
こんにちはコウカワシンです。
今回は菅原道仁(すがわら・みちひと)さんの著書『そのお金のムダづかい、やめられます』から学ばせていただきます。
『そのお金のムダづかい、やめられます』は、どんな本?


『そのお金のムダづかい、やめられます』は、ズバリ!「脳科学でお金の悩みを取り除く」一冊です。
本書は、このような本
このようなことはありませんか?
「貯金をしようとしているのに、毎月の生活費のやりくりで大変!」
「街に出ると、何かを買わないと気がすまない」
「ネットショッピングで買いすぎてしまって・・・・・・反省です」
このような悩みを持っている人は多いと思います。
「ムダづかい」
その多くは、後になって買ったことを後悔するものですが、なぜかその何かを買っているその時には「ムダづかい」だとは思っていませんよね。
実際にお金を払った時には、多少なりとも満足感があったはずなのに、どうしてあとで「反省」が、生まれるのでしょうか?
それと、このような後悔はありませんか?
「つい、プレゼントや会食にお金をかけてしまって・・・・・・」
「お祝いごとやイベントがあると金欠になるので困る」
このような出費は、❝人のため❞であり、❝自分のため❞。ケチケチよりは気前よく払ったほうが、気分も恰好もいいはずなのになぜか「後悔」が生まれるみたいです。
実は、こういったことにはっきりした理由があると、脳神経外科医である菅原道仁(すがわら・みちひと)さんは言います。
その理由とは、「ムダづかいが多い人は皆、『自分の脳の仕組み』そして『満足度の高いお金の使い方』がわかっていない」ということなのです。
菅原さんの著書『そのお金のムダづかい、やめられます』では、順序立ててその理由を一つ一つ語っています。
つまり、「脳科学の力でムダづかいしないようにしよう!」という意識改革の本なのです。
本書がおすすめな人
『そのお金のムダづかい、やめられます』がおすすめな人
- 見かけたものが気になり、ついつい衝動買いしてしまう人
- ブランドものが好きというわけではないけど、見栄で買ってしまう人
- よく買った後で、「なんでこういうものを買ったんだろ?」と後悔する人
『そのお金のムダづかい、やめられます』の要点は?


本書には2つの目的があります。
1.私たちの脳は生まれながらに「無駄づかいグセ」があります。それらのクセを知ることが、ガマンなく「無駄づかい」を撲滅し、人生の満足度を高めることにつながります。
2.売り手は私たちの「脳のクセ」を研究し、合わせた「売り方」をしています。流されないで「本当に欲しいもの」だけを選び取る力をつけましょう。



それでは、わたしの独断と偏見で、ポイントを3つにしぼって取り上げてみたいと思います。
なぜかムダづかいがやめられないわけとは?
買い物でストレス発散は❝まやかし❞
ショーウィンドーに飾られた洋服。おしゃれにディスプレーされた小物・・・・・・。そばを通るだけでもドキドキワクワクして、楽しい気分になる人も多いのではないでしょうか。
買った瞬間の高揚感は【ドーパミン】が仕掛けた❝まやかし❞より
とくに、「これは私のためのもの!?」と思えるような一品と出合えたときには、高揚感を覚えるものです。
「思いもよらない出合があるから、ウィンドーショッピングはやめられない」なんて声もよく聞きます。
でも、ちょっと待ってください。その❝ときめき❞で買い物をして、後悔したこと、ありませんか?
その❝ときめき❞の正体は、脳の中に「ドーパミン」という物質が分泌されることによってもたらされた、たった一時期の興奮にすぎません。
そう、「報酬系」といわれる神経回路(A10神経群)が盛んに刺激され、私たちの脳は快感を覚えるのです。
皆さまにお聞きしますが、こんなことはありませんか?
ストレスが溜まるとつい、買いすぎてしまう
買っただけで満足し、包装を解いていなかったり値札がついたままのものがある
かたちから入ることが多いが、飽きっぽくて長く続く趣味がない
それぞれ、よくありそうなシチュエーションですよね。
どれも一時の興奮を抑えきれずに行動してしまうパターンなんです。
「買い物は買うまでが楽しい」、「買おうか迷っちゃう瞬間がたまらなく楽しい」ということは、わたしもよくあります。
これは、ドーパミンが分泌され、「報酬系」といわれる神経回路(A10神経群)が盛んに刺激され、脳は快感を覚えるということなのです。


けど、この「報酬系」によってもたらされる快感は、本来、生存に必要なことを学習したときのご褒美として、わたしたちに備わったものなのだそうです。
たとえば、試験で難しい問題を考えていて、「わかった!」とひらめいたときは、スッキリしますよね。このときにドーパミンが分泌されているのです。
しかし、そのスッキリ感は長くは続かないそうです。さっと消えるから、次の問題に取りかかることができるのです。
このことから、「報酬系」によってもたらされた快感は、生み出されたそばから消えていき、次のことを学習してはまた生み出されるのです。
つまり、わたしたちの脳は、「報酬系」というご褒美システムを確立したことにより、さまざまなことを学び続けられるということなのです。
わたしたちは学習の繰り返しで生きていますよね。たとえば、仕事、勉強などで、目の前の課題が解決されると、スッキリするはずです。
このように、本来は学習のご褒美として生まれたはずの脳の仕組みなのですが、社会生活を営む中で、わたしたちは学習以外でも簡単に報酬系を活性化させ❝キモチイイ体験❞ができるようになっているそうです。
たとえば、「買い物をする」「勝負に勝つ」「賭け事に勝つ」「お酒を飲む」「タバコを吸う」などがそうです。
これらを行うことで得られる快感は、学習で得られる快感同様、生じてはすぐに消えていきます。
本来なら、これが正常な状態なのですが、、最初に生じた快感が大きければ大きいほど、失ったときの喪失感も大きく感じられる性質があり、その報酬系の出す快感を追い求めてしまう状態が「依存症」と言われる病気です。
ギャンブルやアルコール、ニコチン、薬物など依存性の強いものは問題視されますが、スッキリ感やワクワク感という快感を得るために買い物をしてしまう人も・・・依存症の入り口にいるといっても過言ではないそうです。
買い物で、目的もなくぶらぶらウィンドーショッピングしていたら、思わぬ一品と出合ってしまう・・・。一時の高揚感や快感も手伝って衝動買いすることもあるでしょう。
そんな状態に近いのが、「ネットオークション」や「ネットフリーマーケット」です。
オークションは、他人と競(せ)り勝つことで、ゲーム感覚、そして「他人に勝った」という優越感、「安く買えた」というお得感のダブル効果があります。
フリマにしても、「宝物探し」に似ていて「見つけた!」という達成感と「安く買えた」というお得感で。これまたダブル効果ありということです。
どちらもドーパミンがドバドバ分泌されてしまうということです。
目的があって、どうしても手に入れたい品物であったなら、どちらも満足できる買い物ができたといえるでしょう。
けど、手に入れたあと、「なぜ、こんなもの買ったのかなあ?」という気持ちになるのなら、ただ快感が得たいだけであったことは明らかです。
快感を得るための買い物からは絶対距離を置くべきです。
菅原先生の処方箋
- ネットオークション、ネットフリマはしない
- 「欲しいもの」を目の前にしたときの「脳の高揚感」に気づく
- 「脳の高揚感」にとらわれていると感じたら、できれば3日、最低でも15分間、時間をおく。それでも欲しければ買う



わたしも昔は、目的もなしにネットであちこち見て回って、要らないものを買っていた経験があります。
そのせいで、家が要らないものでいっぱいになったこともありました。
ミニマリストになってからは、まず目的なくネットを見ることもなくなり、「いいな!」と思ったものも何日か考えて買うようになりました。
このおかげで、家の中がスッキリし、必要なものだけに囲まれた生活をしています。
ものが少ないって、いいものですよ。
「とりあえずビール」「○○ブーム」「あの人がいいと言っていた」「行列のお店についつい並ぶ」は、ムダづかいしやすい
私たちは、自分のことは自分で判断していると思い込んでいます。しかし実のところ、知らず知らずのうちに、かなりの割合で周囲に合わせた行動を選んでいます。
「皆と一緒」の安心感で出費が増える【バンドワゴン効果】より
たとえば大人数で〇✕クイズをしていて、ちょっと自信のない問題が出たとします。皆が〇で、自分だけが✕を選んでいたとき、ただそれだけで「あ、しまった」と思いませんか?
このように、脳が「大勢の人が選んでいるからよいものだ」と認識してしまうことを「バンドワゴン効果」といいます。私たちの脳は、他人と同じ行動を選択することで、極力少ない労力で最大のメリットを享受しようとしているのです。
先ほどと同じくお聞きしますが、このようなことはありませんか?
「ビール好き」というほどでもないけど、飲み会では「とりあえずビール」
行列につられてつい予定外に出費することがある
トレンドやブームに敏感でいたい、という気持ちが人より強い
どれも自分で選択したと思っていても実は自分で選択していないということです。
とくに日本人は、このクセが強力だそうです。
居酒屋で飲む最初の一杯が「とりあえずビール」だったり、友達が頼んだものを「同じもの」と頼んでしまったりする「周囲に合わせる」という脳のクセによるものだと著者は言います。
本当に自分がそれを「欲しい」と思ったわけではなく、「他人の行動に合わせるため」にお金を使っているということです。
よく「○○ブーム」というのが起きることがあります。そして、テレビ番組で紹介されたお店に行列ができていると、その行列につられてテレビを見ていない人まで並ぶなんていうことがあります。
それから、テレビで紹介された健康食品が、翌日にはお店の売り場から姿を消すというのも「バンドワゴン効果」なのです。


大勢の意見に従っていればラクですが、それはただ単に自分で判断しているのではなく、誰かの意見を鵜呑みにしているだけで、自分に合っているかどうか、本当にいいのかどうかという思考が停止した状態です。
人に合わせることに感じる喜びは、お金を払って得られる満足とは違うことを、自覚する必要があると著者は言います。
菅原先生の処方箋
- 「人と同じ」「皆がこうしているから」を決め手にしない
- 他人と意見が食い違ったときは、人に合わせる前にまず、自分の意見を深めること



このクセは、まだわたしにはありますね。
トレンドには疎いほうなのですが、そこはうまく売り手側の策にハメられている気がします。
気をつけたいものです。
もしかして自分の価値を「モノ」でアピールしてない?
「職場の雑談で、年末年始の過ごし方を話して盛り上がっている。みんなが旅行に行くのを知って、自分もどこかに行きたくなった」
【自己顕示欲】を上手にコントロールしようより
「仲のいい友人が、人気ブランドの今年の新作の製品を持っていた。『いいな』と思ってショップに行き、それより新しいもの、少し高いものを買ってしまった」
このような経験はありませんか?
自分の「こうしたい」「これが欲しい」という気持ちよりも、他人の行動に影響を受けているとしたら、そこには「自己顕示欲」が働いている可能性があります。
自己顕示欲は、私たちが必要以上にお金を使ってしまう要因のひとつです。
またまた皆さまにお聞きします。このようなことはありませんか?
「新製品」「最新機種」・・・・・・。❝新しいもの❞が好き!
月に2回以上、美容院やネイルサロン、エステに行く
SNSに、行ったところや食べたものなどを投稿している
大きなブランドロゴの入った服や鞄が好き
自己顕示欲の強い人は、「こういうふうに思われたい」「こんなイメージで見られたい」という欲望がハッキリしているそうです。


「こう見られたい自分」をつくることを優先するあまり、「本当は欲しくないもの」でも「欲しい」と脳が勘違いをしてしまうのだそうです。
さらに、自分の都合を優先するあまり、他人からは「少し図々しい人」「常識外れの人」と見られてしまうこともあるといいます。
ですので、行き過ぎれば、迷惑行為をして注目を集めることすらも、「自分をアピールする手段だ」と捉えることになります。
自己顕示欲が強まっているときには、見栄にお金をかけることで散財のリスク上がるだけでなく、常識外れの行為をしやすくなるということも覚えておいて欲しいと著者は言います。
どんなにお金をかけても、心の不安はなくならない
自己顕示欲が強くなるのは、自分に自信がないからだと著者は言います。
そのままの自分を肯定できているのなら、そのようなアピールで注目を惹こうとしないはずです。どんなに他人がすごくても、自分の価値は変わりません。自然体のままで、ちゃんと評価を得られるのです。
自信がないから、何もしないでいる自分には、誰も注目してくれない、認めてくれないと考えるのです。
それで、自分に付加価値をつけようとして、必死に着飾ったり、誰よりも早く新製品を手に入れようと躍起になって散財するということです。
菅原先生の処方箋
- SNSを見ない。投稿しない。
- ものを買うとき、サービスを受けるときに自分以外の誰かが頭に浮かんだら、その人への「自己顕示欲」が働いている可能性を自覚する



ミニマリストになってから、シンプルに時間を大事にするようになりました。
とにかくネットを見なくなり、結果SNSを見たり投稿したりもあまりしなくなりました。
SNSをたまに見ると、「自己顕示欲」のかたまりのような人を見かけますが、それは人それぞれですので否定はしません。
けど、その人は「他人の時間の中で生きている」んだと思うと、少しもったいない気がします。
売り手のワナを見抜こう
選択肢が絞られただけで「欲しい」が増す
スタンフォード大学のマーク・レッパー博士とコロンビア大学のシーナ・アイエンガー博士が行った有名な実験から、選択肢が多くなった場合の、私たちの脳の働きについて考えてみましょう。
絞り込まれる気持ちよさを生み出す【選択肢過多効果】とは?より
その実験は、あるスーパーの試食コーナーで行われました。24種類のジャムを食べ比べられるようにしたときと、6種類のジャムを食べ比べられるようにしたときで、どのくらいのジャムの購入者がいたかを比較検討した実験です。
漠然としたイメージでは、たくさん種類があったほうがよりニーズに合うものを見つけやすいので、売上が高くなると思うでしょう。
しかし、結果は逆でした。ジャムが6種類のときのほうが、売上がよかったのです。
皆さまは、お店でこのようにされていませんか?
気づくといつも、「オススメ」や「人気」と書かれたものを選びがち
種類がたくさんあって迷ったら、近くの店員に「オススメはどれですか?」と聞く
つまり、「自分で決められない」という状態のことです。
たくさんの種類があったら選びきれない・・・。逆にいえば、多すぎる選択肢をぐっと絞ってもらえると、とたんに欲しいもののように感じられるということだそうです。
注意したいのは、生活用品や服などを買う場合、たくさん選択肢があって選びきれないというのは、「実はそれほど欲しくないとき」か「まだ自分の欲しいものを決められていないとき」ということが多いそうです。
そんなとき、「おすすめ」や「人気」という売り手からのアピールをもとに買ってしまう・・・このようなことが買った後に後悔する可能性が高くなると著者は言います。
無意識のうちに「オススメ」や「人気」を選びそうになったら、本当にそれが自分自身の決定なのか、よく考えてみる必要があるということです。
菅原先生の処方箋
- 「オススメ」や「人気」と書かれているもの以外選べないときは、実はそれほど欲しくないときなのだと知っておく
- 選択肢が多すぎて選べないときは、一度、時間をおいて考え直す



なるほど、「オススメ」や「人気」という商品以外選べないときというのは、それほど欲しい商品ではないのですね。
とにかくその商品が欲しいのかどうかをよく考えた上で、買う商品を絞った方がいいですね。
「限定」されると脳は、「欲しい!」と思い込む
親 「テレビばかり見ていないで、勉強しなさい」
ダメと言われると欲しくなる【心理的リアクタンス】より
子 「え~、今やろうと思ったのに! 言われたからやる気がなくなった!!」
こんな会話をしたことはありませんか?
私たちには、行動や決断を自分の意志で自由に決めたいという欲求があります。ですから、強い口調で「~して!」とか「~しないで!」と言われ、人に強制されると、つい反発したくなってしまいます。
このような反応を、「心理的リアクタンス」といいます。
自分 「このシャツを見せてください」
店員 「はい、どうぞ」
自分 「なかなかいいけど、どうしようかな・・・・・・」
店員 「お似合いですね。これは限定生産品で、実はそれが最後の1枚なんですよ」
自分 「・・・・・・ください!」
というやりとりも、「心理的リアクタンス」の一種です。
買い物に際して私たちが持っている「自由に購入したい」という欲求を「限定品」「最後のひとつ」「在庫あとわずか」「先着10名様」などと「制限」されることによって、「買えないなんてイヤだ」「欲しい」と思い込まされてしまうのです。
ついついお店に行き、「限定」などの表示を見るとなんだか心がザワザワしませんか?
「限定」「初回特典」「特別奉仕」と書かれていると、つい欲しくなってしまう
2カ所以上の「一見さんお断り」の店の常連だ
「閉店セール」をしている店があると、のぞきたくなる
このような状況を「心理的リアクタンス」というのだそうです。


この「心理的リアクタンス」ですが、「ダメ」とか「限定」とか「もうあと一つしかない」といった、いわば自由を制限されることに抵抗を感じ、行動や選択を自分で決定したいという欲が促すものだそうです。
それを売りては、利用して「限定品」とか「閉店セール」ということで買い手を惹きつけるのです。
たとえば、いつも「閉店セール」をやっているお店がありますよね。
地元の人ならそれを知っているでしょうけど、初めてそこを通りがかった人は、自然と「見ておかなきゃ」と思えてきて、その店に引き込まれるのです。
そして、よくあるのが「これを逃したら買えないかもしれない」と、欲しくないものまで「欲しい」と思ってしまっていることです。
こういうことが、買った後の後悔を生む原因にもなるといえますね。
菅原先生の処方箋
- 「限定品」が欲しくなったときは、直前にすれ違った人がそれを持っていて、「おそろい」になったとしても欲しいかどうかを考えてみる
- 「期間限定」「閉店」「売り尽くし」「最終」・・・・・・客に期限をかけるのは、購買意欲をあおるためだというワナに気づく



これについつい釣られることがあります。
とにかく売り手の巧妙な策にハメられないように注意することですね。
店員が、しきりに試着させるのには理由がある
家電量販店に足を運ぶと、パソコンでもデジカメでも扇風機でも冷蔵庫でも、最新機種からリーズナブルなものまで、さまざまな「お試し」ができるようになっています。
「お試し」するだけで「いらないものも欲しくなる」【愛着変化効果】より
なかには、「これとこれは、何が違うの?」というものまで試せるようになっていたりしますよね。
いったいなぜ、家電量販店はあんなに「お試し」をさせたがるのでしょうか?
実はそこにも、「愛着変化効果」といわれる「認知バイアス」が関係しています。
私たちは、実際に商品に触れると、その商品に愛着が芽生え、「欲しい」という心理状態になりやすいのです。
「暇つぶし」、「買う気はない」ときとか「ウィンドーショッピングしてるだけ」のときに何だか触ったものが欲しくなるということはないですか?
暇つぶしで携帯やパソコンの新機種を店頭で試していて、機種を新しくしたくなったことがある
ウィンドーショッピングのつもりだったのに、試着をしたら欲しくなって、買ってしまうことがある
このような状態を「愛着変化効果」といい、買う気はなかったのに、手に取ったものとか、試してみたもの、試着したものが気に入ってしまい、ついつい買ってしまうことを指します。
この効果は、ほんの短時間の接触でも起こります。
スーパーとかの試食コーナーもそうですよね。
別に買う予定がないものなのに、試食をすすめられて食べてみて、ついつい買ってしまう人も多いのではないでしょうか。
そういった場所には近づかないルールをつくっておくのも散財防衛になりますね。
菅原先生の処方箋
買う気のない商品は、見ない!触れない!試さない!



わたしはこれに、「目的のない外出はしない」を加えたい(笑)
ついついポチってしまうインターネットショッピング
「この商品を買った人はこんな商品も買っています」
すべての人の購買情報を網羅する【Cookie】より
「あなたにオススメの商品」
ネット通販で、こんな表示を見たことはありませんか?
「なぜ、ネット通販サイトは私の好みを知っているの?」と聞きたいくらい、気になるもの、見逃せないものが次から次へと出てくる。それで、予定外に買ってしまったりするのです。
これこそが、これからの時代にもっとも気をつけないといけないセールスの罠でしょう。
ネット通販をよく利用している人はかなりいますよね。
ネット通販に、毎月けっこうなお金をかけている
画面に「あなたにオススメ」「今だけお得」などと表示されると、反射的にクリックしてしまうことがある
このように、毎日、「Amazon」や「楽天」などの段ボール箱が届いている人は、ついつい予定外のものを買っていませんか。
そんなときは「Cookie」(クッキー)を疑ってみるべきです。


インターネットには、たくさんのデータが蓄積され、購入履歴や検索履歴が解析されるようになっています。それにより「オススメ」の的中率も上がっていくのです。
たとえば、インターネットで飛行機の格安チケットを購入した瞬間、「ホテル宿泊の申し込みが、今だけお得!」なんて出てきて、わたしたちはそれにつられ、「あ、いいな」と思わされてしまうのです。
たいていのサイトには広告欄があります。その広告欄だって、実は自分が検索した履歴によって表示される内容も変化しているのです。
これは「Cookie」という仕組みによって、どんなサイトに興味があるのかが自動的に分析され、広告が配信されているからです。
これは、自分がどういうふうに捉えられているかを知ることができておもしろいともいえますが、何だかプライバシーが筒抜けのようで、気持ち悪いと感じることもあるはずです。
インターネットは、便利な反面、活用すればするほど情報は蓄積され、消費を促すような仕組みが整っています。
ですので、インターネットとの付き合い方は、「Cookie」をよく知ったうえで、こんごますます注意していくべきであると著者は言います。
菅原先生の処方箋
- インターネットには常に「今だけオススメ」があることを知っておく
- 自分の情報がどこまで知られているのか、一度客観的に見ておく



わたしも知りたいことなどをよく検索しますが、なぜかサイトの広告には、その関連商品が載っています。
これも「Cookie」ということなのですね。
ただただ、「すごい」のひと言ですが、一度客観的に見ることにします。
テレビショッピングを見てるだけなのに欲しくなる理由
テレビショッピングの恐ろしいところは、私たちの悩みーー車の汚れや釣りのスランプー-の解決法を、実演を交えて示してくれることにあります。
「私のコンプレックスを解消してくれる」商品の見せ方の秘密より
「へえ、こんな商品があるのか」と、最初は少し冷めた目線で見ていたはずなのに、いつの間にか「これは自分のこの悩みを解決してくれる!」と当事者になってしまっているのです。
体験者がそのダイエット機器を使って10キロ痩せた、と言っていても、あなたがそれを使って10キロ痩せられる保証はまったくありません。
テレビの中のことを「自分のこと」と置き換えてしまわないように注意しましょう。
テレビショッピングを活用されている方にお聞きしますが、このようなことはありませんか?
テレビショッピングを見て、反射的に電話をしたことがある
ぶら下がり健康器に服がか掛かっている・・・など、テレビショッピングで買った健康器具や美容・ダイエット器具を、別の用途に使っている
テレビ番組よりもCMのほうを熱心に見がち
テレビショッピングでは、「商品説明者とゲストのトーク」で商品の魅了を伝え、さらに「体験者の声」なんかも挟み、「限定アピール」として、個数だけでなく売る時間も制限し、「今なら〇〇がついてお得」などのおまけで、買い物に対するお得感を持たせる巧みな戦略があります。
ついついその戦略に乗ってしまい商品を買ったことがある人も多いと思います。
ですが、実際買ったところ、それらの商品をうまく活用できているでしょうか?
実は、わたしも健康器具を2、3個ほど買ったことがありますが、テレビで体験者が語るような効果はありませんでした。効果が出ないので、使わずじまい、ほこりをかぶる状態になったということです。
スチームで油汚れやカビなどを除く清掃用具を買ってみたものの、準備とかが面倒くさくて、1,2回使ったらもう使わないという状態のもあります。
つまり、テレビって、いいとこしか言わないんですよね。
まあ、このように「買って失敗」という経験をした人はたくさんいると思います。
商品説明者の巧みなセールストークに乗せられないようにしなければいけませんね。
菅原先生の処方箋
- 目的なくテレビショッピングを見ない
- 見ていてほしくなった時には、電話をする前に同じ商品をインターネットで調べ、「限定アピール」の魔法を解く
- テレビショッピングでの失敗談を一覧表にしてみる



最近は、ほとんどテレビを見なくなりました。
これによりテレビショッピングすることもなくなったのですが、あのような番組は魔力がありますね。
気をつけたいものです。
ムダづかいをしないためのお金のルール
必ずストーリーを頭に描く
「そのモノや体験にお金を使うときに、❝ストーリーを正しく描く❞ことができましたか?」と自分に問いかけてみるということです。
心から欲しいもの、満足できるものだけを見極める方法より
ストーリーとは何か。それはたとえば、ショーウィンドーに飾られた洋服を見て「あ、欲しい」と思ったときに、
「来週のおでかけには、こういう服がちょうどいい」
「秋の初めにちょっと羽織れる上着がなくて、あのとき寒い思いをしたんだっけ」
などと描いていますか、ということです。このように具体的にイメージして買ったものは、予算を多少オーバーしても、ムダだという後悔はしにくいでしょう。
意外に思うかもしれませんが、その買い物がムダだったかどうかに、「金額」はほとんど関係ありません。
安くてたいした金額でなくても、自分にとっていらないものならムダでしかないのです。
反対に、自分がきちんとストーリーを描いて買ったものならば、何年かのローンを組んだとしても、いい買い物をしたと思えるはずです。
ふだん、何か物を買うとき、何かにお金を払うときに、おそらくどの人も何かしらのストーリーを思い描いています。
そのストーリーに関して、こんなことはないですか?
「あ、この服、30%もオフになっている。あったら便利そうだな。買おう」
「店員さんが着ているあの服、流行りらしいし、いいかも」
一見、きちんとしたストーリーに思えますが、これでは、またまた後悔する買い物になると著者は言います。
そこで、正しいストーリーを描くために3つのポイントをあげられています。
菅原先生の処方箋
- 主人公は、必ず「わたし・自分」にする
- 「いつ」「どこで」「誰と」使うのかが、具体的に描ける
- 「見栄」や「見返り」に踊らされていない
主人公は、必ず「わたし・自分」にする
描いたストーリーの主人公が「わたし・自分」になっているかが、後悔しない買い物をするカギになるということです。
先ほどの洋服のの例でみると、
「来週〇〇に行くのに、こういう服があったらちょうどいい」
「秋の初めにちょっと羽織れる上着がなくて、あのとき寒い思いをしたなあ」
というふうに、ストーリーの主人公を「わたし・自分」にしてみると「自分が考えて、自分が着る」という形になり「正しいストーリー」なのです。
でも、
「あ、この服、30%オフになってる。あったら便利そうだな。買おう」
「店員さんが着ているあの服、流行りらしいし、いいかも」
というふうなストーリーの主人公は、セールしている「店」であり、流行を着ている「店員」です。
これが、「間違ったストーリー」なのです。
その「間違ったストーリー」に店員の猛烈なセースルトークに乗せられて買ったものが後悔する買い物につながっていくのです。
しかも、そうやって買ってしまったものは、後悔こそすれど、「店員さんが強引にすすめたから・・・」とか「なんかうまいこと言われて買わされちゃったなあ」など、他人に決断の責任をなすりつけがちです。
これでは、何度繰り返しても、自分が主人公のストーリーを描けるようにはなりません。
ですので、何かにお金を払おうとしているときには、「これは自分の決断だろうか」と確認することが、後悔しない買い物をするための秘訣なのです。
「いつ」「どこで」「誰と」使うのかが、具体的に描ける
本当に欲しいものだけを買うために「具体的かどうか」を考えるべきです。具体的とは、「いつ」「どこで」「誰と」使うものかどうかです。
たとえば、ブランドのロゴが大きく入った派手なかばんを買うとしてです。そのかばんをどんなシチュエーションで使うのでしょうか?
「パーティに持って行く?」「パーティの日時や場所は決まっているか?」または「いつやるかもわからないパーティのためにとっておくのか?」
こんな場合どうでしょう。
「普段使いにする?」「それに合う服は持っているのか?」「そんな派手なかばんを持って行くところに、日常的に出入りしているか?」
このように具体的に「いつ」「どこで」「誰と」使うかをストーリーにしてみると、本当に自分に必要かどうかがわかりますし、無理があるものは、タダでもらったものでもムダだということがわかります。
「見栄」や「見返り」に踊らされていない
「人目」についても考えておきましょう。つまり「見栄」の心理が働いていないかどうかです。
「この素敵な服を着ている自分を見てほしい」
「あの人は持っているのに・・・・・・負けているみたいで悔しい」
といったことです。
たとえば、新機種のスマホが発売されたときを想像したとすると、今持っている機種で、不便はないし、絶対に変える必要があるかないかと聞かれると❝ない❞のだけど、新しいものを使いたい・・・・・・という気持ちがあるのも理解できます。
でもそのときに、
「誰よりもはやく新機種を手に入れたい」
という見栄や虚栄心の含まれたストーリーを描いてしまったら、これはやはりムダづかいということになりますよね。
もちろん、変えた直後は満足するかもしれませんが、その満足は持続せず、また同じように次の機種が欲しくなるといった繰り返しになってしまいます。
でもこのようなストーリーならどうでしょうか。
「新機種のこの機能で仕事の効率を上げよう」
このストーリーなら、変えたことによる満足は持続し、その出費は有意義だといえるのです。
そしてプレゼントも「見栄」や「虚栄心」はいけません。
「このプレゼントで、相手の心を動かしたい」
「これあげたら、あの人はきっと自分にホレてくれる」
というような下心ありの高価なプレゼントなんて「見栄」のかたまりです。
モノで人の心を釣ろうとしても多くの場合はうまくいかないので、後悔する可能性大ですね。
でも、同じプレゼントでも、純粋に、
「あの人に似あうだろうな」
という思いでストーリーが描けた場合は、見返りを求めない気持ちでお金を使うことになり、結果、ムダになったと思うこともありません。
他人と自分を比較するようなストーリーではなく、他人を喜ばせるような調和的なストーリーを描けた場合に、満足いくお金の使い方だと思えるということです。



自分のものを買うにしろ、相手へのプレゼントを買うにしろ「ストーリー」が必要であり、その主人公は、「自分」または「相手」でなくてはいけませんね。
そして、具体的にストーリーを組み立てられなければ、その買い物は「ムダづかい」になりかねません。
そのことを肝に銘じ、日々の買い物を自分でコントロールしていきたいものです。
『そのお金のムダづかい、やめられます』の感想・まとめ


「人は認知バイアスで脳を操られ、ムダな買い物をしてしまう」
この記事で取り上げた「なぜかムダづかいがやめられないわけとは?」や「売り手のワナを見抜こう」では、すべての行動に認知バイアスが影響し、ムダづかいをするメカニズムになっていることをお伝えしました。
認知バイアスとは、人間だれもが持っている「思考の偏り」や「思い込み」によって、合理的でない判断をしてしまうことです。
「バンドワゴン効果」とか「自己顕示欲」、「心理的リアクタンス」など、日常には自覚のない認知バイアスが働きわたしたちは知らぬ間に間違った判断をするようにできているのです。
人間ですから、このようなことを全部を自分でコントロールするのは、難しいです。
でも、この仕組みを知っているかいないかは、大きな違いです。
知ったからには、今後意識した行動をするだろうし、間違った選択でも自分が考えてやってしまったことということで、納得します。
結果、後悔することも少なくなるということです。
これにより、知らない人との間に大きな差ができるのではないでしょうか。
そういった意味でも、本書は一読する価値のある一冊です。
『そのお金のムダづかい、やめられます』は、現在(2022年7月13日時点)amazonの本読み放題サービス「キンドルアンリミテッド」の対象になっています。
キンドルアンリミテッドは、ビジネス書からマンガまで幅広いジャンルの本が読み放題です。ぜひこの機会にご検討ください。
『そのお金のムダづかい、やめられます』の概要


本書の目次
『そのお金のムダづかい、やめられます』
はじめに
1. 買っても買っても、「新しいもの4」が欲しくなるのはなぜ?
2. 「これは絶対に欲しい」と脳は自分に暗示をかける
3. 「割高でもお得に見せる」テクニック
4. 「つい買ってしまう」ように仕掛けられた罠
5. その「ムダづかい」を今日からなくすお金のルール
6. 「本当の贅沢」を楽しむ方法
おわりに
著者の紹介
菅原道仁(すがわら・みちひと)
1970年生まれ。
脳神経外科医。菅原脳神経外科クリニック院長。医療法人社団赤坂パークビル脳神経外科理事長。
杏林大学医学部卒業後、クモ膜下出血や脳梗塞といった緊急の脳疾患を専門として、国立国際医療研究センターに勤務。
2000年、救急から在宅まで一貫した医療を提供できる医療システムの構築を目指し、脳神経外科専門の北原国際病院(東京・八王子市)に15年間勤務。
毎月1500人以上の診療経験をもとに「人生目標から考える医療」のスタイルを確立し、「誰もが安心して人生を楽しむため、そして人生目標を達成するため」の医療機関として、2015年6月に菅原脳神経外科クリニックを開院。
現在は、頭痛、めまい、物忘れ、脳の病気の予防の診療を中心に医療を行う。
2019年10月1日に港区赤坂にある菅原クリニック 東京脳ドックがリニューアルオープン。
著書
『死ぬまで健康でいられる5つの習慣』講談社 (2015/4/20)
『成功する人は心配性』かんき出版 (2017/6/19)
『0~3歳の成長と発達にフィット 赤ちゃんの未来をよりよくする育て方』すばる舎 (2018/4/22)
『頭の中の貧乏神を追い出す方法』KADOKAWA (2019/2/14)
『脳神経外科医が教える 一生疲れない人の「脳」の休め方』実務教育出版 (2017/12/10)
『「めんどくさい」がなくなる100の科学的な方法』 大和書房 (2017/12/22)
『すぐ怠ける脳の動かし方』青春出版社 (2020/1/7)
『なぜ、脳はそれを嫌がるのか?』サンマーク出版 (2018/3/26)
『身近な人に迷惑をかけない死に方』KADOKAWA (2015/12/21)
『成功の食事法』 ポプラ社 (2017/2/21)
『認知症予防のカキクケコメソッド』かんき出版 (2020/2/19)
『体の不調が消える「自律神経」の整え方』大洋図書 (2020/1/28)
共著
『モテと非モテの脳科学』ワニブックス; ワニブックスプラスシンショ版 (2019/2/8)


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