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『キリンビール高知支店の奇跡』から学ぶ劣勢になったときこそ原点に立ち戻るマインド

コウカワシン

こんにちはコウカワシンです。

今回は、田村潤さんの著書『キリンビール高知支店の奇跡 勝利の法則は現場で拾え!』から学ばせていただきます。

みなさまは、ふだん、どのメーカーのビールを飲んでいますか?

わたしはやはり、アサヒスーパードライをよく飲んでいますね。なんといってもアサヒの工場が四国にあるのと「ビール=アサヒスーパードライ」というイメージが強いからですが、これはだいたい、いつからでしょうかね。

わたしの子どものころ・・・だいたい昭和40年、50年代といったところですが、父がよく大瓶のキリンラガービールを飲んでいたのを思い出します。あの当時はビールと言ったら「キリン」だったんです。

それが、アサヒが1987年に発売開始した「アサヒスーパードライ」がまたたく間に大人気となり、1998年にはビール国内シェア首位に躍り出ました。

その後の販売シェアの移り変わりは下の図の通りになっているとのことです。

出典:株式会社サンリオIR資料(2020年3月期)より

この図を見てもわかるとおり、アサヒビールが国内シェア1位になるまでは、圧倒的にキリンビールが高いシェアをもっていたのです。

スーパードライの台頭により首位の座を奪われたキリンビールですが、2020年の上半期には、アサヒを逆転して首位に返り咲きました。

まだまだ道半ばなのでしょうけど、ここまでの道のりにはたいへんな企業努力がありました。

その陣頭指揮を執ったのが、『キリンビール高知支店の奇跡 勝利の法則は現場で拾え!』の著者で、元キリンビール代表取締役副社長兼営業本部長であった田村潤さんです。

田村さんは、1995年、高知支店長に就任。当時は、同社内でも最下位ランクの業績だった高知支店において、企業理念の浸透、それに基づいた行動スタイルの改革を行い、支店長就任6年後、県内トップシェアを奪回し、V字回復を実現しました。

その実績を買われ、四国、東海地区の営業本部長としてそれぞれの地域のシェアを反転させ、本社代表取締役副社長、営業本部長と実務の伴なう要職に就任。

高知、四国、東海で学んだ「勝ち方」を全国で展開し、2009年、ついに全国でのキリンビールシェア首位奪回を果たされたのです。

なんといっても高知支店長時代の経験が花開いたといえるのです。

本書は、田村さんの行った改革をドキュメンタリータッチで、書かれています。

そして本書は、amazonの本読み放題サービス「キンドルアンリミテッド」の対象本です。

キンドルアンリミテッドは、ビジネス書からマンガまで幅広いジャンルの本が読み放題です。ぜひこの機会にご検討ください。

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目次

『キリンビール高知支店の奇跡』が、おすすめな人は?

本書が、おすすめなのはこのような人です。

『キリンビール高知支店の奇跡 勝利の法則は現場で拾え!』が、おすすめな人

  • 営業マン
  • 企画担当者
  • 組織のリーダー
タロー

ぼくのお父さんは、1日の締めくくりにビールを飲むのを楽しみにしてるんだ~。

飲むビールは、だいたい決まっていて「アサヒスーパードライ」か「キリンラガービール」。

どちらも好きだけど、夏に飲むならコクとキレのいいアサヒスーパードライだし、冬に飲むなら濃い苦みのキリンラガーがいいっていってた。

パソコンくん

そうだね。

1日の終わりにビールで疲れを癒し、「明日も仕事がんばろ!」っていう人はかなりいるとされているよ。

やはりビール界の巨頭といったら「アサヒスーパードライ」と「キリンラガービール」だよね。

最近では「アサヒスーパードライ」が国内シェア1位だったそうだけど、それを「キリンラガービール」が11年ぶりにシェア1位を奪回したってニュースになったね。

キリンが11年ぶりビール首位奪還、没落アサヒに残された「大逆転シナリオ」

このキリンがシェアを取り戻すきっかけをつくった人が元キリンビール株式会社代表取締役副社長の田村潤さんだよ。

田村さんの著書『キリンビール高知支店の奇跡 勝利の法則は現場で拾え!』は、そのあらすじが刻々と書いてあるんだ。

これは決して誰もマネできないっていうことではないとビジネス書の要素も備えているんだ。

だから、企業で働く人やライバルに勝ちたいという目標がある人は読んでみる価値があると思うよ。

『キリンビール高知支店の奇跡』は、どんな本?

本書の目次

『キリンビール高知支店の奇跡 勝利の法則は現場で拾え!』

はじめに

第一章 高知の闘いで「勝ち方」を学んだ
■1995年 高知の夜は漆黒だった
■1996年 負け続けの年
■1997年 健康になろう
■1998年 V字回復が始まった
■2001年 ついにトップ奪回

第二章 舞台が大きくなっても勝つための基本は変わらない
■四国での闘い 違う市場でも基本を貫く
■東海地区での闘い 現場主義の徹底
■全国での闘い そして勝利

第三章 まとめ:勝つための「心の置き場」

あとがき

著者の紹介

田村潤(たむら・じゅん)

1950年、東京都生まれ。

元キリンビール株式会社代表取締役副社長。

成城大学経済学部卒。

95年に支店長として高知に赴任した後、四国4県の統括本部長、中部圏の統括本部長を経て、07年に代表取締役副社長兼営業本部長に就任。

全国の営業部の指揮を執り、09年、キリンビールのシェアの首位奪回を実現した。

その他の著書

負けグセ社員たちを「戦う集団」に変えるたった1つの方法』PHP研究所 (2018/8/31) 

共著

人生に奇跡を起こす営業のやり方』PHP研究所 (2018/12/14)

本書の内容

『キリンビール高知支店の奇跡』は、ズバリ!「キリンビールがシェア挽回する道のりをたどったドキュメンタリー」です。

amazonの書籍紹介より

アサヒスーパードライから、ビール王者の座を奪回せよ――地方のダメ支店発、キリンビールの「常識はずれの大改革」が始まった!筆者はキリンビール元営業本部長。

「売る」ことを真摯に考え続けた男が実践した方法とは?

驚異の逆転劇から学ぶ、営業の極意、現状を打破する突破口の見つけ方!大切なのは、「何のために働くのか」「自分の会社の存在意義は何なのか」という理念を自分で考え抜くことだ!

アサヒスーパードライから、ビール王者の座を奪回せよ――地方のダメ支店発、キリンビールの「常識はずれの大改革」が始まった!

筆者はキリンビール元営業本部長。

「売る」ことを真摯に考え続けた男が実践した逆転の営業テクニックとは?

地方のダメ支店の逆転劇から学ぶ、営業の極意、現状を打破する突破口の見つけ方!

大切なのは「現場力」と「理念」。
組織のなかでリーダーも営業マンもひとつの歯車として動いてしまうと、ますます「勝ち」からは遠ざかってしまう。

そんなときこそ、「何のために働くのか」「自分の会社の存在意義は何なのか」という理念を自分で考え抜くことが、ブレイクスルーの鍵となる。

必死に現状打破を求め続ける、すべての営業マンに送る本!

筆者が行ってきた改革の例
1.会議を廃止
2.内勤の女性社員を営業に回す
3.本社から下りてくる施策を無視
4.高知限定広告を打つ
5.「ラガーの味を元に戻すべき」と本社に進言……など

コウカワシン

著者の田村潤さんは、キリンビール高知支店長、その後、四国4県の統括本部長、中部圏の統括本部長を経て、20007年に代表取締役副社長兼営業本部長に就任し全国の営業部の指揮を執りました。

そして2009年、キリンビールのシェアの首位奪回を実現したのです。

全国的に人気の強かったアサヒスーパードライに勝つためには、今何をするべきかを考え実践されてきました。

その上で参考になったのが、「小さなことをコツコツと積み上げていき、成功体験を増やし、それを徐々に広げていく」といったことです。

これは、どの分野でも再現性のある行動と言えますよね。

そこで本書から、「組織を束ね成功体験を積み上げていく」ためのヒントを得ようではありませんか。

『キリンビール高知支店の奇跡』の要点は?

1954年から1998年までは、キリンビールが国内シェア1位として君臨していました。しかし、1987年にアサヒビールが「スーパードライ」を発売したことにより徐々にシェアを奪われていき1998年に首位を明け渡すことになったのです。

そのような状況で、著者の田村さんは左遷ともいえる人事で全国でも苦戦していた高知支店へと異動になります。

しかし、試行錯誤しながらの厳しい闘いの末、赴任から2年半後に高知支店の業績を回復し高知県においてアサヒビールからトップシェアの座を奪い返したのです。

そしてこの闘いの本質はライバルとの闘いというよりは「自社の風土との闘い」であることに気づかれたそうです。さらに高知支店で得た教訓が、2009年にアサヒビールから国内シェア1位を取り戻す原点になったとされています。

この考え方は、さまざまな業界の営業マンが身につけるべきものごとのとらえ方であるとされたのです。

コウカワシン

そこで、本書からわたしの独断と偏見でポイントを紹介します。

キリンビール高知支店の取り組み

本書で大事にしているキモとして、「高知支店の取り組み」をクローズアップしなければいけません。

実は、どのような業種でも国際的なブランドビジネスをやっている企業では、海外で闘うにしても、やはり日本の地方にあるエリアで、勝ち方を極めることが非常に大事だと知っているからです。

そこで、著者の田村さんが高知支店で行った取り組みはまことに生きた教科書といえるでしょう。

そこで、取り組みを3つほど取りあげてみます。

ターゲットを料飲店に絞る

料飲店(レストラン・居酒屋・焼肉屋・ビアホールなど)で飲まれるビールはビール全体の25%でしかないそうです。つまり75%は家庭で飲まれているということですが、家庭で飲まれる市場には営業力は効きにくいことがわかりました。

なぜなら、家庭で飲まれるビールを販売する量販店では、「そのときに売れる商品を前面に押し出し、売り上げ・利益を最大限にするというやり方」をするからです。

そこで、ターゲットを飲料店に絞り、お店に顔を出して「マスター!キリンにしてください!」と頭を下げて回ったのです。

たしかにそんなに簡単にはいきませんが、「そこまで一生懸命やるなら、とってやるか」と営業マンの努力次第でブランドスイッチが起きることもあります。

ということで、料飲店では、営業力で数字が上がりやすく、お店でビールを飲んだお客さんが「やっぱりキリンがうまい」となったときには、家庭で飲むビールのブランドスイッチもあり得るのです。

売り上げに直につながる量販店のような大きな市場に注力するべきでしょうけど、本来の営業力が効きやすい市場にターゲットを絞ることを徹底したのです。

実際、高知は外で飲む機会の多い県民ということを考慮し、料飲店に営業力を注ぐ意義は、25%におさまらないはずという目論見を持ったのです。

エリアコミュニケーション

アサヒに国内シェア首位を明け渡したころ、キリンも主力の「ラガービール」の味を変え、起死回生を図りました。けど、不評につき売り上げが急落したのです。

高知では、アサヒ「スーパードライ」に波が来るのが全国的に遅かったのですが、その波がとうとうやって来て県内のシェア1位を奪われたのです。

しかし、危機感を持った田村さん及び高知支店の営業マンは、ねばり強い営業努力で料飲店との信頼関係を築いていきました。田村さん自身も現場を回り、高知県内でもキリンが強い地域、弱い地域があるということに着目したのです。

キリンが弱い地域での聞き取りで、気になったのがアサヒを飲む理由として多かったのが「ただなんとなく」です。その地域の温泉施設などがアサヒを置くと、それが目立ち、その地域の人はアサヒ支持者になってしまうのです。

つまり、ビールという商品の特徴として「目立つ場所にたくさん置いてあるから売れていて美味しいビール」という情報やイメージが大衆心理に押し寄せるのです。

そこで取った戦略が「エリアコミュニケーション」です。

お客様にキリンを選んでもらうには、「メジャー級」「元気感」「売れている感」「安心感」というイメージを持っていただく必要があります。

そのためには「全国的に流している広告ではダメだ、高知の人に訴求できるインパクトのある広告が必要だ」ということになったのです。

いろいろとラジオなどのメディアを使い高知県民向けのメッセージを発信しましたが不発。失敗を反省し打ち出したキャッチコピーが「高知が、いちばん。」です。

高知県のひとりあたりのラガーの大瓶の消費量が全国1位であることの感謝広告は、地元新聞の15段広告として掲載するにとどめず、キャンペーンとしてラジオでも展開されました。

ラジオは高知県民にとって、ライフラインです。ですので、車に乗っている人、農作業をしている人、またそれ以外でも広く聞かれているメディアなのです。

するとしだいに「高知ではキリンが売れているのか。じゃあ、またもう一度キリンを飲んでやろうか」という気持ちを喚起することができたのです。

昔のラガー復活を本社にかけ合う

アサヒスーパードライにシェアを奪われていくのは高知の場合も同じでしたが、1996年にキリンは主力ラガービールを熱処理方式から熱処理しない「生ビール」に品質変更し、アルコール度数を4.5%から5%に引き上げました。

明らかにスーパードライに対する対抗措置としての路線変更でしたが、これが不評。それまでキリンラガーを愛していた人たちが「オレの愛してるブランドを勝手に変えた!」と怒ったのです。

ラガー瓶消費量日本一の高知県の市場は、ラガーの味覚変更にハッキリとノーと言い、料飲店を回る営業マンは何かにつけ「味を元に戻せ」「あの苦みが良かったのに」と言われ続けたのです。

田村さんのところには知り合いのクリニックの院長先生から昔のラガーを復活してほしいという内容の手紙まで届き、ラガーをこんなにも愛してくれている人の多いことや、ファンを裏切ってしまったことを痛感したのでした。

そこで、「キリンは高知の人を裏切った。だから信頼を取り戻さない限り、勝ちもない」と考え、ラガーの味の復活を機会を見つけては本社に進言し続けました。

本社側としては「現場の事情はわかるが、ここで味を戻したら、キリンがぶれていると思われる」というに留めていました。実際に社長が高知支店に来訪したときに支店の女性社員が「ラガーの味を元に戻してください」と直談判しました。

結局その場の社長は「ラガーの味を元に戻すのはだめだ」と言葉を残し、東京に帰ったのですが翌日の新聞社の取材で「現場の声でこういうことがあるので、ラガーの味を元に戻す」と言ってしまったのです。

当然新聞の記事になりました。これを機に予想もしなかった形でラガーの再リニューアルが決定したのです。

田村さんが行った改革

1995年に支店長として高知に赴任した後、四国4県の統括本部長、中部圏の統括本部長を経て、2007年に代表取締役副社長兼営業本部長に就任された田村さんですが、その間にいろいろと改革をされてきました。

その中から3つほど紹介します。

田村さんが行った3つの改革

  1. 会議を廃止
  2. 内勤の女性社員を営業に回す
  3. 本社から下りてくる施策を無視

1.会議を廃止

東海地区本部長として東海地区に赴任したときに現場主義を徹底するために「会議の廃止」を行います。最初は「会議がなければ本社への報告ができない」と不満があがりましたが断行したのです。

しかし、これにより「犬猿の仲」だった営業部門と企画部門の関係が良くなりました。

というのもそれまでは、企画は、「営業が悪い」と言い。営業は、「市場の実態を知らない企画ができもしないことを指示してくる」として仲が悪かったのです。

でも、会議がないので企画部門の担当者は報告の材料が手に入りません。しかたなく現場の人間に話を聞きに行くようになり、自然、企画部門の目も現場に向くようになり、関心を持つようになったのです。

そうなった営業マンが現状を伝え、うまくいくための提案もするようになりました。すると、お互いの不満に思っていたところが解消され関係が良くなったのです。


2.内勤の女性社員を営業に回す

田村さんが高知支店に赴任した当時、男性の営業マンは全国採用で高知に転勤してきた人9名、女性2名は地元採用でした。そんな2名の女性の仕事は営業マンのサポートのみでした。

電話を取るために女性2名は会議にも出ない状況に田村さんは「会議にも出ないで会社の状況をわからずに電話に出られるの?」と言って、女性社員にも会議に出てもらい、高知支店の現状や施策、考え方を共有してもらうことにしたそうです。

その結果、営業マンの大きな力となり、意見も出し、高知支店の欠かせぬ戦力となってくれたそうです。

  • ビールサーバーの手配
  • 料飲店からの電話対応
  • 予算の管理

など、それまでは営業のサポートのみでしかなかった女性社員が、「仕事が面白くてしょうがない」と土日にわざわざ出勤して仕事をこなすまでになったといいます。

例の「高知が、いちばん。」というキャッチコピーも一緒に昼食をとりながら相談したときに生まれたアイデアだといいます。地元採用ならではの意見といえますが、女性の目線の鋭さは、やはり特別ですね。

そして、四国4県の統括本部長となってからも、内勤女性を配置転換し、営業現場にも出てもらうことになったのです。というのも営業マンが不足しており、総人員を増やすのが難しかったからです。

暑い日、寒い日の外回りは、これまでの居心地のよい環境から比べると過酷で、初めての経験に悲壮感を漂わせる女性社員もいましたが、しばらくすると目を輝かせ業績を上げ始めたそうです。

現場に出てみて、キリンの一員であり、会社に貢献できていることを実感できたことも大きいし、得意先からも評価が高く、もはや女性営業は社内でも「宝の山」となったからです。


3.本社から下りてくる施策を無視

田村さんのすごいところは、本社からの施策でも「高知では合わない」ということは無視をしたところです。

高知支店長として着任したころの高知支店は、「言われたことをこなす」ということしかやっておらず、なおかつ、その結果負け続けている、という体験しか持っていない社員ばかりでした。

そこで、市場に勝つための闘いと、営業マンを変えていくというインナーでの闘いの両方を断行したのです。営業マンを変える方法として休日返上で研修を行うなどし、「自ら行動して方向を見いだそうとする姿勢」を持たせるようにしました。

そして高知に根差した営業活動の一環として取り組んだ「料飲店への訪問」を強化したのです。高知支店が目標をもち動き出すなかで、本社から下りてくる施策をやっている余裕はありません。

というのも、本社の施策がまずいから全国的に売り上げが低迷しているのです。

支店長として本社からの施策の一部に対して「これは流しておけ!」と指示は出しますが、負の連鎖を断ち切るには、捨てるときは捨て、狙いを絞るしかないと腹をくくったのです。

そういった姿勢は四国地区本部に伝わることになり、「本社から命じられた指標が高知だけ悪い」と指摘されることになります。ですが、「1年経てば指標は良くなる」と突っぱねて、信念を持ち高知ならではの営業活動を展開したのです。

というのも高知は高知のニーズがあったからです。

  • 高知では、スーパードライよりもラガーの方が売れていた
  • ラガーの味が変わったせいで、売上が急落
  • 本社の施策を達成するためだけに動くようになると、得意先に行くたびにこちらの言うことが違ってくる


このような視点でいくと、本社のお仕着せの施策は、ちょっと横に置いておくことが適当と考えるのも無理はないですよね。

しかし、結果が出なければ支店長の責任問題が降りかかるのも当然のことで、それは相当な覚悟がいったことでしょうね。


勝てる組織として大事なことは「理念」

高知が起点となり、アサヒスーパードライからキリンラガービールがシェア1位を奪回することができました。

田村さんの手腕が大きいといえるのですが、「闘う集団化した高知支店の面々を動かす原動力な何だったのか?」ということになるとこれはやはり「理念」ではないかと思うわけです。

「何のために働くのか」「自分の会社の存在価値は何か」という理念を自分で考え抜き、そこに基づいた行動スタイルをとることが打開する鍵になったということです。

キリンビール高知支店の理念は、「美味しいビールで高知の人を幸せにする」です。

そのためには、「どこに行ってもキリンビールがある状態にする」ことが必要です。

人は、「ただのビールではなく、今一番売れているビールを飲みたい」と思っています。だったら、高知ではキリンビールがどこにでもあって、1番目立っているという状況をつくり出せばいい」という戦略も見えてきます。

田村さんが高知支店の営業マンに課した目標はかなり高いハードルとなりました。ですが、高知支店が結束して目標をクリアしようとした原動力はやはり理念であり個々の思いの他はないと思うのです。

もし、「何のためにやるのか?」という理念がないまま実行していたら、ここまでの成果は出ていなかったでしょうね。

つまりなぜ「理念」が必要かと聞かれたら、

  • 自分たちの向かう方向が明確になる
  • 誰のために頑張れるかの励みになる
  • 自分たちが提供する商品の価値を意識するようになる

という目的がくっきりと表れるからだといえるでしょう。

勝てる組織というのは、同じ理念を持った個々の営業マンが、「自分で考えるセールス」を実践しています。

組織のリーダーは、たしかに経営という面の視点も必要ですが、「理念」という原点に立って現場を注視し適切な対策を取ることが目標達成には欠かせないということです。

そのことをこの『キリンビール高知支店の奇跡』は教えてくれた気がします。


『キリンビール高知支店の奇跡』の感想・まとめ

リーダーのマネジメント能力が大事。

本誌を読んでいてわかるのが、リーダーのマネジメント能力です。

「何が必要で、それをするにはどのようにし部下に浸透させるか」という本質の部分がわかっていなければ、組織の強化は図れませんし、弱体化の一途をたどることになります。

田村さんがこだわったのが「全国の常識が高知では通用しない」という地域によって違うニーズの着眼でした。それは高知だけにとどまらず全国のどの地域にもいえることです。

その土地柄、県民性というのはそれぞれ特色があるものです。そこを無視して量販ができるわけがありません。

たしかにブームや時代の波というのはあるかもしれませんが、本質を知り地道な努力を愚直に続けることが、起死回生のきっかけになるのは間違いないということです。

その中で、制限があるのはしかたがないことです。では、それをうまく利用するということが全体の総力を上げることになるというのは「ひょうたんからこま」ではなくて、すごく自然なことなんでしょうね。

一生懸命やっているのに成果が出ないという人はぜひ読んでみてください。もしかしたら成果につながるヒントを本書から見つけることができるかもしれません。

それよりも、この『キリンビール高知支店の奇跡』というドキュメンタリーは、読み物としておもしろいので、ぜひたくさんの人に読んでいただきたいですね。

コウカワシン

最後までお読みいただきありがとうございます。

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この記事を書いた人

四国在住。
ミニマリスト。趣味は映画観賞と音楽鑑賞、読書、野球観戦。
映画は特に好き嫌いなくほとんどのジャンルーを観ます。音楽はジャズとクラシックが大好きです。読書は歴史書が好きでよく読みます。

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