
こんにちはコウカワシンです。
今回はイ・ミンギュさんの著書『「後回し」にしない技術』から学ばせていただきます。
人間だれでも目標や希望を持って日々を過ごしていますよね。



「今度の大会では5位以内に入ってやる」



「もうケンカはやめて、仲直りしよう」



「成功して素晴らしい人生を送りたい」
でも、心の中で思い、一歩踏み出すことを望んでいながら、いつもその場にとどまっている人たちは多いものです。
一歩踏み出せる人と踏み出さない人では、いったい何が違うのでしょうか?
今回取り上げた『「後回し」にしない技術』の著者イ・ミンギュさんは「実行力」があるかないかだと言います。
生まれ持った能力で世間の注目を集めた秀才でも、大人になってから凡才として生きている人は多く、資産運用の勉強をしているのにお金持ちになれない人、優れた企画力があるのに成果を出せない組織などがたくさん存在するのは周知のとおりです。
そうした人や組織には、ひとつだけ足りないところがあり、それが「実行力」なのです。
本書では、この「実行力」は決して生まれつきの資質ではなく、学んで練習すれば誰でも開発できる、一種の技術であり、それを学ぶことができるとされています。
なお、この『「後回し」にしない技術』は、現在amazonの本読み放題サービス「キンドルアンリミテッド」の対象本になっています。
キンドルアンリミテッドは、ビジネス書からマンガまで幅広いジャンルの本が読み放題です。ぜひこの機会にご検討ください。
『「後回し」にしない技術』は、誰におすすめか?
本書はこのような人におすすめです。
『「後回し」にしない技術』が、おすすめな人
- やりたいことがあるもののなかなか行動に移せない人
- 過去において自分の立てた目標達成ができなかった人
- 不安のない人生を送りたい人




『「後回し」にしない技術』は、どんな本?
本書の目次
『「後回し」にしない技術』
プロローグ すぐに行動に移す人、先延ばしにする人
第1章 決心する
01 「成功のイメージ」に逃げ込んではならない
02 かゆくない方の足をかいていないか
03 スケジュールは逆から立てなさい
04 「プランB」があなたを救う
05 「ひそかな誓い」はかなわない
06 変われないのは望んでいないからだ
第2章 実行する
07 ベストタイミングは常に「いま」だ
08 最初の1%の行動に全力を注げ
09 「ふたつの締め切り」をつくりなさい
10 人生は「実験」の連続だ
11 頼んだ人だけが助けてもらえる
12 見られていないと人は動かない
13 大事な仕事の前に雑用をやりたくなる理由
第3章 維持する
14 人はセルフイメージ通りの人間になる
15 人の頼みを断れないのはなぜか
16 掃除をしたければ、家に友達を呼ぼう
17 「効率」と「効果」の違いを知る
18 いかなるときも目標から目をそらさない
19 雨が降るまで雨ごいをしよう
20 教えることは学ぶこと
エピローグ 毎日」1%だけ、昨日と違うことを実行しよう
著者の紹介
イ・ミンギュ
心理学博士、臨床心理専門家。
檀國(タングク)大学校特殊教育学科を卒業し、ソウル大学校大学院心理学科で臨床心理学の修士・博士の学位を取得。ソウル大学校学生生活研究所にカウンセラーとして勤めた後、朝鮮大学校医科大学精神科教授を経て、現在亜洲大学校心理学科教授として研究を続けている。
2001年には第1回亜洲大学校講義優秀教授賞を受賞。
「幸せな人生を手に入れるためには1%だけ変えればいい」という哲学を主張して数多くの人に影響を与え、「1%行動心理学者」と呼ばれている。
著書
『好かれる人は1%が違う』東洋経済新報社 (2006/11/1)
『「先延ばし」にしない技術』サンマーク出版 (2012/1/5)
その他に『1%だけ変えても人生が変わる』、『肯定の心理学』(ともに未邦訳)などがある。
本書の内容
『「後回し」にしない技術』は、ズバリ!「生産性を上げるために自分を自動化するためのマニュアル」です。
amazonの書籍紹介より
憧れの「すぐやる人」になるにはどうしたらいいのか? 韓国で22万部のベストセラーに学ぶ「後回し」にしない技術!
◆掃除をしたければ、家に友達を呼ぼう
◆スケジュールは逆から立てなさい
◆「ひそかな誓い」はかなわない
◆大事な仕事の前に雑用をやりたくなる理由
◆最初の1%の行動に全力を注げ…etc
嫌なことを先延ばしにしない! 「やらなければいけないことを、今すぐやる」ために必要なのは「意志」ではなく「技術」だった。
「たった1%の変化を加えるだけで、人生は大きく変わる」という哲学を主張し、韓国で100万人以上の人々に影響を与えてきた心理学者が、「実行力」を身につける秘訣を伝える。
実行力を発揮するプロセスを「決心」「実行」「継続」の3つのフェーズに分け、心理学に基づくノウハウや考え方を解説する。



「やらなくちゃなあ・・・・・」と思いながらも、なかなか行動に移せないということはありませんか?
そんなとき「オレってだめだなあ~」とか「悪い癖がなかなか治らない」と自分を責めてしまいがちです。
もっと「実行力」が欲しいと思いますが、それは生まれついての資質ではないそうです。
しかも学んで練習さえすれば誰でも開発できる「技術」なのだそうです。
これはビックリですよね。
本書はその技術をわかりやすく教えてくれます。
ぜひ学校教育にも組み込んでほしいスキルですね。
『「後回し」にしない技術』の要点は?
「成果=力量×実行力」
力量とは才能、知識、創造的なアイデアと組織の企画力、革新的な戦力を含みます。だから、才能や知識、アイデアがいくら優れていても、実行力がないなら成果も出てこないということです。
ヘレンケラーやマザーテレサは、ただ考えるだけであれほどの偉大な足跡を残したのではありません。スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツは、ただアイデアだけで最高のCEOになれたのではありません。
彼らが偉大なのは、知識やアイデアがずば抜けていたからではなく、「実行」したからにほかなりません。
99%の平凡な人たちも、数千通りの優れたアイデアを持っています。ですが、実行しない。一方、1%の特別な人たちは、アイデアを必ず行動に移すのです。
「アイデアを行動に移す」
口で言うのはたやすいです。それができれば苦労はしません。
誰もが毎日何かの決意を新たにします。
「やせるために運動しなきゃ」、「寝坊するクセを治さなきゃ」といった生活上の小さな決心から、「10年後にはCEOになる」といった大きな決心まで、数多くの決心をくり返します。
でもそれが三日坊主で終わり、自分を「意志が弱い人間だ」と責める・・・。
ですが、イ・ミンギュさんは、「それは誤った考えだ」と言います。
実行力は生まれつきの資質ではなく、学んで練習すれば誰でもできる一種の「技術」だというのです。
どういうことかというと、行動に移せない原因は「意志の問題」ではなく、効果的な方法を学んでないからということです。



そこで、本書から実行力を磨く方法についてのポイントをわたしの独断と偏見で取り上げてみたいと思います。
決心する
「イメージ」する方法を変えよう
「切実に願い、生き生きとイメージさえすれば、夢がかなう」といったプラスの自己暗示は、実際には思ったより効果がなく、目標を達成するうえでかえって邪魔になることもある。
「願えば夢がかなう」という自己啓発書やビジネス書は、たくさんあります。
たしかに、このようなポジティブ思考はある程度必要ですが、楽観的な考えを持つと、目標達成までの困難を予測して、かえって実践することを踏みとどまってしまうことがあるそうです。
つまり、バラ色の未来を「イメージ」してばかりいる人たちは、成功を手にする前に簡単に挫折してしまい、イメージの中に逃げ込む可能性が高いのです。
理想のイメージを持つことは大事です。理想を持つことが、プラスの自己暗示となり、まだ見ぬ未来に希望を与えてくれるからです。
しかし、現実は厳しいものです。夢があっても実現させる方法を知らなかったり、方法は知っていても努力することができない人たちに「イメージすればかなう」という言葉ほど甘いものはありません。
ですので、目標を達成したイメージだけを持つだけではなく、同時にイメージを現実にするために「成功への道を探し出す方法」を併せ持つ必要があるのです。
成功のコツは他の人の「方法」をまねること
人生の成功を手にするには、目標を達成した場面をイメージする「ゴールの視覚化よりも、目標までのルートを正しくとらえる「プロセスの視覚化」の方が。ずっと重要なのだ。
目標を達成するには、ふたつの動機付けが必要です。
ふたつの動機付けとは、
- スタート・モチベーション
- 持続モチベーション
です。
スタート・モチベーションは、目標を達成した状態をイメージすること(ゴールの視覚化)によってつくられ、持続モチベーションは目標達成までのプロセスによってつくられます。
ですので、目標達成までのルート(プロセスの視覚化)が見つからない限り、スタート・モチベーションがいくら強くても、実践を持続することはできません。
たしかに目標達成までのプロセスは楽観的なことばかりではありません。悲観的な部分もあることでしょう。ですが、決心を最後まで保って目標を達成するには、楽観的な態度だけでなく、悲観的な態度も併せ持たなければいけません。
つまり、成功イメージだけでなく、成功に結び付くルートを探し出し、その過程でぶつかる問題を予想しながら、対策を立てることのほうがより重要なのです。
でも、そう簡単に「ゴールの視覚化」「プロセスの視覚化」が、自ら見つけることはできません。
そこで、他の人の方法のまねをするのです。
誰もが認める大富豪で成功者であるビル・ゲイツとウォーレン・バフェットは、成功のコツをこう言いました。
「他の人のよい習慣をまねることだ」
つまり、望むものを手に入れたければ、すでにそれを持っている人たちの習慣を研究して、それをまねるのが一番の方法なのです。
たとえば、最高の講師になりたいなら、その人の講演を聴き、講演が終わったら、講師に名刺を渡しておき、講演の感想と質問を用意して、❝ぜひ会いたい❞というメールを24時間以内に送るのです。
もし直接会えたら、これまでの歩みについて尋ね、一緒に写真を撮り、壁に貼り付けておく。そしてその人のように最高の地位に到達する道筋を心にイメージしながら、目標に達するための自分だけのキャリア・ロードマップを作りましょう。
「自分だけのキャリア・ロードマップ」
注意する点は、
- 目標達成の方法
- 予想される問題
- 問題の解決策
を考えることです。
目標達成のためにいますべきことを、ひとつ見つけて実行してみましょう。必要であれば自分が目標していることをすでに達成している人に助言を求めてみることもいいでしょう。
それから、ロードマップをあまり完璧につくらないことも大事です。
なぜなら、完璧を目指すあまり挫折する可能性もあるからです。
ロードマップというものは、目的意識を持って生きるためのツールであり、必ずしもロードマップの通りに生きる必要はないのです。



先人の知恵を取り入れつつも自分なりにロードマップを描く。
それではまとめてみます。
- 夢を実現した姿を具体的に(いつ、何を、どのように)イメージしてみよう。
- その夢を実現するための道筋を書き出してみよう。
- 夢の実現のために、今できることは何か、ひとつ探してみよう。
スケジュールは逆から立てよう
「スケジュールを立てる」
何かを始めるときには必ずスケジュールを立てますが、皆さまはいつもどのように立てられていますか?
スケジュールの立て方として、
- 順行スケジューリング(現在を起点に目標達成の時期を推定する)
- 逆算スケジューリング(ゴールを起点として目標達成の時期を逆算する)
があります。
たいていの人は、現在を起点として目標達成の時期を推定する「順行スケジューリング」の習慣があるといいます。
たとえばこんなことはないでしょうか?
いざ勉強を始めようとしたら、友人からうさばらしに酒を飲もうと誘われて、一杯だけ飲んで帰ろうと思ったが、酔っぱらってしまい、とうとう日付が変わってしまった。
朝方には帰宅したものの目覚ましのアラームが鳴っても酒のせいで起きられなかった。実は今日9時までに教室に入らないといけなかった。
髪はボサボサ、あわてて顔を洗い、朝食もろくにとらずに家を出た。
息を切らして走ったが・・・とうとう9時には間に合わなかった。
これは、「順行スケジューリング」が身についたある大学生の日常を切り取ったものですが、もし彼に「逆算スケジューリング」の習慣があったらこうなります。
明日は絶対に遅刻できない。
9時までに教室に入るには、8時40分までに校門に着かないといけない。それには7時10分の地下鉄に乗る必要がある。そうするには7時には家を出るべきだ。
ということで、6時40分までに朝食は済ませなければいけない。だと・・・6時には起きなくては。十分に睡眠を取りたいから0時前には寝るようにしよう。
だから申し訳ないけども、友人に会うのは後日にして、21時前には帰宅しよう。
そこで、ちょっと考えてみましょう。
「約束の時間にいつも遅刻していないだろうか?」
「つまらないことのせいで、大事なことをいつも先延ばしにしていないだろうか?」
「さまざまな誘惑に簡単に負けてしまっていないだろうか?」
もしこれらの質問に心当たりがあるのなら、逆算スケジューリングの習慣より、順行スケジューリングの習慣が体に染みついている可能性が高いでしょう。
たしかに現時点から見れば、すべてのことが重要に感じられます。また、重要なことより急ぎの用を選ぶ可能性も高くなります。
しかし、目標の達成を基準にして逆方向から現在の状況を見れば、選択の幅はずっと狭まります。
つまり、誘惑を振り切るのも簡単になり、目標と関係のないことを避けるのも容易になる。したがってストレスも減るというメリットがあるのです。
成功者は「逆算スケジューリング」を使っている
成功と幸福のカギが何かを見つけ出す研究を50年以上も続けてきたハーバード大学のエドワード・バンフィールド博士は、「われわれの社会でもっとも成功した人は、10年後、20年後の未来を考える長期的な展望を持っていた」と言います。
経営コンサルタントの神田昌典さんも「99%の人は、現在を見ながら未来がどうなるかを予測し、1%の人は未来を見据えながら、いまどう行動をすべきかを考える。当然、成功するのは後者の1%だけだ」と言います。
したがって、「成功するのは未来から逆算して、現在の行動を選択する習慣を持つこと」だということになります。
それでは、「逆算スケジューリング」をするための手順をさらっていきましょう。
「逆算スケジューリング」には、3つのステップがあります。
逆算スケジューリングの3つのステップ
- ステップ1 まず、達成したい目標と最終的な期限をはっきりと定める
- ステップ2 目標を達成するプロセスにおける小目標と期限を定める
- ステップ3 目標に関係する最初の仕事を選んで、ただちに実践に移す
たとえば、いま30歳のふたりが、65歳に定年になるとしましょう。
ひとりは老後のために毎月の給料から生活費を差し引いた残額をできるだけ貯金しておけばいいと考えています。これで老後の備えは大きな問題はないと楽観視しているのです。
もうひとりは、いまから35年後の未来に行って、定年後に毎月の生活費がどれくらい必要かを計算し、そこから逆算して、いまからどれだけ貯金しなくてはならないかはじき出すのです。
すると、いまの価値で少なくとも約23万円は必要だと判断し、定年後の30年間(95歳に死亡と仮定して)毎月そのくらいの生活費を使うとすれば、約2億円くらいは必要だという結論になりました。
そこで、そのくらいの資産を築くために、いまから定年まで毎月約8万円ずつ(税引き後の利回りを7%として、毎月5%ずつ増額する仮定したとき)貯金しようと決心しました。
前者が「順行スケジューリング」、後者が「逆算スケジューリング」で人生設計をしているのはあきらかですよね。
順行スケジューリングで「一生懸命に暮らしていれば何とかなるだろう」と思いながら生きている前者、逆算スケジューリングを活用して体系的に老後に備える後者では、どちらがより安定して幸せな老後を送ることができるでしょうか。
この他にも、キャリア管理やビジネス、健康管理や人間関係など、人生のあらゆる分野で「逆算スケジューリング」は、活用することができます。



ちょっとした予定から10年先、20年先といった未来にいたるまで、ぜひ「逆算スケジューリング」を活用し人生を実りあるものにしていきたいものですね。
それではまとめます。
- 絶対に達成したい長期的な目標と、最終的な期限を書いてみよう。
- 逆算スケジューリングで目標達成までのステップと、それぞれのステップと、それぞれのステップの期限を決めよう。
- 目標達成のために、今日できることを実行しよう。
実行する
ベストタイミングは常に「いま」!
特別な時間、特別な日まで決心を先延ばしにすることは、表向きはいくら変化を望むと言っても、内心では絶対に変化したくないと言っているのと同じことだ。
固く決心しても、しばしば後回しになることってありませんか?
たとえば、「正月からタバコをやめよう」という決心をしたとします。これは「いますぐ、タバコをやめるつもりはない」ということですよね。
実は心の中では「実行したくない」という強い動機が隠れているのです。
「結婚記念日からダイエットを始める」というのも「それまでは腹いっぱい食べよう」を言い換えたものにほかなりません。そのため、いざ実行すべき時間になると、その決心はさらに明日、そして来年に延ばされる可能性があるのです。
そこで、ひとつの解決方法として「どうせやらなければならないことなら、即断即決で処理しよう」という意識を持ちましょう。
ここで、次の言葉はぜひ禁句にしましょう。
- 「あとで」
- 「明日から」
- 「いつか」
この言葉は、不幸な人がよく使う言葉とされています。
「今は気分が乗らないからあとでやろう」「今日は忙しいから明日やろう」「いつかやろう」・・・こんな言葉をふだんから使っていませんか?
いまはまだそのときではないと言って、実行を遅らせる。それでいて、新年になったら、誕生日から、結婚記念日から、始めると誓う。
しかし、新たなスタートのための完璧なタイミングはありません。そのようなタイミングに自分を守ってくれる天使が舞い降りてくるわけでもないし、誕生日になったからといって魔法のようなことが起こることもないのです。



もっとも実践に適した日は「今日」であり、もっとも実行に適した時間は「いま」なのです。
それではまとめます。
- すべきだと思いながらも実行していないことを思い出してみよう。
- その中からひとつを選び、実行していない理由を考えよう。
- いますぐできることを探して、実行し、経過を書き留めよう。
最初の1%の行動に全力を注げ



「英語で日記を書きたいのに意欲がわかなくて・・・・・」



「好きな女の子に声をかけたいのに、その気にならなくて・・・・・」



「部屋の片づけをしなくちゃいけないのに、なかなかやる気が出なくて・・・・・」
何かしたいのに意欲がわかない人は多いです。
意欲がわかない理由は「やりたいことがあまりに難しくて、ちゃんとできそうもない」と思えるからです。だから、多くの人は手をかける前に夢をあきらめます。
では、どうすればいいのでしょう。
その答えは「いくら難しいことでも、その中から簡単にできる小さなことを探し出す」のです。
走り出しさえすれば、半分は終わったも同然
やる前はおっくうなのに、いざやり始めるといままでのめんどくささがなくなり、作業に没頭するという経験をしたことはありませんか?
食欲がないと思っていても、ひと口でも食べれば食欲がわき、散歩が嫌いな人でも、いったん外に出れば外出して良かったと思うように、なんでも行動に移すだけで意欲がわいてくるものです。
つまり、実際は、「意欲がなくて始められないのではなく、始めないから意欲がわかない」のです。
これは、意欲があろうがなかろうが、あることを始めれば、人間の脳の側坐核(そくざかく)という部分が興奮を始め、次第にそのことに没頭できるよう意欲をつくり出してくれるからです。


人間の脳は体がいったん動き始めると止まるにもエネルギーを消耗するため、していることを続けるのがより合理的だと判断します。
だから、やりたくないことでもいったん進み始めれば、脳が刺激を受け、たちまちそのことに集中するようになるのです。
心理学では行動の変化を起こすきっかけを「モメンタム」といい、これを活用した行動修正の方法を「行動モメンタム技法」といいます。
「とりあえず始めてしまえば小さな変化が起き、その小さな変化が次の変化を呼ぶ」
ですので、夢を実現するための最初の行動として、いますぐできる小さなことからやってみましょう。
ではこの「行動モメンタム技法」を使って小さな一歩を踏み出すためのステップを紹介します。
「行動モメンタム技法」のアクションステップ
- ステップ1 目標に関係することを、難しさの程度に従って順序づける
- ステップ2 嫌になったらいつでもやめると考えながら、いちばん簡単なことから始める
- ステップ3 ある瞬間、意外に多くのことを成し遂げた自分の姿を確認して驚く



❝初動を制すものは世界を制す❞という言葉がありますが初めの第一歩さえ踏み出せばあとは何とかなるものだということですね。
「行動モメンタム技法」を活用しながらぜひ実践していきましょう。
ではまとめます。
- やりかけて途中であきらめたことを探し、その理由を考えてみよう。
- その決心に関係して、もっとも実行しやすい小さなことを探して、リストアップしよう。
- 夢を現実にしてくれるモメンタム(きっかけ)になりそうな、単純でやさしいことをひとつ探して、すぐに実行しよう。
維持する
いかなるときも目標から目をそらさない
ある目標に集中すると、人間の脳は目標と関連したものだけに強く反応し、それ以外の刺激を無視するようになる。
これを「選択的注意集中」(せんたくてきちゅういしゅうちゅう)という。
しっかりとした目標を立てれば、そのときから変わり始めると著者は言います。
まず、出会う人と立ち寄る場所、読む本、記事、どんなテレビ番組を見るかも、話す会話の内容も変わってくるのです。最初に目標を立てるのは自分自身ですが、いったん目標が立てられると、今度は目標が自分を引っ張ってくれるのです。
ひとつの目標に集中すると、脳の高性能フィルターにスイッチが入り、目標に関連するものに対しては敏感に反応し、それ以外は目に入らなくなるのです。
目標から目をそらさずに周囲にアンテナを立てればヒントは勝手に集まってくる
では、その目標を立てた上で、日常にどのように取り入れていけばいいかですが、本書に参考になる話があります。
著者が、作家志望の学生から、このような質問を受けました。
「教授、その場その場でやるべきことがたくさんあるのに、目標から目をそらさないようにするにはどうすればいいですか?」
著者は、学生に「今日やるべきことは何か?」と尋ねると、彼はガールフレンドと映画を観るとのこと。
そこで著者は学生に、「ならば映画を楽しみなさい。本を書くときにその映画をどう生かせばいいかを考えながら」と答えました。
目的意識を持って生きるというのは、目的以外のことはやるなではありません。どこで誰と何をしようが、それを目標と関連づけて、目標の手綱から離さないということなのです。
いわば映画というのは本を書くうえで素材ということです。
見渡せば、自分の周囲には目標を助けてくれる素材が電波のように満ちているのです。自分がアンテナを立てさえすれば、それらは自分の目標達成を助けるために超スピードで集まってくるのです。
目標から目をそらさないための3つのトリガー
目標から目をそらさないため、忘れないために「刺激」を利用しましょう。目標行動を呼び起こす刺激を「触発刺激」(しょくはつしげき)といって3つのパターンがあります。
触発刺激の3つのパターン
- 言語的・常識的触発刺激
- 状況的触発刺激
- 社会的触発刺激
言語的・常識的触発刺激
たとえば、「禁煙」したい場合。
禁煙誓約書をつくり、公開の場に貼り出して大々的に宣言するのです。
やるべきことを忘れないようにするには、送信予約サービスを使って自分にメールを送ったり、パソコンの壁紙や携帯電話の待ち受け画面にやるべきことのリストを貼り付けるなど、自分に合った方法でやると有効です。
状況的触発刺激
たとえば、パソコンの使い過ぎで目が悪くなり定期的に休息を取らなければいけない場合。
自動的に時間を知らせてくれるパソコンのタイマープログラムを使うといったことです。
その他、ダイエットしたい場合なら、ブタの絵を冷蔵庫などに貼って、食べものを出そうとするたびに「このブタ!また食べるの?」と叫ぶ。笑顔を増やしたければ、笑っている写真を壁にかけるなども有効です。
社会的触発刺激
同じ目標を持つ人と一緒にいると、目標を忘れる可能性は小さくなるそうです。
勉強したければ、勉強のできる友達と付き合い、金持ちになりたければ金持ちになりそうな人と付き合う。
本当かどうかは知りませんが、スリムな人と一緒にいたらスリムになり、太った人と一緒にいたら太る可能性があるそうです。



それでは、目的から目をそむけないためのポイントをまとめます。
- 目標を立てたり決心しても、他のことにかまけて忘れしまい、実行できない状況を振り返ってみよう。
- いまからでも絶対に達成したい目標をひとつ思い浮かべてみよう。
- その目標から目をそむけないために自分が活用できる方法をひとつ探して、すぐに実行しよう。
雨が降るまで雨ごいをする
あらゆる可能性を試したとは思っても、まだ可能性は残っている。そして、表向きには目に見える変化がないにしても、内側では少しずつ変化が起こっている。
さらにチャレンジし続ければ、「この状態」から「あの状態」にとつぜん変わる瞬間、すなわち臨界点がやってくる。
いくら努力しても成果が表れないとき、いくら真心を尽くしても相手に伝わらないとき・・・あきらめてはいませんか?



「あれだけやったんだ。もうしかたがない」



「どうしてもわかってもらえない。もういくら謝罪しても許してもらうのは無理だ。あきらめよう」
とこんなふうにあきらめてしまう人は多いです。
ところが、相手はこんなふうに考えているかもしれません。



「もう1度だけねだられたら契約してやろうと思っていたのに・・・・・」



「もう一度だけ謝罪の言葉を聞けたら、許してあげてもいいかなあ・・・・・」
つまり、途中であきらめた人たちは、あきらめることを決心したとき、成功が目の前に迫っているという事実を知らなかったということです。
ほとんどの人は人間関係であれビジネスであれ、何度か試みても相手の態度が変わらなければ、これからも変化がないと判断します。
そこで、これ以上の努力は無意味だと考え、チャレンジをあきらめるのです。
ところが、たとえ相手が難攻不落の砦(とりで)のように動かない人物であっても、あきらめずにチャレンジを続ける少数の人がいるのです。
相手が表向きにはまったく動かないように見えても、チャレンジするたびに内側では少しずつ変化が起こっていると信じ、あきらめずに努力を続ければ、必ずいつかは相手の態度が変わる瞬間、つまり臨界点に到達するときがくると考えるのです。
それでは、相手が臨界点に達するためにやるべき方法を探っていきましょう。
動かない相手を説得する3つのステップ
- ステップ1 相手の身になって考えよう
- ステップ2 臨界点を仮定するにしても、同じ方法をくり返さないようにしよう
- ステップ3 大義名分と理由を提供しよう
すべては「相手本位」の行動をするということです。
自分が手に入れることだけを考えず、相手にとって実になるものを考えるのが第一にすることです。そのうえで、臨界点を想定しながらも違った角度で相手のメリットを提供できるようにすることが先決ですね。



ここまででまとめるとこのようになります。
- 「やるだけやったので、これ以上やってもしかたがない」と思ってあきらめらことを、ひとつ探すこと。
- そんな状況でも最後まであきらめずに挑戦し、望みをかなえた人がいる。彼らは自分とどこが違うのだろうか、と考えてみよう。
- これまでに説得をあきらめた相手を誰かひとり選び、その人に臨界点があると仮定して、変化を起こす方法を見つける。
『「後回し」にしない技術』の感想・まとめ
「毎日時間を決めて、目標について考える時間を持つ」
目標を達成するには目標が視野から離れないようにするべきです。また、目標達成が簡単に感じられるようにするには、毎日それに関連したことをやらなくてはいけません。
成功する人は、いくら多忙な毎日を送っていても、将来の夢に導いてくれる❝北極星❞を心の中に持っています。
たとえば、10年後に本を書きたければ、一日に15分ずつでも資料を集め、アイデアを整理する。20年後に幸せな老後を送りたければ、いま配偶者と子どもにどう接するべきかを考える・・・そんな時間を持つべきですよね。
それを考えると、目標も持たないダラダラと日々を過ごすことの無意味さを再確認できました。
本書は、目の前のやらなければならない面倒くさいことから、まだまだ先だと思いがちな10年先、20年先のことにまで、見据え、それを自分の資質ではなく技術で乗り切るための方法を教えてくれました。
この記事だは書ききれないノウハウがまだまだあります。
ぜひお手に取って読んでみてください。




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