
こんにちはコウカワシンです。
今回はピョートル・フェリークス・グジバチさんの著書『Google流 疲れない働き方』から学ばせていただきます。
『Google流 疲れない働き方』は、どんな本?


『Google流 疲れない働き方』は、ズバリ!「グーグル流 能力開発メソッド」です。
本書はこんな本
こんなことはありませんか?



毎日の仕事がきついからどっと疲れるわ~。
これじゃ、土日に休んでも疲れが取れるわけがない。



こんなに頑張っているのに、成果も出ないし、毎年毎年目標だけが積み上がる・・・。
もうヘトヘト・・・。
世界からみて労働生産性が低い日本では、頑張っているのに、結果が出ず、心身ともに疲れている人が多いと、元グーグルの人事担当ピョートル・フェリークス・グジバチさんは言います。
そんなグジバチさんの著書『Google流 疲れない働き方』では、グーグル流の働き方を通して、日本企業組織で、疲れずに成果を上げていき、これからの「人生100年時代」に対応できるヒントを与えてくれます。
本書がおすすめな人は?
『Google流 疲れない働き方』が、おすすめな人
- ビジネスマン
- 経営者・指導者
- 就活中の学生
『Google流 疲れない働き方』の要点は?


「いつも10倍の成果をめざす」「優秀な人も多く競争も激しい」など、実際には心理的なストレスも多そうなグーグル社。しかし、その分「社員がストレスをためない取り組み」を多くやっているそうです。
一方、日本の会社は「疲れる組織」「疲れる働き方」がまだまだ多く残っています。いくら健康体でいても、組織が「疲れる組織」であれば、元も子もないのです。
本書の著者ピョートル・フェリークス・グジバチさんは日本の組織や個人の生産性の低さを指摘。在籍していたグーグル社ならではの「社員の体調・メンタルの管理」におけるマネジメントを本書にて公開しています。
そのうえ、個人がマネージャー・リーダーであっても、一般の社員であってもできる「疲れない組織」にする方法も紹介しています。



そのような本書からわたしの独断と偏見で「個人が取り組むべき生産性を上げるマネジメント」と、「疲れない組織を作るために大事なこと」、「疲れない働き方」を取り上げさせていただきます。
疲れず生産性を上げるためのマネジメント
スプリントでメリハリをつける
スプリント 【sprint】とは、「全力疾走する」「短距離走」を意味する英単語です。グーグルでは、このスプリントを重視しします。
ずっと仕事を続けるのではなく、ある仕事について集中する時間を決めて作業を行い、そのあとはしっかり休息を取るという、メリハリのある働き方を指します。集中することで、良質なアウトプットを出すことができます。
多くの日本企業では、平日に同じペースで働いて、週末に休む。翌週はまた同じように働いて、週末に休むというようにマラソン型の働き方をしています。
ずっと走り続けるマラソンでは疲れてしまいますきちんと休む(何もしない)時間をつくることで、より集中して創造的な仕事をすることができます。
たとえば、こんな感じです。
エンジニアなら、ある一定の期間を決めて、その間はプロジェクトに集中して働く。それが終わったらしっかり休みを取る。
その他、どうしても今日は集中したいから午後10時まで働く。その代わり、明日は昼に出社する。あるいは有給休暇を取ってしまう、といった働き方をする人もいます。
著者も、予定を組む際に、スプリントを意識してスケジュールを組むそうです。
例をあげると、毎日コンサルや打ち合わせ、講演、ワークショップなどなど多忙なスケジュールが詰まっているとします。このようなときは特に「仕事をする時」と「休む時」の色分けが大事です。
仕事が詰まった状態が何週間も続いたら、ある時期は一切仕事をいれないようにする。このスピードで動くと最大限の結果を出すのが無理だと思ったら、何もしない日を意図的につくるというようにバランスを取るのです。
このことで、必要なときにしっかり集中し結果を出すことができるのです。
90分のスプリントで、大事な仕事に集中して当たる
このスプリントの考え方は、1日の仕事についても応用できるそうです。
たとえば、集中して取り組みたい仕事について、90分の時間をとって、その時間はそれだけに集中して取り組みます。
プレゼン資料を作るとか、企画書をまとめるとか、クリエイティビティのある仕事で何らかの意味のあるアウトプットをするためには、最低90分の時間が必要です。
逆にいえば、自分から90分の集中時間をつくっておかないと、結局アウトプットを出せないまま、ということも多いのではないでしょうか。
誰かに声をかけられたり、メールが着て仕事が中断されるということの繰り返しなど、考えられますよね。
さて、集中する90分をつくるために、守ることがあります。それは、
- メールを見ない。関係ないブラウザのタブを閉じる
- 必要なものはすべて揃えておく
- その作業の目標と最低限のアウトプットを決めておく
- 90分で行うタスクを細切れにしておく
です。
メールを見ない。関係ないブラウザのタブを閉じる。
集中するためには、必要なものだけが目に入るようにすることが重要です。
- メールを見ない。
- 関係ないブラウザを閉じる。
ことはすごく大事です。
これ以外に、机の上に置くものは最低限のものにして、邪魔になるものは一切、目につくところに置かないようにしましょう。
必要なものはすべて揃えておく
スプリントの90分に入る前に、必要なものは揃えておきましょう。
たとえば、資料作成に必要な調査や、資料集めはすでに行っておくなどです。きちんと必要なものを考えて、揃えてから集中しないと仕事に集中するどころではなくなります。
まず頭の整理をして、仕事の準備をすることに注力しましょう。
その作業の目標と最低限のアウトプットを決めておく
この90分で出したい成果を明確にし、そこから逆算して作業に臨みましょう。
たとえば、プレゼンのために10枚のスライドを用意するのなら、最初にすべきは10枚のスライドの全体構成です。最初から、スライド1枚のデザインに凝ったりしはじめると、いくら時間があっても足りなくなります。
いったい自分は何を語ろうとしているのか、相手の心に響くようにするにはどうするのがよいか。この最も創造力を必要とする、クリエイティブな瞬間に没頭できるかがカギになってきます。
90分で行うタスクを細切れにしておく
この90分に集中するために万全の準備をしたものの、その時集中できなくては本末転倒です。
やるべき作業のタスクを分解して、一つひとつに集中して作業ができるようにしておきましょう。
たとえば、資料作成なら、
- 全体の構成をつくる
- 文章の部分はすぐつくる
- データが必要なところの数字を集めて、グラフ化する
- それぞれのスライドに貼る
- 全体を見直して微調整する
といった流れで仕事を進めると決めたら、それぞれに集中して作業できるようにします。
あと、集中するために一人になれる状態がベストです。
デスクにいると集中できないなら、場所を変える(たとえば、会議室、カフェ、在宅など)とかの工夫が必要ですね。
90分仕事したら休む
90分集中して仕事したら、しっかり休憩をとりましょう。定期的に休憩を取らないと、疲れて思うようなパフォーマンスを出せないからです。
わたしたちには体内リズムが存在し、24時間周期の体内リズム「サーカディアンリズム」のほかに90分刻みの「ウルトラディアンリズム」というのがあります。
90分集中して仕事したら、10分ないし15分くらいの休憩を取ることを意識しましょう。





グーグル流のスプリント。
集中力こそ最高のパフォーマンスを生むというのは、樺沢紫苑(かばさわ・しおん)さんの『神・時間術』でも取り上げられていました。
この『神・時間術』もぜひ読んでみてほしいですね。


疲れる組織と疲れない組織
組織の中にいると、何かと疲れることが多いと思います。
では疲れる原因とは何でしょうか?
まず、疲れることの原因のトップは「仕事の人間関係」ではないでしょうか。さらに探っていくと「上司のひと言」で、疲れが倍増するということがわかっているそうです。
その他、疲れる組織には
- 忖度が多い
- 本音が言えない
- リスクを取れるだけの信頼感がない
- 役割も期待されていることもあいまい
- 何かあったら誰かのせいにしようとする
といった問題もあると言います。
これは、心理的安全性がない状態といって過言ではありません。
心理的安全性がないと、パフォーマンスを発揮できないものです。つまり、心理的安全性が担保できれば、仕事上の成果が出しやすくなり、結果「疲れない組織」に近づけていけるといえます。
そこで、どうすれば「疲れない組織」を作り、心理的安全性を担保することができるかを探っていきます。
組織は自分で変えられる
組織の話というと、自分とは無関係と思う人もいます。とくにまとめ役の管理職ではない人は「自分は管理職じゃないから、関係ない」と思いがちです。
しかし、それではプロフェッショナルではない、社員みんなが管理職を含めた経営的思考を持たないといけないというのが、グーグル社の考えです。
実際、どんな組織でも働き方に影響を与えるというのは、誰でもリーダーシップがとれるし、みんなに責任があるのです。
グーグルでは、周囲の人たちにポジティブな影響を与えるために、コミュニケーション、人間関係を構築して肯定的な影響を与えるのは全社員の責任としているのです。
日本企業は、「閉鎖的」、「上司と部下の間に人間関係がない」、「新しい取り組みに消極的」などの問題がありますが、それを改善するための働きかけはできると著者は言います。
たとえば、「何を期待しているか上司がちゃんと伝えないので、ゴール設定も目標もなく、ただ働く」といった場合なら、こちらから問いかけてみるのです。
「わたしは、今の仕事を2年続けて、こんな結果を出しました。次のレベルに行くには何が必要ですか? どんなゴール設定をすればいいですか」「わたしはこんなことがしたいです」
このような問いかけを突然されたら「今、時間がない」と言われるかもしれませんが、意思疎通くらいにはなるのではないでしょうか。
働きかけもしないで、ただ時間を過ごしていたら、その仕事に魅力を感じずに転職を繰り返すようなことになります。
ありがちなのは、会社をやめるときに「うちの会社はこうでこうだからやめます。次はもう決まりました」というケースです。
上司からすれば、「言ってくれればよかったのに」ということもあるでしょう。
ですので、自分が組織を変えてやるという意気込みで「2~3カ月以内に、自分が次のレベルまで行けるようなキャリアパスを一緒につくっていただかないとやめます」と言っておくのも建設的です。
つまり、「上司が悪いからやめた」というのは、その上司だけの問題ではなく自分自身の責任も果たせていないということなのです。
大半の人は、「目の前の仕事を片づける」ことに責任を持ちすぎて、マネジメントをどう動かすかという点も含め、最終的にどういうアウトプットを出すかについて関心がないのではないでしょうか。
上司をうまく動かしていく、それが無理でも、自分自身ができることをやっていく。
怒られたら怒られたでいいのです。「何で怒られたのか」がわかっただけでも、次に目標ができたということなのですから、自ら行動していけばいいということです。
「わからない」ことを、「わからない」と答える人が「できる人」
疲れる組織には「忖度」(そんたく)が多いと言います。
2017年に流行語大賞にも選ばれた「忖度」という言葉は、外国ではなかなか同じ意味の言葉がないそうです。
たとえば、上司が何を考えているのかよくわからない、相談すると怒られてしまうかもしれない。だから勝手に妄想を広げて、勝手に疲れてしまう・・・忖度にはそのような一面がありますよね。
人間の脳は「今この瞬間」しか認識できません。忖度のような不確かで余計な推測に振り回されて意識を集中できないとなると、エネルギー浪費だけでなく、ストレスレベルも上昇し、必要なことにエネルギーを注力することができなくなります。
そのあげく、上司が「やれ」と言ったことを無難にこなすだけのような生産性アップにつながらない状態になるということです。
一方、「わからない」ことを「わからない」と聞いたり、相手に何でも質問できる組織は、忖度の必要がありません。
優秀な人は、「今自分がわかっていること」と「わかっていないこと」を明確に切り分け、それに対処できるから仕事が速いと著者は言います。
ですので、「わからないこと」を「わからない」まま、推測で進めても何もいいことはないというのがわかっているのです。
「わからないことを聞く」、また「聞ける環境にある」、それだけで人はお互いを信頼できるようになり、心理的安全性が高まります。
上司が信頼できる時、部下は上司に何でも言うことができます。上司も自分の意見を率直にぶつけ、部下にどのような期待を持っているか、部下も上司に何をしてもらいたいか、しっかり話し合い、お互いの役割が決まるのです。
役割と期待を明確にする
「上司の役割」「部下の役割」、多くの日本企業は社員の役割分担がとてもあいまいだと著者は言います。
日本企業に就職するうえで重要なのは、あくまで「企業の一員」なるということであり、「何をやるか」ではないということで、上下関係が年功序列によって規定されたりもします。
たとえば、課長に昇進するといった場合でも適切な管理職のトレーニングを受けずに、「じゃあ明日から課長だから」と課長になるケースが多いのではないでしょうか。
このことが、自分の役割を自覚できない要因にもなったりします。
一方、グーグルをはじめ外資系企業は、明確にマネジメントの仕事はこれであるということが決められているそうです。
つまり、上司と部下というのは、「偉い」「偉くない」ではなく、上司は上司としての仕事、部下は部下としての仕事が明確だということです。
マネジメントの仕事の中には、それぞれのメンバーに対して、どんな仕事をしてほしいのかを明確にすることも含まれます。
この役割を明確にしておかないと「相手に期待していること」もあいまいになります。当然ながら期待も満たされにくくなるということです。
「期待」とは、 「あてにして、心の中で待ちもうけること」を指しますが、相手を信頼していないとあてにはできないものです。
たとえば親なら子どもに対して「勉強して賢くなってほしい」と期待するでしょうし、子どもも親に「自分のことを守ってほしい」と期待します。そしてそれが満たされたら信頼感は増します。
それは、友人関係でも同じで「あの人といるとホッとする」とか「優しい言葉をかけてくれる」などとお互い、相手の役割に対しての期待を満たしてくれると満足感を得られて人間関係はスムーズで快適になっていきます。
相手への期待とそのことについての満足感が良い人間活計を育て「信頼」が熟成されていくのです。
これを日本企業に当てはめてみますと、「役割」がそもそもあいまいなので、「期待」もすれ違いというケースがあります。
例をあげますと、上司は心の中で部下Aさんに「Aは、まだ新人。まずはこの分野で確実な成果をあげてほしい」と思っているとします。
Aさんは「営業部の一員として、大きな数字をあげよう。だからいろいろと挑戦することで部に貢献できるはずだ」とかんがえているかもしれません。
すると両者にすれ違いが生じ、Aさんは「頑張っているのに評価してくれない」、上司は「ムダなことばかりやって、仕事がおろそかになっている」と感じるかもしれません。
上司が部下に「何に期待しているか」を伝えなかったばかりに「どうせ自分は期待されていないから」と部下は前向きに仕事ができなくなってしまうことだって考えられます。
このことから期待は明確になればなるほどいいということです。
「飲み会」「食事会」「1 on 1ミーティング」を効果的に使おう
先ほどの「期待」を明確にするということは、日常ではなかなかできないものです。
まず信頼関係を作らなくてはいけないということもあります。
グーグルでは上司と部下が1対1で行う「1 on 1ミーティング」をし、上司は「あなたにこういうことを期待している」「こうした目標を立てて、こんなプロセスで、進めてほしい」と明確に伝えます。
部下もそれに対して「こういうふうにこの仕事を進めれば、こんな形で評価される」ということが、はっきりわかるので、迷わずに行動することができます。
管理職の立場にある人は最低限「こんな期待をしている」と、メンバーに求める期待や役割を、伝えるのが管理職の役割だと言えます。
その他、信頼関係の構築には、「飲み会」とか「食事会」などもいいかもしれません。というのも日本には「飲みにケーション」などの文化があるからです。
アルコールが入れば、みんな気が緩んで、上司や部下の間でも本音が言え、ある程度の自己開示もできるからです。それを上司は上司なりに、部下は部下なりに役割を心得、今後の仕事に生かすのです。
「そんなのなら昔からあるよ」というかもしれませんが、上司・部下の役割分担を心得ていない人が、それをやるとただの「上司からのお説教会」になる可能性があり部下が嫌がる原因になります。
お酒がダメならランチなどの「食事会」という手もあります。リラックスできる場所で、メンバーと飲食をともにする機会をつくることが肝心なのです。
著者もグーグルにいた時は、1週間に1回くらいは、職場の誰かと飲みに行ったり、食事をとるように意識されていたそうです。
みんながリラックスして発言できる状況を作れば、オフィスで話しづらかったことも話せるので、相手の事情もわかりますし、みんなが「ここでは安心して発言できる」と感じれば、ストレスのない職場に近づきます。



「疲れない組織」というのは、意識して変革していく必要があります。
経営者、管理職などの人が、率先して環境づくりすべきことではありますが、そうではない場合、自分が徐々に周りの協力とか得ながら取り組んでいくべきですね。
話しづらい上司とかはなかなか攻略が難しいでしょうけど、やれば何か変化は起きるものです。
心理的安全性を手に入れるためにもやってみるべしですね。
疲れない働き方
「疲れない働き方」をするには、自己肯定感を高めなくてはいけません。
日本でも「働き方改革」として、テレワークや、プレミアムフライデーと言った時短策を掲げていますが、大事なのはそういった制度ではありません。
幸せに働く満足感が必要なのです。つまり、自己肯定感を得られる働き方改革をしなければいけないということです。
人が幸せに働き続けるには、次の5つの段階が必要です。
幸せに働き続けるための5段階
幸せに働き続けるための5段階
- 自己意識をする
- 自己開示をする
- 自己表現をする
- 自己実現をする
- 自己効力感を上げる
1の自己意識をするとは、自分の本当の価値観だったり、社会に対してこんなインパクトを与えたい、ということを知ること。
2の自己開示をするとは、自分が思い描いた未来や理想を手に入れるために「これがほしい」と相手にきちんと伝えること。
これらができるようになると、自然と自己表現・自己実現が可能になっていきます。自分の価値観に基づいた形で、周囲から評価され、自己効力感が上がります。
自己効力感とは、言い換えれば「自信」です。自信を持てるということこそ自己肯定感を高める基礎になるのです。
仕事での「ギブ&テイク」を考える
仕事で幸せになるためには、仕事を通してギブ&テイクのバランスを考える必要があります。
じぶんは仕事を通して何をもたらしたいかとか、何を表現したいとかというミッションと、仕事を通じて何を得たいのか、というギブ&テイクのバランスが仕事に対する意義を明確にしてくれます。
たとえば、著者は、誰でもが自己表現できる世界をつくりたいと思っているそうです。それがミッションであり、それが自分の「ギブ」と考えているのです。
一方で得たいものは、仕事を通して生まれるインパクトや、自分の成長だそうです。これが「テイク」になります。
この両方のギブ&テイクの好循環があればエネルギーが出ます。
疲れていても、ボーッとしていても、熱が出ても、やりたいという「情熱」となっていくのです。
「軸」を見つける
仕事において、いろんな判断をしていくには、主体性が必要です。主体性とは、自分の意志や判断に基づき、責任を持って行動することです。
つまり、自分の意志や判断といった「軸」を持っていないと主体的には行動できないということです。
「あの人からこんなことを言われた」「この人はこうしたほうがいいと話している」と他人の意見を見極めれずに自分なりの考えを持たず振り回されている人を見たことはありませんか?
まだ自分自身の「軸」が固まっていないということなのでしょうけど、「自分のことを自分で決められない」というのは、問題であり、「他人の都合で自分の人生を送る」恐れがあります。
では「自分軸」を持つために何をすればいいのでしょうか。
著者は、まず「過去の振り返り」を奨めています。
というのも、自分の価値観や自分がどんな未来を手に入れたいかは、過去をきちんと振り返らないと見えてこないからです。
具体的にいうと、「今日は何をしてどう感じたか、今の仕事で楽しいことと、楽しくないことは何か、自分が「これは好きだ」と感じたことは何か、仕事を通して得たいことは何か、なぜそれが得たいのか、
どんな仕事をした時に「いい仕事をした」と思えるのか、「いい仕事」をするために必要なことは何か・・・といったことを自分の頭の中で整理するのです。
すると、だんだんと自分の方向性や価値観といった「自分軸」が見えてきます。
自分に問いかけることは大事です。自分自身では気づかないかもしれませんが、人は毎日毎日成長しています。
自分に自信を持てれば、未来も描けるようになってきます。
うまくいかないことをすぐ他人のせいにし、愚痴ばかり言っている器の小さな人って、周りにいませんか?
器の小さな人は、自分軸がなく、何を得たいのかというのもわからないままの人が多いのです。そして、小さな器にこだわってしまい、自分に制限を与えてしまいます。
でも、しっかり自分軸を持てば、つまらないこだわりがなくなってきますから、自由に理想を実現できるようになります。



やはり、結局は自己改革です。
自分の意識が変わらなければ、自信も持てないし、未来も描けません。
停滞しているなあと感じたらぜひ意識して変える努力をしてみましょう。
『Google流 疲れない働き方』の感想・まとめ


環境は自衛せよ
著者は、まだ共産主義のころのポーランドに生まれました。そのころのポーランドでは職人になって国有の工場で働いて給料をもらうのが当たり前でした。
ですが、民主化され資本主義の波が押し寄せると、ドイツ企業が国有工場をタダ同然で買収した上で閉鎖して従業員をみな解雇。失業率が100%というとんでもない事態になったのです。
いきすぎた共産主義から、いきすぎた資本主義へ。著者はもう社会システムは信頼できない。自分でしくみを作って、家族や社会を変えていくしかないという思いを持っているのです。
そんな著者から見た日本は、経済的に豊かな状態がずっと続き、頑張っても頑張らなくても、十分にモノはあるしやりたいことほしいものがなくても、誰かの言いなりになるような人生を送ることになっても何とかなってしまう社会だと言います。
だから日本では、自己意識しなくても、自己開示しなくてもやっていけたとも言います。
でもこれからはどうでしょう?
日本人にはシステムシンキングがないと著者は危惧しています。
システムシンキングとは、自分と社会を関連づけて考えることです。
たとえば、今、自分が「仕事がつまらない」と感じているなら、それはなぜか? どうしたら楽しくなるのか? 会社や社会がどうなればいいのか? というふうに考える習慣がないということです。
つまり、自分の目の前のことしか関心がない人が多いということなのです。
それは日本が世界的に見て恵まれているからです。たとえ失業したとしてもコンビニなどを筆頭にいくらでも働き口があって、飢え死にしてしまうなんてことはあまり考えられません。
日本以外の世界は切実だそうです。中国やロシア、ブラジルなどでは、工場が一つしかなくて、住民のほとんどがそこで働いているという町がいくらでもあるそうです。
工場を運営する企業が撤退を決定すると、街の人々は一斉に失業者になってしまいます。5000人、1万人が一度に職を失うことだってざらにあるといいます。
日本だって他人ごとではない事態になるかもしれません。目の前のことにしか関心がない人は、このような事態になるととてもじゃないけど生き残れません。システムシンキングを駆使し問題解決していく必要があるのです。
つまり、「自分の身は自分で守れ」ということです。
まだまだ日本企業は、社員にパフォーマンスを求めるのに、集中してパフォーマンスを発揮できる環境を提供してくれていません。
部下がパフォーマンスを発揮するためのサポートをしてくれる管理職もまだまだ少ないと思います。
ということは、自分でうまく自衛しながら、自分のパフォーマンスを保てる環境を確保していく必要があるのです。
それは決して「わがままになれ」といっているのではなく、この「グーグル流の仕事術」を参考にしながら環境を徐々に変えていくしかないということです。
それにはまず、自分自身の意識改革から始めて、職場や周りに広げていくことがベターですね。
ぜひたくさんの人が、この本を読み、ヒントを得て意識改革ができれば、個人・組織のパフォーマンスが上がり、停滞した状態であっても、次第に成果が上がっていくと感じます。
よろしければぜひご一読ください。
『Google流 疲れない働き方』は、現在(2022年4月24日時点)amazonの本読み放題サービス「キンドルアンリミテッド」の対象になっています。
キンドルアンリミテッドは、ビジネス書からマンガまで幅広いジャンルの本が読み放題です。ぜひこの機会にご検討ください。
『Google流 疲れない働き方』の概要


本書の目次
『Google流 疲れない働き方』
はじめに
序章 皆さん、疲れすぎていませんか?
第1章 時間のマネジメントから、「集中力」のマネジメントへ
第2章 疲れず生産性を上げる「エネルギー」と「感情」のマネジメント
第3章 確実に自分をチャージする食事・睡眠・運動の習慣
第4章 疲れる組織と疲れない組織
第5章 疲れない働き方
おわりに
著者の紹介
ピョートル・フェリークス・グジバチ
ポーランド生まれ。
ドイツ、オランダ、アメリカで暮らした後、2000年に来日。
2002年よりベルリッツにてグローバルビジネスソリューション部門アジアパシフィック責任者。
2006年よりモルガン・スタンレーにてラーニング&ディベロップメントヴァイスプレジデント。
2011年よりグーグルにて、アジアパシフィックでのピープルディベロップメント。
さらに2014年からは、グローバルでのラーニング・ストラテジーに携わり、人材育成と組織開発、リーダーシップ開発などの分野で活躍。合気道も行なう。
現在は独立し、プロノイアとモティファイの2社を経営。
著書
『世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法』朝日新聞出版 (2018/8/20)
『世界最高のコーチ 「個人の成長」を「チームの成果」に変えるたった2つのマネジメントスキル 世界最高のチーム』 朝日新聞出版 (2021/12/20)
『ゼロから“イチ”を生み出せる! がんばらない働き方』青春出版社 (2019/1/9)
『日本企業のケースからポイントを学ぶOKR導入・運用メソッド成長企業はなぜ、OKRを使うのか』ソシム (2019/6/28)
『グーグル、モルガン・スタンレーで学んだ 日本人の知らない会議の鉄則』ダイヤモンド社; 第1版 (2018/5/9)
『ニューエリート グーグル流・新しい価値を生み出し世界を変える人たち』大和書房 (2018/2/23)
『0秒リーダーシップ』すばる舎 (2016/7/27)
『世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか グーグルの個人・チームで成果を上げる方法』SBクリエイティブ (2017/1/27)
『パラダイムシフト 新しい世界をつくる本質的な問いを議論しよう』かんき出版 (2020/12/2)
『PLAY WORK(プレイ・ワーク) 仕事の生産性がグングン高まる「遊びながら働く」方法』 PHP研究所 (2019/7/23)
『CREATE WORK 自分だけのキャリアをつくれる人が入社1年目から大切にしていること』SBクリエイティブ (2020/1/21)
『人生が変わるメンタルタフネス』廣済堂出版 (2018/7/31)
『リラックスイングリッシュ』KADOKAWA (2018/11/26)
『働き方改革による「自己実現」』SBクリエイティブ (2018/7/12)


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