
こんにちはコウカワシンです。
今回は佐藤優(さとう・まさる)さんの著書『調べる技術 書く技術』から学ばせていただきます。
『調べる技術 書く技術』は、どんな本?
『調べる技術 書く技術』は、ズバリ!「知的アウトプットの強化書」です。
本書はこのような本
こんなことを考えたことはありませんか?
今、コンビニで働いているんだけど、将来自動レジが導入されて、人間がいらなくなるって言ってる。
自動運転の車も増えるっていうし、運転手さんもいらなくなるのかなあ。
ああ、将来AIに仕事を奪われて、まともに働けるところがなくなるなんて悲しいわ。
たしかにAIの技術が発達すると起こりそうなことばかりです。
しかし、そのせいで人間ができる仕事がなくなるというのは本当でしょうか?
それはどのような情報で、どのような根拠があるのでしょうか?
そこで、違った面から見てみましょう。
コンビニのレジが自動レジになってももしトラブルを起こしたり、自動レジでは対応できないイレギュラーな事態が起こったときは、やはり対応する人間が必要です。
これは自動運転でも同じことです。
わたしたちは、ついついネガティブな情報から、考えが偏りがちになります。
しかも、「あの人がこう言ってる」「この人がこう言った」ということに対し、自分なりに考えてみたことはあるでしょうか?
もしそうなら、ちょっと注意して、他にはどのような情報があるか調べてみましょう。
自分が気になるテーマがあるなら、いろんな情報を集めて、いろんな角度から見つめ直し、自分なりに考えてみるということはすごく大切です。
つまり、
「自分なりの考えを出す」=「自分の意見を持つ」=「アウトプットする」
ということです。
自分なりにアウトプットできない人は、つねに人の意見に流されてしまい、自分らしい人生を歩むことはできません。
良いアウトプットをするためには、正しく情報をインプットしなければいけません。しかし、今や情報過多の時代です。正しく情報を知る術がなくては、何をどう調べればいいかわかりません。
そこで、正しい情報を知るための技術を身につけましょう。
知の巨人・佐藤優さんがの著書『調べる技術 書く技術』では、「正しく情報を得て、自分で考える力」を身につけることができます。
これは、これからの先の見えない未来に向かって生きていかなければならないわたしたちの必須のスキルと言えるのです。
本書がおすすめな人は?
『調べる技術 書く技術』がおすすめな人
- 社会人
- いろんな情報をうまく取り入れることができない人
- AIに仕事を奪われるのではないかと怯えている人




『調べる技術 書く技術』の要点は?
「月に500冊の本を読み、1200ページの原稿を書き、130人と面会、1日4時間をインプットに充てている」という知の巨人・佐藤優さん。
佐藤さんが毎日実践している、知的生産(読む・書く・考える)の実践法を説いたのがこの『調べる技術 書く技術』です。
情報過多の現代において、わたしたちは何をどう信じ、どのように行動していくべきでしょうか。
本書では、正しい情報を得るために何が必要か、どこから情報を入手するべきか、その情報を自分のものにするにはどうするべきかを中心に置き、そのための環境づくりを知ることができます。



その中から、わたしの独断と偏見で、一番興味を惹くであろう、
「情報を読む力を高めるインプット」
「読んだ知識を自分のものにし表現するためのアウトプット」
を取り上げてみたいと思います。
インプット力を高めるために
情報の仕入れ先の基本
■知的生産力を高めるインプットのコツ
インプットには、大きく分けて2種類あります。
- 理解力の土台をつくるためのインプット
- 具体的なアウトプットのために行うインプット
■「理解力の土台をつくるためのインプット」は、理解するための基礎知識が必要
「理解力の土台をつくるためのインプット」とは、知りたい情報を理解するための基礎知識と教養を身につけるということです。
では、どれだけの基礎知識・教養が必要かというと、高校教科書レベルの知識・教養、そして自分の仕事に関しては大学レベルの基礎知識を身につけ、折に触れアップデートする必要があると著者は言います。
たとえば、マーケティングの仕事をしている人は日経流通新聞を、産業界なら日刊工業新聞、農業に就いているなら日本農業新聞を読んでスムーズに理解できるかどうかがバロメーターになります。
仕事に関する知識をしっかり身につけていれば、新たにインプットする理解度が底上げされるし、そのインプットをもとにアウトプットの質も高まるということです。
■「具体的なアウトプットのためのインプット」は、目的意識を持ちアウトプットに役立つものを
もう一つの、「具体的なアウトプットのためのインプット」とは、目的意識をもって行うインプットです。
たとえば、著者の場合は、今後の国際政治において重要な焦点になるのは農業だと考えられています。ですので、日本の農水省や農業団体の考え方・動向を知っておく必要があると考え、日本農業新聞から知識を得ているそうです。
この例に限らず、著者はつねに「直近~場合によっては長期のアウトプットに役立つもの」という視点で情報源を選んでいるそうです。
インプットする情報先は新聞だけではなく、書籍や論文からも適切な時期に適切な情報を入手することが良いということです。
情報を理解するための教養力
「理解力の土台をつくるためのインプット」のために、高校の教科書レベルの知識・教養と、自分の仕事に関しては大学レベルの基礎知識を身につけるべきと著者は言いました。
これらは、パソコンでたとえれば「OS」です。
OSの質がよくなければ、どれほどいいアプリを入れても機能しません。同じく、基礎知識・教養がなくては、どれほど有益なインプットがあっても活用できないということです。
結果、有益なインプットであっても質の高いアウトプットにつなげることができないのです。
「アウトプット=仕事スキル」とも言いますが、求められる能力として、整理力、発想力、文章力、図解力などのすべてアウトプットの一形態ではないでしょうか。
どのような「出口」に向かうにしても、情報を活用する土台となるのは理解力であり、理解力を磨くためには優れた「OS」、つまり基礎的な知識・教養をインストールしておくことは重要なのです。
■「知性の土台」になるインプット
「知性の土台」になるインプットには大きく2つあります。
- 新聞を読む
- 高校の教科書を活用する
■新聞を読む
1つは、新聞を読むことです。新聞と同等ともいえる「NHK NEWS WEB」などでもいいそうです。
こうした生のニュースの理解度は、基礎的な知識・教養の有無に大きく左右されます。
たとえば、ビジネスマンなら日本経済新聞を購読する人も多いと思います。
でも、文字を追っているだけで内容がほとんど頭に入らない、あるいは読むのにものすごく時間がかかっている、といった経験はありませんか。
多くの場合、情報を自分のものにできないのは基礎的な知識・教養が不十分であることが原因だそうです。基礎的な知識・教養が欠けているために、報じられているニュースの経緯や背景が理解できない、だから時間をかけて読んでも頭に入らないのです。
■高校の教科書を活用する
そこでもう一つのインプット「高校の教科書」を活用し、新聞などの情報を読みこなせるようになる基礎的な知識・教養を身につけましょう。
基本は高校の日本史A、世界史A、政治経済、数学Ⅰ・Aの教科書です。
現在の世界は、過去の世界からのつながりにあります。日本史と世界史の基礎知識は、そのつながりを踏まえて、現代日本や世界をより深く理解する土台として欠かせません。
教科書の補助として、『詳説 政治・経済研究』も読んでおくと、より深い理解を得ることができます。
数学を学び直すのは、論理的に考える力をつけるためです。これにより質のよいアウトプットを足元から支えるインプットになります。
とりあえずは、数学Ⅰ・Aをマスターし、微分・積分や統計を理解するためには数学Ⅱ・B、数学Ⅲの知識が必要になってきます。
でも、そこまで学び直すのは大変なら、高校数学の基礎を学び直せる『生き抜くための高校数学』、高校レベルの数学が難しいなら、『生き抜くための中学数学』に取り組むといいと著者は言います。
さらに理想を言うと、物理・科学・地学の理科4科目も学び直すといいそうです。
『新しい高校物理の教科書』『新しい高校化学の教科書』『新しい高校生物の教科書』『新しい高校地学の教科書』などが、効率的に身につけるのに最適だそうです。
これらに加えて、哲学の入門書を読むことも理想的だと著者は言います。
おすすめは、『試験に出る哲学』、『もう一度読む山川倫理』。
哲学の教養があると、日々のニュースについて、いかに思想的な背景が時事問題に影響しているかがわかり、より深くニュースを理解できるようになります。
たくさんの「課題図書」ではありますが、高校レベルの知識・教養をみにつければ、かなりの「知的基礎体力」が養われます。



情報過多の時代を生きてはいるのですが、その情報の一つひとつを理解するという点で、基礎知識・教養がなくては有益なインプットも役には立たないということです。
得た情報が、うまく消化し、その栄養が血や肉になるために「知性の土台」という消化器を手に入れ、情報の消化不良を起こさないようにしたいものですね。
そのためにも学び直しは必要であると思います。
アウトプット力を高めるために
ノート・手帳に書く
■すべての情報を「1冊のノート」にまとめる
効率のよいインプット法を駆使し、新しく触れた知識を、自分のものにしなくてはいけません。また、能率を上げるには、知識をを含む「情報」を適切に整理しておくことも必要です。
これらができると、質が高いアウトプットが効率的に成り立っていきます。
著者がすすめる情報整理法は、「手書き」が基本です。
使うノートは「1冊」だけです。
著者は、スケジュールをはじめ、今日やるべき仕事のリスト、日誌、執筆のためのアイデア、さらには読んだ本の抜粋や、ロシア語の練習問題まで、あらゆることを記しているそうです。
情報はEvernoteやDropboxなどのデジタルツールに保存している人も多いと思いますが、デジタルツールの難点は、注意しないと整理どころか混沌とした「情報のゴミ箱」化してしまうことです。
たいていは「ワンタップかワンクリックで、即座に情報を無制限にため込める」それが、デジタルツールの利点ですが、それこそが後で使うかどうかわからないものまで、「念のため」という気分で保存してしまいます。
結果、使わない情報だらけのゴミ箱になってしまうのです。
一方、手書きノートは手間ではあるけど記される情報は、おのずと選別されます。
そして、すべての情報を1冊に集約させておけば、過去に記した情報を参照したいときも、その1冊をパラパラとめくるだけですみます。
■新しい知識は、書いて自分のものにする
インプットした知識は、自分のものとして初めて価値があるものになります。
「知識を自分のものにする」とは、知識をしっかり定着させ、必要なときに正しく引き出せるということです。
読書の際に記すポイントは、「本の抜き書き」と「それに対する自分のコメント」の2つです。
それではポイントを押さえてやり方を紹介します。
- 本の内容をそのまま抜き書きする
- 基本的には「自分がとくに重要だと思った箇所」これに加えて1~2箇所
- 「現時点では理解できていないけど重要」と思ったところも書く
- 同時に、抜き書きごとに自分のコメントも記していく
理解できないところも抜き書きするのは、将来的に、もっと知識がついて理解できる余地を残すためです。そもそも100%理解できる本は、自分にとって新しい内容がないのと同じ。読んでもあまり意味がありません。
抜き書きごとに行う自分のコメントも「わかった」「わからない」といった判断でもいいとされています。論評など筆者の意見が現れるものを読んだ際には、「賛成」「反対」「ここがおかしい」といった意見も書き込めるようになると理想的だと著者は言います。
ノートに手書きするごとに、正しい知識が脳に書き込まれるとイメージし、重要な箇所を選び、手を動かして記すことで、知識の記憶への定着率は確実に上がります。
■「記録」はノート、「予定」は手帳に書く
皆さまは予定とかをどのように管理されていますか?
著者は、スケジュール管理をするにあたり、「1ヵ月につき見開き2ページ」という定型を設けているそうです。
見開きの左側には原稿の締め切り、右側にはアポの予定。こうしておけば、締め切りを見ながらアポを入れることができ、執筆に集中しなければいけないタイミングにアポを入れるというミスを防ぐことができるということです。
ノートは1ヵ月に1~2冊のペースで使い切り、見開きのスケジュール管理ページは前もって4か月分を設けておく。これは1~2カ月では直近すぎる、1年分では長すぎるということもあり、4カ月くらいの管理ならば適度に先を見据えれるからなのだそうです。
ただし、これは著者の場合であり、皆さまは、それぞれの仕事内容に合わせて、ちょうどいい加減を探ってみられればいいとのことです。
そして著者は、スケジュールを「記録」と「予定」の2つの要素に分け、
- 「記録」のスケジュールをノート
- 「予定」のスケジュールを手帳
というふうに使い分けているそうです。
なぜこのようにするかですが、著者はこう語っています。
たとえば、Aさんとアポが先方の都合でキャンセルされたとする。当然、そのアポは自分の予定から削除することになるが、「この日に、Aさんと会うはずだった」という記録は残しておきたい。
先々、その情報を参照することがあるかもしれないからだ。
しかし、その記録を予定と同じ場所に記していたら、「なくなったアポ」と「生きているアポ」が混ざってしまい、わかりにくい。
だから、「アポがあった」という記録はノートに残し、手帳の上では、そのアポを消す。
こうして記録を残す場所と、予定を記す場所を分けることで、予定が記録に埋もれてしまうなどといった事態を防止できるのだ。
なるほど、このようにしておけば、ドタキャンがあった場合でも自分の本来の予定を可視化できるということですね。
そのうえ、「なくなったアポ」にしても後日、予定を組み直しができるということです。
いわば、ノートは「自分自身の議事録」のような使い方をすることで、有効活用できるんですね。商談の多いビジネスマンには参考になるスケジュール管理ではないでしょうか。
著者は、「2年手帳」を毎年使いスケジュール管理をされています。
1年手帳にも翌年3月くらいまで予定を書き込むことができるみたいですが、1年も後半になると、翌年の後半に予定が入ることって、ありますよね。
そこで、たとえば2022年には「2022年・2023年」の手帳を使い、2023年には「2023年・2024年」の手帳を使う具合にしていけば、つねに翌年後半にも予定を書き込めるということです。
考える・発想する
■「2020年型入試世代」負けない思考力の高め方
2020年に大学入試制度が改変されたことが、著者が本書を書く一因にもなりました。
これまでの基礎学力が十分でないまま、要領よく入試を乗り越え、大学時代を過ごし、そして社会に出ている人が多いという現状を打破するための制度に変わったということです。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。


では、2020年度の改訂により、入試の形式はどう変わるかについてですが、著者はひと言でいうと「自分で考えて答えを導き出す力」が問われるものになるとしています。
これにより、2020年型入試を経て大学時代を過ごし、基礎学力の高い学生が約5年後には社会に出てきます。
つまり、優秀な人材です。
基礎的な知識・教養をもとにものを理解し、考え、そしてアウトプットするという能力がすでに養われた状態で、社会に出てくるのですから、強力なライバルが出現するのも時間の問題ということです。
2020年度以前の1979年型入試経験者は、年の功とか経験値だけで対抗するには心もとないといえるでしょうね。
著者は、基礎知識・教養の学び直し、そしてさらには「考える力」の有無が、今後ますます格差の源泉になると見ています。
■「話す」より「書く」が効果的
近年、主にネット上でフェイクニュースが多く出回っています。情報源も検証方法もあやしく、冷静に見ればまともな報道ではないといえるのですが、フェイクニュースはなくなりません。
そのもっとも根本的な原因は、ニュースを受け取る側の「考える力」が欠けていることです。自分で考えられないから、そのような信ぴょう性に乏しいニュースを信じてしまうのです。
鵜呑みにしてはいけないものはフェイクニュースだけではありません。日ごろから情報を鵜呑みにせず、自分の頭で考える力を養うことが重要なのです。
では、「自分で考える」とは何かですが、それは「批判的思考力」を持って物事を見ることです。
批判的思考力とは、対象を理解し、自分の評価を加える能力を指します。
新聞や本を読み、そこに書かれていることを理解する。理解したことに対し「賛成」「反対」「この点は違うと思う」など、自分の評価を加える。
こうした能力を磨いてこそ、良質なアウトプットができるようになります。
要領は、先ほど《■新しい知識は、書いて自分のものにする》で、紹介した「本の抜き書き」と「それに対する自分のコメント」の2つを書き出す読書ノートをつけることです。
本の抜き書きをしながら「わかった」「わからない」の判断や、「賛成」「反対」「ここがおかしい」といった意見も書き記します。
この場数を踏むことで、批判的思考力も鍛えられていきます。
そして、あるテーマについて自分なりにレポートととしてまとめてみることを著者はすすめています。
■レポートを「参照不可」で書く
本やネットなどの外部の情報をいっさい参照せず、純粋に自分の頭の中に定着している材料だけで考えをまとめてみる。すると、知識が抜けているところや、自分の考えが甘いところが浮かび上がってきます。
できれば、書いた内容に関する知見の豊かな人に読んでもらい、コメントを得ることで、自分の頭の中がさらに整理され、知見が豊かになっていきます。
あるテーマについて参照不可で書いてみるということは、自分に課す「筆記試験」です。これをくり返すことで知識量も批判的思考力も底上げされていきます。
■各紙の報道の違いに注目して、「複眼思考」を磨く
批判的思考力を高めるには、つねに複数の考え方に触れておくことが重要です。
情報をすぐに鵜呑みにしがちな人は、おそらく情報源そのものが少ないからです。メディアは何であれ、つねに1つの情報源の発信にしか触れていないと、しだいに自分の頭で考えなくなり、無批判になっていきます。
新聞は複数紙、それも理想的土台の異なるものを購読し、ただ単に併読するのではなく、「何が違うのか」と考えてみることが大切です。
つまり、理想的土台の違う新聞を複数読むことは、ニュースの扱い方や社説、解説欄から、毎日、複数のものの見方・考え方に触れるという意味があります。
たとえば、読売新聞と朝日新聞、朝日新聞と産経新聞、産経新聞と東京新聞という具合です。
■『新聞ダイジェスト』で、各紙の要点を把握する
新聞を2紙読むのが、時間的に難しいなら『新聞ダイジェスト』の購読もおすすめとのことです。
『新聞ダイジェスト』とは、1ヵ月の間に報じられたニュースの要点をまとめた冊子です。主要テーマ別にまとめられているため、非常に手っ取り早く1ヵ月の世の中の動向がわかります。
各紙の「いいとこどり」をしているので、事実関係が把握しやすく、情報の即時性こそありませんが、事後的に、各トピックをどの新聞が、どういう報じ方をしていたのかを比較検証できます。



つねに考え、発想する能力は、これからの時代にはとても重要ということですね。
とくに偏りのない思考力を磨くために、たくさんの情報から事柄を見る複眼をもつことが大事だと知りました。
最近では、「ウクライナ戦争」について、あの惨状に心を痛め、ウクライナに同情し、ロシアに対し敵視する見方が主な人の考えになっています。
でも、ロシアに少なからず同情的な国があるのも確かです。
ではなぜ、「ロシアがこのような行動を取るのか?」という視点に立てば、ひとつの情報源だけでは不十分なことがわかります。
ロシア軍が行ったウクライナの人々に対しての蛮行は、決して許されるものではありません。
その一方、なぜロシアがウクライナに侵攻したのかという部分に立ってみると、歴史的背景も踏まえ、わたしの中では、まだまだ情報が足りません。
この場合、偏った考えのまま、時を過ごすよりは、複数の考えから自分なりの答えを出すということは、批判的思考力を磨くということについて有効であると感じます。
この意見は、わたしの個人的な考えなので、お気を悪くされたのであれば、お許しください。
わたしは、ウクライナに対し人道的支援の寄付もさせていただきました。
早く、ウクライナがあの美しい景色を取り戻すことを心から願っています。
『調べる技術 書く技術』の感想・まとめ
知的生産を高めることで人生を充実させよう!
未来を予言するのは難しくても、過去から学び未来を予想することは可能です。
それには正しく情報を読み解き、自分なりに考え判断することが大切です。
本書は、「正しく情報を読み解き、自分なりに考え判断する」ためのヒントを与えてくれます。
それは老子の格言、『授人以魚 不如授人以漁』(おなかをすかせた人に魚を与えるか、魚の釣り方を教えるか)と同じ考えであるということです。
「人に魚を与えれば一日で食べてしまうが、釣り方を教えれば一生食べていける」というように、自分できちんと考える能力さえ身につけば、人に流されることなく自分の人生を歩んでいけるということです。
ですので、本書で読んだことを「知的生産のための知的生産」ではなく、「人生を充実させるための知的生産」としてとらえ、本書から得た教えを実行に移してこそ意味があるといえます。
情報弱者は、いつの世も情報強者から搾取されます。
だったら、自分も情報強者となって、自分の身を自分で守るために正しい「知的生産」(インプット・アウトプット)をしていきましょう。
そのためにもぜひお役立てください。
『調べる技術 書く技術』は、現在(2022年5月1日時点)amazonの本読み放題サービス「キンドルアンリミテッド」の対象になっています。
キンドルアンリミテッドは、ビジネス書からマンガまで幅広いジャンルの本が読み放題です。ぜひこの機会にご検討ください。
『調べる技術 書く技術』の概要
本書の目次
『調べる技術 書く技術』
はじめに
第1章 情報過多な時代の調べる技術、書く技術
第2章 【インプット】情報を「読む力」を高める
第3章 【アウトプット】読んだ知識を表現につなげるスキル
第4章 調べる技術、書く技術の「インフラ整備」のすすめ
おわりに
著者の紹介
佐藤優(さとう・まさる)
1960年東京都生まれ。
作家。元外務省主任分析官。
1985年、同志社大学大学院神学研究科修了。
外務省に入省し、在ロシア連邦日本国大使館に勤務。その後、本省国際情報局分析第一課で、主任分析官として対ロシア外交の最前線で活躍。
2002年、背任と偽計業務妨害容疑で逮捕、起訴され、2009年6月執行猶予付有罪確定。
2013年6月、執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失った。
著書
『国家の罠』新潮社 (2007/11/1)で第59回毎日出版文化賞特別賞受賞。
『自壊する帝国』新潮社 (2008/11/1)で新潮ドキュメント賞、大宅壮一ノンフィクション賞受賞
『佐藤優の地政学入門』学研プラス (2022/3/17)
『地政学入門』KADOKAWA (2021/11/10)
『人物で読み解く世界史365人』新星出版社 (2020/11/11)
『読解力の強化書』クロスメディア・パブリッシング(インプレス) (2021/9/28)
『生き抜くためのドストエフスキー入門』新潮社 (2021/10/28)
『見抜く力』プレジデント社; 第1版 (2021/1/16)
『甦るロシア帝国』 文藝春秋 (2012/2/10)
『仕事に悩む君へ はたらく哲学』マガジンハウス (2021/10/7)
『読書の技法』東洋経済新報社 (2012/7/26)
『十五の夏 上』幻冬舎 (2020/8/6)
『十五の夏 下』幻冬舎 (2020/8/6)
『希望の源泉・池田思想:『法華経の智慧』を読む(1) 』第三文明社 (2019/6/7)
『希望の源泉・池田思想:『法華経の智慧』を読む(2) 』第三文明社 (2019/12/6)
『希望の源泉・池田思想:『法華経の智慧』を読む(3) 』第三文明社 (2021/4/18)
『希望の源泉・池田思想:『法華経の智慧』を読む(4)』第三文明社 (2022/3/10)
『イスラエルとユダヤ人』KADOKAWA (2020/2/8)
『人生の役に立つ聖書の名言』講談社 (2020/1/15)
『池田大作研究 世界宗教への道を追う』朝日新聞出版 (2020/10/30)
『人生のサバイバル力』講談社 (2022/3/15)
『1日1テーマ解けば差がつく 大人の教養ドリル』PHP研究所 (2021/10/8)
共著
『異端の人間学』幻冬舎 (2015/8/6)
『「知の巨人」が暴く 世界の常識はウソばかり』ビジネス社 (2022/2/1)
『なぜ人に会うのはつらいのか』中央公論新社 (2022/1/10)
『ロシアを知る。』PHP研究所 (2019/6/10)
『いっきに学び直す日本史』東洋経済新報社 (2016/7/1)
『人生、何を成したかよりどう生きるか』文響社 (2021/2/18)
など多数。




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