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『「優しすぎて損ばかり」がなくなる感情脳の鍛え方』から学ぶ他者に振り回されない自分のつくり方

コウカワシン

こんにちはコウカワシンです。

今回は加藤俊徳(かとう・としのり)さんの著書『「優しすぎて損ばかり」がなくなる感情脳の鍛え方』から学ばせていただきます。

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目次

『「優しすぎて損ばかり」がなくなる感情脳の鍛え方』はどんな本?

『「優しすぎて損ばかり」がなくなる感情脳の鍛え方』はズバリ!「自己感情をもって満足いく人生を送ろう」です。

本書はこのような本

「つい周りをうかがってしまう」とか、「いつもグズグズ迷って行動できない」、「どうでもいいことにも反発してしまう」「肝心な時にどっちつかずの態度をとってあとで後悔する」といった経験のある人はいませんか?

これらは脳がつくり出している「自分がどうしたいのか、自分の気持ちがわからない」状態のときに起こりやすい現象です。そして、自分がどうしたいかわからないと自分のコントロールができず、現実世界でうまくいかないことが多くなるといいます。

まず、下記のアンケートをご覧いただき、ご自身に該当するものにチェックしてみてください。

  • 率先して人を誘わないけど誘われたら断れない
  • 面倒くさがり屋で特にやりたいこともない
  • その場では平気だったのに、あとで怒りがわくことがある
  • 人の集まりでは人の目が気になって落ち着かない
  • いつもなんとなく自信がなく、未知のことは怖く感じる
  • ゲームやスマホなど、特定の作業に没頭しがち
  • 「どうしたい?」と意見を聞かれるとフリーズする
  • ふだん忙しくて、自分のことをかまっている余裕がない
  • 将来のことを考えると、不安でたまらない
  • 他人に強くいわれると「それでいいよ」といってしまう

みなさまは、いくつ当てはまりますか?

チェックが0の人は、「自分のことがよくわかっている脳」の持ち主です。チェックが1~5の人は「自分の気持ちがわからない傾向がある脳」、チェックが5~10の人は「自分のことがわからない脳」であるということです。

『「優しすぎて損ばかり」がなくなる感情脳の鍛え方』 の著者である加藤俊徳さんは、 脳内科医 で、脳研究の第一人者です。

「脳の学校」を創業され、脳はいくつになっても成長するとし、「胎児から超高齢者までの脳を研究し、いくつになっても脳を成長させるための健康医療事業」をされています。

著書『脳の強化書』では、「理想とする自分」をつくり出すため、脳のどの部分がどのような働きをしているか、機能ごとに「脳番地」として分類され、脳を鍛えるためにさまざまな提唱をされました。

「脳番地」のなかでわたしたちの行動に影響力が強いのが「思考系」、「視覚系」、「聴覚系」、「理解系」、「伝達系」、「運動系」、「記憶系」、「感情系」の脳番地です。

本書では、脳を「自分の気持ちがわかる」ように鍛えるということに重点を置き、「感情系脳番地」を中心に、自分の気持ちの育て方を解説されています。

なお、本書はamazonの本読み放題サービス「キンドルアンリミテッド」の対象本です。

キンドルアンリミテッドは、ビジネス書からマンガまで幅広いジャンルの本が読み放題です。ぜひこの機会にご検討ください。

本書は誰におすすめか?

本書はこのような人におすすめです。

『「優しすぎて損ばかり」がなくなる感情脳の鍛え方』がおすすめな人

  • ついつい周りのことが気になる人
  • 自分の気持ちがわからない人
  • 自分の意見がなく、他者の意見や周りの環境に同調してしまう人

『「優しすぎて損ばかり」がなくなる感情脳の鍛え方』の要点は?

まず本書で著者が言うには、「4人に1人は自分の気持ちがわからない」ということです。

自分の気持ちがわからない脳だと、無意識に周りを優先しすぎて、、、まず「ノー」が言えなくなる、場合によっては他者から利用されやすくなることが考えられます。

そして、いろんなことがうまくいかない根底に、脳の状態のせいで「自分がどうしたら良いかわからない」⇒「考えがまとまらない」⇒「気持ちに一致した行動が起こせない」という現象があります。

さらに自分の気持ちを認識されにくい人は「他人にすごく影響される」または「周りの環境に動かされる」という症状を持っているのです。

著者が言うには、自分の気持ちがよくわからず、仕事や人間関係でストレスを抱えやすい人は、脳の中でも「感情系脳番地」というところの働きが低下しているということです。

感情系脳番地は「気持ち」を生み出す機能と、生命維持のために自律神経を介した身体反応の両方に関与しています。

ですので、感情系脳番地の働きを良好にしないと、健康を害し、はたまた自律神経にも大きく影響するということなのです。

コウカワシン

そこで本書から、自分の気持ちを知り、その自己の感情を高めながら、自分自身(主体性)を取り戻す方法をわたしの独断と偏見で取り上げてみたいと思います。

自分の気持ちを知る

いろんなことがうまくいかない原因とは?

まず、いろんなことがうまくいかないと思っている人はたくさんいますよね。

たとえば、

  • 自分の適職がわからず転職ばかりしている
  • 好きな人どころか友達もいない
  • 部下との接し方がわからない
  • 嫌われているわけではないが、人づきあいがすごく疲れる

などの悩みを抱えた人はかなりいるのではないでしょうか。実はわたしもその一人でございます。これらは年齢を重ね、立場の変化により突然悩みが生じたりするものです。

著者は原因として、「自分の気持ちが自分でわかっていない」をあげられています。自分がどうしたらいいかわからないから、適切な行動に結びつかないというのが答えです。

日々の生活の中には、「主体性」を持った行動と「ただなんとなく」といった行動に分けられ、「ただなんとなく」行動するほうがストレスがなくラクなため「どっちでもいい」と他者に判断をゆだねたり、自発的な行動を避けたりします。

とくに仕事においては、上司や顧客へのサービスを主とする場面など、自分の気持ちがむしろ邪魔になるため、主体性を抑えて従事されている方は多いのではないでしょうか。

ところが、この「ただなんとなく」とか他者のために生きてきた期間が多い人は、「自分はなんとなく生きてきたのではなく、他人に振り回され、生きづらさを日々感じていた」と気持ちにモヤモヤを抱えることになるのです。

身体の反応と自分の気持ちは別物

自分の気持ちを認識しにくい人の特徴は、「他人にすごく影響される」と「周りの環境に動かされる」です。

「自分はこうしたい」という気持ちがハッキリしている人は、周りなんか気にせず自分のことに集中しやすいのですが、自分の気持ちを認識しにくい人は周りのことや他人に、どうしても関心が向きます。

いやな影響を無防備に受け入れてしまい、適度に「周りの人の都合で振り回される」とか「周りで起こることにイライラする」という人は、自分の気持ちがわからない裏返しであり、こうした傾向は、日々、積もり積もって大きなストレスとなります。

著者は、「自分のことがわからず、仕事や人間関係でストレスを抱えやすい人は、脳の中でも、とくに「感情系脳番地」というところの働きが低下している」といいます。

感情系脳番地には、急激な感情の高ぶりや怒りを司る「扁桃体」(へんとうたい)という器官があり、瞬間的にわきおこる喜怒哀楽などの「感情」にも、扁桃体」が関り「身体反応」を引き起こします。

つまり、自分の思っている気持ちとは裏腹に異常反応として表れる恐れがあるのです。たとえば、ちょっとした刺激でも心拍や呼吸が速くなったり、血圧が上昇したりなどの自律神経による反応が起こるのです。

気持ちは「言葉」で認識する

「気持ち」を生み出す機能は、「身体反応」の経験を積み重ねて生まれるものと、自分自身の思考や理解、記憶などが合わさってつくられるものがあります。

前者の「身体反応」とは、身体で感じる反応で、たとえばジメジメとした湿気のある部屋に入ると「ジメジメしてうっとしい」と感じ、「ジメジメした部屋は嫌だ」という「気持ち」が生まれます。

つまり、「気持ち」と「身体反応」は相互に関係しあって、感情を生み出しているということです。

後者の「自分自身の思考や理解、記憶」などは、感情系脳番地と他の脳番地が関わりあってつくられています。たとえば、アルバムを見て「懐かしい写真だなあ」と思ったなら、「視覚系」・「記憶系」・「感情系」の脳番地が連携します。

そして、「あのお笑い芸人の話は面白くて笑ってしまう」と思ったなら、「聴覚系」・「理解系」・「感情系」の脳番地が連携するということです。

このように感情系脳番地が他の脳番地とともに働くことで、

  • 「現実に起こっていることを、どう受け止めるか」
  • 「次に何をしたいか」
  • 「自分は何に興味があるのか」

といった気持ちが脳で明確になります。

このような「自発的で人間らしい高度な心情」は、必ずしも自動的にわいてくるとは限りません。明確になりやすい人もいれば、なりにくい人といった個人差が「脳の働き方の差」によって生じます。

そこで、「自発的な人間らしい高度な心情」を起こすために「感情の言語化」が不可欠です

脳番地は、それぞれ脳の左右にあり機能を分担しています。

右脳の感情系脳番地は、主に外部からの刺激を受けて「他人の感情を認識する」役割があります。たとえば人の感情はジェスチャーや声、表情など表面に出ることが多いので、そこから他人の感情を察することができるのはこの機能があるからです。

一方、左脳の感情系脳番地の役割は「自分の気持ち(自己感情)をつくること」です。受け身で感じるのではなく、自発的に、はっきりとした感情を生み出す役割をします。

そこから、前頭葉と連携して自分の気持ちを具体的に「言語化」していくため、「自分は○○したい」というように行動につながっていくということです。

多くの場合、なんとなく感じたことや、快感情、もしくは不快感情が、左脳の感情系脳番地を通り「言語化」されることで明確な「自分の気持ち」になるのです。

たとえば、「旅行に行くのが好き」という気持ちも、何度も旅行に行って楽しい経験をすることで「好き」と言語化されていきます。

この「感情の言語化」は感情脳にいろんな経験をさせることで発達していきます。そして経験によって周辺の脳番地とのつながり方が変わってくるのです。

何でもそうですが、脳においても日頃よく使う回路は発達します。反対にめったに使わない回路は衰えていくので、これまでどのような経験をしてきたかで、発達・未発達がはっきりします。

「自分の気持ちがわからない」脳は、左脳の感情系脳番地の周囲は未熟特性を備えている場合がほとんどだということです。

コウカワシン

とにかく、いろんな経験をして「感情の言語化」をし、自発的な人間らしい高度な心情を引き起こして、「自己感情」を高めなくてはいけないということですね。

「自己感情」を高めるためにはどうすればいいのかを探っていきたいと思います。

「自己感情」を高める簡単なコツ

自分の感情がわからない人は「ふつうであること」に対する憧れが強い人が多いといいます。

つまり、上手に会話したり、集団行動になじんだり、好きな趣味があったり、就職したりなど、他の人が当たり前にやっていることが、自分にはうまくできいないよう感じるということです。

自分の気持ちにうとくて他者感情に敏感ということですが、これでは何かと他人目線を基準に考えるようになり、自分に合っていないことに手をつけたりします。

たとえば、理系が得意な人が大学の法学部に入り、その理由が「国語が苦手だから、文系の学部に入り克服したい」というのです。

大学卒業後は「自分の苦手を克服できそうな仕事」ということで、あがり症で赤面症という特徴がある彼は、コミュニケーションを重視する仕事を転々とします。

そして「自分にしっくりくる仕事が見つからない。このままじゃ彼女もできない。どうしたらいいのだろうか」と悩むのです。

とても深刻なことだと言わざる負えませんが、「ふつうであること」への憧れから、自分の苦手なことのコンプレックスによって、自分が進むべき道を誤ったということです。

マイノリティ(少数派)である自分ではダメだと思い、「ふつうになりたい」という漠然とした望みをもっているとだんだん自分を追い詰めてしまうということです。

本来ならば、マイノリティこそ、周りの基準に合わせることではなく、自分の好きなこと、得意なこと、やりたいことに注力したほうが、周りに認められやすくなるものです。

そこで、自分と他人の違いを客観的に認め、自己意識を強くする必要があるのです。つまり、自分はどういう人間なのか、自分にとって何が重要なのかを、よくよく考えてみることが大事ということです。

「基準」から外れた自分の特徴を知る

「周りから外れない」を基準にすると、「自分に厳しく、周りに甘い」というゆがんだ物の見方になってしまいます。周りが正しくて、自分はそれに合わせなければいけないと思い、息苦しさを感じやすいということです。

いわゆる基準依存ということですが、そこから抜け出すには、まず自分の立ち位置をできるだけ正確に知って、自己意識を高めることが必要です。

過去を振り返ると自分に自信がつく

自分の特徴や立ち位置を知るには、自分の過去を振り返るのも非常に有効だといいます。自己感情が弱い人には、子どものころのことをよく覚えていない人がけっこういるそうです。

それはなぜかというと、周りに気を取られがちで、自分のことを思い出すことが少ないからです。機会の少なさは、そのまま記憶の弱さにもつながっていきます。

ですので、自分の気持ちが明確になりにくい人は、ときどきアルバムを見返したり、当時の流行っていた音楽を聴いたり、家族旅行の話をしてみるなどして、過去のことを思い出すことをおすすめします。

このことで過去のことを言語化できると自己認識も上がるし、アイデンティティが強化されるということです。

自発性を支えているのは「欲求」と「熱量」

自発性が少ない人は自己感情が低いだけではなく、熱量も少ないことが多いそうです。一つのことに持続力がなく、興味の対象が変わりやすく、行動が伴わないので、実際にな何かが起きることが少ないと著者は言います。

新しい趣味が持てたとしても、ちょっとやってみたら「もういいか」と、マイブームは終わり、興味が長続きしません。これも脳の仕組みから言うと、「熱量がすくないから」といえ、この熱量がない人ほど、あれこれ考えて動かないのです。

逆に熱量が大きいと、脳の「運動系脳番地」の働きが活発になるので行動的になります。その場合、感情系脳番地の働きが弱くても、運動系脳番地がその欲求を拾って行動を後押ししてくれるのです。

たとえば、どうしても見たい試合があるときに、風邪気味でも会場に足を運ぶのは、運動系脳番地が活発に働いているからです。逆に運動系脳番地があまり働いていない人は「行きたいけど、風邪ひいてるからやめとく」と消極的になります。

他にも、怖そうな人に話を聞きたいときなども、運動系が強かったら身体が動いてさっさと聞きに行きます。感情系の不安が大きいと「話を聞きたいけど、怖そうだからやめておこう」と欲求がしぼみます。

まさに運動系脳番地と感情系脳番地はたえず影響し合い、運動系脳番地の発達こそが熱量を生み行動に踏み切ってくれるということです。

自発性を高めるには、運動系脳番地の強化が必要です。どうすればいいかというと適切な睡眠と軽めの筋肉運動をやり、脳内ホルモン「テストステロン」の分泌量を増やすことです。

行動的になりたいのであれば、スクワットや腕立て伏せなどの有酸素運動を毎日30分程度行うといいとされています。ちょっときつめの運動は忍耐をともないますが、耐えることは自発性を養います。

他者との議論やトラブルが起きたときなど、言い返すのも自発性なら、戦略的にがまんするのも自発性です。どうしていいかわからないというのはもはや自発性のかけらもない奴隷に成り下がるということです。

よく「体育会系の人は、いつも自信満々で人に強気で接している」というのも、こうした運動系脳番地の発達の効果なのです。脳全体の働きがよくなるのに加え、テストステロンの影響が大きいといえるでしょう。

コウカワシン

わたしも昔は、何をやっても自信がなく、他人に意見を言えない性格でした。
そんな弱気な自分が嫌で変えたいと思い、空手を習いだしました。
すると、やればやるほど自分に自信がついていき、他人と議論をできるまでになりました。

それもこれも運動系脳番地が活発に働き出したからかなと思います。

主体性を取り戻すための生活習慣

それでは、「主体性」を取り戻すために、行動を起こしましょう。

なにも最初からハードな運動をする必要はなく(してもいいけど)、まずは生活習慣の見直しから取り掛かると少しでも改善していきます。

「生活習慣を見直そう」と思うだけでも行動に移せているのですから、あとは継続するのみです。著者がすすめているのはどれも簡単にできることばかりですので、無理なくやっていけると思います。

主体性を取り戻すための生活習慣

  • 「気持ち」が生まれやすくなる習慣づけをしよう
  • 寝付けなくても毎日同じ時間にベッドに入る
  • ドラマを見て感情のストックを大量消費する
  • 気分転換のレパートリーをたくさん用意する
  • 身体を動かして感覚移転を試みる
  • 瞑想で感情系脳番地を切り離す

「気持ち」が生まれやすくなる習慣づけをしよう

脳は慣れていないことをやるときに、一番成長します。一つずつでも新しいことを足したり改善していくと、脳に新しい回路ができ、キャパシティも広がります。

たとえば、朝30分早起きをするとか、ふだん飲むお茶やコーヒーを紅茶やハーブティーに変えてみるなどすると、脳が活性化され、新しい発見にもつながります。

そして、いつもいる場所とは違う環境に身を置く工夫も大事です。

いつもと違うお店に行くとか、通勤なども駅から家までのルートをいくつか作って、毎日変えるということも環境の変化となって、脳に新しい刺激を与え、対応の幅も広がっていくのです。

いつもストレスをかかえている人というのは、「前頭葉」の働きが弱まっているので、前頭葉の働きを回復させるために思考系、伝達系、運動系、そして感情系の脳番地を刺激してやることが必要です。

おすすめは、「毎日5キロくらいの距離をしっかり周囲を観察しながら歩く」です。歩行により思考系と運動系を使うし、目的地を決めて散歩することも前頭葉への刺激になります。

コウカワシン

前頭葉を働かせる簡単な方法は「散歩」と「睡眠」。毎日しっかり寝て、散歩する習慣を取り入れたいものですね。


寝付けなくても毎日同じ時間にベッドに入る

活動的な行動を取るにはしっかりと睡眠を取ることが必要です。人は覚醒度が下がっていると集中できません。覚醒度が下がっているというのは、記憶の整理と脳の老廃物が排出されていないことで起こります。

つまり、眠気があったり脳がぼんやりしている状態を指します。

そのためにも毎日7時間は寝るようにするべきです。そして1日中座ってPC業務を行ったりするなど、同じことを長時間くり返していると脳が主体的に働かなくなるので、定期的に仮眠するなども効果があります。

目の前のことに集中できずにイライラするのは「今の状態を変えてくれ」「もっと脳を働かせてくれ」というサインなのです。その状態を解消するにはしっかりと睡眠を取ることです。

ときには、「やることに追われている」「気がかりなことがある」「何かのプレッシャーがかかっている」としてなかなか寝付けないこともあります。

たしかに先の予想が立たないなかでの不安はぬぐえないかもしれません。しかし、そんななかでの睡眠不足は、脳の働きを急激に悪くし、脳の成長を鈍くするのです。

ですので、今は寝付けなくとも、睡眠時間を削ることがないように、毎日同じ時間に寝るようにしましょう。今は寝付けなくても、毎日続けることで睡眠の習慣をつけていくことができます。

コウカワシン

わたしも不安で寝付けず、睡眠不足を何度も経験しましたが、やはり睡眠不足で迎えた日はポカミスの連続で、睡眠の大事さを痛感しました。

不安で寝付けないことも、きちんとした睡眠がとれるように「睡眠の質」をあげてやることで改善できるのではないかと思います。

たとえば、規則正しい生活を心がけ、入眠に必要なメラトニン(睡眠ホルモン)が出るようにするなどです。

以前、樺沢紫苑さんの『神・時間術』の記事でも取り上げましたので、よろしければ読んでみてください。


ドラマを見て感情のストックを大量消費する

脳の働きが偏って感情系脳番地が働きにくくなっているときは、ドラマを見るのがおすすめだと著者は言います。なぜなら、ドラマは感情系脳番地はもちろん、脳全体にもよい刺激を与えるからです。

ドラマの中には感情を揺さぶり涙がボロボロ出てくるものもありますが、このようなときに「なぜ、あの場面で涙が止まらなかったのだろうか」と、感情体験を言語化して振り返ることが自分の気持ちを発見できるきっかけにもなります。

それから、感情のままに泣くという行為は、脳の中に言語化されないわだかまっている感情を大量に消費するため、脳を一気にスッキリさせてくれるというメリットもあります。

その他にもメリットとして、泣くことで視覚系の精度が上がり、本当の意味で周りの人たちの気持ちもよくわかるようになるとしています。

たとえば、周囲の感度が高い人は、他人の感情を察しやすくなりますが、「人の顔色をうかがう」などストレスが原因で周囲への感度が上がっているときは、相手の表情がよく見えていない恐れがあります。

目で見ているようで、実はこれまでの経験による記憶に依存して、推測したり判断したりしているのです。

ですから、相手のちょっとした仕草や言動から「あんなことをいってきたのは、わたしのこと嫌いだからだ」とか「昨日仕事でミスしたから怒っているはず」というように、相手の気持ちを決めつけがちなのです。

自分で自分を追い込んでしまうということですが、このようにストレスで思いつめるタイプの人は、1日1回くらい、泣く習慣をつけると、多少の耐性もでき、世界の見え方も変わってくるのではないでしょうか。

コウカワシン

わたしもドラマをよく見るのですが、このように「今の気持ちを言語化する」までにはいたりませんでした。

これを機に、言語化できるように努めたいと思います。


気分転換のレパートリーをたくさん用意する

仕事中、集中力が切れるときなどは、今やっていることと違う行動を挟むとリフレッシュしやすいといいます。ですので気分転換のレパートリーを増やしていくといいとされています。

とくに意味のないことでもいいので、連続した状態の中に、違う行動を取り入れて注意を移転させることが目的であり効果があります。

事前にこうした注意をコントロールするためのリストをつくっておいて、すぐにできるようにしておくのがベストです。「集中できなくなったらこれをする」とパターンを決めておくことで、脳のスイッチが入りやすくなります。

今やっていることと違う行動を挟むことでリフレッシュできるのは、それまで使っていた脳番地から別の脳番地へ働きが移転するからで、これを脳番地シフトといいます。

そしてその行動により五感を通じて新しい刺激がそれぞれの脳番地にインプットされるのです。ですので、短い時間でも、椅子から立ち上がり、窓を開けたり軽いストレッチをするだけで脳番地シフトが起こり気分転換できるのです。

コウカワシン

よく、今やってることの集中が持たずに、他事をやったりしますが、これって気分転換なんですよね(笑)

とにかく五感を刺激してリフレッシュできるように頑張ります。


身体を動かして感覚移転を試みる

ストレス状態のときに、人間の身体によく起こることとして、身体感覚過敏があります。心臓がドキドキしたり、お腹で腸がすごく動いたり、のどが詰まったような感覚があったりするアレです。

ところが、そこに強く注意が向いてしまうと、感情系脳番地の扁桃体が興奮して、すごく息が苦しく感じたり、気持ち悪かったり、このまま倒れるかもしれないとか、死ぬんじゃないかなどの不安が急激にわき上がってきたりします。

そして、自分が気にしている部分に対応する脳の部位が活発になり、ドキドキがおさまらないとか、貧血状態になったりとか、偏りができ、もっとひどくなるとパニック障害になるのです。

そこで、体のちょっとした変化にも神経質になる人は、ストレッチをしてみたり、肩や首を回すなど身体を動かすようにしましょう。

身体を動かすと、脳の運動系脳番地が、筋肉に動くように指令を出し、意に反して心臓がバクバクするなど過剰に反応する感覚から、身体を動かす感覚へ移転させることができるのです。

コウカワシン

他にも、身体のどこかがかゆくて気になる場合はウォーキングがおすすめだそうです。

たとえば、腕がかゆいとかでも、歩いているうちに運動系優位になり、移動することによって周りの風景が変わったりと脳に別の刺激が加わるので、注意が分散し、かゆいことに注意が向きにくくなるということです。

これやってみよっと。


瞑想(めいそう)で感情系脳番地を切り離す

周りに気をそらすものがあるときに、集中力を取り戻す自分なりのパターンを見つけようということですが、ただ単に場所を変えるで事足ればいいですが、それができない場合は、瞑想(めいそう)がおすすめだそうです。

著者自身、「瞑想しているときの状態」について20歳のころから研究されてきたそうです。瞑想のいいところは、それまで他人や環境に振り回されていた脳の状態から、今の自分に脳をスイッチできることです。

「瞑想」とは、「自分の呼吸に意識を向ける」行為です。

瞑想では、息をゆっくり長く口から吐き、スムーズに鼻から吸う。

これを意識的に繰り返します。

全身の力を抜き、ゆったりと呼吸をし、その呼吸に意識を向けるのです。

瞑想は自己認知を高める方法の一つ。自分の呼吸に意識を向けることで、まわりに起こっている情報を脳に入れずに、「我に返る」ことができます。

お手軽にできる瞑想法としては、次の3つがおすすめです。

  • 腹式呼吸法
  • 数字瞑想法
  • 道順瞑想法

腹式呼吸法

ここでの腹式呼吸とは、息を鼻から吸うときに下っ腹がふくらみます。口からゆっくり吐くときに、下腹もゆっくりへこんでいきます。

この複式呼吸をできるだけ、肩や首など、体の緊張をとるように、継続します。


数字瞑想法

先の腹式呼吸をしながら1から10まで、ゆっくり数えていきます。このとき、数字は息を吐きながら数えます。

「いーーち」で長い呼吸、短く吸って「にーーい」といいながら呼吸をします。一つの数字で10秒から15秒ぐらいの長さで吐いていきます。

この間は、数字と呼吸のことだけ集中してみてください。


道順瞑想法

腹式呼吸をしながら、家から出かけて帰るまでの道順をしっかり思い出します。

このとき、2、3日以内に出かけた道順を選んで、自分がもう一度出かけているつもりで光景を思い浮かべながら、歩いた道、移動した過程を思い出していくのです。

コウカワシン

この3つをしっかり練習するだけでも、自分自身を取り戻せるのはもちろん、記憶力もアップすることができるといいことづくめです。

やってみて損はないですね。

『「優しすぎて損ばかり」がなくなる感情脳の鍛え方』の感想・まとめ

簡単なコツで、「脳のクセ」は変えられる

本書は、「気持ち」とは何か、どうやって自分の気持ちがつくられているのか、そして自分の気持ちが明確になりやすいトレーニングを教えてくれました。

どれも難しいことはなく取り組めるものばかりで、自分の気持ちというものは、実は自分で何とかなるものなんだということが脳科学的に教わった気がします。

脳はとても柔軟で、自分が変わりたいと思ったら、ちょっとした工夫でいつだって変えていけるのです。

もし本書を読んでみようと思ったなら、それはいろんな脳番地が作用した証拠です。

自分らしい生き方をデザインできる・・・なんだかウキウキワクワクしてきませんか?

だまされたと思って読んでみてほしい一冊です。

『「優しすぎて損ばかり」がなくなる感情脳の鍛え方』の概要

本書の目次

『「優しすぎて損ばかり」がなくなる感情脳の鍛え方』

はじめに

第1章 4人に1人は自分の気持ちがわからない
第2章 なぜかうまくいかないのは脳のせい!
第3章 同調グセをやめるとラクになる
第4章 「自己感情」を高める簡単なコツ
第5章 主体性を取り戻すための生活習慣


おわりに~脳のメッセージを読み解く
 

著者の紹介

加藤俊徳(かとう・としのり)

新潟県生まれ。

脳内科医、医学博士。加藤プラチナクリニック院長。 株式会社「脳の学校」代表。昭和大学客員教授。発達脳科学・MRI脳画像診断の専門家。脳番地トレーニングの提唱者。小児から超高齢者まで1万人以上を診断・治療。

14歳のときに「脳を鍛える方法」を知るために医学部への進学を決意。1991年、現在、世界700カ所以上の施設で使われる脳活動計測「fNIRS(エフニルス)」法を発見。1995年から2001年まで米ミネソタ大学放射線科でアルツハイマー病やMRI脳画像の研究に従事。ADHD、コミュニケーション障害など発達障害と関係する「海馬回旋遅滞症」を発見。帰国後、帰国後、慶應義塾大学、東京大学などで脳研究に従事し、「脳の学校」(https://www.nonogakko.com/)を創業。

現在、「加藤プラチナクリニック」を開設し、独自開発した加藤式MRI脳画像診断法を用いて、脳の成長段階、得意な脳番地不得意な脳番地を診断し、薬だけに頼らない脳トレ処方を行う。著者による脳画像診断を希望される方は、加藤プラチナクリニック(https://www.nobanchi.com/)までご連絡ください。

主な著書

頭がよくなる! 寝るまえ1分おんどく366日』西東社 (2021/3/22)  
才能の育て方~親との思い出が子どもの一生を決める~』小学館 (2018/3/3) 
男の子は「脳の聞く力」を育てなさい 青春出版社 (2017/11/25) 
女の子は「脳の見る力」を育てなさい』青春出版社 (2020/10/21)  
脳を育てる親の話し方 その一言が、子どもの将来を左右する』青春出版社 (2014/11/8) 
脳科学的に正しい英語学習法』KADOKAWA (2015/4/27) 
アタマがみるみるシャープになる! 脳の強化書』あさ出版 (2016/8/2) 
アタマがどんどん元気になる!!もっと脳の強化書2』あさ出版 (2016/8/2) 
発達障害の子どもを伸ばす 脳番地トレーニング』秀和システム (2017/3/20)  
50歳を超えても脳が若返る生き方』講談社 (2018/8/21) 
認知症をよせつけない60歳からの脳革命』大和書房 (2016/1/18) 
100歳まで脳は成長する 記憶力を鍛える方法』PHP研究所 (2017/4/3) 
1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き』ダイヤモンド社; 第1版 (2021/9/28)  
イラスト図解 脳とココロのしくみ入門』朝日新聞出版 (2020/8/20) 
「耳が聴こえにくい」は脳トレで治る!』宝島社 (2018/9/10) ‎ 
片づけ脳──部屋も頭もスッキリする!』自由国民社 (2019/5/31) 
「めんどくさい」がなくなる脳』SBクリエイティブ (2017/3/8) 
「忘れっぽい」「すぐ怒る」「他人の影響をうけやすい」etc. ADHDコンプレックスのための“脳番地トレーニング” 』大和出版 (2020/7/7) 
何歳からでも! 脳を育てるトレーニング』NHK出版 (2021/8/25)
日本人が最強の脳をもっている』幻冬舎 (2016/3/15) 
ゆがみをなおせば、毎日のワクワクを取り戻せる! 脳コンディショニング』かんき出版 (2015/12/14) 
脳が若返る最高の睡眠~寝不足は認知症の最大リスク~』小学館 (2019/10/8)  
頭がよくなるあやとり大百科』西東社 (2019/9/9) 
大人の発達障害: 話し相手の目を3秒以上見つめられない人が読む本』白秋社 (2021/5/20) 
ビジュアル図解 脳のしくみがわかる本 気になる「からだ・感情・行動」とのつながり』メイツ出版 (2021/6/26) 
ぐうたらな自分を変える教科書 やる気が出る脳 』すばる舎 (2020/5/22) ‎ 

など多数。

コウカワシン

最後までお読みいただきありがとうございます。

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この記事を書いた人

四国在住。
ミニマリスト。趣味は映画観賞と音楽鑑賞、読書、野球観戦。
映画は特に好き嫌いなくほとんどのジャンルーを観ます。音楽はジャズとクラシックが大好きです。読書は歴史書が好きでよく読みます。

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