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『精神科医が見つけた3つの幸福』から学ぶ最も簡単に「幸せ」になる方法

コウカワシン

こんにちはコウカワシンです。

今回は、樺沢紫苑(かばさわ・しおん)さんの著書『精神科医が見つけた3つの幸福』から学ばせていただきます。

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目次

『精神科医が見つけた3つの幸福』は、どんな本?

『精神科医が見つけた3つの幸福』は、ズバリ!「幸福になるための実践的なガイドブック」です。

本書は、こんな本

世界の幸福度ランキング(2020)では、世界153ヵ国中、日本の幸福度は62位で、これは主要先進国では最低です。

経済的にはGDPで世界第3位、治安もいいし、医療費も格安で、中学までは義務教育と素晴らしい国である日本の国民が幸福度が低いなんて不思議ですよね。

日本人は真面目で勤勉。「仕事を頑張っている人」がほとんどです。

一生懸命に働いて、一生懸命に頑張っても「幸福」になれないのは、わたしたちが認識している「幸せになる方法」が間違っているからだという人がいます。

精神科医で、ユーチューバー、著作も多い樺沢紫苑(かばさわ・しおん)さんです。

樺沢さんは、精神科医の立場から「幸せになる手引き」となる本書『精神科医が見つけた3つの幸福』を出版されました。

その中で、注目すべきなのが、

「幸福」とは、「脳内物質」だった!

という事実です。



最近では、「コロナ禍」「人生100年時代」「AI化」「スマホ依存」と、わたしたちを悩ませることが山積していますが、その問題をこの1冊で解決することができます。

簡単にできる習慣だけを選りすぐり、最新データとエビデンスをもとに、人生を充実させる方法を具体的にわかりやすく教えるまったく新しい一冊ということです。

本書がおすすめな人

『精神科医が見つけた3つの幸福』がおすすめな人

  • 「幸福」がどういう状態かが知りたい人
  • 自分は幸せではないと思う人
  • 幸せになる方法などないと思っている人

『精神科医が見つけた3つの幸福』の要点は?

幸福の正体は「脳内物質」である

ドーパミン、オキシトシン、セロトニンが十分に分泌される状態が「幸せ」になる方法

わたしたちが「幸せ」と感じるときは脳内でどのような作用が起きているのでしょうか。

具体的にはどのような「脳内物質」が分泌されているのでしょうか。

実は脳内には100種類以上の幸福物質が出ているそうです。

わたしたちの日常的な幸福感を構成する幸福物質として特に、

  • ドーパミン
  • セロトニン
  • オキシトシン

の3つが注目されているそうです。

この、「ドーパミン」「セロトニン」「オキシトシン」が十分に分泌される状態が「幸せになる方法」であると著者は言います。

幸福には優先順位がある「幸せの三段重理論」

優先順位を間違うと不幸になる

まずこの図を見てください。

  • セロトニン的幸福は、「健康の幸福」
  • オキシトシン的幸福は、「つながりと愛の幸福」
  • ドーパミン的幸福は、「お金、成功、達成、富、名誉、地位などの幸福」

です。

どれも大事で、すべてを手に入れたいものですが、それには優先順位があると著者は言います。

その優先順位の答えが、

セロトニン的幸福(体の健康)
   ↓
オキシトシン的幸福(家族・友人などのつながり)
   ↓
ドーパミン的幸福(お金・成功・名声)

ということです。

この順番を間違えると、幸福になるどころか、むしろ思いっきり不幸になる可能性もあるし、そうなった人を山ほど見てきたと著者は言います。

なんといっても「体の健康」が、いちばん大事です。幸福の土台(基礎)だといっても過言ではありません。健康を犠牲にしてまで無理をしての幸福なんてあり得ません。

次に「家族や友人との良好な関係」があってこそ、さらに上の「成功」を手にしての幸福が訪れるのです。

ですので、セロトニン的幸福、さらにオキシトシン的幸福が不安定だと、結果ドーパミン的幸福が訪れたとしても幸福と感じることができないのです。

ですので、幸せを積み上げる順番として、土台となる「セロトニン的幸福」を盤石にし、協力関係を保てる家族や友人・知り合いとのつながりを大事にしオキシトシン的幸福をも手にする、そして飛躍しドーパミン的幸福へと向かっていきましょう。

基礎がしっかりしていれば、高い建物を建てることができます。

それと同じように、セロトニン・オキシトシン的幸福の「幸福の基礎」がしっかりと固まっていれば、その上に高層ビルのようなドーパミン的幸福を積み上げることができるのです。

アメリカ人から学ぶ「幸福」のつくり方

アメリカ人は、自分を大切にし、家族を大切にし、仕事を頑張る

著者がこの「3つの幸福」理論を発見したのは、2004年から2007年までの期間、アメリカへ留学していた時でした。

そこで目にしたアメリカ人の働き方に関心を持ったのがきっかけです。

そのアメリカ人の働き方とは、次のことです。

「アメリカ人は5時に帰る」

このことが気になってしかたなかったそうです。

そこで、同僚のアメリカ人に「毎日5時に帰って何をしているの?」と尋ねたそうです。

返ってきた答えが、「家族と一緒にご飯を食べるに決まっている」でした。

5時までは、仕事の時間。5時以降は、家族と過ごす時間。だから、夕食の時間には家族全員がそろって、いっしょにご飯を食べられるように、5時までに必死で仕事を終わらせるのです。

アメリカ人は、「個人主義」といって、自分の考えや主義、ライフスタイルを非常に重視します。

つまり、「自分」を大切にし、そして「家族」を大切にし、その上で仕事を頑張るのがライフスタイルです。

つまり、このアメリカ人のライフスタイルが著者の「3つの幸福理論」に重なるのです。

これが、日本ではどうかと言われると、国民性からなのかなかなか難しいとされているのです。

そこで、著者は「幸せになる生き方」を広めたいとし、2007年に帰国すると、YouTube、メルマガ、書籍などで、精神科医の立場から、

  • 病気にならない生き方、生活習慣
  • 楽しく生きる方法
  • 人生を楽しむ方法
  • 仕事を効率よく終わらせるための時間の使い方

の情報を発信されています。

「BE」の幸福、「DO」の幸福

「幸せ」は「ある」ことに気づき、「行動」することが大事

「BE」の幸福

セロトニン的幸福とオキシトシン的幸福は、言ってみたら「そこにある幸福」です。

これを言い換えて「BE」の幸福とします。

be動詞のbeということでそこに「ある」「存在する」という意味です。

朝起きて、外の青空を見て「爽やか」「気持ちがいい」と感じる。そこには、セロトニン的幸福が「ある」ということです。

それから、朝起きると、そこに最愛のパートナーがいて朝食を用意してくれるというのはオキシトシン的幸福が「ある」のです。

でも、その「ありがたさ」に気づかない人も多くいるとのこと。晴れた日の「爽やかさ」や朝食を用意してくれることが当たり前になっていて、感謝の気持ちを持たない人もいるのではないでしょうか。

ここで大事なのは、その「ある」という「BE」の幸福に気づくことです。そして、それを維持し、失わないよう努力する必要もあると著者は言います。

「DO」の幸福

ドーパミン的幸福は、行動や努力の結果得られる幸福ということで、「DO」の幸福と言われています。

何かを「する」ことで得られるということです。

ということは、何もしなければドーパミン的幸福は得られないということになります。

「お金持ちになりたい」という気持ちがあるのなら、「そのために今何をする」という行動を起こす必要があります。

ですので、行動すればするほど、「DO」に見合ったドーパミン的幸福が得られるということです。

幸福は「結果」ではなく、「プロセス(過程)」である

幸福は、未来にあるのではなく「今」にある

幸福と感じるのは、どういったときでしょうか?

ほとんどの人は、「幸せ」を「結果」としてとらえているのではないでしょうか。

たとえば、「仕事を頑張ると、幸せになれる」といったようにです。

または「頑張って、頑張って努力を続けていくと、いつか幸福というご褒美が手に入る」と考えたりしますよね。

つまり、努力の階段を昇っていくと、その頂上には「幸福」という楽園が広がっていて、いつか自分もそこに到達するといった期待を胸に、日々仕事を頑張ったり、さまざまな努力をするはずです。

でも、著者の脳科学的な幸福論から言うと、「幸せは結果である」という考えは、完全に間違いだといいます。

幸福物質が分泌された状態が「幸せ」と考えると、日々のセロトニン、オキシトシン、ドーパミン分泌の中に「幸せ」という状態が存在すると言うのです。

たしかに何か大きなことを達成したときや大金を手に入れたとき、スポーツの大会で優勝したときなどのそのときの瞬間はドーパミンが大量に分泌されることから「大きな幸福」を得られますが、それは永続的なものではありません。

すぐに色あせてしまいます。

「幸せ」とは今、この一瞬であり、「プロセス(過程)」だと著者は言います。

「ゴール」でも「結果」でもない、「今」幸せであることが重要なのです。

この図のとおり、「幸福は今ここにある」ということなのです。

「小さな達成」、つまり階段を一段昇るだけで、ドーパミンは分泌されますし、そこには「小さな幸せ」が必ずあります。

つまり、幸福は「未来」にはない。今ここ。「現在」に「幸福」があるのです。

「減る幸福」には注意!

ドーパミンの「底なし沼」に注意

ドーパミン的幸福は、成功したときや達成したときに生まれます。

たとえば、「昇給して月給が2万円アップした!」というととてもうれしいですよね。自分の努力や会社に対する貢献が認められたことによる「DO」の幸福が生まれたといえます。

でも、3カ月もすれば「月給2万円アップ」のありがたみは、ほとんど感じなくなるのではないでしょうか。

そしてさらに「もっと給料上げてお金持ちになろう」と仕事を頑張ることでしょう。頑張り過ぎて病気になることもあります。

それだけのリスクを払ってでも、無理して頑張るのは「お金持ちは幸せ」と思っているからです。

「『お金持ちになると幸せになれる』は正しいのか?」といったことをプリンストン大学のアンガス・ディートン教授が研究し結果を発表しました。

「収入(年収)」と「幸福度」の相関ということですが、このような結果となりました。

年収4万ドル(日本円で約400万円)までは、年収が上がれば上がるほど幸福度は比例して増える。

しかし、年収600万ドルくらいになると、カーブは横ばいになり、年収800万ドルを超えると、あとは年収が増えても、幸福度のアップは微々たるもの。

つまり、「年収200万ドルの人が年収400万ドルに増えると幸福度は大きくアップするものの、年収800万ドルの人が年収1600万ドルになっても、幸福度はほとんど変わらない」ということなのです。

これは、世界共通なのか、日本でも2万人を対象にした別の研究では、世帯年収1千100万円を超えると、それ以上は幸福度は増えないという結果が出ているそうです。

それから、高額宝くじの当選者に対する調査でも、「宝くじ当選の幸福度が持続するのは、たったの2カ月」と言われているそうです。

なぜこうなるかというと、ドーパミンは「もっともっと」を要求する脳内物質で、3億円が当たっても、その幸福感は劣化し「もっと」お金が欲しくなるのです。

ドーパミンは、まるで「底なし沼」ですね。

ドーパミン的幸福は、その価値がどんどん薄れてしまう、減ってしまうということなのです。

つまり、同じ刺激を得ても、次にはより多くの刺激がないとドーパミンは出ませんし、ドーパミン的幸福を手に入れても長くは続かないのです。

「幸福の掛け算」で全ての幸福が手に入る

全ての「幸福」は、「感謝」することで恒久的な「幸せ」となる

ドーパミン的幸福とは違って、セロトニン的幸福とオキシトシン的幸福は、減らない、あるいは、減りづらいと著者は言います。

たとえば、朝、外に出て、「今日は青空だ、気持ちいい!」と思います。

翌日も、「今日は青空だ、気持ちいい!」と思います。

1週間連続で青空が続いたら「青空、もう飽きた」とか「気持ち悪い」にはなりませんよね。青空は何回見ても気持ちがいいものだと思います。

清々しいと感じる「爽やかな幸福感」(セロトニン的幸福感)はまったく減らないのです。

そして、自分に小さな赤ちゃんがいたとして、愛情を持って抱っこしかわいいと思う幸福感(オキシトシン的幸福感)も減りません。

赤ちゃんを何度抱っこしてもかわいいと思う「愛」の幸福感は変わらないということです。

ということで、ドーパミン的幸福では、一時的に「幸福」を手に入れれても長続きはしない。それなら「お金」や「物欲」で幸せになるより、「健康」や「愛」「つながり」を大切にしようということになります。

でも、「お金・成功」「つながり」「健康」といった3つの幸福のすべてを手に入れれたら本当はいいですよね。

実は著者も、本書で伝えたいのがこれだと言います。

つまり、お金や成功を手に入れたとき、ドーパミンだけでなくオキシトシンが大量に出たらいいのです。

オキシトシンは「感謝」で分泌されます。

お金や成功を手に入れたら、感謝する。思いっきり感謝すれば、ドーパミン的幸福がオキシトシン的幸福転化されます。または」、ドーパミン的幸福とオキシトシン的幸福のカクテルのような状態になります。

著者はこれを

「幸福の掛け算」

と言います。

「ドーパミン」に「オキシトシン」「セロトニン」を掛け算することで、「減りやすい幸福」を「いつまでも続く幸福」に変えることができるということです。

これは別に「お金」「物欲」「成功」は得がたいので「つながり」と「健康」でがまんしなさい、と言いたいわけではありません。

「お金・成功」「つながり」「健康」という「3つの幸福」、言い換えれば「全ての幸福」を得ることができると言っているのです。

これをまとめると、

セロトニンは、人生をコントロールする指揮者の役割を担い、オキシトシンの分泌が多ければ多いほど心身ともに健やかになり、この二つの脳内物質がドーパミンのやる気や希望を助け、執着にブレーキをかける。

ということになります。

コウカワシン

本書では、この「本書の目的」を踏まえて、

セロトニン的幸福を手に入れる7つの方法
オキシトシン的幸福を手に入れる7つの方法
ドーパミン的幸福を手に入れる7つの方法


をわかりやすく解説してくれています。

この記事では省略させていただきますが、興味がある方はぜひ本書を手に取って読んでみてください。

『精神科医が見つけた3つの幸福』の感想・まとめ

「幸福」の教科書

誰でも「幸せ」になりたいと願っています。

ですが、どういう状態が「幸せ」な状態なのかを科学的に解説した本はありませんでした。

本書に書かれていることが、腹落ちするきっかけを与えてくれたのは間違いありません。

科学的に「幸せ」になる方法を紹介してくれているので、「幸せ」になりたいのであれば、そのように行動すればいいのです。

「幸せ」になれないのは、「運」が悪いとか、「他人」のせいではありません。

「幸せ」に気づかないとか、感謝しない自分が悪いのです。

とまあ、偉そうなことを言っても、わたしだってなかなか「幸せ」に気づかず感謝できてもいません。

ですが、この「幸福」の教科書をことあるごとに読み返せば、また新鮮な気持ちでやり直すことができると思うのです。

そういった意味で、今自分が幸せを感じられていないなら、幸福度のバロメーターとして読んでみる価値のある一冊です。

ぜひご一読ください。

『精神科医が見つけた3つの幸福』は、現在(2022年10月7日時点)amazonの本読み放題サービス「キンドルアンリミテッド」の対象になっています。

キンドルアンリミテッドは、ビジネス書からマンガまで幅広いジャンルの本が読み放題です。ぜひこの機会にご検討ください。

『精神科医が見つけた3つの幸福』の概要

本書の目次

『精神科医が見つけた3つの幸福』

はじめに 「幸せ」とは何か?

第1章 幸福とは、「脳内物質」だった!
第2章 「3つの幸福」のイメージを固める
第3章 幸せの「4つの性質」を知っておく
第4章 セロトニン的幸福を手に入れる7つの方法
第5章 オキシトシン的幸福を手に入れる7つの方法
第6章 ドーパミン的幸福を手に入れる7つの方法
第7章 人生が変わる「お金」「遊び」「食」の習慣

最後に 幸福なあなた、幸福な世の中

著者の紹介

樺沢紫苑(かばさわ・しおん)

精神科医、作家、映画評論家。

1965年、札幌生まれ。

1991年、札幌医科大学医学部卒。

札幌医大神経精神医学講座に入局。

2004年から米国シカゴのイリノイ大学精神科に3年間留学。

帰国後、東京にて樺沢心理学研究所を設立。

「情報発信によるメンタル疾患の予防」をビジョンとし、YouTube(30万人超)、メールマガジンなど累計70万フォロワーに情報発信をしている。

著書40冊、累計発行部数200万部。

主な著書

学びを結果に変えるアウトプット大全サンクチュアリ出版 (2018/8/3)
学び効率が最大化するインプット大全』サンクチュアリ出版 (2019/8/3)
精神科医が教える ストレスフリー超大全』ダイヤモンド社; 第1版 (2020/7/1)
精神科医が教える 毎日を楽しめる人の考え方』PHP研究所 (2022/3/11)
神・時間術』大和書房 (2017/4/13)
ブレイン メンタル 強化大全』サンクチュアリ出版 (2020/9/3)
精神科医が教える病気を治す 感情コントロール術』あさ出版 (2021/4/18)
今日がもっと楽しくなる行動最適化大全』KADOKAWA (2021/7/8)
読んだら忘れない読書術』サンマーク出版 (2015/4/20)
ムダにならない勉強法』サンマーク出版 (2017/1/10)
脳を最適化すれば能力は2倍になる』文響社 (2016/12/14)
覚えない記憶術』サンマーク出版 (2016/1/10)
いい緊張は能力を2倍にする』文響社 (2018/6/1)

共著

もしも社畜ゾンビが『アウトプット大全』を読んだら サンクチュアリ出版 (2022/3/8)

コウカワシン

最後までお読みいただきありがとうございます。

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この記事を書いた人

四国在住。
ミニマリスト。趣味は映画観賞と音楽鑑賞、読書、野球観戦。
映画は特に好き嫌いなくほとんどのジャンルーを観ます。音楽はジャズとクラシックが大好きです。読書は歴史書が好きでよく読みます。

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