
こんにちはコウカワシンです。
今回は、中谷彰宏(なかたに・あきひろ)さんの著書『20代をどう生きるか 楽しむための61の方法』から学ばせていただきます。
『20代をどう生きるか』は、どんな本?
『20代をどう生きるか』は、ズバリ!「20代必須の処世術読本」です。
本書はこのような本
20代というのは、社会に出て数年というなか、その社会に適応するために、いろいろともがく時期でもあります。
すべてがというわけではないにしても、初めて体験することも多く、その経験が後々の人生に大きく影響してきます。
いい時ばかりではなく、悪い時も必ずあり、もれなく何らかの失敗もするでしょう。
でもそれを恐れていては、前に進むことはできません。
本書の著者、中谷彰宏(なかたに・あきひろ)さんは、「立ち止まるより、迷走しよう」と励まします。
そこで「20代を楽しむための61の方法」を示してくれました。
本書は、20代、そして20代を取り巻く親御さんや上司といったサポートをする側の人にとっても読んでおきたい一冊です。
本書がおすすめな人
『20代をどう生きるか』がおすすめな人
- 環境の変化に、どう対応していいかわからない人
- 人との距離を、どのようにとればいいかわからない人
- 「やりたいこと」が、見つからない人




『20代をどう生きるか』の要点は?
「20代は自分自身を知る時代」だと著者は言います。
自分を知るとは、自分の得意だけでなく不得意も知ることです。
不得意については、失敗が付きものになりますが、この失敗によって「自分」を知ることができます。
20代は、社会に出てまだ間がない人が多いですから、心配の頻度が高くなるのは仕方がないし、むしろそれが「20代の特権」としてもいいくらいです。
たしかに失敗は反省すべきですが、一方で「失敗は成功のもと」です。
この失敗をどれだけ面白がれるかで、その人の個性が磨かれていきます。
本書は「20代の特権」的、悩みによる気づきを教えてくれる一冊です。



それでは、本書からわたしの独断と偏見で、「20代を楽しむ61の方法」から9つほど紹介したいと思います。
この記事から、「この本いいなあ」と感じたなら、ぜひ手に取って読んでみることをおすすめします。
自分自身を面白がろう
20代は、社会人になって数年です。まだまだ社会に適応していないため、ギクシャクして失敗が多くなり、それを苦に悩んだりすることがあるといいます。
でも不適応であることはある意味大切です。
というのもその不適応さゆえの失敗が、自分自身を成長させてくれるからです。
20代は、ちょうど川から海に出ていくところです。川の水と海の水が交わるところは、一番栄養が高いといわれ、うなぎもここで育ちます。
ですので、不適応における失敗で悩める自分を面白がりましょう。
幸福感の高い人は、自分をよく知っていると著者は言います。
「自分にはこんなところもあったんだ、こんなところもあったんだ・・・」という具合に、自分に興味を持ち、自分を好きになり、自分を面白がるのです。
自分を知れば、得意なことも、苦手なことも知ることができます。
もちろん強みを知ることは大事ですが、同じように苦手なことを知って、面白がることも、幸福感を高めます。
失敗は、自分自身が成長する機会でもあり、失敗することによって、「自分」という人間を知ることができるのです。
迷走は武器になる
20代は、迷う時期だと著者は言います。
「あれをしたり、これをしたり、したいことがいっぱいあって、、、でもどれをしてもうまくいかなくて、なんかウロウロしている・・・」と思う人は、少なくないでしょう。
でも断言します。
「迷わないよりは迷ったほうがいい」のです。
よくないのは、迷っている自分を「自分はいつもくよくよ迷っているからダメなんだ」と自分を卑下してしまうことです。
大事なことは、「迷わず直進すること」でもあり、「いろいろ迷ってウロウロすること」でもあります。
とにかく、体験することで経験値が上がります。経験したことがあることには迷いがなくなります。
将来、迷わないようになるためには、20代に迷うことです。
迷ったときに大切なのが、立ち止まらないことです。
これを「迷走」と言いますが、この迷走こそが将来の武器になります。
たしかに20代で成果は出ないかもしれませんが、20代では生まれなくてもいいと著者は言います。
30代から上の世代になったときに「20代であれをしていてよかった」と思えるだろうし、「なんで20代でしておかなかったんだろう」と後悔するよりはいいのではないでしょうか。
意見の違う人と、出会おう
20代では、今まで会わなかった人に、出会います。
価値観の多様性の海へ漕ぎだしたということですが、価値観の違う人と出会うことが格段に多くなります。
みんなの価値観が違うのは、当たり前と思いましょう。
というのも、20代でショックを受ける状況は、自分が好きで仲よしだと思っていた人と価値観が違うことに気づいたときだからです。
何かと意見が違うと、「好きだと思っていたのに、なぜ意見が違うんだ」と、悩むのです。
そのときに「なんだ、価値観が同じだったと思っていたら裏切られた。あの人、嫌い」と切り捨ててはいけません。
むしろ、「自分の考えとみんなの考えは違うんだ」と、面白がることが大切なのです。
意見の違う人と話すことで、自分の個性に気づけたりします。
ということで、どんどん意見の違う人に出会うことが必要です。
意見の違う人に出会いその考え方を肯定するメリットは、「自分の考え方が偏らない」ことです。
意見の違う人を避けて、同じ意見の人ばかりといようとすると、友達がいなくなりますし、詐欺にも遭いやすくなります。
いろんな意見に接している人は詐欺にかかりません。
ですので、自分の精神が病まない程度に意見の違う人に出会うことは、とても重要なのです。
新しい価値観を足そう
自分のダメなところについて、「もっとこうしたほうがいい」とアドバイスされて、「今までずっとこうしてきたのにそれを捨てなければならないのか」と悩み、ストレスを抱えてしまったことはありませんか?
こんなとき著者は、自分のダメなところを捨てなくてもいいと言います。
そのダメなところにもよりますが、それはひとつの価値観で考えた場合に「ダメ」だっただけです。
360度の放射状に広がっている価値観の中において、「いい」も「ダメ」もないということです。
その本来なら「ダメ」なところは、実は個性であって、それを捨てたらその人の個性がなくなります。
そこでどうするかというと、ダメなところは取っておいて、新しい価値観をどんどん取り入れて足せばいいのです。
たとえば著者は、前歯に隙間があることがコンプレックスで、歯医者で「歯列矯正で詰めることができないか」と聞くと、「それは中谷さんの個性ですよ。フランス人はわざとあけるんです」と言われたそうです。
実はこれを「天使のスキ間」といって、フランス人だけでなく、スーパーモデルもわざわざ手術して詰まっている歯にスキ間をあけますし、ジョニー・デップやタモリさんも前歯にスキ間があります。
つまり、前歯にスキ間があるというのは、人に好かれる大切な要素でもあるのです。
人によっては、「それはダメ。嫌い」と思っても、まわりから見るとプラスになっていることがあるのですから、そういった価値観を柔軟に足していけることが、楽しい人生を過ごせるコツだといえますね。
自信の前に、マナーを身に付けよう
「自信を持つことができない」という人はいませんか。
たしかに「自信」がたっぷりだと、何事も意欲的に取り組むことができます。
自信とは、気の持ちようです。しかし、その気の持ちようが一番難しく、それができれば苦労はないでしょう。
そこで、「自信が変えられないなら、マナーを変えよう」と著者は言います。
なぜなら、「マナーが自信になり、自信がマナーになる」からです。
たとえば、初めてきちんとした場所に呼ばれたときにあたふたするのは、マナーを知らないからです。だから、マナーを知ることで、初めての場所でも、あたふたしなくても済むのです。
これなら、今日からでもできますよね。
マナーは、20代になって知らない人と会う時に初めて必要になります。
というのも、10代までなら「子どもだから」という特別ルールで許されますが、20代ともなると「どうも許されないんだな」ということに気づきます。
そのような経験を多く重ね、マナーを覚えていけば、それだけで自信が生まれていきます。
「なんのために」を聞かない
何事も取り組む前に、「なんのために?」と考える人はいませんか?
たとえば、趣味の話をしたときに「それ、なんのためにやっているんですか?」と聞く人は、人間の行動にはすべて目的や理由があると思っているはずです。
でも、趣味って「好き」だからやっていることですよね。その「好き」は、目的や理由を超えたところにあるとは思いませんか。
目的意識をあまり持ちすぎることによって、「なんのために」という発想が生まれます。
さらに、目的意識が強いと「これは今回の自分の目的じゃないから」と切り捨てることにつながり、そういう意識のままだと、せっかく面白いものに出会っても見逃してしまう可能性があります。
そもそも、20代は教わることが多いし教わることが大切です。
教えてくれる人に「それはなんのためにするんですか」と聞いたら、教えてもらえなくなります。
職場のメンターに、「それをすると、どういったいいことがあるんですか?」と質問をすること自体、リスペクトがないといわれても仕方ないので、注意しましょう。
他者評価より、信用を手に入れよう
仕事を通して得られるものに成長と信用があります。
一つ一つ積み上げた信用で、また新たな仕事が手に入れられるのです。
信用は、失敗した後のリカバリーをどれだけ頑張れるかで手に入れることができます。
たとえば、習いごとをしている人で、大会で負けたらしばらく練習に来ない人がいます。
大会前に猛練習に打ち込んでいても、大会が終わったらパタッと来なくなるのですが、こういう人は信用されません。
大会の前も後もコツコツ同じペースで練習に来ている人は信用されます。
大会で負けたあとも頑張って練習している人も信用されます。
信用は、うまくいっている時ではなく、うまくいかない時に生まれると著者は言います。
コツコツと信用を積み重ねることを「信用貯金」といいますが、信用貯金の多さで、その先で失敗しても許してもらえます。
20代といったら失敗の時代ですよね。
失敗を許してもらえるかどうかは、それまでにどれだけ信用貯金を蓄積してきたかで分かれてきます。
イヤな対応に、イヤな対応で返さない
人間関係において、相手からイヤな対応をされたらムッとしますよね。
でも「ムッとする必要はない。考え方の枠組みを変えるとよい」と著者は言います。
イヤな対応をされたら、「気を使わずに済んだ」と考えればいいのです。
相手がイヤな態度をするのは、気を使われることを求めていないといいうことだからです。
ですので、こちらも「かまって欲しくないんだな」と考えて離れればいいのです。
時間と精神的なエネルギーを消耗せずに済んだので、相手に感謝すればいいということです。
その分のエネルギーを感じのいい人に回せばよく、それによって、見た目の対応は何も変えてはいけません。
イヤな対応の人に対して、むしろやさしくするという感覚でいたほうが賢い20代と思われるのではないでしょうか。
うまくいかなくても、ゴキゲンでいよう
何かに取り組んでいるときに、まだあきらめる段階ではないのに、やる気をなくしてしまう人がいます。
一方で、「これはもうあきらめるしかないんじゃない」という時でも、やる気をなくさない人もいます。
勝ち負けは誰が決めることではなく、「どこで自分がやる気をなくすか」で決まります。
つまり、「やる気をなくさなければ、勝ち」なのです。
その人がまだやる気があるかどうかの分かれ目は、ゴキゲンかどうかだと著者は言います。
たとえ結果がどうであれ、どこまでもやる気をなくさないことが大切です。
そんなときの態度は、「うまくいってもゴキゲン、うまくいかなくてもゴキゲン」でいることです。
20代は、うまくいかない時のほうが多いはずです。
10個のうち9個はうまくいかないこともありますが、1対9にはなりません。
1個うまくいったら、イヤなことは全部忘れるからです。その1個に出会うために、数をこなしましょう。
ですので、うまくいかなかった時に、「もう金輪際やらない」ではなく、「よし!次こそは」と、またチャレンジするのです。
再チャレンジし続けることが20代の宿命です。
そして再チャレンジこそが、ワクワクを生み出してくれるのです。
『20代をどう生きるか』の感想・まとめ
人生は始まったばかり。「20代の自分」と、戦い続けよう。
「20代の自分」と一括りにはしましたが、本書は20代だけではなく、どの年代の人が読んでも共感する部分がたくさんあります。
だって、「いまの自分」があるのも、20代があったからこそですよね。
20代から上の世代の人は、自分の経験を語ってあげられます。
決して説教ではなく、自分の経験として話してあげることが大前提ですが、誰でも20代を通過して今があることは貴重だからです。
20代のスピリッツは冒険心だと著者は言います。
たとえば、ファッションデザイナーは、売れてくるとたくさんライバルが出てきますが、実際のライバルは20代の自分なのだそうです。
20代のときに燃やした熱い思いをいまの自分と重ねて戦っていて、だからそのエネルギーが70代、80代になっても衰えないのです。
だからじゃないですが、20代のときにどれだけのことをするかで、この先の人生が開けてくるのではないでしょうか。
もちろん、30代、40代、そして50代の人が冒険心を持つことは大事です。
自分の方向性が見えなくなったとか、軸になるものが欲しいと感じたら、ぜひ本書を読んでみることをおすすめします。
『20代をどう生きるか 楽しむための61の方法』は、現在(2023年3月23日時点)amazonの本読み放題サービス「キンドルアンリミテッド」の対象になっています。
キンドルアンリミテッドは、ビジネス書からマンガまで幅広いジャンルの本が読み放題です。ぜひこの機会にご検討ください。
『20代をどう生きるか』の概要
本書の目次
『20代をどう生きるか 楽しむための61の方法』
まえがき 20代は自分自身を知る時代。
第1章 20代の迷走は、武器になる。
第2章 20代は相手との距離を、近づけすぎない。
第3章 「どんな人になりたいか」で、今日すべきことが変わる。
第4章 20代は仕事を通して、成長と信用の2つを手に入れる。
第5章 20代の運は、想定外のトラブルのド真ん中にある。
あとがき 20代のスピリッツは、ずっと残り続ける。
著者の紹介
中谷彰宏(なかたに・あきひろ)
1959年大阪府生まれ、早稲田大学第一文学部演劇科卒業。
84年、博報堂に入社し、CMプランナーを務める。
91年、独立、(株)中谷彰宏事務所を設立。
著書は、『なぜあの人は人前で話すのがうまいのか』『なぜあの人は整理がうまいのか』(ダイヤモンド社)など、800冊を超す。
「中谷塾」を主宰し、全国で、セミナー・ワークショップ活動を展開。
2008年からは自社でも、「中谷塾」ブランドの書籍を刊行している。
公式サイト:http://www.an-web.com/
主な著書
『50代でしなければならない55のこと』ダイヤモンド社; 第1版 (2015/2/5)
『面接の達人』ダイヤモンド社; 第1版 (2018/11/7)
『好かれる人の言いかえ』リベラル社 (2023/1/18)
『色気は、50歳から。』春陽堂書店 (2022/11/28)
『期待より、希望を持とう。』自由国民社 (2022/12/20)
『カッコいい大人になろう』エムディエヌコーポレーション(MdN) (2022/3/30)
『いくつになっても「求められる人」の小さな習慣』青春出版社 (2019/7/23)
『好かれる人は話し方が9割』リベラル社 (2022/5/26)
『1秒で刺さる書き方』ユサブル (2018/7/13)
『高校時代にしておく50のこと』PHP研究所 (2009/10/16)
『「また会いたい」と思われる人 「二度目はない」と思われる人』リベラル社 (2019/2/15)
『成功する人は、教わり方が違う。』河出書房新社 (2017/5/24)
『いい女は「涙を背に流し、微笑みを抱く男」とつきあう。』PHP研究所 (2017/2/17)
『30代が楽しくなる方法』リベラル社 (2018/1/18)
『「理不尽」が多い人ほど、強くなる。』PHP研究所 (2018/5/22)
『50代でうまくいく人の無意識の習慣』青春出版社 (2020/8/20)
『強引に、優しく。』学研プラス (2011/9/13)
『人はマナーでつくられる』青春出版社 (2022/5/9)
『自己肯定感が一瞬で上がる63の方法』PHP研究所 (2020/2/4)
『自分を変える 超時間術』リベラル社 (2017/2/15)
『メンタルと体調のリセット術』リベラル社 (2021/2/25)
『中学時代にガンバれる40の言葉』PHP研究所 (2015/7/15)
『入社3年目までに勝負がつく77の法則』PHP研究所 (1998/2/28)
『人とは違う生き方をしよう。』秀和システム (2018/5/20)
『生涯、超一流であり続ける人の 自己演出力』PHP研究所 (2019/12/31)
『中学時代にしておく50のこと』PHP研究所 (2008/10/23)
『眠れなくなるほど面白い哲学の話』リベラル社 (2020/4/30)
『チャンスをつかむ超会話術』リベラル社 (2017/6/30)
『メンタルが強くなる60のルーティン』PHP研究所 (2016/6/15)
『いい女は「言いなりになりたい男」とつきあう。』 PHP研究所 (2016/2/22)
『頑張らない人は、うまくいく。』学研プラス (2017/12/12)
『「あと1年でどうにかしたい」と思ったら読む本』主婦の友社 (2022/2/18)
『ファーストクラスに乗る人のお金』PHP研究所 (2013/12/11)
『一流の時間の使い方』リベラル社; 初版 (2015/3/17)
『40代がもっと楽しくなる方法』 リベラル社 (2018/1/18)
『ファーストクラスに乗る人の自己投資』PHP研究所 (2016/12/9)




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