
こんにちはコウカワシンです。
今回は鎌田實(かまだ・みのる)さんの著書『ちょうどいい孤独』から学ばせていただきます。
『ちょうどいい孤独』はどんな本?


『ちょうどいい孤独』はズバリ!「自立し自己肯定感を上げるためのメソッド」です。
本書はこのような本
鎌田實(かまだ・みのる)さんは、医師で作家。そして長野県の諏訪中央病院の名誉院長です。
大学卒業後、地方の医療事情改善、そして地域の人たちの健康環境を改善する運動に取り組まれました。その活動のおかげで赴任先のもともと短命で有名だった長野県は全国有数の長寿県に生まれ変わったのです。
現在では、「人生100年時代」といわれて久しいですが、それにともない「孤独」や「孤立」といったことが今の日本社会の大きなテーマになってきているといいます。
とくに60代からは、今までとは生活環境が変わった人もたくさんいると思います。ましてや今はコロナ禍であり、自ら「望まない孤独」というものに悩み、孤独というものを否定的にとらえ、さびしさを感じている人がかなりいるそうです。
鎌田さんは、それとは反対に「望んで得る孤独」を提唱しています。
「望んで得る孤独」とは、人と会えなくてさびしいけど、その分、自由な時間ができたのでやりたいことがやれるようになった」と、好意的なとらえ方をするというものです。
そこには、親や子がいようと、配偶者や友達がいようと、結局「人間はひとり」という事実からは逃げることができないという現実があるのです。
ですので、❝孤独を癒す❞のではなく、❝孤独を楽しむ❞という考え方の方が前向きだと鎌田さんは言うのです。
そんな❝孤独を楽しむ❞活動を鎌田さんは「ソロ活」と呼びます。
本書は、「ソロ活」をはじめ、それぞれの年代における「孤独との向き合い方」について参考になる一冊であります。
本書は誰におすすめか?
本書は、このような人におすすめです。
『ちょうどいい孤独』がおすすめな人
- 老後生活に不安がある人
- 孤独に対しネガティブな人
- いつも他人の目が気になる
『ちょうどいい孤独』の要点は?


「孤独」「孤立」が、いまの日本社会の大きなテーマになっているそうです。
新型コロナウィルスの感染拡大で不要不急の外出自粛が求められ、「ソーシャルディスタンス厳守」の掛け声のもと、人々の距離は急速に疎遠になっています。
感染の危険性や経済的な先行き不安以外にも、自粛生活による欲求不満、そして在宅、テレワークなどで働き方が急激に変わり、それに対応できずに孤立感を深め精神異常を訴える人も多いそうです。
とはいえ、コロナ以前にも「孤独感」を感じる人は多かったです。その背景にあるのが原因の一つにあげられる「老後不安」です。
時間はたっぷりあって、貯金もそこそこという人でも、やはり老後への不安を抱えているのが現実です。その不安というのが「孤独やさびしさ」という孤立感につながっているのです。
そこで考えたいのは、「孤独」と「孤立」というのはまったくの別物で、孤立はいけないけど、孤独は決して悪いものではないという意識改革です。
本書は、「孤独」というのを理解し、むしろ楽しむ意識に変えることが人生ハッピーだよと、説いてくれているのです。



著者はその不安を逆手にとって「自分の生き方は自分で決める」と居直るべきだと提言しています。
これは何も老後を迎えたお年寄りだけではなく、孤独感に打ちひしがれそうな現役世代にも言えることだと感じました。
そこで、本書の要点をわたしの独断と偏見で紹介させていただきます。
「孤独」のすすめ
「孤独」と「孤立」は違う
まず最初に孤独を恐れる背景にあるのが「一緒に楽しく過ごせる仲間がいない」というさびしさです。
人生は100年時代に突入し、たとえ配偶者や子どもがいたとしても、最後はひとりになるケースが多いので、ますます孤独感が募ってしまうということです。
しかし、そこがそもそも間違いであり、孤独というものを孤立と勘違いしているから、「孤独は悪」と決めつけているのです。
「おひとりさま」という言葉が生まれて数年になりますが、その中でもシングルライフを快適に過ごしている人とそうではない人に分けられます。
シングルライフを快適に過ごされている人の特徴というのが、
- 世間体を気にしない
- ひとりで生きていける力がある
- いざというときに頼れる友達がいる
- 自分が❝おひとりさま❞を選んでいる自覚がある
です。
世の中には、誰かと一緒にいるのが楽しいと思う人がいるように、ひとりのほうが快適だと感じる人もいて、「ひとりランチ」「ひとり旅」「「ひとり映画」など、ひとりで楽しむ「ソロ活」「ぼっち」が急増しています。
「ひとりでいたい」欲求を大切にしよう
人間は社会的動物といわれ、群れをつくって生きてきました。ですが、そもそもが「ひとりでいたい」欲求も持っているのです。これは人類誕生の歴史からもさかのぼることができます。
つまり人間は「群れたい」欲望と「ひとりでいたい」欲求の両方を併せ持つ存在なのです。
ただ、「群れたい」欲望が強すぎると集団の中で埋没してしまうし、「ひとりでいたい」欲求が旺盛だと社会的孤立が深まってしまいます。
この両方のバランスを上手にとることが、現代に適した生き方だというのが著者の意見です。
そして孤独について考えるときに重要なのが、物理的にひとりであることが問題なのではなく、「心が独りぼっちになる」という心理的孤立がいけないということです。
「自立」し、自己肯定感を高める
先ほど、「おひとりさま」の特徴でもいいましたが、孤独は自分自身が選んだ自覚がある、つまり「自立」している状態であることを指します。
自立とは、何もかも自分の力で行うのではなく、本当に頼らなければならないときに頼れる相手がいる状態のことです。それと反対に、孤立は、いざというときに頼れる人が誰もいないという状態のことです。
孤立はいけませんが、「自立」ある孤独は、いつもポツンと周囲の❝雑音❞に惑わされずに自分が気持ちよく暮らし、なおかつ社会ともうまく調和して生きていけるのです。
この「自立」ある孤独というのは、先日『ドイツ人はなぜ「自己肯定感」が高いのか』の記事でも書いた「自己肯定感」の高さにもつながっているのだと思います。


「ソロ活」の効果
そして、孤独を楽しめるようになると、自分の中に「新しい自分」を芽生えさせることができ、そうやって生まれた新しい自分の力を充満させることで「ちょうどいい孤独」が形成され、ソロで生きることで、この力が増幅していきます。
ソロ活をしっかりやって、「自分は自分」という意識を強く持ち、ソロ立ちができてくると、不思議なことにいいことがいっぱい起きてくるそうです。
そのいいことというのが、下記のとおりです。
- 自主性が高まる
- 自分の価値観がはっきりし、自己肯定感が高まる
- 社会的な圧迫感が減り、徐々に圧迫をはねのける力がつく
- 人に染まらないユニークな考えが浮かんでくる
- 集中力が高まる
- 本当の自分に気づく
- 人を大切に思い、愛したりできるようになる
孤独を愛し、ひとり時間を大切にし、何かやるときにも人とつるまず、ソロ活ができるようになってくると、人生の立ち位置が美しくなり、人の目なんか気にしないで、少しのことでは動揺しなくなります。
ですので、難しく考えずに、ひとり時間を前向きに、生活の中に取り入れてみることが大事です。
「孤独」上手になろう
孤独を大事にして「自分勝手」に生きる
自分で自分のことをどう思うか。それは他人からどう思われるかよりも、はるかに重要である。
セネカ(ローマ帝政初期のストア派の哲学者・政治家)
他人と自分を比べると、どうしても劣等感にさいなまれたり、反対に優越感に浸ったりします。
たとえば、SNSに見る「自慢合戦」などがそうで、どちらも前向きな感情とはいえません。しかし、この「人と比べる」という心理を完全に取り除くというのは難しいですよね。
そこで、自分と他人を比べるクセをなくす心構えを考えてみることから始めると良いと著者は言います。つまり、「人と比べないで自分と向き合う」ことが、自分を育てるのです。
そこで、著者がすすめているのが、「孤独を大事にし自分勝手に生きる」ことです。
「自分勝手」とはいいますが、それは何も❝他人のことはお構いなし❞というわけではないのです。むしろ、他人を自分の世界からシャットアウトすることで、気分的にも楽になり、自分らしく生きられるということです。
そのコツとも言えるのが、下記の事柄です。
- 周囲からの評価を気にしないようにする
- 他人との比較より、自分自身の満足感を大切にする
- 「誰かに褒めてもらいたくて」をやめる
- 不安を感じる❝時間❞そのものをなくす
周囲からの評価を気にしないようにする
著者は、長野の諏訪中央病院に赴任するときに、周囲から「あんな田舎の赤字病院なんかやめろ!」とずいぶん忠告されたそうです。
しかし、もともとが出世や派閥といったものには興味がなく、医療という世界で自分の「やりたいことをしたい」という気持ちを大事にし、大学の医局に配属される同期の医師とは違う道を歩んだのでした。
赴任当時の長野県は、日本有数の❝短命県❞でしたが、仲間の医師と、農村を回って健康推進運動を展開した結果、いまや有数の❝長寿県❞に変貌したのでした。
つまり、ここでいう「自分勝手」とは、「自分のやりたいこと」を他人に迷惑がかからない程度にやるということです。それは他人からの評価を「自分を測るものさし」にしないということでもあるのです。
他人との比較より、自分自身の満足感を大切にする
人間が幸せを感じるのは満足感を得たときです。先ほどの著者が長野に赴いて健康推進運動を展開し、長野が長寿県になったというのは良い例です。
これは、自分自身が「やりきった」と思えるからで、決して他人との競争で勝ち得たからではありません。しかも他人と「勝った、負けた」の競争をしていたら、心が疲れる元になります。
他人との優劣を満足感の指標にするというのは、自分で自分を評価できないのと一緒です。これは「自信のなさ」の表れともいえますよね。
そこでいっそ「敵は自分自身にあり」と、目標をチェンジしてしまうことです。自分にとっての喜び、やりがいは何かを考えるという「絶対的評価」の基準が持てれば、必ず達成感と満足感につながっていくのです。
「誰かに褒めてもらいたくて」をやめる
SNSでの「いいね!」欲しさに、見栄えのいい写真や華やかなシーンをアップする人は多いです。その背景にあるのは「認めて欲しい」「ほめてもらいたい」という承認欲求の心理です。
自分の存在を認めて欲しいという欲求は、誰にでもあります。でも、それが強すぎると自分で自分が見えなくなって、少しでも失敗すると不安な気持ちに陥ってしまいます。
つまり、自分の貴重な時間や心理状態を「他人に操られている」ということなのです。
SNSというものは、とても便利な交流ツールですが、使用目的を考え、自分自身がいつもしばられない心理状態に置けるような使用方法を心がけるべきですね。
不安を感じる❝時間❞そのものをなくす
不安や孤独感は、家などにひとりでいて、何もしていないときに感じることが多いそうです。不安の解消法として、そのような「空白の」時間をなくせば、不安を感じる瞬間も減っていくと著者は言います。
そのために、本気で打ち込める趣味を持つことが大切だそうです。
スポーツとか読書、絵を描くとか料理などなど、没頭できるものなら何でもOKです。とくに著者のおすすめは運動だそうです。体を動かすと気持ちがポジティブになり、夢中になることで不安な気持ちを消すことができるからです。
つまりは、何か別のことで頭をいっぱいにすればいいのです。いわば「気晴らし」ということですが、これが心の隙間を埋め、不安の解消法の一つになります。
孤独上手になる技術
「いい孤独」、「悪い孤独」とあるものですが、目指すは「いい孤独」感を持つことです。
孤独感の苦しみについては「その孤独感を自分がいけないことだと思ってしまっていることが原因」です。「いけないことだ」と思ってしまうと、自分を批判のターゲットにしてしまいます。
よく「自分はダメ人間だ」とか「自分が孤独なのは、誰にも愛されていないからだ」とSNSでつぶやいている人がいますよね。そういう人は自分自身を批判のターゲットにしている恐れがあります。
それにより、つくりだされる負の感情が、ますます自分を追い込んでしまい「孤立」することになっていくのです。
「いい孤独」感を持つには、そういった張り詰めた「悪い孤独」感をほぐしていくことから始めなければいけません。
その方法というか「技術」が、下記のとおりです。
- 一瞬だけ自分を❝甘やかす❞
- 孤独の意味を考えてみる
- 「孤独は自然なもので、ずっと続くわけじゃない」と知る
- 相手に大事にされることばかりを望まない
一瞬だけ自分を❝甘やかす❞
まずやることは、一瞬だけ自分を❝甘やかす❞です。
「孤独は悪いことではないし、自分だけが孤独じゃないんだよ。つながりたいところでつながっていいんだ。孤立しなければなんとかなるさ」と、自分を慰め、心にできた隙間を埋めてやるのです。
孤独の意味を考えてみる
著者がいうソロ活の本当の意味は、孤独の中でじっと耐えて、「自分と自分の周囲の❝音❞を聞く」ことです。
つまり、いま自分を取り巻く環境が、自分の感情や思考、身体にどのような影響を及ぼしているかを感じることだということです。
ネット上の批判や生活の場でのうわさ話などを「声」として聞くと、心がつらくなりますが、❝音❞としてとらえると、いやなことは雑音だと思って自分の心から消し去ることができます。
じっと耳をすましていると、やがて、今後どんなふうにしていけばいいかが、しっかり見えてくるといった感じです。心が落ち着けば、不安も孤独感も消えていきやすくなるのです。
「孤独は自然なもので、ずっと続くわけじゃない」と知る
不安や孤独感とは「これがずっと続く」と思えば、いつまでたっても消えません。しかし、「明日のことは明日」と考えれば、翌朝、あんがいケロッと起き上がることができるといいます。
つまり、「いつまでも続かないさ」と、無理にでも自分に思い込ませることが大切なのです。
でも、不安感や孤独感を、長い間放置してしまうと、健康を害し、うつにつながる可能性があるので、恥ずかしがらずに、力になってくれそうな周囲の人たちに相談してみることも大事です。
最低限、「孤立」しないように手を打っておくということです。
カウンセラーやメンタルヘルスの支援機構に助けを求めることも有効です。肝心なのは「恥ずかしがらないこと」そして、「怖がらないこと」。早めに対処して泥沼に入らないようにしましょう。
相手に大事にされることばかりを望まない
「孤立」を防ぐためには、まず自分から相手を大事にする心を持つことです。しかも見返りを求めないという精神が大切です。そうして相手を大事にしていると、いつか大事にされる時がやってきます。
知り合いにはもちろんですが、知らない人に対しても、相手を大事にするというのはとても大切なことであるし、こういった行動がソロ立ちの極意なのだと著者は言います。
そのうえ、このような行為は、相手を喜ばせるだけではなく、自分自身の心に栄養を与えるきっかけになり、自分の心がけと行動次第で、孤立やマイナスの孤独感から逃れることができるのです。
そうして孤独上手になっていくと、「家族上手」になっていきます。孤独を守るためにムスッとしていたり、人を拒絶するような空気を漂わせることもなく、微笑み名人となっていきます。
微笑み名人ともなれば、自分のことをしっかり守りきる強さが備わり、人間との距離の取り方が上手になっていき、困っている人がいれば、自然に手を差し伸べてあげることができるようになります。
それでいてこそ、自分のひとり時間をきちっと守ることができるということです。
「ひとり時間」をもとう
自分の思いどおりに時間を使えるのは孤独の特権です。
そのために「ひとり時間」を持つことを著者はすすめています。なぜなら、「ひとり時間」は自分を再発見するための時間だからです。
では、どのように「ひとり時間」を過ごせばいいのか?
著者は「やりたいことを思う存分やってみる」、「自分を解放して、より自由な自分になる」ということに尽きるといいます。
食べたいもの、見たいもの、行ってみたい場所、誰にも気兼ねなく、思う存分できるということは、人生を豊かにするための糧になります。
新しいことにチャレンジする
ひとりは、何をするのも自由です。新しいことにチャレンジするのも、自分自身の再発見に役立ちます。
そこで、著者おすすめの方法を紹介します。
- あえて苦手な分野に挑戦して世界を広げる
- ギャラリーや美術館でアートに触れる
- アート関係の書籍や絵本のページを開く
- ミニシアターで「ソロシネマ」
- 古い映画から孤独の魅力を見つける
- 不要なものは迷わず手放す
あえて苦手な分野に挑戦して世界を広げる
「苦手な分野に挑戦する」といいますが、もともと興味がないことは長続きしませんよね。ここでいう「苦手な分野」というのは、いままで機会がなかったとか、時間がなくて挑戦できなかった・・・けど、「やってみたい」でいいと思います。
「いままで時間に追われてなかなか読めなかった長編小説に挑戦する」とか、「絵や書道に挑戦する」、「マラソン大会に出てみる」など、興味があることをどんどんやってみると、わたしは解釈しました。
未知の体験は、必ずや自分の世界を広げてくれるはずです。
ギャラリーや美術館でアートに触れる
もともとギャラリーや美術館に行くのが趣味という人もいらっしゃると思いますが、こういう芸術に触れるというのは自分の感性を磨いてくれます。
著者のおすすめは「ひとりで現代アートに触れる」です。現代アートというのは、決まりきった正解がなく、どう解釈しようと勝手なので、鑑賞者が自由に思いを巡らせることができます。
他人と一緒だと、どうしても相手の意見が気になります。他人の考えに惑わされずに好きな作品と向き合うためにも、ひとりで行くのがおすすめなのだそうです。
わたしもこのような経験があります。
パブロー・ピカソの作品展を観たとき、何とも言えない新鮮な感情が湧いてきたのです。しかも年代によって作風が変わる様を見るにつれ「人間って変われるんだな」という思考が頭に浮かんだのです。
わたしはもともと芸術のわからない人間ですが、こんなわたしでさえ、世界を魅了する作品に触れると、感慨深いものがあるのですから効果があるといって間違いないと思います。
アート関係の書籍や絵本のページを開く
美術館に行く余裕がない場合は、アート関係の書籍やレコードなど、自分の感性に響くものを手に取るということもおすすめだそうです。
たしかにウェブ上にあふれる情報でもいいのですが、書籍や絵本、レコードの手触りや質感という意味では、紙とかの媒体で実際に触れるのとは違うといいます。
じっくり手に取って、眺める時間というのは、ソロ活の醍醐味であるといえますね。
ミニシアターで「ソロシネマ」
大型のシネコンは一人では入りにくいという人も、ミニシアターならひとりでも入りやすいそうです。
地方の映画館はどんどんと閉館に追い込まれて入るものの、探せば穴場が見つかるそうです。上映されている映画が自分好みだったら儲けものですが、まだ観たこともない作品だったら、これはこれで掘り出し物かもしれません。
古い映画から孤独の魅力を見つける
最近は、アマゾンプライムビデオやネットフリックス、U-NEXTなどの、動画配信サービスであらゆる映画を観れたりします。
中でも、古い映画から孤独の魅力を見つけることを著者はすすめています。
おすすめは、「ピアノ・レッスン」という、カンヌ国際映画祭のパルムドール大賞を受賞した作品です。
女性の孤独感を「これでもか」と見せつけてくれるといった内容だそうです。こういった作品に触れるのも自分自身を見つめ直すのにはいいかもしれませんね。
不要なものは迷わず手放す
「不要なものを処分することで、気持ちを整理することができる」・・・これは、わたし自身、ミニマリストを志し、不要なものを処分してきたから、ものすごく共感します。
ものを捨てるということは「自分自身と向き合うこと」につながり、身の回りのものを整理していくことで、いろんなことに執着心がなくなるという効果があるのです。
するとどうでしょう!
身も心も軽くなるのが実感できるのです。
注意すべきは、「捨てすぎないこと」(笑)。
とにかく、ひとつひとつ、ものに向き合いながら、整理していくのがおすすめです。
『ちょうどいい孤独』の感想・まとめ


少子高齢化が今後どんどんと進んでいく日本では、決して望んではいない「孤独」が待ち受けているといっていいと思います。
でも自分自身がひとり時間をポジティブに過ごし、自己肯定感の高い生活を送れているなら、「孤独」というのもまんざら悪いものではないなというのが、わたしの感想です。
誰にも依存しない、つまり「自立」することが、第一に取り組むべき課題ですが、本書を含め、参考になる書籍や情報は、世の中にあふれている状態です。
それを、うまく自分に合うようにアレンジしていくというのも、「自立」していくうえで、大事な技術ではないでしょうか。
そういった意味でも、「自立」の入門編ともいえる本書は、良いきっかけを与えてくれるはずですので、ぜひ、ご一読いただきたい一冊です。
『ちょうどいい孤独』の概要


本書の目次
『ちょうどいい孤独』
はじめに 人生100年時代の「ソロ立ち」のすすめ
第1章 「ちょうどいいひとり時間」は人生を変える
第2章 群れない、束縛されない「ソロ活」のすすめ
第3章 さびしいという孤独感を減らして「孤独力」を上げる
第4章 家庭や集団の中でこそ「ソロ」精神を発揮しよう!
第5章 「老いの坂」を下りるスキルをどう身につけるか
第6章 老いの「ソロ立ち」であなたも孤独名人になれる
おわりに代えて カマタの老いのソロ立ち
著者の紹介
鎌田實(かまた・みのる)
1948年生まれ。東京都出身。
医師・作家・諏訪中央病院名誉院長。東京医科歯科大学医学部卒業。
1988年に諏訪中央病院院長、2005年より名誉院長に就任。
地域一体型の医療に携わり、長野県を健康長寿県に導いた。
日本チェルノブイリ連帯基金理事長、日本・イラク・メディカルネット代表。2006年、読売国際協力賞、2011年、日本放送協会放送文化賞を受賞。
主な著書
『医師が考える 楽しく人生を送るための簡単料理 鎌田式 健康手抜きごはん』集英社 (2021/5/26)
『70歳、医師の僕がたどり着いた 鎌田式「スクワット」と「かかと落とし」』集英社 (2019/5/29)
『図解 鎌田實医師が実践している 認知症にならない29の習慣』朝日出版社 (2020/5/20)
『ミッドライフ・クライシス』青春出版社 (2021/7/1)
『鎌田實の人生図書館 あなたを変える本と映画と絵本たち400』マガジンハウス (2020/11/19)
『相手の身になる練習』小学館 (2021/4/6)
『がんばらないけどあきらめない』集英社 (2013/5/22)
『コロナ時代を生きるヒント』潮出版社 (2020/7/4)
『1%の力』河出書房新社 (2016/7/6)
『こわせない壁はない 人生が新しくなる33の心得』講談社 (2013/11/5)
『それでも、幸せになれる 「価値大転換時代」の乗りこえ方』 清流出版 (2020/9/11)
『遊行を生きる』清流出版 (2017/1/21)
『がまんしなくていい』集英社 (2016/11/23)
『忖度バカ』 小学館 (2017/12/4)
『人間の値打ち』集英社 (2017/10/22)
『「わがまま」のつながり方』中央法規出版 (2017/7/20)
『死を受けとめる練習』小学館 (2015/4/12)
『本当の自分に出会う旅』集英社 (2010/10/20)
『「イスラム国」よ』河出書房新社 (2015/3/25)
『検査なんか嫌いだ』集英社 (2017/2/28)


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