
こんにちはコカワシンです。
今回は、アンデシュ・ハンセンさんの著書『ストレス脳』から学ばせていただきます。
『ストレス脳』は、どんな本?
『ストレス脳』は、ズバリ!「不安とかうつというのは自分の身を守るための盾であるということを理解し、それらとうまく付き合っていくための導き書」ということです。
本書はこのような本
現代社会は、「ストレス社会」ともいわれています。
たしかに、先の見えない社会情勢や、年々激化する競争、管理社会のなかで、多くのストレスを抱えている人が多いといえます。
現代社会は、経済的に豊かになり、便利で快適な生活が実現しているといえますが、うつや不安障害は増加の一途だそうです。
スウェーデンの精神科医で『スマホ脳』の著者アンデシュ・ハンセンさんは、「現代人のメンタルは今や史上最悪」だと言います。
「なぜ、いまだに人は「不安」から逃げられないのでしょうか?」
この問いにハンセンさんは、「人間本来の本能」のしわざだとし、最新研究から「心と脳の仕組み」を明らかにしました。
しかも「ストレス」は、場合によっては強い味方にもなるといいます。
『ストレス脳』は、「ストレス」と付き合うための「脳の処方箋」というべき本なのです。
本書がおすすめな人
『ストレス脳』がおすすめな人
- いつも「不安」で、心がしんどい人
- 「ストレス」が溜まり気味で、解消方法がわからない人
- 自分は「うつ」ではないのかと疑いのある人
- すぐパニックになる人
- PTSDの疑いがある人




『ストレス脳』の要点は?
まず「ストレス」と人間との関りは、大昔(25万年前)の狩猟採集時代にまでさかのぼらなければなりません。
そのような時代は、流行病や飢餓、他の動物に捕食されるなどが原因で、たとえ子どもが8人生まれたとしてもその半分の4人が亡くなるといった感じだったそうです。
残された4人の子どもが大人になり、さらに子どもをもうけるということが、1万世代にわたって繰り返されて現代にいたるのです。
つまり、現代人は、みんな幼くして死ななかったわずかな人たちの子孫ということになります。
誕生時にも死なず、あらゆる感染から回復し、けがをしても失血死せず、他人に殺されず、野生動物にも喰われなかった。そして近代においては、煙立ち込める戦場や感染症、大飢饉といった大惨事が終わった後にまだ生き残っている人間なのです。
生き残った人の祖先は、危険に対して敏感であったことが功を奏したと著者は言います。
たとえば草むらでガサガサと音がしたら、ライオンが潜んでいるのかもと警戒する。そうやって生き残った人の子孫であるわたしたちも強い警戒心を持っているということになります。
しかし、現代社会においてこれまでの大惨事において命を落とすという確率が格段に減りました。にもかかわらず警戒心は、「不安」という精神障害にかわり引き継がれているのです。
つまり、人が「不安」とか心のストレスを抱えてしまうのは、「本来の人間の本能」であり、それは変えようのない事実なのです。
でも、不安とかストレスは、ときとして生活に支障をきたすことがあります。
そんなとき、どのようにすればこのような事態を避けることができるのでしょうか?



それでは、本書からわたしの独断と偏見で、要点となる部分を取り上げてみたいと思います。
なぜ人は不安やパニックを感じるか?
不安とは
不安とは不快感や何かがおかしいという気分を強烈に感じることです。
ある意味、「自分で自分を制御できない状態」を指すともいわれています。不安は「事前ストレス」ともいい、予想できる恐れと表現できます。
たとえば、上司から怒られるとストレスを感じて当然ですが、怒られると予想し「どうしよう、もし上司に怒られたら」と思うのが不安ということです。
どちらも脳と身体で同じ反応が起きるのですが、違うのはそうなる可能性のある脅威や不安にストレスが引き起こされる点です。
「パニック発作」について
26歳のある男性の話です。
仕事で大事な会議があり、そのストレスでよく眠れていないという状態で、地下鉄に乗り、最後にもう一度大事な資料に目を通したかったが、満席で座れませんでした。
すると、走っていた地下鉄が急に止まり、社内の明かりが消え、その男性はパニックに襲われたそうです。
心臓がドクドクと打ち、頭が混乱し、膜に閉じ込まれたような感覚だったと言います。胸が痛み、うまく息ができない。とにかく狭くて暗い空間から逃げ出したかったといいます。
周りの人も気になりだし、やさしそうなおばあさんが大丈夫かと訊いてくれたが、返事ができなかったそうです。
やっと地下鉄が動き出し、次の駅では救急車が来ていたので、その男性を搬送し救急病院へ。
検査結果では、心臓発作でもなく、心電図も血液検査の結果も正常でした。
医師は「パニック発作」と診断、細菌の精神状態を訊き、精神科の受診をすすめました。
そこで、この26歳の男性は、著者のところに患者としてやってきたのです。
そこで判明したのが最近「いろいろなストレスを抱えていた」ということ。ストレスの原因というのが仕事の締め切りや恋人とうまくいっていなかったせいだとのことでした。
しかし、なぜこれが「パニック発作」を引き起こしたかというと、脳の感情の中枢である扁桃体(へんとうたい)から始まると考えられています。
扁桃体には、周囲の危険を察知するという任務があり、危険の可能性にも反応し、身体を「闘争か逃走か」の態勢に備え、ストレスシステムのギアが入って心拍数が上がり、呼吸が速くなるということです。
脳はそんな身体のシグナルを誤解し、本当に危険なことが起きていると思い込んでしまうのです。
するとますますストレスシステムのギアが上がり、さらに心拍数が上がって呼吸が速まり、脳はやはり危険なことが起きている証拠だと誤解することにより、負のスパイラルに陥るのです。
結果、激しいパニックが引き起こされることになります。
パニック発作は、「火災報知器の原則」に則って動く
パニック発作が起こるということは、脳のどこかがおかしいのではないかと思ったりします。
では、先ほどのパニック発作を起こした26歳男性の反応を生物の進化という観点から見てみます。
パニック発作の起点となる扁桃体は、反応は速いもののやることが雑です。というのも扁桃体は「火災報知機の原則」に則って動きます。
たとえば、家にある火災報知器が1度くらい間違って、トーストが焦げたくらいで鳴ったとしても、本当に出火したときにちゃんと鳴るとわかってむしろ安心します。
扁桃体もまさにそうで、危険を見逃すくらいなら1度くらい間違えて鳴ってもかまわないと思うはずです。
たとえば、草むらの茂みにライオンが潜んでいる危険性はゼロではありません。そこでパニックを起こして逃げれば生き延びられる、逃げなければ喰われるということです。
つまり、どこもかしこも危険だらけだと感じて、常に惨事に備えている人のほうが、のんびり焚火のそばに寝そべっている人より生き延びられる確率が高いということです。
どっちを向いても危険を見つけてしまい、常に惨事に備える・・・それが現在では「不安障害」と呼ばれ、そして、ストレスシステムが激しく作動し、走って逃げ出したい衝動にかられることは「パニック発作」と呼ばれます。
言い換えれば、現代における「不安障害」や「パニック発作」が、これまでの人間を守ってきた特性だし、このような有益な特性には犠牲がつきものだということを理解しなければいけないのです。
このことから、地下鉄でパニック発作を起こした男性は、不安障害をもつ自分は、身体がおかしくなったと思い込んでしまったということが問題で、むしろ「発作は脳が正常に機能した証拠」と知れば、安心できたはずです。
そのパニック発作を起こした男性はその後「パニック発作を起こしてもいいんだ」と思えてやっと発作の回数が減ったそうです。
他の患者さんも「これは自分の扁桃体が怖がれと命じているだけだ」と考えることで気持ちを楽にすることができるとしているそうです。
この「人間が本来持つ機能」を知っているか知らないかは大きく気持ちの上で作用することがわかります。
人はなぜうつになるのか
遺伝子が弾を込め、環境が引き金を引く
一生のうちにうつになる確率は、女性なら4人に1人、男性なら7人に1人。WHOの試算では世界で2億8000万人がうつを患っているといわれています。
しかし、うつのだからといって、みんなが同じ症状に苦しんでいるわけではないそうです。
うつの症状は非常に幅広いけど、共通するのが、「気分の落ち込み」で、ふだんなら好きなことさえ無意味に感じるようになるということです。
社交の場に出たり、バカンスを楽しんだり、友達から連絡をもらったり・・・そういったことすべてに意味を感じなくなり、それが何週間、何カ月と続いてしまうのがうつの特徴といえるのです。
では、「うつ」の反対が何かというと「活力にあふれた状態」であると著者は言います。
ここでいえるのが、「うつは精神的な省エネ状態」に陥ってしまうことだといえます。
うつ治療の誤解として、うつになるのはセロトニンやノルアドレナリンといった脳内の伝達物質が足りないせいだというものですが、そんな単純な話ではないそうです。
確かにそれらの伝達物質は抗うつ薬によって刺激することができるし、抗うつ薬は多くの人に効果があります。
しかし、実際にうつは複雑で脳内のいくつもの部分やシステムが影響を受けて、それがうつという結果につながっていくと言われています。
つまり、人によってうつになる内容は違うということです。
しかし、うつを引き起こす要因は同じで、それは「ストレス」です。
特に長期間続いたストレスや、自分では制御できないと感じるストレスによって引き起こされます。
たしかに何もかもがストレスで説明がつくわけではありません。うつへの脆弱性は遺伝子によって決められていて、うつへの脆弱性の高い人はちょっとしたもめごとでもうつになりますし、強いストレスがかからないとうつにならない人だっています。
また、何が起きようとうつにならない人だっています。
ですので、うつは「遺伝子が弾を込め、環境が引き金を引く」と表現することだってできるのです。
うつ遺伝子などない
2006年6月にアメリカで「ヒトの遺伝子情報が解明された」と発表されました。
「人間の設計図が手に入った今、新たな時代が始まる」とし、多数の病気に新しい治療法の可能性が開かれたのは喜ばしいことです。
しかし、精神医学において、「うつを引き起こす遺伝子」を見つけることができませんでした。というよりそのような遺伝子は存在しないということがわかったのです。
双極性障害の遺伝子や不安障害の遺伝子というのも見つからなかったのです。
でも、何千という遺伝子がそれぞれに少しずつうつになるリスクに寄与していることが判明しました。
うつになるリスクに寄与している数多くの遺伝子は、実はよくある遺伝子で、多くの人が持ち合わせているといいます。
わずかな影響ではあるけどうつへの脆弱性を高めるのなら、なぜこれほど多くの人がそんな遺伝子を持っているのでしょうか。
うつに影響する44もの遺伝子
デンマークの研究者たちが7万3000人の情報を分析したところ、軽度のうつ症状、疲労感、自尊心の低下などが見られた人たちは、炎症を示すCRP(C反応性タンパク質)の数値がしばしば高いことがわかりました。
そして数値が高いほど、それらの症状も多く見られたそうです。
また、CRPの数値が高い人はうつで入院し、うつのための薬を処方されたこともわかったのです。そしてうつ患者は体温が少し高く、微熱がある状態でした。
発熱の最も重要な役割は細菌やウィルスが体内で増加するのを妨害することです。
ということは、うつは何かしらの細菌やらウィルスから身を守ろうとする状態なのかもしれません。
研究では、うつと免疫系の関連を示す重要なポイントは遺伝子にあることがわかっています。
大規模な研究によりうつに関係する44の遺伝子が特定されました。その多くが脳と神経系に影響を及ぼす遺伝子であり、そのうちの複数が免疫系にも影響することがわかったのです。
それらには2つの役割があるのです。
- うつのリスクを高めること
- 免疫系を起動させること
これは何を意味するかというと、「うつは自己防衛本能」であり、ひどい症状のうつは過剰防衛の証しということです。
運動で「うつ」を防ごう
しかし、重い症状のうつは、生活するうえで厄介です。なんとか「回復」にこぎつけたいものです。
これは具体的にいうと、「ストレスによって起こるエネルギー動員のスイッチを切ること」と言えます。
回復さえできれば、たいていのストレスには勝つことができます。回復に必要な時間は個人差がありますが、とにかくしっかり休養することが重要です。リラックスし、いろいろな「やらなければいけないこと」を最低限に抑えるのです。
そのうえで「運動」が、抗うつ効果があると著者は言います。
というのも、ここ10年、運動によってうつを治療する研究が多数行われているのと、うつの予防、つまり運動でうつになるリスクを下げられるという研究結果があるのです。
身体のコンディションが良いとうつのリスクが下がる
6分全力で自転車を漕いでから、力の限り握力測定器を握る。その結果から今後7年間にうつになるかどうかなんてわかるはずがないと思いますよね。
著者も10年前なら握力やエアロバイクの結果と今後うつになるかどうかに関連があるとは信じられなかったそうです。
ですが、今では考えが変わったと言います。
イギリスで15万人の被験者がエアロバイクによる有酸素運動と握力測定の簡単なテストを受け、うつの不安の症状に関する質問に答えてもらったそうです。
7年後にまた調査をしたところ、状態が良くなった人もいれば、悪くなった人もいました。うつの基準を満たすほど悪くなっていた人もいたそうです。
興味深いのは、うつになるリスクは身体のコンディションの良い人のほうが低かったという事実です。
つまり、身体のコンディションの良い人はうつになるリスクが半分ほどに減り、不安に襲われるリスクも低かった。同じことが握力にも言え、数値の高い人のほうが不安障害のリスクが低かったということです。
たしかにどこまでが正常な気分の落ち込みで、どこからがうつなのかには、はっきりした線引きはありません。そこで、研究者たちは、どこからが打つかという線引きをいろいろと変えてみたそうです。
それでも身体のコンディションの良い人はうつになるリスクが低かったそうです。そして運動がうつのリスクを下げるという研究は他にも多数あるのです。
うつに対して運動ほど真逆に働きかけるものはない
運動はドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリンのレベルを上げ、BDNF(脳由来神経栄養因子)のレベルも上げます。長期的には炎症を抑える効果もあります。
なぜかというと、運動することによってエネルギーが消費され、そのエネルギーの一部は免疫系から奪われてくるので免疫系の活動が抑えられます。
それは良くないことのように思うかもしれませんが、慢性的な炎症というのはたいてい免疫系が過剰に活動しているせいなのでそれで良いそうです。
つまり、活動が活発すぎるのを運動が落ち着かせてくれるということです。
その他にも良い面があります。
- 海馬に新しい脳細胞ができるスピードを上げる
- HPA系(視床下部-下垂体-副腎系)を平常化させる
- 副交感神経系が活性化される
- 体内時計のリズムが整う
他にもまだまだありますが、うつに対して運動ほど真逆に働きかけるものはないということです。
それから、運動の抗うつ効果は感情に対しても有効です。
感情とは、島皮質(とうひしつ。大脳皮質の一領域)が知覚刺激と体内で起きている状態をまとめたものです。
これはどういうことかというと、人間の感情の状態は身体の外と内からのシグナルを材料にしてつくられるということです。
一方で、運動をすると身体の各器官や組織が強くなります。血圧、血糖値、コレステロールが安定し、肺の酸素供給能力も上がり、心臓や肝臓も強化されるのです。
結果、脳には今までよりも良いシグナルが届いたうえで、感情をつくることになります。そうなると不快な感情よりも心地よい感情がつくられる可能性が高くなります。
実際に運動はうつを予防するためにできる最も重要なことの1つなのです。
とにかく歩こう
わたしたちの歩数は激減しています。
欧米では平均して1日に5000~6000歩しか歩いていないそうです。
現在でも狩猟採集民として暮らしている人たちの調査結果に6000~7000年前の骨質を分析した結果を組み合わせてみると、わたしたちの祖先は1日に1万5000~1万8000歩ほど歩いていたと考えられています。
最適に機能するために、わたしたちの身体と脳はその歩数に合わせて設定されてきたと考えられます。
人類の長い歴史の間に歩数が減っただけでなく、短期間で減っています。
スウェーデンの例でみると健康に害を及ぼす身体のコンディションが悪い人の割合が、1990年代の中頃の27%が46%にまで増加しました。
健康に害を及ぼす状態とされるのは、休憩せずに10分間速足で散歩ができない場合です。また若者(11~17歳)では男子の22%、女子の15%がWHOの推奨する1日1時間の運動ができていないと言います。
逆に言えば、1日1時間、いや週に1時間でもいいから運動しただけでうつが防げたという研究結果もあります。
精神科医である著者は「運動」を処方するといいます。
たしかに不安に苦しむ患者に困惑されることも多いそうですが、HPA系(ストレスの原因となる刺激から生体を守る正常な機構の1つ)の役割というのは脅威にさらされた時(ストレス)、あるいは脳が恐ろしいことが起きそうだと感じた時(不安)にエネルギーを動員することです。
逆に言えば、HPA系をなるべく発動させなければ、不安やストレスに苦しむことがないはずです。
古来より身体のコンディションの良い人が、肉食動物から逃げ切り、競争相手との戦いに勝ち、感染症から回復できた可能性が高いです。
そういった人たちのHPA系は危険の可能性に出くわすたびにギアを最大限に入れる必要がなかったはずです。あるいは本物の脅威もしくは驚異の可能性に出合うたびにパニックにならなくても良かったともいえます。
つまり、ストレスシステム(HPA系のギア)を下げたままでいられたということです。
言い換えれば、わたしたちのHPA系も身体のコンディションが良いことで安心していられるということになり、現代のストレス源や不安源への態勢を整えることができるといえます。
簡単にいうと、運動が身体に「ストレスに強く反応しすぎてはいけない」と教え込み、それはどんな種類のストレスに対してもです。
感情においても落ち着いた気分が訪れ、心配が減り、自分の能力に自信が増します。この自信がちょうどその時に襲ってくる心配を追い払ってくれるともいいます。
まだまだ運動が与える影響の研究は進んでいきますが、心理分野で最も重要な発見は自分の能力への自信、自己効力感が高まることだと著者は言います。



「不安」や「パニック」、「うつ」は、人間の本能なのだということがよくわかりました。
たぶんこれは、時代が進んでいくごとに、深刻な社会問題として取り上げられるに違いありません。
ですが、人間の本能と理解している人が、まだまだ少ないと言えます。
精神医療に携わる人や患者さんだけでなく、わたしたちのような、「まだ症状に表れていない人」も知っておく必要があると感じました。
『ストレス脳』の感想・まとめ
うつに「万能薬」などない
たしかに運動すればうつが治るといったような単純なものではありません。
そもそもうつに効く万能薬なんて存在しないのです。
ですが、運動は投薬に対して副作用のない「薬」だと思います。
著者によると、運動に関しても個人差があり、素晴らしい効果を得られる人もいれば、特に変化を感じない人もいるそうです。
しかし平均的な効果は良好だと言います。
ただ、誰にでもすすめられるものではありません。重篤なうつ、あるいは強い疲労感のある人に激しい運動は無理です。
その場合に必要なのは十分な休養です。
心の疲れをまず取ってやりましょう。
脳の最も重要な役割は「生き延びる」ことです。生き延びるための手段として「不安障害」とか「うつ」という方法を取っているのです。
そういう身体の声や心の声に意識するためにも本書は大きな助けになるはずです。
よろしければぜひご一読ください。
『ストレス脳』の概要
本書の目次
『ストレス脳』
日本の読者の皆さんへ
まえがき なぜ人は不安から逃れられないのか?
第1章 私たちはサバイバルの生き残りだ
第2章 なぜ人間には感情があるのか
第3章 なぜ人は不安やパニックを感じるのか
第4章 人はなぜうつになるのか
第5章 なぜ孤独はリスクなのか
第6章 なぜリスクを下げられるのか
第7章 人類史上、一番精神状態が悪いのは今なのか?
第8章 なぜ「宿命本能」に振り回されてしまうのか?
第9章 幸せの罠
あとがき
10の最も重要な気づき
謝辞
訳者あとがき
著者の紹介
アンデシュ・ハンセン
精神科医。スウェーデンのストックホルム出身。
カロリンスカ研究所(カロリンスカ医科大学)にて医学を、ストックホルム商科大学にて企業経営を修めた。現在は上級医師として病院に勤務するかたわら、多数の記事の執筆を行っている。
これまでに、『ダーゲンス・インドゥストリ』(スウェーデンの経済新聞)、『SvD』(スウェーデンを代表する朝刊紙の1つ)、『レーカレ・ティードニング』(スウェーデンの医療関係者向けの雑誌)、『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル』などに医学研究や医薬品に関する記事を2000件以上寄稿。
ラジオやテレビでも情報を発信し、とくにテレビ番組『科学の世界』への出演で有名。自身のテレビ番組もスウェーデン国内で持っている。
講演活動も精力的に行っている。
精神科医として活動するかたわら、テニス、サッカー、ランニングに励み、週に5日、少なくとも1回45分取り組むようにしている。
著書
『運動脳』Kindle版(2022/8/19)
『スマホ脳』新潮社 (2020/11/18)
『最強脳―『スマホ脳』ハンセン先生の特別授業』新潮社 (2021/11/17)
共著
『自由の奪還 全体主義、非科学の暴走を止められるか』 PHP研究所 (2021/8/10)




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