
こんにちはコウカワシンです。
今回は、横山光昭(よこやま・みつあき)さんの著書『キャッシュレス貧乏にならないお金の整理術』から学ばせていただきます。
『キャッシュレス貧乏にならないお金の整理術』は、どんな本?


『キャッシュレス貧乏にならないお金の整理術』は、ズバリ!「お金の流れを把握することがお金持ちになる第一歩」ということを再確認させてくれる本です。
本書は、このような本
キャッシュレス決済が始まって数年経ちました。
もうだいたいのお店でキャッシュレス決済がふつうになり、その便利さから利用する人が増えてきました。
でも同時にやっかいな問題も起こりつつあるそうです。
もしかしてですが、このような状況になった人はいませんか?
「あれ? いつの間にこんなに使ったんだろ?」
「ああ!今回こんなに引き落とされている・・・・・・」
「さてさて、これは何に使った支払いだろ??」
気づけば、たくさん買い物したり、何に使ったかもわからないなんていうことが、ありませんか?
このような状態が続けば、決してお金が貯まらず、しかも❝隠れ赤字❞ということも起こりえます。
キャッシュレス決済は便利になった分、利用することで「キャッシュレス貧乏」になる人も急増中で、これは今のうちに対策しないとえらいことになるのではないでしょうか。
フィナンシャルプランナー横山光昭(よこやま・みつあき)さんの著書『キャッシュレス貧乏にならないお金の整理術』では、キャッシュレス時代のお金の整理術の大切さをわかりやすく解説しています。
これからキャッシュレス決済を利用する機会はますます増えていきます。
今のうちに支出をコントロールするコツを身につけるのに最適な一冊です。
本書がおすすめな人
『キャッシュレス貧乏にならないお金の整理術』がおすすめな人
- 節約に励んでいるつもりなのに、なかなかお金が貯まらない人
- ついついキャッシュレスで買い物して、使いすぎてしまう人
- 何を買ったか、なかなか思い出せない人
『キャッシュレス貧乏にならないお金の整理術』の要点は?


まず、自分たちのタイプについて考えてみましょう。
皆さまは、どのタイプですか?
- 収入が多いのに貯金できないという人
- 収入が多い分、自然とお金が貯まっている人
- 収入が少ないから、貯金ができないと悩む人
- 収入が少ないけど、貯金はしっかりしています、という人
いろんなタイプがありますが、著者が言うには、「貯金ができる人、できない人の違いに、収入は関係ない」ということだそうです。
とくに収入が多くて貯金できないという人には、「出ていくお金=支出がルーズなっている」といいます。
なぜなら、収入が多い分、本人が「これは必要かも」と感じる範囲が大きくなるからです。
たとえば、クルマがあると便利だし、見栄えがいいと気分もいいから、と新車をローンで買ってしまう。子どもの力を伸ばしたいからと塾にピアノ教室、水泳教室、英会話に通わせる・・・・・・といったところです。
払えるがゆえに、必要かどうかを吟味しないという傾向があるのです。結果、たくさん稼いでいるのに、気づくと給料日前になると現金が手元にない状態になるのです。
それでも「カードで払えば、まあいいか」とクレジットカードやそれに紐づく電子マネーを利用して、払えるがゆえの支出を増やしてしまいます。
そう!
最近の「キャッシュレス決済」ブームによって、簡単に支払いが済み、支出が管理しづらいところが、「キャッシュレス貧乏」に陥ってしまう原因の一つになっているのです。



それでは本書から、わたしの独断と偏見で「どうしてお金が無くなるのか?」「キャッシュレス決済を攻略しよう」「お金が貯まる習慣」に分けて取り上げてみたいと思います。
どうしてお金が無くなるのか?
最近、キャッシュレス決済が増えたせいで、支出が増えた気がする・・・・・・。
このように感じる人が多くなったそうです。
しかし、そういう人はもともとお金にルーズな傾向があると言います。
つい使いすぎてしまう原因は何でしょうか?
それをチェックしないと改善しませんね。
では、順を追って見ていきましょう。
今日いくら使ったか、言えますか?
「お金が貯まらない家計」の傾向の根幹は、「今日いくら使ったか言えない」ところだそうです。
これは、収入が多い・少ないは、関係ないそうです。
キャッシュレス決済を多用するようになって、支出管理がルーズになっているのです。
買い物で、現金がないと、クレジットカードや電子マネーで支払い、その月に何にいくら、どうして支出したのかがよくわからないまま、次の給料日を迎えるのです。
お金が口座に振り込まれれば、万事OK。先月もなんとかなったし、今月も大丈夫だろう、と変わらぬ使い方を続けてしまうということです。
これを改善するには、「自分が何にいくら、どうして使ったのか」を意識することが重要です。



わたしもこの傾向があるのですが、キャッシュレスで便利になった分、しっかり支出チェックしないといけませんね。
それと、「現金がないからカードで払う」という安直な考え方も捨てようと思います。
毎月の赤字はボーナスで埋めていませんか?
キャッシュレス化で、毎月自分がいくら使っているかがわからなくなった、という声をよく聞きます。
請求の明細を見て、「こんなに使っていたのか」と驚く人も多いと聞きます。
しかし、危機感がないそうです。
その原因の一つは「ボーナス」にあると著者は言います。
ボーナスの使い道の第1位は、「貯蓄」です。
しかし、その一方で「ボーナスがいつの間にかなくなっている」という人も少なくありません。
これまでの生活でついつい、「ボーナス」をアテにしてはいないでしょうか?
たとえば、
- 住宅ローンのボーナス加算額の支払い
- 自動車ローンのボーナス払い
- クレジットカードのボーナス払い
などです。
まあ、こう見るとボーナスの使い方が決まっていると言えば、それまでなのですが、「クレジットカードのボーナス払い」は、ボーナスで赤字家計を補っている状態です。
とはいえ、ひとまず支払うことができたので、危機感は薄いままの悪癖を繰り返すと著者は言います。
ライフプランを考える
著者は、「ボーナスの使い方に、その人の将来設計度(ライフプラン)が表れる」といいます。
お金が貯まる人というのは、しっかりライフプランが立てられているそうです。
たとえば、資格取得でのスキルアップといった自己投資、日々がんばっている自分や家族へのご褒美(旅行、食事など)、といったように明日以降の充実した暮らしのために活かしているのです。
そのほかに、「10年後にマイホームを持ちたい」「5年後に大学受験を控える子供のために教育資金を貯めておく」「1年後の結婚式までに100万円貯金しよう」「キャリアチェンジのため」「海外留学したい」など計画がある場合もそうです。
つまり、人生に明確な目標や目的があると、それはボーナスの使い方に表れるのです。
ボーナスがすぐになくなってしまう人は、ライフプランが明確でない可能性があります。
だから、今欲しいと思ったものを次々に買い、支出が増えてしまっているのです。
でもですよ、不景気でボーナスカットという事態になると、一気に家計が破綻してしまう恐れがありますよね。
ですので、まずは日々の支出を「視える化」すること。そのうえで将来設計度(ライフプラン)のあるボーナスの使いみちを立てること。
この2つを心がけることで、年間の貯金額は確実に増えていきます。



いやあ、以前は大きなものを買うときにクレジットカードのボーナス払いをよくやっていました。
お金がないけど、必要なものがあったからですが、最近では特に必要というものもなくなり、ボーナス払いをしなくなりました。
ボーナスはまとまったお金を貯金するチャンスなのに、入ったとたんに消えてなくなるのは悲しいですよね。
「必要なのか?」と「単に、欲しいだけなのか?」を分けていますか?
「お金を何に使ったのか、思い出せないし、覚えていない」
「給料日前はなぜかお金がない」
貯まらない家計で悩んでいる人がよく口にするフレーズだそうです。
これは、「ムダづかいしているという自覚がないままお金を使っている」ことを物語っています。
たとえば、「特売だから」、「セールだから」、「キャンペーンだから」と、欲しくないもの、すぐに使わないものを買っていないでしょうか?
それと、家に買い置きがあるのを忘れて、同じ日用品を買ってしまったことは、どなたにもありそうですよね。
こうした支出の積み重ねによって、家計はじわじわとダメージを受けるそうです。
ここで大事なことは、「冷静に、客観的に自分の行動を見つめ直すこと」です。そのものを買う前に「この買い物は必要か、ムダにはならないか」を自分に問いかけることです。
具体的には、「それは必要だから買うのか? それとも、単に欲しいから買うのか?」とワンクッション入れるだけで、支出の質が変わってくるということです。
欲しいだけなのに、必要であるとすり替えていないかをチェック
誰にでも物欲はあると思います。あまり物欲がないという人でも必要なものであれば買うのではないでしょうか。
そこで気をつけたいのが、「わたしたちは『単に欲しいだけ』を『必要だから』にすりかえるのがとても得意」であることです。
単に欲しいと思って買っただけなのに「何で買ったの?」と聞かれると「かくかくしかじかで必要である」と理由をいくらでも後づけできるということです。
ここで著者の失敗談?をさせていただきます。
著者は立派な一眼レフのデジタルカメラを持っています。
「買いたい!欲しい!」と思った著者は、家族に「家族の写真がきれいに撮れる」「子どもたちの成長の記録が残せる」と必要性をアピールし、購入したのです。
しかし、いざ手にしてみると、使うのは年に1、2回・・・・・・。
購入して半年もすると、完全に「必要」ではなく「欲しい」から買ってしまったのだと明らかになり、奥さんやお子さんたちから「部屋の隅に置きっぱなしだよね」と小言を言われるそうです。
このような経験は、わたしもしたことがあります。
実際、浪費が多く、貯金ができないと悩んでいる人の家計をチェックすると「欲しい」に流されたと思われるお金の使い方が目立つそうです。
「必要」と「欲しい」は、ぜんぜん違うものです。ですが、それを客観視して、冷静に判断するのはわかっていても難しいものです。
ですので、「買いたいな!」「欲しいな!」と強く思ったときほど、「本当に必要?」と問いかけるクセをつけましょう。



耳の痛い話ですよね。
そういう判断ができれば、ムダな買い物をせず、お金持ちになれたと思うのですけどね(笑)
でも大事なことです。
本当に必要なものか、確認することを怠らないようにしましょう。
ただ欲しいだけのものは買わないということです。
キャッシュレス決済を攻略しよう
横山流・お金の流れを把握するメモの習慣
誰でも、「いつの間にか財布の中身がなくなっている」と不安になりますよね。
著者もそれは同じで、できるだけそういう状態にならなくてすむように、「使ったお❝用途❞と❝額❞をメモする習慣を10年以上も続けているそうです。
たとえば、
- タクシー代/3000円
- 飲み代1/5000円
- 飲み代2/1万円
- コンビニで買い物/1000円
といった感じです。
手帳に簡易的なお小遣い帳をつけているようなイメージです。
100円単位は切り捨て、金額の正確さよりも、お金がどこへ消えていったかをはっきり「視える化」することに重点を置いているとのことです。
手帳と言っても著者は、100円ショップで買った3冊セットのミニノートを使用しています。そこにお金を払うたびにささっと書くのがコツです。
書くことにより、自分で使ったお金の行方がはっきりし、気持ちがスッキリするそうです。



「使った金額をその場でメモ」ですか。
たしかにお金も気持ちも整理できてスッキリしますが、性格的にマメじゃないと難しいなあ~。
わたしにできるかな?(笑)
1カ月にいくら使っているか、把握しよう
ご家庭を持たれている人は、家計簿をつけられていると思いますが、家計簿をつけるのって、なかなか大変ですよね。
しかし、支出を「視える化」し、お金をやりくりするのに最も適した方法が、家計簿です。
キャッシュレス化により、支出が気づかぬうちに増えてしまった人にとって、まずは支出を「視える化」し、必要な支出、不要な支出を洗い出す必要があるのだと著者は力説します。
とはいっても、「家計簿をつけるのは面倒で、つけ始めたことはあるけど、何度、挫折したことか・・・・・・」と思う人も多いと思います。
実際、食費・被服費・通信費など、複数の費目があり、1円単位まで書き込める欄があり、毎日の細かい支出を記録する一般的な家計簿を続けられている人は、すごい忍耐力を持っていると言えますね。
管理する費目が多いと継続が難しくなります。
そこで、家計簿に苦手意識のある人は、3つのステップで家計の支出を「視える化」していきましょう。
[ステップ1] 変動費のうち、1項目だけ1週間記録する
[ステップ2] 1ヵ月のレシートを取っておき、ひと月の支出を把握する
[ステップ3] 支出を「現金」「電子マネー」「クレジットカード」の支払い別に記録
変動費のうち、1項目だけ1週間記録する
[ステップ1]は日々、財布から出ていく変動費のうち、1項目だけ1週間記録するというものです。
やりかたは、先ほどのお小遣い帳のメモのように「これを記録しよう」と決めた費目だけ、お金を使ったら金額を記入していくというものです。
どの費目にするかは、日頃、自分が浪費していると自覚のあるものがいいということです。
たとえば、外食が多いと感じるなら「食費」、スマホゲームの課金や趣味の買い物が多いなら「娯楽費」、飲み代が多いなら「交際費」といった感じです。
そのように1つの項目に絞り、1週間の支出を記録します。
著者がステップ1で、感じて欲しいということが、「記録すると問題が把握できる」という実感です。
というのもお金を貯められない人の多くは、「毎月の携帯代は?」「水道代は?」「月初めに支出が増える原因は?」といった質問に即答できません。
それは自分が、いつ、何に、どれくらいお金を使っているか把握できていないからです。
その状態でいるので、「家計はなんとなく回っているのでいいか」とそのまま放置することになり、いつまでも問題が表面化しないのです。
その状況を打破するのが、ステップ1の「1つの項目について視える化する」ということです。こうすることで、ほかの支出も気になり始めます。
可能なら、次の週は他の費目で同じやり方をやっていくのです。ステップ1を踏むことで、家計を把握する力が育まれていきます。
「でも、こんなの家計簿アプリでやれば楽勝じゃん」と思う人もいることでしょうね。
口座の出し入れを自動で記録する機能や、レシートの写真を撮るだけでデータ入力が住んでしまう機能など、確かに便利です。
しかも、つねに持ち歩いているスマホなら、いつでも入力できますよね。
著者は、家計簿アプリをしっかり活用できるのは、家計管理の上級者だと言います。
家計管理初心者は、まず支出を把握する力を鍛えなければいけません。そんなときにこの家計簿アプリの「完璧な自動家計記録機能」は、振り返ってチェックするのには難しいと著者は指摘します。
ですので、支出把握能力を鍛えるために、1つの費目だけ1週間記録するという支出メモが手軽で、振り返りも容易、シンプルだからこそ「視える化」の効果も高いこのやり方を推奨しています。
家計簿への挫折経験がある人やはじめて家計簿をつける人ほど、紙のメモからスタートを切ることがベターだと著者は言います。



わたしは家計簿アプリ「マネーフォワードMe」を使っていますが、お小遣い帳も手書きでしてみようと思いました。
まずはできることから、コツコツと!
ですね。
いくら使っているかわかりにくい「変動費」を把握しよう
ここでは、[ステップ2]について説明します。
「ひと月の支出を把握する」ということですが、1ヵ月間で財布から出ていったお金全体の「視える化」にチャレンジしていきましょう。
守るルールは4つ。
- お金を使ったら、必ずレシートをもらうこと(ない場合はメモで保管)
- 1日の終わりや翌日の朝に財布からレシートを取り出し、まとめておくこと
- できれば毎日、ムリなら週に1度、曜日を決めて記録すること
- 1週間に1回まとめたレシートの金額を足して、総額を出すこと
これを4週間続けると、その月に財布から出ていった支出(食事、雑費、交通費など、主に変動費)が明らかになります。
従来の家計簿との違いは、支出を細かく費目に分けて記録するのではなく、レシートの数字をどんどん足し算していくだけです。
たとえばこんな感じ。
コンビニで972円
ドラッグストアで1240円
定食屋で850円
計3062円
週末の夜にでも計算していくのです。
固定費は書かない。日々の変動費だけを記録していく
家計簿をつけるとき、出ていったお金を費目に分けていく作業は面倒だし、家計簿づけのつまづきの原因となります。
ですので、食費も雑費も交通費も関係なく、レシートに記載された合計額にだけ注目して支出の数字を記録していきます。
ただし、ここでです支出の総額には、定期的に口座から引き落とされる家賃や水道光熱費の基本料金部分、通信費の基本料金部分、保険料、教育費など、家計の固定費は含みません。
ここでわかる目安として、ひと月の間に財布から出ていったお金が、もし収入の7割、8割を占めているとしたら、確実に使いすぎたと言えるのです。
キャッシュレス貧乏の主な原因は、この変動費にあるというのが、よくわかるでしょう。



わたしの場合、使うカードは1種類だし、使う場所もだいたい同じ(そもそもあまり買い物をしない)なので、変動費の把握はしやすいです。
とにかく隠れ赤字の原因である変動費をきちんと把握することが第一ですね。
「現金払い」「電子マネー払い」「クレジットカード払い」の3つに分ける
[ステップ3]では、日々の支出を「現金払い」「電子マネー払い」「クレジットカード払い」という3つの支払い別に整理して、キャッシュレス決済によって、さらに見えづらくなっている支出を「視える化」します。
ここで、本書であげられた一つの例を紹介します。
Dさんは30代独身の会社員。
PayPayやLINEPayのキャッシュバックキャンペーンやポイント増額キャンペーンなどを積極的に活用してきました。
とくにPayPayがスタート時に行った大規模な全額キャッシュバックキャンペーンのときには、全自動掃除機やホームベーカリーなど、家電を中心にキャッシュバックの上限金額である25万円近く買い物をしたそうです。
残念ながら全額キャッシュバックは適用されませんでしたが、十分なポイント還元を受けたDさんは、その後もキャッシュレス決済を使うようになっていきます。
ところが、ボーナスが出た直後、銀行口座からお金を引き出そうとしたところ、残高の額が思った以上に減っていることに気づきました。
入ったばかりのボーナス、毎月の給料の残りを合わせて「これくらいはあるはず」と思っていた額よりも、50万円近く残高が少なかったのです。
慌てて原因を探ってみると、キャッシュレス決済の使い過ぎが貯蓄を食い荒らしていたことがわかりました。
キャッシュレス決済3種類
現在、キャッシュレス決済の分類は大きく分けて3つあります。
- プリペイド方式(前払い)
- ポストペイ方式(後払い)
- デビット方式(即時払い)
3つの違いは、簡単にいえば支払いがいつになるかというところです。
いずれも便利な支払方法ですし、現金の持ち合わせがなくても電車やタクシーに乗ることができますし、買い物やレストランで食事もできます。
現金を持ち歩かずに済み、安全で便利ですが、その便利さに頼りすぎると「結局、いくら使ったのかわからない状態」になってしまいます。
つまり、財布から現金が出ていかない分、使った感覚が乏しくなっているということです。
ですので、自分なりに使い方のルールを持って使用することがとても大切です。



[ステップ1]から[ステップ3]までで、キャッシュレス決済の攻略法を伝授していただきましたが、著者はステップアップとしておすすめの家計簿のつけ方を本書で示してくれています。
興味のある人は、ぜひ本書を手に取って、読んでみてください。
家計簿をつけることで、自分のお金の弱点がひと目でわかるとのこと。
これで、キャッシュレス貧乏から脱出です。
お金が貯まる習慣
毎日、所持金を数える
毎日、財布をチェックしましょう。
所持金を数え、お札を整理し、小銭を貯金箱に移し、レシートを取り出すのです。
これにより、「今いくら持っているか」と「何に使ったか」を把握してスッキリすることができます。
著者はこれを「お金の管理能力を高める上で土台となる習慣」だと言います。
多くの人が気にしている「老後2000万円問題」もお金の管理能力を高めれば、さほど怖いものではないといいます。
必要になる具体的な額の数字はいろいろな説がありますが、老後に向けた蓄えが必要で、年金だけでは立ち行かないことは、わかりきったことです。
しかも、一連の報道で慌てた人の中には、急に投資を始めてしまい、手持ちの現金を減らしてしまったケースもあると聞きます。
著者は、将来のことを考えるのは大事だけど、最も重要なのは「今を見ることだ」と言います。
その第一歩が、「毎日、所持金を数えること」であり、「出ていった支出を視える化すること」だというのです。
第一に、これによって、毎月の生活費がわかってきますよね。だったら老後資金として必要な金額も予測しやすいのではないでしょうか。
とにかく「今」を見ましょう。
毎月の生活費と万が一のときの生活防衛資金として7.5か月分を準備することを著者はすすめています。
その他に、教育費やマイカー資金など必要なお金があればそれも準備し、土台を整えてから老後を含めた将来を見据えることが大事だと言います。
そのステップを飛ばし、毎日の財布のお金の動きも確認しないで、先々のことを心配するのは順番が違うことです。
コツコツと足元を固めていくことで、お金が貯まる家計が作られていくということです。



たしかに投資についての知識はあった方がいいですが、まずは自分の手持ちのお金の動きから把握することが大事ですね。
それもなしに投資に手を出すと、しっかりしていない土台の上に家を建てるようなものですからね。
一般人も「簿記」の知識があった方がいいと言います。
お小遣い帳をつけ始めたのなら、一度勉強してみる価値がありますね。
部屋を片づける
お金が貯まらない人の共通点は「部屋が片づけられないこと」だそうです。
一見、関係ないように見えますが、片づけは「必要なものと必要のないものを見極める作業」なのです。
本書である例を紹介しています。
専業主婦Bさん。
「節約しているつもりなのに、お金が貯まらない」という悩みをお持ちです。
家は、リビングやキッチンパントリーとも物にあふれ、何があるのかがわからない状態です。子ども部屋なども段ボールや物でいっぱいでした。
これでは、必要な物が必要なときに見つからず、物を探す時間が余分にかかってしまいます。
家事も片づかず、深夜に仕事から帰ってきた夫が洗い物などを手伝う毎日だったそうです。
それでも夫はBさんを信頼して家計を任せ、自分は決められたお小遣いの範囲内でしかお金を使っていないので貯金ができているはずと考えていました。
ところが、実際にはBさんの家計は赤字で、お金は貯まっていませんでした。
その原因は、片づいていない部屋を生み出している変動費の支出にあったのです。
そこで、著者が家計の立て直しのためにまずは家の片づけをすることをアドバイスしました。
子ども部屋の段ボールには、おさがりでもらった服が大量にありました。それなのに必要に応じては新品や古着の子ども服を購入していたのです。つまり、二重買いをしていました。
そこで、子ども服をすべて出し、必要なものと不要なものに仕分けしたのです。結果、使える服がかなりあり、毎月の洋服代が削減できました。
同じように、パントリーと食品関係の仕分けを断行。
食品は種類・目的別にまとめ、使うものはパントリー内に作った枠の中に収めるというルールまで徹底しました。枠から出たものは、すぐに使い切るか、思い切って処分するのです。
そして、新たに買い足すときは絶対に枠内に収まる範囲に留めるのです。
こうすることでムダに買い足すことがなくなります。
結果、大きな節約に成功し貯金が増えていったということです。
同じ方法は、室内のあらゆる収納に当てはめ活用することができます。
部屋を片づけ、収納場所を限定し、とりあえず安いから買う・・・・・・をやめるだけで、Bさんの家計は改善しました。
つまり、片づけと貯金は表裏一体ということです。



わたしもミニマリストになってから、ムダづかいがなくなりました。
部屋をスッキリさせることにより、必要なものと必要な量が「視える化」したからだと思います。
良い習慣なので、皆さまにも紹介したいし、これからも続けていきたいと思っています。
「無料」に飛びつかない
世の中には「無料」と名のつくサービスがたくさんありますよね。
手数料無料、送料無料、無料体験、相談無料・・・・・・などなど、わたしたちの生活のまわりにもいろんな無料サービスを目にすることがあります。
ところで、「無料=お得」と考えている人はいませんか?
実は「無料=お得」と考えてしまうのが、お金が貯まらない人の傾向なのだそうですよ。
「無料〇〇」「〇〇無料」は落とし穴だらけ
なぜなら、ほとんどの「無料」には、何らかの落とし穴があり、注意しないと支出を増やす結果になるからです。
たとえば、ネットショッピングで、「あと1000円分買ったら、送料が無料になる」からと、必要ないものまで買ったことはないでしょうか。
❝ついで買い❞は、浪費を増やす原因になります。
また、Spotify、fulu、Netflixなど、流行のサブスクリプションサービスには、無料体験期間が設定されています。
「1ヵ月無料で映画見放題」などとうたったサービスに加入し、気づかないうちに無料期間が終了。そのまま気づかぬうちに月額会費が引き落とされ、あげく「たいして見ていない」なんていうことも珍しくありません。
会員費は固定費として毎月、支出されていくわけですから、無料の宣伝文句に飛びつかず、必要かどうかで厳選していきたいものですよね。
「無料相談」のその裏にある思惑
「保険の見直し」「相談無料」といったキャッチコピーの書かれた看板を見かけたことはありますか。
保険に詳しい専門の相談員が無料で、加入している保険が適切か診断してくれた上、ぴったりの保険のアドバイスをしてくれるという触れ込みです。
これが本当なら素晴らしいサービスですが、世の中にはそうそううまい話などなく、思惑あってのことです。
保険ショップの思惑とは、無料相談をきっかけに、「その会社が売りたい商品を紹介し、販売することで手数料という儲けを得る」ことなのです。
そこに前知識のない人が「保険の相談に来ました」とか「いい保険ありませんか?」と訪れるのは、保険ショップにとって、「カモがネギを背負ってやってくる」状態なのです。
これと似たようなことは、銀行や証券会社が主催する無料の投資セミナーです。
親切に株式投資や投資信託について教えてくれます。ただし、その先には「なるべく自分たちが儲かる商品を売りたい」という思惑があってのことなのです。
とくに投資信託ではその傾向が強いことも明らかです。
冷静になって考えればわかるように、無料でサービスを提供するビジネスは成り立ちません。
「裏に儲けの仕掛けがある」ということを頭に入れ、むやみに「無料」に飛びつかないことをルールにしましょう。



サブスクの無料期間は、手軽に利用しがちですよね。
そのまま継続使用するならいいのですが、あまり見なくて利用していないのであれば、きっちり見直すことが大事です。
保険や投資についても無料セミナーを受ける前に自分なりに「前知識」を入れてから受けたほうが、精査する目が養われるのではないでしょうか。
わたし個人の感想は、「タダより高いものはない」ということです。
つまり、近寄らないが勝ちですね(笑)
『キャッシュレス貧乏にならないお金の整理術』の感想・まとめ


お金で失敗したら、原因を振り返ることが重要
便利になった世の中なのに、なぜかお金が貯まらず、家計が赤字になってしまう。
これは、わたしも実感しています。
「使っていないのにお金が無くなっている」なんて思うこともありますが、現実にそんなことはなく、「使っていない」のではなく、「使ったことを忘れている」ということが正しいのです。
本書からわかることは、「お金で失敗したら、原因を振り返ること」がとても重要だということです。
そのために「支出を視える化するテクニック」は、すごく有効です。
支出を視える化するテクニックを駆使して、家計を立て直すことができれば、たとえ収入自体が少なくてもコツコツと確実にお金を貯めることができます。
赤字家計のほとんどは、本当は削れる浪費に気づかぬことで赤字になっているだけだと著者は言います。
ということは、「支出を視える化するテクニック」さえ覚えれば、収入が増えずとも赤字家計を改善することができるということです。
今後、キャッシュレス決済は確実に広がり、定着していくことでしょう。
生活サイクルだって変化していくことは必至です。
その中にあって、便利なうえにお金の流れも把握できる決済方法を自分なりに構築していきたいものですね。
そのヒントを得られる本として最適な一冊であると思います。
ぜひご一読ください。
『キャッシュレス貧乏にならないお金の整理術』は、現在(2022年7月20日時点)amazonの本読み放題サービス「キンドルアンリミテッド」の対象になっています。
キンドルアンリミテッドは、ビジネス書からマンガまで幅広いジャンルの本が読み放題です。ぜひこの機会にご検討ください。
『キャッシュレス貧乏にならないお金の整理術』の概要


本書の目次
『キャッシュレス貧乏にならないお金の整理術』
はじめに
第1章 お金を使いすぎてしまうのには理由がある
第2章 財布を小さくするとお金が貯まる
第3章 1年で100万円貯まる! 「貯金ノート」の使い方
第4章 今日から始める! お金が貯まる片づけの習慣
あとがき
著者の紹介
横山光昭(よこやま・みつあき)
家計再生コンサルタント、株式会社マイエフピー代表。
お金の使い方そのものを改善する独自の家計再生プログラムで、家計の問題の抜本的解決、確実な再生をめざし、個別の相談・指導に高い評価を受けている。
これまでの相談件数は2万3000件を突破。
各種メディアへの執筆・講演も多数。
著書は60万部突破の『はじめての人のための3000円投資生活』や『年収200万円からの貯金生活宣言』を代表作とし、著作は120冊、累計330万部となる。
個人のお金の悩みを解決したいと奔走するファイナンシャルプランナー。
著書
『知識ゼロですが、つみたてNISAとiDeCoをはじめたいです。』 インプレス (2021/11/18)
『貯金感覚でできる3000円投資生活 デラックス』アスコム (2019/9/22)
『一生お金に困らない! 13歳からの3000円投資生活』アスコム (2022/6/28)
『定年前後のお金と手続き 2022年版 』扶桑社 (2022/1/14)
『ゼロからわかる! フリーランス、自営業のためのお金の超基本』アスコム (2020/4/18)
『はじめての人のための3000円投資生活』 アスコム (2017/6/24)
『まんがでわかる 年収200万円からの貯金生活宣言』ディスカヴァー・トゥエンティワン (2018/4/12)
『年収200万円からの貯金生活宣言』ディスカヴァー・トゥエンティワン (2009/4/15)
『月100円からはじめる! つみたてNISAとiDeCo超入門』宝島社 (2021/12/2)
『子どもが10歳になったら投資をさせなさい』青春出版社 (2019/11/21)
『“一週間サイフ”で楽々お金が貯まる』プレジデント社; 第1版 (2016/12/26)
『年収200万円からの投資生活宣言 年収200万円からの貯金生活宣言』ディスカヴァー・トゥエンティワン (2013/6/15)
『これだけ知っておけば大丈夫 定年前後のお金と手続き 令和3年版』扶桑社 (2020/12/15)
『年収200万円からの貯金生活宣言 正しいお金の使い方編』ディスカヴァー・トゥエンティワン (2010/6/1)
『実はそんなに怖くない! ラクラク年金生活入門』ディスカヴァー・トゥエンティワン (2016/3/10)
『貯められる人は、超シンプル』大和書房 (2016/5/23)
『1日500円の小さな習慣 「隠れ貧乏」から「貯蓄体質」へ大変身!』幻冬舎 (1999/12/30)
共著
『ど素人の私でも死ぬまで困らないためのお金の増やし方を教えてください』リベラル社 (2022/6/23)
『1年で100万円貯められるゆる貯め家計』リベラル社 (2016/12/21)


コメント