシャリストです。ご自身も薄毛に悩まれた経験があり、身体全体とストレスまで考慮した総合育毛治療が人気を呼んでいます。
田路さんは、「食事・運動・睡眠・ストレス」といった生活に深くかかわる4つのターゲットを攻略しなければ薄毛から立ち直ることができないといいます。
というのも、身体に吸収された栄養は、皮膚や髪や爪よりも、内臓や脳、神経で優先的に多く消費されるため、髪の毛や皮膚、爪などに栄養がたどりつきにくく、体の不調があった際に「健康のバロメーター」とさえいわれるものだからです。
特に糖質過多はメタボだけではなく、薄毛も加速するそうです。
たとえばランチや飲み会で、ろくろく栄養素が入っていないのに高カロリーなものばかり食べたり、運動をしないことはもともと健康に悪いことですが、薄毛も加速させてしまうといいます。
そのうえ、忙しさのあまりストレスも抱えていないでしょうか。
「薄毛は総合力で立ち向かわなければいけない」とするのが、田路さんの意見です。
本書は、そのノウハウや育毛剤や内外薬の最新情報まで完全網羅した薄毛対策の手引書なのです。
本書がおすすめな人
『東大医師が教える最強の育毛革命』が、おすすめな人
- 薄毛に悩む人
- メタボな人
- ストレスを抱えがちな人
- 運動不足の人
『東大医師が教える最強の育毛革命』の要点は?


「薄毛」は、古今東西、男性だけでなく女性にとっても身近で切実な悩みです。
ですが、髪の毛は、たった一つのスイッチを押しさえすれば自動的に生えてくるといった都合のよい特効薬はなく、髪を作っている「体」という土台づくりができていないといけないと著者は言います。



それでは、本書からわたしの独断と偏見で、「育毛」にとって大事だと思う部分をピックアップしたいと思います。
ですが、この記事だけでなく、実際に本書に取り上げられている最新の「薄毛治療」や「薄毛対策グッズ」は、ぜひ本書を手に取って確認していただきたいと思います。
薄毛の基を断とう
薄毛対策として、いったいどのようなことが考えられるでしょうか?
高価な育毛剤でしょうか?
頭皮の汚れを取ることでしょうか?
それだけで薄毛の進行を止めることはできません。
それよりももっと大事なことは、薄毛の基を断つことです。
というのも、そのようなことを施しても髪の土台である頭皮に栄養が届き、毛を作る細胞が働かないとまったく効果がないそうです。
細胞やホルモンがしっかり働くようにするためには、まず「食事」・「睡眠」・「運動」・「ストレス」といった毎日の生活を改善しなければいけないのです。
つまり、生活習慣を改善するだけで薄毛対策になるのです。
髪はタンパク質でできている
そもそも髪はケラチンというイオウを含んだタンパク質が主成分です。
ケラチンは18種類のアミノ酸からなる成分で体内で作られます。このアミノ酸というのは、たんぱく質をはじめとしたバランスのいい食事をすることで得られる栄養素です。
ですので、食事は髪の構造・薄毛対策には欠かせないターゲットなのです。
髪の構造というのを見てみると、髪の毛は3層からなり、一番外側がキューティクル(毛表皮)、真ん中がコルテックス(毛皮質)、一番内側がメデュラ(毛髄質)といいます。


キューティクルというのは、シャンプーのCMなどでわたしたちにも聞き覚えがありますよね。
キューティクルの主成分がイオウを含むケラチンタンパクで、うろこ状のものが重なっいて、よろいのように髪の内側を守り、髪のツヤやハリを左右しています。
コルティックスは、髪の85~90%を占めます。縦に並んだ繊維状のケラチンタンパクが主成分で、この部分の構造が、髪の柔軟性、太さ、色味に影響します。
一番内側のメデュラは非ケラチンタンパクが主成分です。産毛や細い毛には存在しないことがわかっていますが、髪にどのような影響があるのかは、まだ解明していないそうです。
これを見てわかるのは、髪はそれぞれが異なるタンパク質できていて、キューティクルを整えただけでは、手触りやツヤといった表面上は良好でも、髪の内側が健やかでしっかりとせず、薄毛対策にはなりません。
しかも、髪は一定のサイクルで生え変わりますから、表面だけのケアというのは一時的なものでしかないのです。
「毛根が毛を作る」を意識しよう
ご存知のように毛が生えているところには「毛根」があります。
毛根の構造はこの図のとおりです。


この図を見てわかるように、毛細血管、毛乳頭、毛母細胞の部分を毛球といいます。
毛包には毛乳頭を包むように毛母細胞が存在しているのですが、この毛乳頭が毛細血管から酵素や栄養を受け取って毛母細胞に送ることにより、細胞分裂が繰り返されて毛が作られるのです。
ここで大事なことを言いますが、本来は1つの毛根から毛は2~3本出ていて、太いものと細いものが混在しています。薄毛というのは、この毛根から1本しか出なくなったり軟毛になったりすることで起きるのです。
そしてその原因の一つが、しっかり酵素や栄養が供給されないことで毛母細胞が細胞分裂できず、毛が作られないのです。
ここでわかるのが、頭皮の外側からケアするだけでは、髪はなかなか元気にならないということなのです。
頭皮は髪の毛の「水田」。頭皮の状態を整えよう
頭皮は、頭蓋骨を守ると同時に、髪を育てる水田です。
頭皮は他の皮膚と同じで、表皮、真皮、皮下組織の3層でできています。


いちばん表面の角質層は日々少しずつはがれていきます。
基底層で生まれた表皮細胞がはがれ落ちるまでにかかる時間は約1ヵ月で、このサイクルがターンオーバーと呼ばれ、頭皮も他の部分の皮膚と同じようにターンオーバーを繰り返しています。
頭皮がほかの皮膚と違うのは、皮脂腺や汗腺が多いことです。
特に男性は女性より皮脂腺や皮脂量が多く、汗やほこりと混じって頭皮が汚れやすく、かゆみやフケの原因にもなるため、シャンプーなどでしっかり汚れを取り除くことが、薄毛対策と合わせて大切です。
お百姓さんがおいしいお米を作るために田んぼに植えた稲に水や養分を与え、毎日手入れするように、髪の毛にも水(血流)や養分(栄養やホルモン)、毎日のホームケア(手入れ)をしなければ、健やかな髪の毛にはなりません。
これには、バランスの良い食事、良質な睡眠、適度な運動、ストレス解消が成立してこそ、頭皮にしっかり栄養やホルモンが届き、血流がよくなれば自然に髪は元気を取り戻すのです。
バランスのいい食事が髪を育てる
髪の毛に栄養が行き渡らないと髪が健やかに育毛はできません。
消化管で吸収された栄養は髪や皮膚にも供給されるものの、体の表面にある組織は代謝が速く、髪や皮膚を作るために非常に多くの栄養を必要とするそうです。
そして、ヘアケアといった外からのアプローチでは頭皮の中まで栄養は行き届きません。
そこで、食事によって腸から栄養をしっかり摂らないと体内すみずみに栄養を届けることができないのです。
ですが栄養が届くのは、髪の毛や爪、皮膚や粘膜はいつも後回しにされます。
だから体が栄養不足や不調の予兆をそれらが発するシグナルで知ることができるのですが、それにより髪の成長が妨げられ、ヘアサイクルの成長期が短くなり、コシのない毛となってしまって、だんだん薄毛へとなっていくのです。
そうならないためには、栄養のバランスを考えて、髪に必要な栄養素をしっかり摂ることが重要になります。
であるのに、食事と薄毛がここまで深い関わりがあるとは思わない人が多いと著者は言います。
気をつけることのポイントとして、
- 高糖質・高脂質・ハイカロリーなものを食べない
- 野菜をしっかり摂る
- 魚をしっかり摂る
糖質というのは、主に炭水化物を指します。
炭水化物は糖質と食物繊維からできていて、食物繊維をしっかり摂ることはいいのですが、問題は糖質です。
白米、パン、麺類など、主食となる食物や甘いもの、スナックなどに多く含まれる糖質を摂りすぎてしまってはいけません。
忙しいからといって、ランチにサッと食べれるラーメンやカレー、丼ものなどをよく食べてはいないでしょうか?
薄毛を起こす原因はこういった糖質過多の食事によることが多いそうです。
というのも糖質はビタミンやミネラルといった代謝を支える栄養素がほとんど含まれていないし、髪を育てる栄養素も少ない、メタボや生活習慣病の原因にもなるといわれていますから、なるべく控えたほうがいいのです。
ですので、お昼にラーメンを食べたら、夕食は白米や主食を抜きタンパク質や野菜中心の食事をするなど、栄養のバランスをとりましょう。
食べ方もベジファーストといって、食事の際に野菜(食物繊維)→タンパク質→糖類(主食類)の順番で摂りましょう。そのことで、糖の吸収を穏やかにし腸にもやさしいのです。


付け加えるならば、食事はよく噛んでゆっくりとです。糖質を食べ始めるまでに、15分以上かける意識を持つと良いと著者は言います。
睡眠不足は育毛の大敵
仕事が忙しくて睡眠不足とかゲームや映画などを観て夜更かししてるということはないでしょうか?
睡眠は髪の成長にすごく重要なのだそうです。
なぜなら睡眠がうまく取れないことによって分泌するホルモンの働きが阻害されるからです。
4つのホルモンが髪の毛を成長させる
髪の成長に欠かせない4種のホルモンをご存知でしょうか。
それは、
- 成長ホルモン
- 甲状腺ホルモン
- 女性ホルモン
- メラトニン
です。
成長ホルモン
毛の成長に欠かせないホルモン。
皮膚や臓器も若々しく良い状態に保ちます。髪を太く長くし、頭皮の改善にも貢献します。
甲状腺ホルモン
年齢に関係なく、分泌量はあまり変化しません。
代謝を支えてくれるホルモンなので、働きが弱まると薄毛になることで有名です。
女性ホルモン
代表的なホルモン、エストロゲンは髪にツヤやハリを与えてくれます。
もう一つの女性ホルモン、プロゲステロンは髪の成長期をのばします。
男性の体内にも、少量存在するホルモンです。
メラトニン
活性酸素の除去、細胞レベルのストレスを修復し細胞を元気にします。
そして、良い睡眠に導くことで、成長ホルモンを出やすくしてくれます。
このように4つのホルモンにはそれぞれ役割があり、どれか一つを高めるより、全体で底上げしていくことが大切です。
そして、成長ホルモンやメラトニンの原料であるアミノ酸、つまりタンパク質は、しっかり食事で摂らなくてはいけません。
これらのホルモンをしっかり分泌するためにも栄養バランスを考慮した食事が必要なのです。


甲状腺ホルモン以外は、年齢とともに分泌量が減っていきますが、バランスの良い食事、良質な睡眠と適度な運動によって、髪の成長に特に欠かせない成長ホルモンの放出は高めることができます。
これが薄毛のリスクを回避することにつながるのです。
そしてこれらのホルモンをうまく働かせるためにも睡眠が重要なポイントであるといえます。
髪は夜育つ。3時間は続けてぐっすり寝るのがポイント
4つのホルモンをうまく働かせるために睡眠が重要なポイントを持ちますが、毎日平均6~7時間は睡眠をとりたいものです。
睡眠中に活躍してくれる成長ホルモンは別名「ヒーリングホルモン」といって、身長を伸ばす、筋肉を作る、臓器を若々しく保つ、など組織の成長と修復をうながす働きがあり、髪にも成長期に太く長い毛が育つようにサポートしてくれます。
人は深い眠りと浅い眠りを繰り返して目覚めていきますが、成長ホルモンのピークは、始めの深い睡眠の3時間なのです。
ですので成長ホルモンが最も放出される連続した3時間の深い睡眠をしっかりとらないといけません。
それから、ただ3時間眠れば大丈夫ということではなく、全体の睡眠時間が短ければその分、深い睡眠に入るサイクルも少なくなり、ひと晩の間に出る成長ホルモンの総量も減少してしまうのです。
では、この成長ホルモンを効率よく放出させるためにどうしなければいけないかを見ていきましょう。
成長ホルモンの分泌にはメラトニンの働きがポイント
メラトニンというホルモンは、体内時計を調整し、覚醒と睡眠の切り替えをして眠りに誘う作用があります。
メラトニンのおかげで、夜眠くなるのです。
メラトニンがたくさん分泌されるためには、昼間のうちにメラトニンの原料であるセロトニンという物質をたくさん放出することが大事です。
メラトニンは光に反応して放出されるホルモンです。
朝、お日さまの光を浴びると体内時計がリセットされ、メラトニンの分泌が止まり、セロトニンが分泌され始めます。光を浴びてから14~15時間後再び、体内からの信号でメラトニンが分泌されて、睡眠をうながすのです。
ですので、朝のうちに光を浴びない、昼過ぎまで寝ているような生活習慣では、体内時計が乱れ始め、十分にメラトニンが分泌されなくなります。
それと、夜に強い光を浴びることもメラトニンの分泌を妨げます。
テレビやゲーム、スマホを見すぎると目から入った刺激や強い光のせいで、良い睡眠がとれないこともあるのです。
その結果どうなるかは、
メラトニンの分泌が低下
↓
睡眠がしっかりとれなくなる
↓
成長ホルモンの放出も悪くなる
↓
薄毛が進む
といった具合になります。
メラトニンは年齢とともに減っていくホルモンです。
そのメラトニンの働きをよくするためには、朝日が昇ったら起きて活動し、日中はよく日に当たり、太陽が沈んだら休息するという生き物の本来の習性が何より大切なのです。
運動は育毛に不可欠
男性ホルモンが多いとハゲになる?
テストステロンというホルモンをご存知でしょうか?
テストステロンとは、男性ホルモンの代表であり、筋肉質な体型やがっしりした骨格などいわゆる「男性らしさ」を構成するために重要な性ホルモンです。
「テストステロンが多いとハゲる・・・」という声を聞きますが、これは医学的根拠のないものだとされています。
というのも、テストステロン自体が髪に悪さをするのではなくて、テストステロンがジヒドロテストステロンという強力な男性ホルモンに変換した場合に薄毛抜け毛の原因になるといったことなのです。
それも「食事・睡眠・運動・ストレス」といった4つのターゲットをしっかり対策すれば、テストステロンはジヒドロテストステロンにはそうそう変換されないというのが著者の意見です。
テストステロンは健康のために増やしたほうがよく、テストステロンの分泌が減少すると、メタボリックシンドローム、動脈硬化、脳梗塞、ED(勃起不全)などさまざまな症状が現れ、なによりも気持ちが元気になれません。
テストステロンを増やすにおすすめなのが運動です。運動をすると精巣の動きが働きが活発化し、テストステロンの分泌をうながしてくれますし、新しい髪を作り出す成長ホルモンも同時に放出されます。
成長ホルモンがたくさん放出されると、髪を太く長くし、頭皮の改善にも貢献しますし、テストステロンが増えると、体全体が元気に若々しくなります。
ですので、運動は薄毛抜け毛対策に効果的なのです。
筋トレ+有酸素運動が効果的な育毛対策
効果的に運動するためには、筋トレと有酸素運動をうまく組み合わせることです。
この図のような運動を取り入れてみましょう。


筋肉がつき、さらに基礎代謝がアップ。基礎代謝が上れば免疫力がアップしますし、新陳代謝も活発になり、頭皮のターンオーバーもスムーズになります。
運動はできれば週2~3回、筋トレ20分+有酸素運動20~30分+ストレッチ(クールダウン)10分くらいが理想です。
有酸素運動は無理にジョギングでなくてもよく、早めのウォーキングだっていいそうです。
ポイントは先に筋トレをして、成長ホルモンとテストステロンの分泌を増やしてから有酸素運動をするという順番と組み合わせなのです。
筋トレは大きな筋肉を鍛えよう
筋トレでどこを鍛えればいいかですが、できれば広背筋、腹筋、大腿四頭筋といった大きな筋肉を鍛えたほうが効率よくホルモンを放出してくれるそうです。






この他、インナーマッスルに属する腸腰筋など、体幹筋群を鍛えるのもおすすめだそうです。


というのも体幹筋は内臓を支え、運動するときのバランスをとるために、最初に使われる筋肉で、体幹筋を鍛えると姿勢も良くなり、年齢とともに背中が丸まったり、反った状態になってるのを改善してくれます。
運動は髪にいいだけではなく、いつまでも若々しく、健康的な体づくりに役立ってくれるのでやれる範囲から実施してみましょう。
ストレスも育毛の大敵
交感神経と副交感神経のバランスがうまくキープできないと薄毛の原因になる
ストレスは心理面や精神面で語られることが多いですが、もともとストレスとは外部から刺激を受けたときの緊張状態を表す言葉です。
外部の刺激というのは、
- 天候や騒音、混雑など環境的要因、薬物や酸素欠乏・過剰などによる科学的要因
- 人間関係がうまくいかないなどの社会的要因
が、あります。
ですので、ほとんどの人がストレスを抱えた状態にあるということなのです。ということは誰でも薄毛になるリスクがあるということですので、気をつけたいものですね。
ところで、外的刺激を受けるとなぜ疲労を感じたり、気持ちが落ち込んでしまうのかというと、それは交感神経と副交感神経に大きく関わっているからだそうです。
交感神経は車でいうとアクセルみたいなもので、日常生活の中で主に活動タイムで作用します。
たとえば緊張で心拍数が殖え、血圧が上がり、汗が出たり、口が乾いたりすることがありますよね。それから緊張のあまり食事が喉を通らなくなるというのも交感神経の影響で胃腸の動きが抑制されるからです。
副交感神経はブレーキで、休息時に働きます。
たとえば自宅に帰ってリラックスした状態になると脳が落ち着き、心拍数は減って、食事をしても胃腸が活発に動いてくれます。
人間はこの2つの神経のオンオフでバランスをとりながら生活をしているのです。
ですが、何らかの理由で緊張状態が長く続いたりすると、本来であれば休息する就寝タイムになってもリラックスできないまま、交感神経が作動しっぱなし状態で、眠ることができなくなります。
副交感神経と切り替わっていない状態なのですが、そうなると胃腸も活発にならず不調をきたす恐れがあります。
ストレスとは、こうした交感神経と副交感神経のバランスがうまくキープできていない状態を指し、これが続くと慢性ストレスとなり、その結果、病気にも発展しかねません。
それから重大なことにストレスが溜まると血管が収縮するので、血のめぐりが悪くなります。
ですので、末端である頭皮にまで血流が届きづらくなり、栄養が髪に回っていかなくなるのです。それどころか頭皮に老廃物が溜まりやすくなり、むくんで硬くなり、薄毛が進行する原因にもなります。


ストレスでホルモンバランスが崩れると薄毛の原因になる
ストレスが溜まると、当然、ホルモンバランスも崩れます。
やる気や元気も損なわれ、自宅にこもりがちになったり、運動不足になったりすると、運動で得られる成長ホルモンの恩恵が受けられず、結果、テストステロンがジヒドロテストステロンに変換する量が増え、これにより薄毛が加速します。
ですので、ストレスを溜め込むということはすべてのターゲットに影響を及ぼし、薄毛の最大の原因と言っても過言ではないのです。
さらにストレスは活性酸素を作り出します。
活性酸素とは、体内のサビです。
活性酸素が発生すると、細胞の動きが低下し、髪に栄養が行き届かず、老廃物が溜まってしまい、髪の成長を妨げます。
つまり体の酸化が進むのです。


この図を見てわかるように活性酸素は、健康な細胞を攻撃します。
当然、頭皮に活性酸素が増えると毛を形成する毛母細胞も攻撃されて、毛の成長を妨げることになります。
人間は生きている限り、体内に酸素を取り込むので活性酸素をゼロにはできません。ですので、必要以上に増やさないことと、活性酸素の動きを抑える抗酸化力を活かすことが大切です。
それにはストレスを溜め込まないようにして活性酸素の発生を抑える、ホルモンバランスを整える抗酸化作用のある食べ物をしっかり摂ることが重要です。
抗酸化作用のある食べ物としては、
- トマト、キウイ(ビタミンC)
- ナッツ類(ビタミンE)
- ピーマン、ニンジンなどの緑黄色野菜
- 赤ワイン、ブルーベリー(ポリフェノール)
といったものに含まれます。
下記のサイトでも抗酸化作用食品を紹介していますので、ぜひご参照ください。


ストレスが気になる人は、抗酸化作用食品を積極的に摂り、活性酸素の必要以上に増やさないようにしたいものですね。
ヘアケアに大事なこと
頭皮の汚れを取り適度なマッサージを
頭皮は髪の水田です。ですので、きちんと手入れをするのはとても大事なことです。
著者は患者さんに、頭皮の汚れを寝る前にきちんと落とし、かつ適度な潤いを残すようにアドバイスされているそうです。
男性は女性に比べて、ハードなスタイリング剤を利用する機会が多く、頭皮の皮脂分泌が多く汗やほこりがこびりつきやすいので、しっかり汚れを落とすことが大切だといいます。
でも、洗いすぎて、頭皮の潤いを保っている皮脂を落とし過ぎてしまってはいけません。なぜなら乾燥を招いてフケのげんいんになるからです。
あくまでも「適度な潤いや皮脂は残し、汚れをしっかり落とす」というのが洗髪の役割ということです。
そのためにもゴシゴシ洗いはNGです。
お湯の温度は熱すぎると皮脂を取り過ぎたり、頭皮や髪に負担をかけてしまうので、37~40度くらいのぬるめが理想です。
最初に髪だけでなく頭皮までお湯でしっかり湿らせてから、シャンプー剤をつけます。シャンプー剤は直接髪につけるのではなく、手のひらでいったん軽く泡立ててから髪になじませ、指の腹を使って頭皮をやさしく動かしマッサージするように洗います。
その時に爪を立てて洗ったり、髪同士が摩擦するようにゴシゴシ洗うと、頭皮や髪が傷ついてしまいますので注意しましょう。
体臭のもとになりやすい耳の後ろや後頭部なども、忘れずに指の腹を使ってマッサージするように洗いましょう。
シャンプーするついでに、簡単でいいので頭皮マッサージを併用すると、血流がよくなり、栄養も届きやすくなります。
頭皮マッサージのやり方は、下の図のとおりです。


シャワーを浴びる、髪を洗う、というのはとても日常的なことで、その習慣や方法は人それぞれですが、きちんと丁寧に洗髪することが薄毛を改善する一歩になるのは間違いがないと著者は言います。


安価な育毛シャンプーに効果はない
ハッキリ言います。
「育毛」「発毛」と書かれていても安価なシャンプー剤は、薄毛対策の効果はほぼ期待できません。
というのも、髪や頭皮に負担が少なく、かつ十分に汚れを落とせる成分は安くは作れません。頭皮を元気にしたいなら、「アミノ酸系シャンプー」と呼ばれる種類のものが、効果や成分バランスがとれているものが多いのでおすすめだそうです。
ですので、「育毛」と銘打っているシャンプーは、購入する前にどんな成分が使われているかを必ずチェックしましょう。
シリコンシャンプーというのも髪や頭皮をコーティングするため、毎日の手入れが十分でないと、頭皮に皮脂や汚れが蓄積してしまう恐れがあります。
頭皮に余計なものを極力つけないという考えから、ノンシリコンシャンプーが注目されているとのことです。


シャンプー剤にもいろいろありますが、どれを選ぼうかと迷ったら、まずは使用してみて自分の髪や頭皮に合うな、と思うものが一番ストレスにならない正解に近いものといえます。
あえてシャンプー剤にはこだわらず、正しい洗髪法、ヘアケアをすれば十分だともいえます。
薬や育毛剤に手を出す前に専門医に相談を
薄毛対策には、何よりも髪が元気に成長するための土台、体を手に入れることが大切であり、そのためには「正しく食べ、眠り、運動すれば、髪は勝手に生えてくる」と本書で著者が力説しています。
とはいっても、いざ薄毛が気になってくると、育毛剤やヘアエステを試したい、薬に挑戦してみたいという人は多いと思います。
最近では研究が進み、育毛治療にも外用薬から内服薬、注射などさまざまなアプローチ法があります。
外用薬として、育毛剤などはドラッグストアでも簡単に入手できるので、使用している人もたくさんいます。
ポイントは、育毛に有効な成分がどれくらい入っているかです。
もちろん成分が多いほうが効果が期待できますが、その分刺激も強いので、体質に合わないと頭皮が熱く感じたり、炎症を起こす場合があります。
最近ではインターネットで海外のものを購入することができますが、日本では認められていない成分が含まれているかもしれないので注意が必要です。
著者は、「本気で育毛治療に臨みたいのであれば、AGA(男性型脱毛症)専門のクリニックで相談してみましょう」と言います。
クリニックによっては、体に足りない栄養素から指導してくれるところもあれば、薬だけ処方するだけのところもあり、対応はまちまちです。
事前に診療内容や口コミを調べて自分の希望する治療イメージに近いクリニックを探して、相談してみましょう。
一番怖いのは自己判断で育毛剤や内用薬を購入して、使用することです。
内用薬は、中には粗悪な品質だったり成分含有量が日本人には強すぎたりして、ものによるとED(勃起不全)、不整脈などの副作用が強く出る場合もあるそうです。
ですので、ネット輸入などで安易に購入・服用するのは厳禁だということです。
そしてこういった内用薬は、継続して飲み続けないと効果が出ないものばかりですから、長く安全に使用するためにも必ず専門医に相談することが重要です。
現代の薄毛対策の内用薬は効果がきちんと期待できるそうです。ですので、医師と相談のうえ、上手に安全に取り入れたいものです。
『東大医師が教える最強の育毛革命』の感想・まとめ


「髪は健康のバロメーター」。
髪の毛ばかりを見ず、自分の生活習慣を見直し、薄毛の基を断とう。
髪が健康のバロメーターというのは、なんらかの書物でなんとなく知っていましたが、本書を読むにつれ、真剣に取り組まないと髪の毛を失うどころか健康も危ういことを知りました。
そもそも髪は、なくても生命活動に支障のない組織の一つです。
だからおろそかにしがちですが、こうなるには栄養が足りない、血のめぐりが悪い、十分に睡眠がとれていないなどの要因があるはずです。
そういったことに目を向けず、育毛を謳ったシャンプーや育毛剤にすぐ手を出すのではなく、まずは自身の生活習慣を見直したり、AGA専門医に相談するなりしなければいけません。
そういった意味で、本書は間違った育毛に警鐘を鳴らし、しっかり薄毛治療に前向きになる意識を与えてくれると思います。
他にも有益な内容が満載ですので、ぜひ手に取って読んでみてください。
『東大医師が教える最強の育毛革命』の概要


本書の目次
『東大医師が教える最強の育毛革命』
ラーメンやめれば髪は勝手に生えてくる
はじめに
プロローグ 育毛革命で狙うべき4つのターゲット
第1章 髪・頭皮の基礎知識 ~まずは薄毛のメカニズムを知る~
第2章 ターゲット1:食事 ~バランスのいい食事が髪を育てる~
第3章 ターゲット2:睡眠 ~睡眠のサイクルが整えば髪は生えてくれる~
第4章 ターゲット3:運動 ~適度な運動が髪の成長を促す~
第5章 ターゲット4:ストレス ~ストレスを軽減すると髪は元気になる~
第6章 ホームケア ~当たり前のヘアケアを習慣化する~
第7章 育毛最前線 ~知っておきたい育毛剤・薄毛治療剤の最新~
あとがき
著者の紹介
田路めぐみ(たじ・めぐみ)
神奈川県出身。
平成9年、東京大学医学部医学科卒業。
日本形成外科学会専門医、日本抗加齢医学会専門医、日本頭蓋顎顔面外科学会会員、日本外科学会会員。
虎の門病院外科レジデント修了後、東京大学形成外科医局に入局。
帝京大学、東京大学、国立国際医療センターにて形成外科の研鑽を積み、焼津市立総合病院、国保旭中央病院にて形成外科科長を務める。
その後国立がんセンター東病院頭頸科、せんぽ東京高輪病院(現JCHO東京高輪病院)形成外科を経て、2014年より、松倉クリニックに勤務。
美容のみならず形成外科・再建外科医としても活躍し、その幅広い臨床経験から、患者さんの状態やニーズに合わせて柔軟に治療法を選ぶ総合的な診療を得意とする。
自らの薄毛経験も活かし、身体全体とストレスまで考慮した総合育毛治療がクリニックでも人気を呼んでいる。


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