
こんにちはコウカワシンです。
今回は、柴田陽子(しばた・ようこ)さんの著書『勝者の思考回路』から学ばせていただきます。
本書の正式名称は『勝者の思考回路 成功率100%ブランドプロデューサーの秘密』ということです。
柴田陽子さんは、ブランドプロデューサーとしてNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」やテレビ東京「WBS」(ワールドビジネスサテライト)でも紹介された方です。
ブランドプロデューサーとは、本書によると「業務内容としては、クライアント企業の商品やサービスなどを新しく作ったり、すでにあるものをブランド化する」というものだそうです。
ブランド化というのは、「それを受け取る人たちが、その価値を感情的に理解、評価して支持するもの」ということです。つまりブランドプロデューサーは、「ウケる商品やサービスの仕掛け人」といったイメージですね。
柴田さんの「柴田陽子事務所」(通称シバジム)では、営業部を置いていなくても仕事がずっと先まで依頼されているそうです。それどころか柴田さんを頼って「ぜひ紹介したい人がいる」と新たなクライアントを連れてこられる方も多いそうです。
本書は、そんな柴田さんの流儀や姿勢を知り、「勝者になるための考え方」を得ることができます。
なお、『勝者の思考回路』は、amazonの本読み放題サービス「キンドルアンリミテッド」で読むことができます。
「amazonの読み放題サービス」キンドルアンリミテッドは、ビジネス書からマンガまで幅広いジャンルの本が読み放題です。ぜひこの機会にご検討ください。
そして、「聴く読書」のamazonオーディブルでも聴くことができます。
通勤や通学などのスキマ時間の活用にお役立てください。
『勝者の思考回路』は、誰におすすめか?
本書は、このような人におすすめです。
『勝者の思考回路』がおすすめな人
- 起業家
- クリエーター
- 企画営業担当者




『勝者の思考回路』は、どんな本?
本書の目次
『勝者の思考回路 成功率100%ブランドプロデューサーの秘密』
はじめに
序章 どんな時代にも通用する「ブランドプロデュースの思考回路」
第1章 「勝者の思考回路」の基本
第2章 「勝者の思考回路」を生んだストーリー~幼少期から学生時代~
第3章 「勝者の思考回路」を生んだストーリー~仕事に就いてからの私~
第4章 これからの時代を生きるあなたに知ってほしいこと
あとがき
著者の紹介
柴田陽子(しばた・ようこ)
1971年生まれ。神奈川県出身。
大学卒業後、外食企業に入社、新規業態開発を担当。その後、化粧品会社での商品開発やサロン業態開発なども経験し、2004年「柴田陽子事務所」を設立。
ブランドプロデューサーとして、コーポレートブランディング・店舗プロデュース・商品開発など多岐にわたるコンサルティング業務を請け負う。
主な実績
- シュウウエムラのネイルブティック開店
- 麻布十番「レインボーロールスシ」
- ローソンのデザート「Uchi Cafe SWEETS」
- パレスホテル東京内の7つの飲食施設
- 渋谷ヒカリエ6F&7Fレストランフロア
- 日本交通スタンダードマニュアル
- 朝日ウッドテック「Live Natural Premium」
- 武蔵小杉「Grand Tree」
- 東京會舘「3代目新本館」総合ブライディング・料飲施設プロデュース
- 東急プラザ「渋谷 新商業施設」施設コンセプト開発
主な著書
- 部下を、暗闇の中で働かせていませんか? (2008/5/21 インデックス・コミュニケーションズ)
- はじめてリーダーになる人の教科書 (2009/4/16KADOKAWA/中経出版)
- コンセプトライフ (sanctuary books) (2009/4/24 サンクチュアリパプリッシング)
- 気が利く人の押さえどころ~仕事と人生を「好転」させる33の小さなルール~ (2009/11/20WAVE出版)
- 「たった1枚のメモ」でチームが変わるすごいしかけ (2010/6/27日本能率協会マネジメントセンター)
- 迷いを消す55の「ものさし言葉」 (2013/3/15産業編集センター)
- あなたの味方が増える 魔法のToDoリスト (2019/10/31小学館)
本書の内容
『勝者の思考回路』の内容はズバリ!「自分ブランディングして、これからのAI時代に通用する価値を手に入れよう」です。
amazonの書籍紹介より
著者は、名だたる企業のトップから指名されるブランドプロデューサー。
その業績は非常に華やかで、『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK)でも話題に。
独立して以来、「仕事をとるための営業をしたことがない」のに、仕事の依頼が次々と寄せられる。そして着実に実績を残してきた。
—ーなぜ柴田陽子は指名されるのか?
彼女の人生に迫り、成功の秘訣を、ひも解いた一冊。
・「張り合う」「負けない」は今の時代のエネルギーにはならない。
・勝者の思考回路は「感想」を持つことから始まる。
・小さなことに“すべて”が宿る。
・すべてことに「理由」がなくてはならない。
・「言う」と「伝える」は違う。
・人の話の「聞き方」次第で、その後の人間関係が180度変わる。
・「感動」と「言葉」と「ストーリー」が重なると、最強。
・「たいへんなときに逃げなかった」経験は、絶対的な自信を与える。
・「人は品格がすべてです」。
「思考回路」で、人生も仕事も180度変わる!
日ごろの小さな経験を、あなたの「価値」へと変えるヒント。



本書で提唱している「自分ブランディング」は、仕事も人生も確かなものにしてくれます。
「勝者の思考回路」こそがそれを実現し、自分自身の価値を間違いなく上げてくれるものです。
「勝者の思考回路」は、不朽不滅。
いかなるときもあなたを助けてくれるスキルになります。
『勝者の思考回路』の要点は?
柴田さんの考える「勝者」とは、ビジネスのトップリーダーになることではなく、売上を圧倒的に上げることでも、年収を数倍にすることではないとされています。
「勝者」とは、
- 自分自身が高い志を持っていることができる。
- 周りを見れば見方が多く、応援してもらえる。
- 誰かの役に立つという充実感の中で生きている。
すなわち「自分」「仲間」「社会」のすべてにおいて「YES]と答えられる人を指すとされています。



それでは、本書からわたしの独断と偏見でポイントを取り上げてみたいと思います。
勝者の思考回路は「感想」を持つことから
日常から「感想」を持とう
人は経験を重ねることでいろんなスキルを積み上げていきます。
しかし、誰でもなにかしら良いことも悪いことも経験しているものです。
よく「ピンチやつらいことを乗り越えて成功した」という話を聞きますが、そのような特殊な経験がないと成功できないかというと柴田さんは「そんなことはない」といいます。
柴田さんがいうには、
「勝者の思考回路」とは、
- 「経験の多さ」ではなく自分の経験から「何を思い、何を感じられるか」
- 「感想の持ち方」と「持つ量」
こそが重要で、当たり前の日常の中に❝学び❞があることに気づくこと。
とされています。
だから、平凡な毎日を送っていたとしても、「私なんかふつう過ぎるから」などと考えないことと、どこにも感想を持つべき対象はあるということに気づくことが大事となってきます。
柴田さんが、日常から気づきを得る例えをあげてくれてます。
タクシー利用のときに
以前はSuica決済が使えないタクシーに乗ると、運転手さんは「(そんな機械なんて)ないよ」と言っていたのに、最近は「すいません。(この車では)使えないんです」と言うようになった。この言葉のちょっとした差から、Suicaが使えるタクシーがかなり増えてきていることが明らかになったと考えました。
そして柴田さんは、すぐにSuicaの普及率を調べてみて、そこから「外国ではどれくらいキャッシュレスが浸透しているだろう?」「いずれ日本もキャッシュレスが普通になる。もう長財布は必要なくなる」というふうに思考を膨らませていきました。
つまりは、日常のあらゆることに「感想」を持つことで、ここまでの思考に至ったということです。
そして、踏み込むと「ただ感想を持てばいい」というわけではないとも言われています。
感想から気づくこと
「シバジム」スタッフの話
ある打ち合わせの帰り道に2人のスタッフがそれぞれにこう言いました。
スタッフA「先方の○○さんは、人気ブランドの服を着ていましたね。可愛かった!」
スタッフB「先方の○○さんと△△さんは、話すときに必ず目をそらしますね。あの2人の関係はあまり良くないかもしれません。やりとりするとき気をつけます」
スタッフAの感想は、ただ見たままを言葉にしたにすぎません。対してスタッフBは、観察して得た感想から発想をふくらませ今後の行動に活かしています。
スタッフAの場合も「彼女の服は今はやりのブランドだから、今度の企画書では、こんな要素加えたほうがいいかもしれません」という具合に発想を広げたのであれば「良い感想」になるということです。



つまりは、経験の多さとかではなく、今あるささいなことすべてに「感想」を持ち、その感想から発想をひろげていくということですね。
柴田さんは「感想のない経験など無意味だ」と言われています。
前田裕二さんの『メモの魔力』『人生の勝算』を思い出しますね。




「良い感想」を持つために小さなことにこだわる
柴田さんは目の前にあるすべてのものに対して、感想を持つことにされています。
どのようにするかというと
良い感想を持つには、
- どんな小さなことにでも丁寧に反応する。
- どうってことないものに対しても、感想を持つ。
- それを心の中でちゃんと受け止める。
- そこを起点として、考え方の枝葉をつけていく。
そして、その枝葉を修正しながら、方向をひとつに定め、そこに向かって、言葉や行動に移していくそうです。
では、なぜ小さなことにこだわるかというと「小さなことに❝すべて❞が宿る」からです。
何でもそうですが、成功の種というのは、ちょっとした気づきであるとは「アイデアを生み出す基本」ですよね。その「ちょっとした気づき」というのが最初は小さな芽の部分しか表に出ていないものなのです。
その芽の奥に眠るでっかい実を掘り当てるのは「小さなことを大切に観察している人」だけということです。
小さなことにこだわる態度は、成功を手にするチャンスを増やすだけでなく、失敗を避ける意味でも重要です。というのも将来の失敗もまた、今はほんの小さな芽しか表に出ていないからです。
ですので、小さなことを注意深く見ることができれば、地中にかくれている将来の成功や失敗の芽に気づくことができるということです。



「小さなことを大切に観察する」ことは、気づきの機会が増えるということで、成功のヒントをたくさん得ることができますね。
失敗したときの反省からも多くの学びがあるように何事も前向きな姿勢でいることが必要と感じました。
すべてのことに「理由」をもとめよ
どんなときでも「なぜ?」を考えよう
柴田さんのブランドプロデュースというお仕事は、実際の内容が❝クリエイティブなもの❞です。そしてクリエイターであると同時に多くの人に「価値を伝える」ことを武器にされています。
「価値を伝える」とは、口でいうのは簡単ですが、柴田さんは「自分は決して伝えるための❝技術❞が高いわけではない」と自己分析されています。
では、なぜ伝える力が強いのかというと、どんなときでも「なぜ?」を考えているからとされています。
柴田さんは、「そもそも世の中に、理由のないものなど存在しない」という考えで、さらにはその「理由」が、納得いくものでなければ、人から理解を得られないという理念があるのです。
これは、クライアントに説明をするときも、リーダーとして人を引っ張っていくときも、共感を求め、理解を得た上で自分の思いを通さなければ意味がないということです。
たとえば、どれほどの誉め言葉やプレゼントそのものより、「そう思った理由」「これを選んだ理由」を知るほうが、人はうれしいと感じるし、共感を得られるのではないでしょうか。
ですので、どんな小さなことでも「理由がない」というのは、絶対にあってはならないと柴田さんは言います。
ここでまとめると、
伝える力を高めるものとは、
- 「技術」ではなく、なにごとも「理由」を考えること
- どんな小さなことでも「なぜ?」と考えること
- 何かを聞かされたり、提案されたとき、「理由」がなくて人はうれしいと思うだろうか?と考えること
ということになります。



わたしも営業の仕事をしたことがあります。営業の仕事は、顧客に「納得」してもらうのが、一番と考えていました。
それは、穏便にものごとをすすめたらそれでOK的な考えでした。
でも今から考えると、どれもこれも「理由」を考えていたかというとそうでもなかったなあと反省しています。
本書では柴田さんが「理由」と「言いわけ」は違うと明言されています。
なにごとも相手を納得させるものでなくてはいけないし、その納得をうながす根源は「理由」が存在するからだということを学ばせていただきました。
「勝者の思考回路」には失敗という出口はない
柴田さんの思考回路には、失敗やあきらめるという出口を想定していないそうです。
なぜなら、「大変なときに逃げなかった」経験は、絶対的な自信になるからです。
これと反対に「一度逃げると、逃げグセがつく」ともなります。
柴田さんは、海外に留学したときに、孤独や恐怖を感じ、逃げ出したい気持ちにとらわれたことはあったけど、留学を途中で止め帰ることはなかったそうです。
柴田さんもなぜそうしたかをよくよく考えてみると「後の人生で『あのとき、あきらめて帰った』というシーンにぶつかることをゆるすことができなかった」と言われています。
つまり、これから先、大変なことがあったときに「どうせまた私は逃げるだろう」と自分自身に信頼感が持てず、実際に逃げる道を選び続けることになるからとも取れますよね。
それを踏まえて、「自分に大変なことがあったときには、自分の事情にフォーカスするよりも、『人の役に立つにはどうすべきか』に思考をシフトしてみることが大事」と言われています。
まとめるとこうなります。
失敗やあきらめるという出口をつくらないことが大事
なぜなら、
- 「大変なときに逃げなかった」は自分自身に大きな自信になるから
- 「一度逃げると、逃げグセがつく」から
- 「自分に大変な事態でも『人の役に立つ』ということにフォーカスする
という「勝者の思考回路」につながるからです。



『退路を自ら断つとき、人はより容易に、より果敢に戦う。』とは、あのアドルフ・ヒトラーの名言ですが、柴田さんの「失敗やあきらめるという出口をつくらない」に重なりますね。
「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」ということです。
肝に銘じたいですね。
『勝者の思考回路』の感想・まとめ
「自分ブランディング」で良い思考回路を身につける
柴田さんは、ものごとをうまく進めるためには「ビジョン」と「小さな習慣」が大切と言われています。
「ビジョン」が、そこに関わっている人の気持ちをひとつにし、実現のためにすべきことは、小さな石をひとつずつ積んでいくという地味な作業です。
つまりは小さな石を積むことが、すべての始まりということです。
小さな石とは、「小さな変化に気づけるか」とか「小さな出会いを大切にできているか」ということであり、これらをスルーしていたのでは、始まりもクソもありません。
つまり、この小さな石というのが「良い感想を持つ」とか「気づき」、「理由づけ」などの習慣化なのです。
この習慣化こそが「勝者の思考回路」となり、あらゆることを実現化できる大きな力になるのだと思います。
本書は、たいへん読みやすい本で、この記事では取り上げませんでしたが、柴田さんのサクセスストーリーや他のスキルも満載の本です。
ぜひ手に取ってご一読ください。




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