
こんにちはコウカワシンです。
今回はピョードル・フェリクス・グジバチさんの著書『CREATE WORK』(クリエイト・ワーク)から学ばせていただきます。
『CREATE WORK』は、どんな本?
『CREATE WORK』(クリエイト・ワーク)は、ズバリ!「世界基準の社会適応能力爆上げテキスト」です。
本書はこのような本
新入社員の皆さま、研修お疲れ様です。
こんな人はいませんか?



会社の研修、マジきつい。
「ロジカルシンキング」(論理的思考)の講義なんて、今まで気にしたことなかったから、講師から質問攻めされても何ひとつまともに答えられない・・・・・・。
でも、最初から大きな仕事なんて、させてもらえないんだから、ハイハイマンでいいんじゃないの。
っていうか、仕事自体合わない感じだから、早々に転職しようかなあ。
日本は、社会人に論理的思考を教える唯一の先進国だそうです。
ほかの先進国では、わざわざそんなことをしないそうです。なぜなら、学校生活の中で、当たり前に論理的思考力を身につけているからです。
そのことから、日本はグローバル基準からすでに遅れていると言わざる負えません。
さらに日本企業の多くは、段取りにしたがって仕事をすることが多く、創造性を発揮することを求められる機会がなく、決まりきったプロセスの中で働く人材がほとんどです。
その事実に気づけない人たちは、時間が経つにつれて、世界が求める「優秀な人材」の定義からかけ離れていきます。
『CREATE WORK』(クリエイト・ワーク)の著者ピョードル・フェリクス・グジバチさんは、グーグル社で、人事及び人材育成をされてきた方です。
つまり、「世界のエリート」を知る人なのです。
その人が、潜在能力があり優秀な日本の若者に向けて、誰もが能力を最大限に発揮できる社会を実現できるようにという思いを込めて本書を出版されました。
もちろんこれからの「変化する時代」に対応する術も伝授してくれます。
若い人たちだけではなく、ベテラン社会人も学びの多い一冊であることは間違いありません。
本書がおすすめな人は?
『CREATE WORK』がおすすめな人
- 新社会人
- 管理職
- リーダー・指導者




『CREATE WORK』の要点は?
「やりがいのある仕事を見つけよう」
「自分の能力・価値を社会で発揮しよう」
そう思って仕事を始めた人が大半だと思います。でも実際は、
「思ったような仕事ができない」
「今やっている仕事が、何の役に立つのかいまいちわからない」
「自分の能力が発揮できない」
と感じているかもしれません。
終身雇用制も崩壊し、大企業であればこの先安泰ではなくなっています。つまり、企業のあり方も働き方も以前とは変わってきているということです。
その分、副業や独立・起業もハードルが下がってきました。
本書では、それを見据え、従来の仕事やキャリアのあり方が変わりゆく時代に対応するために、特に「若いうちにどんなことをしておけばいいのか」をまとめられました。
そしてその内容は、ベテラン社員にとっても、今起こっている変化と、今後のあり方について、気づくことが多い内容になっています。



その中から、わたしの独断と偏見で、
「新入社員が率先してやるべきこと」
「学びで成長するためにやること」
「自分自身を守るために大事なこと」
を取り上げさせていただきます。
新入社員が「自分軸」で仕事をするためにやるべきこと
小さなリーダーシップをとる



憧れの会社に入ったけど、ただ言われたことだけをやっている。
自分の理想像とは、ほど遠い状態だなあ。
これでは何のためにこの会社を選んだのかわからない・・・・・・。
そんなことを不満に思っている人はいませんか?
新入社員だと、上司から「あれをやれ、これをやれ」と仕事を受けるという「受け身」になることが多いですよね。
そんな状態でも「自分で考えること」はできます。そして、どんな小さなことでも、自発的に動くことはプラスになるのです。これにより、リーダーシップも身についていくのです。
たとえば、どんな職場にも「みんなが気になっているけど、誰もが忙しくしていて、そのままになっている仕事」はないでしょうか?
- 共有の棚が乱雑になっている
- 郵便物を取りに行けていない
- ファイルの整理
- プリンターのトナーが片づけられていない
など、探せばまだまだあるかもしれません。
そんなとき、自主的に動いて片づけていくのもリーダーシップなのです。
「そんなことが?」と思うかもしれませんが、小さな仕事でも率先してやっている人は、大きな仕事でも自分から考えて動いていけるのではないでしょうか。
誰に言われるともなく率先してやっていれば、きっと誰かが見ています。「仕事を任せてもらえない」と不満顔でいるよりも自分で仕事を見つけて動いていけば、同じ職場にいても良い流れができるはずです。
小さなリーダーシップを発揮できる仕事を、ぜひ自分から見つけに行きましょう。「何も言われていないから」と何も貢献しないのでは、そこにいないのと同じです。
著者が言うには、日本では「何をしていいかわからない」「ろくに仕事を教えてくれない」という、「犠牲者意識」のかたまりになっている人が多いそうです。
「周りの人が忙しくて放っておかれる。だから自分は仕事ができない」という考えでは、当事者意識がないと言われても仕方がありません。とりあえず、自分にできることを何か探す姿勢は必ず必要だということです。
「わからないこと」がわかる人が強い



なかなか「わからないこと」をわからないと言えないんだよなあ。
先輩から受けた仕事をわからないまま進めてしまって、後から間違っていたことがわかったんだあ。
先輩から「なぜわかるまで質問しなかった?」って、怒られたけど、何をどう質問していいかさえもわからない・・・・・・。
ぼくはダメ人間だ。
さてさてこれは、何がいけなかったのでしょうか。
まず、「わからないこと」が明確な場合は、わかるまで聞くしかありません。自分の理解できるまでレベルを落とし込んでもらって説明を受けましょう。それしかありません。
では、「わからないこと」がわからない場合ですが、それは「わからないこと」が言語化されていないケースが多いと言います。つまり、「わからないこと」が、自分の言葉になって出てこないということです。
これは、頭の中で整理されていないということで、多くの場合は、その「わからないこと」を細切れにして書き出してみることで解決できると『言葉にできるは武器になる。』で書かれています。


もし、新たな仕事を頼まれて「どうしたらいいんだろう?」と悩んだなら、まずは「何がわからないのか」を言葉にしてみることが大事です。
すると、次に何をすべきかが見えてくるのではないでしょうか。
それから「報・連・相」をしっかりしましょう。
「報・連・相」とは、「報告」「連絡」「相談」です。これをすることで、自分で段取りを立てれるスキルが身につきます。
仕事は、段取りが大事です。先輩からの仕事の依頼であっても「自分で考えて、時間をとって試行錯誤する」というプロセスは重要です。
やってみて「わからない」「うまくいかない」というときに「報・連・相」をする。仕事の進捗具合も「報・連・相」する。
そうすることで、少しずつ自分で仕事が回せるようになるし、周りからの信頼も得ていきやすくなります。
フィードバックとフィードフォワードを使いこなす



この間、上司から依頼された仕事を、自分なりにやってみたの。
自分から見た出来としては、70点くらいだけど上司からは「よくできている」とほめられたの。
それから上司は「こういう点が丁寧でとてもいい」とわたしでも気がつかなかったところを評価されたわ。
けど、同時に「ここの部分はもう少し改善できるね」って、ダメ出しももらっちゃった。
わたしは「次こそ完璧に仕上げるぞ」ってテンション上げてる!
■自分から積極的にフィードバックを受けることで、飛躍的にスキルアップする
仕事上で「フィードバック」(評価及びアドバイス)をもらうことは、スキルアップに大変役に立ちます。
仕事では、自分の思いより他人の評価が重要です。なぜなら、「仕事とは他人に貢献すること」が目的だからです。
ただ、耳の痛い指摘などのネガティブなフィードバックもあり、それを聞きたい人は基本的にいないですよね。
そのフィードバックを建設的でポジティブな聞き方にすることを著者はすすめています。
「何が悪かった点はありますか?」ではなく「もっとよくするためにはどうしたらいいですか?」と自分から意見をもらうことが今後のスキルアップにとても重要なのです。
このようなポジティブな聞き方をすれば、厳しいながらもポジティブな返事が返ってくるものです。
グーグルやモルガン・スタンレーでは、こうしたフィードバックのやり取りは、当たり前のこととして行われているそうです。
「恥ずかしくて聞けない」と思うなら、きっかけづくりとして食事やお酒の席ででも、自分自身のことを軽く聞いてみてみましょう。
軽く意見してもらったなら、翌朝「昨日はいろいろとご指摘をいただき、ありがとうございました。具体的にもっと、たくさん教えてください」と声をかけ、より詳しいフィードバックをもらう習慣をつけていけばいいと思います。
■フィードフォワードで、仕事のムダをなくす
フィードバックが使いこなせるようになったらフィードフォワードも活用しましょう。
フィードフォワードとは、「あくまでも将来や未来に視点を向ける手法」です。単純に言えば、「わたしはこれから、どうすればいいのですか?」という話になります。
仕事の依頼を受けその仕事をする前に、「これを解決するには、どうしたらいいですか?」と事前に聞いてみます。先に情報を仕入れてから動くことで、ムダなく仕事がうまくいく確立を上げることができるのです。
たとえば、「先日の件についてまとめておいて」といったようなあいまいな指示が出た場合ですと、依頼を受けた側は、「あれも必要かなあ?これも必要」と想像しながら調べものをする可能性があります。
しかし、それが依頼した側の求める情報と違ったら、時間がムダになります。
そこで、先に「具体的に、どのようなことをまとめればいいのでしょうか?」とひと言聞いておけば、すれ違いをなくすことができます。
もしかすると、頭カチカチの上司から「自分で考えろ」なんて言われてしまうかもしれません。そんなときは「報・連・相」を活用して上司に「それでは、こうしようと考えていますが、いかがですか?」と聞いてみましょう。
そのときに気をつけることとして、
- 具体的に
- どこで
- 何を変えて
- どうすれば
うまくいくかという4つのポイントが入っていることです。
例をあげますと、「プレゼン資料が伝わりにくいと言われたのですが、この資料のどこを、どう変えて、どんなふうに考えていけばいいプレゼン資料はつくれますか」という具合です。



リーダーシップは大事。
そして、頭の中の整理やフィードバック、未来に視点を置くというのは、意識しないとできるようになりません。
こういうことは、会社の外でも求められますから、しっかり身につけたいですね。
学びで成長する
学ぶべきは、コンテンツではなく経験値
人間の成長に「学び」は必要です。時代が変われば、学ぶべきことも、学ぶ方法も大きく変化します。
今は、インターネットで検索すれば大抵のことがわかる「検索時代」です。もう学びを得るために高いお金を払って学校や教室に通うことはナンセンスなのです。
「ググる」だけで、大抵のことは解消される。そのうえで、どうしてもわからないことがあれば、詳しい人に教えてもらうなり、どうやって学ぶのが最も効率がいいかを尋ねればいいのです。
「ゼロから勉強しないといけない」と思い込み、ビジネススクールやプログラミングスクールで、コンテンツを学んでも、どんどん古びていく時代です。
モルガン・スタンレーやグーグルでは、「学ぶべきはコンテンツではなく経験値である」という価値観を大切にしているそうです。
コンテンツが大事なのではなく、学習する姿勢や過程が本質的に大事なので、社員同士で学び合う機会をつくっているそうです。そのことで、常日頃から学び合う風土が自然とできあがります。
■スキルと人のマトリックスをつくっておく
「スキル・リソース・人」のマトリックス(生み出すもの)をつくっておくと便利です。
自分の持っているスキル、持っていないスキルがわかれば、それを補うために「このテーマはこの人に質問しよう」「こうした問題はあの人にお願いしよう」と、すぐに動くことができるからです。
たとえば、「エクセルで困ったらエクセルに詳しいあの人に聞く」という感じです。著者は仕事でエクセルをよく使っている経理の人と仲良くして、わからなくなった時に相談していたそうです。
誰がどんなスキル・知識を持っているか、特に自分が持っていないスキルは何かをちゃんと頭の中で整理して、この質問はこの人、この問題はこの人、マッピングしておけば仕事は格段に速くなるということです。
職場で学ぶ仕組みをつくる
オンラインサロンやコミュニティなど、学びを得る機会が、格段に増えました。しかし、ビジネスマンにとっての学びの効率が最もいいのは「職場」です。
なぜなら、平日8時間前後を職場で過ごし、1日の活動時間の大半を仕事で使うわけですから、ぜひその時間の中で学びが得られる仕組みをつくるべきです。
仕事の時間に学びを取り入れる際の優先順位は、具体的には、自分の仕事に対してのインパクトの高低と学びの大小で選んでマトリックスにしてみるのです。
「インパクトが高く、学びが多い仕事」「インパクトが高く、学びが少ない仕事」「インパクトが低く、学びが多い仕事」「インパクトが低く、学びが少ない仕事」など4象限に分類してみましょう。


ちなみに「インパクトが高い」とは、同じ時間で生み出す価値が多いということを意味します。
入社したてとか仕事を始めたばかりのころとかには、仕事の選り好みはできないでしょうけど、それでも工夫次第では「インパクト」を高めることはできます。
たとえば、広報担当者だと仮定すると、会社のメンバーが取材を受けるときに、ただ聞いているだけではなく、取材の記録を丁寧にとっておけば、事実確認がスムーズなうえに、その原稿を会社のブログやSNSの投稿に応用できます。
音声ならポッドキャストに、動画ならユーチューブにアップできるかもしれません。
どんな仕事をするにしても、インパクトを高めることを念頭に置くことで、発揮できる価値の総量が変わってきます。
優先順位として着手すべき仕事は「インパクトが高く、学びが多い仕事」です。「インパクトが低く、学びが高い仕事」とは、将来への投資として行う仕事で、いつかやってみたいと思う仕事のお手伝いをするというスタンスも大きな学びになります。
優先順位付けができたら、実践するのみです。「課題を見つけ、解決する」というのが学びの大きな目的ですが、課題は定義できた時点で半分克服できたようなものです。
あとは、克服方法を知っている人に尋ね、実践していきましょう。
「実践する」本当の意味
学んだことは実践しましょう。得た学びは経験してこそ、本当に意味で自分のものになります。研修ではうまくできても、ビジネスの現場ですぐに発揮できるとは限りません。一度具体的に経験してみることが大切です。
当然のことながら、研修とビジネスでは前提条件が違います。ベースになる知識やスキルを持ったうえで、状況に応じてカスタマイズしなければいけないからです。
しかし、ビジネスの現場で成功させることができれば、本当の意味で学びとなりますし、成功体験を積むことががスキルアップとなっていきます。
不得意なことや弱点を克服したければ、日常業務で改善していけばいいと思います。失敗しても失敗から学び、少しずつ成功体験を重ねていくのです。
その行為そのものが「PDCAサイクル」(計画・実行・評価・改善)です。やがて苦手なことも克服し、その経験が自信にもなっていきます。



人生は、学びの連続。
けど、お金をかけてスクーリングしなくてもいい時代になりました。
今だからこそ生かせる利点を最大限活用してスキルアップしていきましょう。
自分を守る方法
自分の心を守る働き方
人生100年時代に入り、社会との関りが思ったより長くなっていきます。
転職がふつうになる社会がやってくる向きもありますが、人間関係や仕事自体に苦痛を感じて仕事を辞めてしまう人も多くなってくるとも言えます。
2017年の日本生産本部の調査では、20代の心の病が2014年の調査に比べて急速に増えているそうです。本当のブラック企業だったり、人間関係がしんどいなら辞めるのはしかたありません。
心を病んでしまったら取り返しがつきませんので、辞めるのも一つの選択肢ということです。
でも次の場合はどうでしょうか?
たとえば、職場が大変なときに上司から大きな仕事を振られたとします。それをもって、「こんな無理な仕事を振るなんて!」と文句を言ったり、ストレスを感じてつらくなる人もいるようです。
でも上司はその人の力量を見て、「やらせてみよう」との思いからチャンスをくれたとしたらもったいない話ですよね。
そこで、愚痴を言う前に「上司はなぜ自分に仕事を振ったのか?」を考えてみましょう。
グーグルなどの外資系企業は、役割と期待を明確にしていて、上司が部下に対して行う「1 on 1ミーティング」などを通じて「あなたにこういうことを期待している」「こうした目標を立てて、こんなプロセスで、進めてほしい」と明確に伝えます。
日本でもそのような取り組みをしている企業も徐々に増えていますが、まだまだ少ないのが現状です。
「仕事を辞めたい」という人の愚痴を聞いてみると、「上司がバカ」「会社が嫌」とか、不明確な話ばかりが出てくる人がいます。
「具体的にこういうところが嫌だから、そうでないところに行く」という明確な考えがないまま感情的になって辞めてしまい、転職を繰り返す。10年経っても給料は上がっていないという人もいるそうです。
そこで、最終的に「辞める」という選択肢は残しつつ、心を守るための現実的な仕事の仕方を自分なりに考えていかなくてはいけません。
■上司の言い方に傷つく
基本的に「上司」は選べません。言い方がきつい人だったり、コミュニケーションの取り方がわからなかったりすると、疲れたり、萎縮したりしますよね。
落ち込んだり、イラッとくるでしょうけど、一度客観的にその状況を見てみましょう。
たとえば、
- 自分は何で上司の言うことがきつく感じるんだろう
- 何で上司はこんなふうに言ってくるんだろう
- そのコミュニケーションにはどんな意味があって、どう解決していけばいいんだろう
- きつい言い方をされているのは、自分だけか、そうでないのか
と考えることは良い状況判断につながります。
誰にでもきついのであれば、「そういう人なんだ」と思えますし、もしかしたらそのようなきつい言い方になるのは上司自身のほうに理由があるのかもしれません。
でもまずは、「きついから嫌」と感情的に処理するのではなく、いろんな面を確かめながら考えることが最優先するべきで、その後、新たな選択肢を考えてもいいということです。
■自信を失ったときは「振り返り」を
注意をされるとへこんで、自信を失う人もいます。でも言われているうちが花です。もうどうにもならなくなったら何も言われなくなります。
外資系企業なら「頑張ってくれたのはわかるのですが、もうどう考えてもお互い歩み寄ることはできないし、違うところに行った方がいいですよね」と言われて終わりだそうです。
ですので、言われたときは悲しいでしょうけど、将来的に考えたら、言われたほうがプラスになると考えましょう。
それでも、自信を失うとなかなか立ち直れないものです。そんなときは「振り返り」をすればいいと著者は言います。
たとえば、
- 上司とのコミュニケーションが足りなかったか
- ゴール設定や目的を確認しなかったせいではないか
- 相手が何を優先させようとしているかが、わからなかったのではないか
- 会社の今の状況でこの仕事が何のために必要なのかが、わかっていなかったのではないか
などと現実的に考えて、次に活かせばいいだけです。
このときに注意すべきは、「原因他人論」で考えないことです。
「原因のすべては自分にあるのではないか?」という「原因自分論」で考えると、次からの行動は主体的になりストレスをためづらくなっていきます。
■学校の同級生たちと比べない
自信を失う原因として、学校時代の同級生たちと比べてしまうことがあると思います。
たとえば、同級生たちが「外資系企業に入り新卒研修で海外に行った」とか「大手企業に入って給料・福利厚生が充実している」のに自分は中小企業で毎日怒られてばかり・・・・・・といった状況です。
さらに、同じ会社でも自分は希望部署に行けなかったのに、あの人は・・・・・・と言ったこともあると思います。
そんなときこそ、建設的に考えられるように、今の自分の価値観を考えることが大事です。
中小企業に入ったからといって、マイナス面ばかりではありません。
若いうちからプロジェクト全体を任せられて全体的な視野を学ぶことができるとか、海外には行けないけど今この場所でこんなことが学べるじゃないかとか、そうすればこんなふうに成長できるんじゃないか、とかいろんな見方ができるはずです。
どんな時でも前向きに、合理的に考えて、できることを見つけて動いていくということをくり返していけば自信もついていきます。
全てがうまくいく人などいません。
他人ばかり見て、自分がほしいことをきちんと見極めておかないと、ハッピーにはなれないということです。
グーグル流仕事術「スプリント」
日本企業では難しいかもしれませんが、グーグルでは社員が真昼間から卓球をして遊んだり、会社の近くをランニングしたりしています。
ただこれは、グーグルなりの理由があるのです。
グーグルでは、働く時間の長さではなく、アウトプットの大きさを見ています。働く時間が短くても、価値あるアウトプットが出せているなら、それ以上に大切なことはないという考えなのです。
グーグルの社員は、最大限のアウトプットを出すために卓球をし、心と体の状態を整えているのです。
■グーグル流「スプリント」で、メリハリをつける
グーグルというか、シリコンバレー企業の働き方として「スプリント」というものがあります。
スプリントとは、ずっと仕事をし続けるのではなく、ある仕事について集中する時間を決めて業務を行い、その後はしっかりと休息を取るという、オンとオフのメリハリをつけた働き方です。
それでは、「スプリント」の概要を紹介します。
集中して取り組みたい仕事のための90分を確保するのです。最大限のアウトプットをするためには、最低でも90分は必要というのがスプリントの考えです。
その90分を集中するために5つのルールがあります。
「スプリント実行中の5つのルール」
- 最優先事項以外に手をつけない
- 必要なものは事前に揃えておく
- 最低限のアウトプットを決めておく
- 90分で行うタスクを細切れにしておく
- 90分仕事をしたら、しっかり休む
このスプリントは著者の『Google流 疲れない働き方』という本の中にも紹介されています。
ぜひ、ご一読ください。


マネージング・ユア・エネルギー
グーグルには、「Managing Your Energy」(マネージング・ユア・エネルギー)という、自己エネルギーを管理するための研修があるそうです。
研修では、人間のエネルギーには以下の4つのレベルがあると教えるそうです。
- physical energy (体のエネルギー)
- emotional energy (感情のエネルギー)
- mental energy (集中のエネルギー)
- spiritual energy (精神のエネルギー)
それぞれのエネルギーのレベルが整うことで、斬新な仕事ができるようになります。研修では4つのエネルギーレベルを振り返り、ベストな状態に導いていくのです。
■フローを生み出し、集中のエネルギーを整える
集中力がない状態で良質なアウトプットはできません。
一般的なホワイトワーカーは、8時間労働の中で、30分しかフロー状態(没頭し集中できる心理的状態)に入れないことがわかっています。
また、フロー状態に入っている時間を3倍の90分にできれば、生産性が2倍になるそうです。
つまり、生産性高く働くためには、いかにフロー状態を引き出す場をつくれるかが重要です。
フロー状態というと、力がみなぎっている状態をイメージしがちですが、むしろ落ち着いた状態こそがフロー状態に限りなく近いと言います。
正直なもので、「集中しよう」と思っている時には、必ず集中していません。
「気がついたら本を読み終えていた」「作業していたら、あっという間に1時間経っていた」というように、あくまで事後的に気づくといったことがフロー状態だということです。
集中のエネルギーを整えるには、できるだけ体と感情をリラックスさせることが大切です。
■ポジティブな言葉で、感情のエネルギーを整える
よりよい集中をするためには感情のエネルギーを整えなければいけません。
人間は感情の動物です。人間関係などでも「うまくいっているなあ」と感じるときなど、きっと感情がポジティブな方向を向いているはずです。逆に、うまくいかないときは感情がネガティブな方向を向いてはいないでしょうか。
つまり、ポジティブな感情を持っていたら物事がうまくいく可能性が高まるし、成功者と言われる人はポジティブで感情のエネルギーを管理するのが得意だということです。
感情のエネルギーを管理するには、自分の感情に気づく必要があります。
どんな時にうれしさや楽しさを感じ、どんな時にイライラして不安になるのかを把握していなければ、対応のしようがないからです。
自分の感情に気づき、「今イライラしているなあ。でも、イライラしたところで何も解決しないしな」と冷静に見極められたら、感情のエネルギーをコントロールできているといえます。
感情のエネルギーの整え方ですが、脳科学の研究によると、人間の本能的な感情は、90秒でおさまるといわれているそうです。
90秒の間に、深呼吸をして冷静になり、自分が体験した感情を整理すれば、うまく管理することができるといわれています。
先ほど、人間は感情の動物であると言いました。感情に左右されやすく感情自体を消すことなどはできません。ですので、上手く対処し、「管理する」という前提は持つべきです。
感情をうまく管理することができれば、ネガティブを極力消し、ポジティブに生きることができます。
感情を管理するコツとして、「ポジティブな言葉を口にする」意識を持ちましょう。
たとえば、忙しくてオフィスの雰囲気がピリピリしていたなら、感謝を伝えるようにする。
「最近大変で、仕事が嫌になっちゃうね」というネガティブな発言ではなく、「忙しいのにいつもありがとう」とポジティブな言葉で感謝を表現したなら、その場の雰囲気が明るくなりますよね。
人間関係も好転し、お互いがお互いを思いやるようになって、みんなの感情がポジティブな方向を向きます。
結果的に仕事もうまくいくのではないでしょうか。
■夢を描く
精神的なエネルギーは、自分が何のために生きているかを自覚することで生まれるエネルギーです。
このエネルギーを高めるには、自分が世界にもたらしたいものは何か、自分は何を大切にしているのか、という価値観を明確にして、自分の信念を再確認することから始めましょう。
残念ながら日本企業の多くでは、職場内の会話で
「あなたはどんな夢を持っていますか?」
「世界にどんあ価値観をもたらしたいと思っていますか?」
「仕事をしていくうえで、どんな価値観を重視していますか?」
といった質問をする機会がありません。
また、その質問に対して明確に答えられる人もほとんどいません。
成し遂げたいことや、実現したい世界がない状態では、それを引き寄せることはできません。
これが、日本人の弱さだと著者は言います。
これまでの「正解のある問題に、いかに早く正解を導き出せるか」を重視していた日本の教育では、難しい課題です。
それでは、自分で考える力が身につかず、結果として日本人は、先進国の中でも「自己認識」ができていない民族になっています。
先進国の多くの教育機関では、自分の力で考え、意思決定をすることが当たり前になっています。ですので、社会に出るタイミングには「自分がどんなことがしたいのか」を明確に理解できています。
これが、世界基準なのです。日本人はまず、そうした海外の先進国との違いを理解しましょう。
そして、夢や目標もない状態で働いているようでは、自分の仕事に満足するどころか、働き方を選択することすらできなくなってしまいます。
でも、人はポジティブに想像することで、夢を持つことができます。夢があれば、イキイキ働くことができます。
人生は手遅れになることはありません。もし今、イキイキ働けていなかっても、そうなる自分が想像できなくても、考え方を変えれば、自分の人生に夢や目標を持って、自分らしく働くことができます。



自分を守る方法ということですが、やはり自分の身は自分で守らなければいけないということですね。
そのための人間磨き、スプリント、心身を整えるという点で外圧にも負けない自分をつくりたいものですね。
『CREATE WORK』の感想・まとめ
「自分は何者か?」を知る重要性
本書を読んで思い知ったのは「自分は何者?」ということを知り得ないことでした。
自分は、何に興味・関心があって、何をしたいのか、仕事で何を実現したいかを、改めて考える機会を与えてもらった気がします。
昔、テレビドラマで主演女優のセリフにこういうのがありました。
「わたしには夢があります」
その時は漠然とテレビを観ていましたが、こういう思考が働かないと主体的な行動はできないと思います。
その差が、世界との差となって、今の日本社会の重苦しい空気を招いているのではないでしょうか?
AIの出現で仕事を奪われる時代に突入していきます。
たぶん、夢のない人は仕事を奪われていくでしょう。なぜなら、流れ作業的な仕事にかまけて自分で考え行動に移せないからです。
主体的に行動できる人はこれからも仕事を見つけられますし、仕事に楽しさを見つけられるはずです。
とくに新社会人1年目の人は、自分から仕事を見つけて率先してやる意識を持ってください。そうすることで、リーダーシップをもって何事にも意欲をもって取り組めます。
ベテラン社員の人も自分の地位にあぐらをかかずに、より一層の飛躍を意識してみてください。これまでに見ることができなかった景色が見れるかもしれません。
夢を持ちましょう!
何者かになりましょう!
そういった意味で、ぜひ本書を読んでいただきたいです。
『CREATE WORK』は、現在(2022年4月28日時点)amazonの本読み放題サービス「キンドルアンリミテッド」の対象になっています。
キンドルアンリミテッドは、ビジネス書からマンガまで幅広いジャンルの本が読み放題です。ぜひこの機会にご検討ください。
『CREATE WORK』の概要
本書の目次
『CREATE WORK』(クリエイト・ワーク)
はじめに
序章 今、日本の会社で仕事をするということ
第1章 たとえ新入社員でも「自分軸」で仕事をする
第2章 会社・組織をハックする
第3章 「学び」で成長をつくる
第4章 社内外で自分の価値を最大化するために、今からできること
第5章 自分を守る方法
おわりに
著者の紹介
ピョートル・フェリークス・グジバチ
ポーランド生まれ。
ドイツ、オランダ、アメリカで暮らした後、2000年に来日。
2002年よりベルリッツにてグローバルビジネスソリューション部門アジアパシフィック責任者。
2006年よりモルガン・スタンレーにてラーニング&ディベロップメントヴァイスプレジデント。
2011年よりグーグルにて、アジアパシフィックでのピープルディベロップメント。
さらに2014年からは、グローバルでのラーニング・ストラテジーに携わり、人材育成と組織開発、リーダーシップ開発などの分野で活躍。合気道も行なう。
現在は独立し、プロノイアとモティファイの2社を経営。
著書
『世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法』朝日新聞出版 (2018/8/20)
『世界最高のコーチ 「個人の成長」を「チームの成果」に変えるたった2つのマネジメントスキル 世界最高のチーム』 朝日新聞出版 (2021/12/20)
『ゼロから“イチ”を生み出せる! がんばらない働き方』青春出版社 (2019/1/9)
『日本企業のケースからポイントを学ぶOKR導入・運用メソッド成長企業はなぜ、OKRを使うのか』ソシム (2019/6/28)
『グーグル、モルガン・スタンレーで学んだ 日本人の知らない会議の鉄則』ダイヤモンド社; 第1版 (2018/5/9)
『ニューエリート グーグル流・新しい価値を生み出し世界を変える人たち』大和書房 (2018/2/23)
『0秒リーダーシップ』すばる舎 (2016/7/27)
『世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか グーグルの個人・チームで成果を上げる方法』SBクリエイティブ (2017/1/27)
『パラダイムシフト 新しい世界をつくる本質的な問いを議論しよう』かんき出版 (2020/12/2)
『PLAY WORK(プレイ・ワーク) 仕事の生産性がグングン高まる「遊びながら働く」方法』 PHP研究所 (2019/7/23)
『Google流 疲れない働き方』SBクリエイティブ (2018/3/9)
『人生が変わるメンタルタフネス』廣済堂出版 (2018/7/31)
『リラックスイングリッシュ』KADOKAWA (2018/11/26)
『働き方改革による「自己実現」』SBクリエイティブ (2018/7/12)




コメント