
こんにちはコウカワシンです。
今回は玉置泰子(たまき・やすこ)さんの著書『世界一仕事が楽しくなる! 92歳総務課長の教え』から学ばせていただきます。
『世界一仕事が楽しくなる! 92歳総務課長の教え』は、どんな本?
『世界一仕事が楽しくなる! 92歳総務課長の教え』は、ズバリ!「人生100年時代の人生手引書」です。
本書は、このような本
最近は、FIRE(ファイア)ブームで、早期リタイアこそが人生の勝ちパターンだと諭す書籍や情報が多くなりました。
たしかに時間は有限ですから、人生の残された時間を自分の思うように生きたいと願う人は多いと思います。
ですが、それを達成できる人は、そうは多くないのではないでしょうか。
人生100年時代を迎え、社会の様子も変わってきました。
つまり、生きている間は、働き続けなくてはいけないということです。
でも、そんな風に考えると気が重くなりますよね。
ところがです。
毎日を意欲的に生き、92歳を迎える今も現役バリバリで働いていらっしゃる女性がいるそうです。
その人の名は、玉置泰子(たまき・やすこ)さん。
大阪府大阪市のねじ専門商社「サンコーインダストリー株式会社」で総務課長をされています。
健康を維持し、仕事に工夫をこらし、職場でのコミュニケーションも円滑にされているといいます。
そんな玉置さんの著作が『世界一仕事が楽しくなる! 92歳総務課長の教え』です。
92歳の現役総務課長が勤続66年で培った、仕事のスムーズな進め方、コミュニケーション力の磨き方、成長するための小さな習慣、失敗を恐れない考え方、上司と部下の作法、さらに100歳まで元気に働くための健康法など、63の秘訣が満載です。
本書は年齢を問わず、入社一年目からベテラン、定年前後にも役立つ考え方とスキルを得られる本ということで、いま話題になっている一冊です。
本書がおすすめな人は?
『世界一仕事が楽しくなる! 92歳総務課長の教え』が、おすすめな人
- 入社1年目の人
- 中堅社員の人
- 定年間際の人
- 仕事の意味をしっかりフォーカスしたい人
- 移り行く社会に取り残されたくない人
- 人生100年時代に不安を抱えている人




『世界一仕事が楽しくなる! 92歳総務課長の教え』の要点は?
まさにスーパーウーマンというべき玉置泰子さんですが、最初からそうだったことはないと本書にあります。
ですが、日々の仕事に取り組み、人から受けた影響により、培われたことで今があり、それが貴重な財産だと言われています。
つまり、一日一日を地道に積み重ねた結果だということです。
そんな玉置さんが、66年の社歴で身につけた仕事への向き合い方、失敗を恐れずチャレンジを続ける心構え、上司と部下がわきまえるべき作法を「63の秘訣」として紹介してくれています。



それでは、わたしの独断と偏見で、「玉置泰子さんの横顔」
「100歳まで元気に働くための健康法」「「長く幸せに働くための63の秘訣」から5つほど紹介させていただきます。
92歳総務課長の横顔
著者である玉置泰子(たまき・やすこ)さんは、1930年生まれ、今年で92歳です。
大阪府大阪市西区の「サンコーインダストリー株式会社」で、総務部長付課長を務められています。
いまでも平日の午前9時から午後5時半までフルタイムで働いていらっしゃるそうです。
業務は経理事務とTQC(会社的な品質管理)活動事務局の運営だそうです。
今年で勤続66年。
2020年11月には、「世界最高齢の総務部員」としてギネス世界記録に認定されたそうです。


出典:Newsweek「ギネスが認めた「世界最高齢の総務部員」 勤続65年、90歳のエクセル達人が語るITの極意とは」より
商業高校卒業後、生命保険会社を3年、紡績会社に勤務し、労務関連の仕事を任されたものの他社との合併で会社が大阪から三重県へ移ることになり退職しました。
その後、いとこの紹介で入ったのが現在の勤務先サンコーインダストリー株式会社(当時は三興鋲螺(びょうら)株式会社)です。
入社当時は、社員は10人ほど。
小さな会社なので、総務担当ながら実際は❝なんでも屋さん❞
営業の手伝い、お昼になったら社員の注文をまとめてパンや弁当の買い出し、社員寮で住み込みの社員の食事をつくったりもされていたそうです。
そういったことが、自分のやりたい仕事とは違うと思い悩み、出社するのもイヤになり1週間休んだことがあると言います。
すると、会社を紹介したいとこから「あなたは仕事をなんだと思っているの?あなたにいったい何ができるの!」と怒られたそうです。
玉置さんは、その言葉で目が覚めたと言います。
「まだ何も満足にできないのに、与えられた仕事を途中で放り出すなんて、とんでもないことだ。働いて給料をもらっているのだから、まずは与えられた仕事を着実にこなせるようにならなくては」と思い直し、気持ちを新たにされたそうです。
三興鋲螺株式会社の創業者は、「会社は社員とその家族のものであり、会社が繁栄できるのは、お客様と取引先があってこそ、だから、創業者は社員と家族、お客様と取引先を大切にして感謝する」という姿勢だったそうです。
その姿勢に間近で触れ、玉置さんも「感謝」と「報恩」(ほうおん)が人生の指針となったと言います。
具体的には、「自分が元気に働けているのは、家族を含めたまわりの人たちのおかげ。その恩に感謝しつつ、何らかの形でお返しして、誰かのお役に立つために働く」ということなのです。
創業者の信念を受け継ぐ玉置さんを含めて社員は、「その仕事、誰かの役に立っているか?」と問いかけながら仕事をされていると言います。
ですので、伝票を1枚仕上げて持って行っても「ありがとう、助かりました」という感謝の言葉が聞けるし、伝票を仕上げた本人も「誰かの役に立てている。こちらこそありがとう」という感謝の念が湧き上がり、やりがいや働く喜びにつながっていくのだということです。



こういった姿勢が、玉置さんの勤続66年という年月を支えてきたのですね。
ギネスに認定されていることにも驚きですが、「昨日よりも今日、今日よりも明日のほうが、ちょっぴり成長している」という実感があるそうです。
つまり、まだまだ意欲があり、これからも継続して働きたいと願っているということです。
これは、日頃からの健康管理もきっちりされているということですよね。
では、そちらにスポットを当ててみたいと思います。
100歳まで元気に働くための健康法
玉置さんは、100歳まで元気に働くために健康に気をつけられています。
それがこれです。
100歳まで元気に働くための健康法
- 規則正しい食生活
- 毎朝30分のヨガを欠かさない
- 般若心経を唱える
- BMWで足腰を鍛える
- 俳句・短歌で脳を活発化
規則正しい食生活
玉置さんは長年、病気らしい病気をされたことがないそうです。
特別、摂生に努めているわけでもないのに健康な日常を送れているのは、「規則正しい食生活」のおかげだと言われます。
毎日決まった時間にバランスのとれた食事をとるように心がけていることが健康の秘訣ということです。
玉置さんは、3歳年下の妹さんと二人暮らしです。2人で役割分担していて、玉置さんが外で働いて、妹さんが家事全般を担当しているということです。
食事も玉置さんの健康のバランスを考えて、妹さんご自身はベジタリアンなのに、外で働く姉のために肉や魚、野菜といった栄養のバランスを考えてつくられているそうです。
そんな妹さんに玉置さんはいつも感謝していると言われています。



健康で長生きするためにも食生活は大事です。
だって、自分の体は、自分が食べたものでできていますからね。
こういった妹さんの意識のなかにも「その仕事、誰かの役に立っているか?」が当てはまりますね。
毎朝30分のヨガを欠かさない
玉置さんは50年ほど毎朝、ヨガを続けられているそうです。
ヨガというと、身体を柔軟に使ってアクロバッティックなポーズをとるものだと誤解する人も多いようですが、本来大切なのは、「呼吸法」と「瞑想」(めいそう)です。
呼吸法といっても、特別なものではないそうです。
鼻から大きく息を吸って、いったんお腹の下に空気をためて、それを口から吐きます。吐くときは一度に深く吐き出すのではなく、ハッハッハッというふうに小刻みに吐き切ります。
そして最後に頭のてっぺんで息を止める意識を持つと、脳が活性化されるそうです。
呼吸は全身を動かすエネルギーのもとですから、元気も出てきます。
瞑想は、自分にとってラクな姿勢で床にあぐらをかいて座り、背筋をピンと伸ばした状態で目を軽く閉じるだけのシンプルなやり方でされるそうです。
呼吸法と瞑想で計30分前後。心身がしゃきっとして、今日も一日頑張ろうと明るい気分になれるそうです。



身体の健康を整えるにもヨガをすることはいいことですね。
そして瞑想することで心身がしゃきっとするとのこと。
これはぜひ真似してみたいと思いました。
般若心経を唱える
玉置さんは毎朝のヨガの後、『般若心経』を読まれているそうです。
ヨガの瞑想では、気持ちを鎮めて自分を❝無❞の状態に持って行き、般若心経では、すべては❝空❞であるという教えをひたすら唱えるということを長年されています。
声をゆっくり出すことで、呼吸も大きくなり、身体の隅々までエネルギーが満ちあふれる感じがするそうです。
ヨガと般若心経で心が鎮まり、新しい一日をスタートを切るのにふさわしい清々しい気分になるとのことです。



素晴らしいですね。
わたしも朝の時間がとても大切と考えています。
朝、心が穏やかなら一日がスムーズにスタートできるからです。
般若心経を読むこともやってみようと思います。
BMWで足腰を鍛える
BMWといっても、ドイツ製の有名な高級車のことではありません。
BMWとは、「B=バス、M=メトロ(地下鉄)、W=ウォーキング(歩く)」ということなのだそうです。
玉置さんは、大阪府北部の豊中市にお住まいで、会社までの片道1時間をバスと地下鉄と徒歩で通勤されているのです。
一日の歩数は往復の通勤のみで6000歩くらいだそうですが、地下鉄もバス(座れる日もある)も立っていることが多く、こうした毎日の通勤が、玉置さんの健康づくりに役立っているそうです。
「老化は足腰から」ですので、足腰が立たなくなると、現役で仕事をするのも難しくなります。平日の往復2時間のBMWは玉置さんの足腰を鍛えるのに良い運動になっているということです。



健康を維持するのにやはり運動は必要です。
バスに乗ることも、地下鉄で立つことも、そして歩くことも運動だと考えたら、片道1時間の通勤時間も有益だと感じますね。
俳句・短歌で脳を活発化
身体がいくら元気でも、認知症になったら仕事ができなくなってしまいます。
ヨガや般若心経、BMWでの通勤といった日々のちょっとした刺激が、脳の活性化にひと役買ってくれているといいます。
そして、脳の刺激になることとして、「俳句」と「短歌」をされているそうです。
正式に習ったことはないそうですが、歌人の内弟子であるいとこの方に添削してもらったり、俳句のテレビ番組で勉強をされているそうです。
俳句も短歌も、本質は「不要な言葉を削る」ことです。
そうでなくては五七五、五七五七七といった定型に、情報量の多い情景を収めることはできません。
歌を詠むことが、どれだけ脳の活性化につながっているかはわかりませんが、玉置さんにとっては、かなり脳を刺激できているとのことです。
「不要な情報を削り、本質的な言葉を残す」といった俳句や短歌で培われたスキルは、お礼状の作成といった仕事上での業務にも役立っているそうです。



俳句や短歌、かしこまらずに遊び感覚で楽しむ。
そして、得たスキルを仕事に活かす。
こういう感覚が仕事を面白くするのだと思いますね。
「長く幸せに働くための63の秘訣」から5つ
何歳になっても学ぶ姿勢を忘れない
玉置さんの会社では、研修会社と契約して、若手をはじめとした社員のスキルアップや自己啓発をサポートされているそうです。
研修会社によって研修カリキュラムが毎年更新されていて、それが全部署・全社員に示されます。そこから好きなカリキュラムを選べる仕組みになっていて、研修費は会社が全額補助をしてくれるそうです。
会社の研修で大切なのは、会社からのお仕着せではなく、社員が自ら進んで学ぶことです。
自分が進んでやることにはモチベーションが高まり、続けやすいですから、学習効果も得やすいということです。
玉置さんがこれまで選んだ研修カリキュラムには、「話し方教室」「管理者研修」などがあり、現在の研修システムになる前は、「ライフマネジメントプログラム」という自己啓発プログラムに参加されたことがあるそうです。
その研修には、生い立ちで感謝したいことを書き出すというワークがあったそうです。
そこで、玉置さんは、いまの自分が、いかに多くの人たちに支えられてきたかを再確認したそうです。
それ以来、先ほどにも触れた「感謝」を重視するようになったとのことです。



「一生勉強」という言葉があります。
何ごとも自分の血となり肉となると考えれば、学ぶことが楽しくなるし、学んだことで気づくことも多いと思います。
こういう感覚をわたしも持ちたいです。
環境の変化を楽しむ
「新しいぶどう酒は、古い革袋に入れてはいけない。そんなことをすれば、革袋が破れて酒が漏れるし、袋もだめになる。新しいぶどう酒は、新しい革袋に入れるものだ。そうすれば、袋もぶどう酒も長持ちする」
イエス・キリスト(キリスト教の始祖)
この考えは、会社にも当てはまると玉置さんは言います。
というのも、新しい発想や創造を活かすためには、それにふさわしい組織や場所が必要だと思うからだそうです。
とくに、変化のスピードが速く激しくなっている現代では、つねに技術や創造性を発揮する会社が業界を引っ張っています。
時代の要望に即した新しいことを想像できる会社は、若い社員が活躍できる舞台を用意しています。若い社員たちのアイデアを吸い上げる仕組みをつくる、あるいは有望な若手を昇格させて権限を委譲するといった試みが欠かせません。
若い社員をサポートする上司の役割も見逃してはならないとも言われています。
玉置さんの会社も変革が起きました。
かつては訪問営業が主流でしたが、現在ではネット取引が約70%を占めるようになったそうです。
そのため、ネット関連に毎年多額の投資をして強化してきたといいます。
ネット取引がメインになったことで、営業部の役割も変わりました。
かつてのように「どういう商品が、どのくらいほしいか」というニーズを掘り出すことに加えて、お客様のビジネスをサポートするコンサルティング営業が求められるようになってきたのです。
変えてはならないのが、「その仕事、誰かの役に立っているか?」という気持ちで、お客様のために尽力するという創業以来のビジョンです。
ですので、そのビジョンさえブレなければ、新たな試みには大胆であるべきだというのが、玉置さんを含めた会社全体の意識なのです。
環境の変化にしなやかに対応できない会社・組織は、遅かれ早かれ滅びていきます。
むしろ環境の変化を楽しむくらいな若々しい思考を持つということが、長く社会の中で生きていく秘訣だといえますね。



移り行く世の中に、うまく乗ることができるのかという不安は、誰にでもあると思います。
でも怖がっているだけでは前に進めません。
自分のビジョンやポリシーさえブレなければ、どんどん変化するべきですね。
誰かの役に立ちたい気持ちを原動力にする
「その仕事、誰かの役に立っているか?」という気持ちで仕事を進める根底には、一種の「ボランティア精神」があると玉置さんは思っているそうです。
仕事には、多かれ少なかれ公共性がともないます。
給料をもらっているとしても、ボランティア精神で「誰かの役に立ちたい」と仕事ができたら、大きな充実感と満足感がともなって、心が満たされます。
人は自己中心的でありながら、ときとして心のどこかに「誰かの役に立ちたい」という利他的な志向を秘めているものです。
玉置さんは、92歳になるいまも現役で仕事をするなかで、日々誰かの役に立っているという充実感を持って働けている、それは毎日の頑張りを支える糧となっていて、感謝しかないと言います。
そんな玉置さんも、ギネス世界記録の認定を受けてから、「高齢者を勇気づけるような話をしてください」と地域の集まりに呼ばれる機会が増えたそうです。
そのような機会で話すことは、「ボランティア精神で活動することの大切さ」です。
高齢者世代ともなると、退職して以降、「毎日に張りがない」とか「やることがなくて困る」という人もいますが、高齢者でも足腰が丈夫なら、近所の公園の掃除や草むしりなど、誰かのために役立つ活動はできます。
「人にとって、もっとも悲しむべきことは、病気でも貧乏でもない。自分はこの世に不要な人間なのだと思い込むことだ」
マザー・テレサ(カトリック教会の聖人、ノーベル平和賞受賞者)
人生の充実度は、「必要とされること」に比例しているということですね。
さらに、こんな言葉も残されています。
「神様は私たちに成功して欲しいなんて思っていない。ただ、挑戦することを望んでるだけ」
マザー・テレサ
仕事でも仕事以外でも、誰かの役に立ち、挑戦を続けることは、お金で買うことのできない充実感を人生にもたらしてくれると玉置さんは言います。



人を動かすのは、やはりこういう気持ちなのだと思います。
「誰かの役に立ちたい」
わたしも大事にしたいと思います。
「相談」に上司も部下も先輩も後輩もない
「相談」は、とても重要で、その内容ともなると多岐にわたります。
自分では決定できない判断の相談もあれば、仕事のトラブルをどう解決するかという相談もあります。それと、自分が知らないこと、わからないことに関する相談もありますよね。
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」という言葉があります。恥ずかしいと思っても、疑問点を解消しておかないと、一生の恥となる前に、目の前の仕事に差し障ります。
相談する場合は、「知っていること」と「知らないこと」、「わかっていること」と「わからないこと」を分けて、頭を整理しておくことが大切と玉置さんは言います。
相談することのメリットとして、相談事の疑問点や悩みが解消されることの他に、コミュニケーションがより円滑になります。
なぜなら、相談された側は、頼られていると実感し、うれしくなりますから意思疎通がいい感じになりやすいのです。
相談すること、学ぶことに、年齢も役職も、性別も関係ありません。
さらに、相談は「部下・後輩⇒上司・先輩」という一方通行だけではなく「上司・先輩⇒部下・後輩」もあっていいと玉置さんは言います。
たとえば、パソコン操作などで困ったことが生じたら、自分の席の近くにいる若い人に「ちょっと助けて」と力を借りるのです。
こうして相談できるのは、ふだんからコミュニケーションをとっているからでもあります。
そういう下地があるから、何でも相談できるということです。



これからの世の中は、老いも若きも協力して乗り切っていかなくてはいけません。
若い人たちとのコミュニケーションはきっとこういうことに役立っていくと思います。
まわりはみんな自分の先生
「自分以外は、みんな自分の師である」
吉川英治(小説家)
自分のまわりにいる人たちは、みんな自分の師だという考えでいられたら、何気ない日常にも学びが満ちてきます。
尊敬できる上司や先輩は、もちろんのこと、それ以外の同僚や友人、家族だって、自分の先生になりえるのだと玉置さんは言います。
人には、何かしら長所がありますから、その人のよいところに学ぶ姿勢も重要ですが、短所でさえも反面教師だと思えば学びに役立つのです。
たとえば、「ああ、あそこであんなことするから、それまでのがダメになっちゃったじゃない・・・。これは自分も気をつけるべきだな」というふうに反面教師になるのです。
仕事中のことだけではなく、電車内でマナーの悪い人、飲食店で横柄な態度をとる人、自動車のおあり運転をする人などなど。世の中を見渡すとけっこう反面教師があふれています。
このような人たちと出くわすと不快ではあるけど、そこから学べることもあると思えば、ものの見方が変わってくるのではないかということです。



何からでも人は学べるということですね。
大事なことは、「固定観念を持たない」ことだなあと思いました。
つまり、「柔軟」に考えられるようになると、どのようなネガティブなことでも自分の学びにできるということです。
『世界一仕事が楽しくなる! 92歳総務課長の教え』の感想・まとめ
「己れの立てる処を深く掘れ、そこには必ず泉あらん」
高山樗牛(たかやま・ちょぎゅう)明治時代の文芸評論家・思想家
玉置さんのこれまでの歩み、そして63の秘訣を読んでいると、この「己れの立てる処を深く掘れ、そこには必ず泉湧あらん」という言葉がピタッとくると感じました。
「己れの立てる処(ところ)」というのは自分自身の足元のことです。会社でいえば経営理念とか強みであると思います。
それを深掘りするということです。
玉置さんとサンコーインダストリー株式会社の指針とされている「その仕事、誰かの役に立っているか?」は、まさに自身の足元を深く掘り下げていると思えてならないのです。
何かあったときに原点に立ち返るとき、「その仕事、誰かの役に立っているか?」が、すべての答えに導いてくれることでしょう。
これからの変化の速い現代においても、「その仕事、誰かの役に立っているか?」は、変わらない価値観として生き続けると思います。
人生100年時代を迎え、不安な人も多いと思いますが、玉置さんのライフスタイルは、わたしたちにとってすごく参考になるのではないでしょうか。
この記事では、ためになる秘訣を全部を紹介することはできませんでした。
ですので、ぜひ多くの方たちにご一読いただければと感じました。
『世界一仕事が楽しくなる! 92歳総務課長の教え』の概要
本書の目次
『世界一仕事が楽しくなる! 92歳総務課長の教え』
序章 92歳で現役、私に定年はない
第1章 仕事ほど人を成長させるものはない
第2章 仕事のスムーズな進め方
第3章 コミュニケーション力を磨く
第4章 成長するための小さな習慣
第5章 いつまでも失敗を恐れない
第6章 上司の作法、部下の作法
おわりに
著者の紹介
玉置泰子(たまき・やすこ)
1930(昭和5)年5月15日生まれ。
商業高校を卒業後、25歳で三興鋲螺(現・サンコーインダストリー)に入社。
以来66年にわたり、経理や庶務の業務を担ってきた。
現会長より11歳年上で勤続年数も長いことから、同社の歴史を知る語り部として新人研修の担当もしている。
2020年11月「世界最高齢の総務部員」としてギネス世界記録に認定される。




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