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『ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門』から学ぶ発想力強化のコツ3つ

コウカワシン

こんにちはコウカワシンです。

今回は、木村尚義(きむら・なおよし)さんの著書『ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門』から学ばせていただきます。

本書は、常識をくつがえし、前提にとらわれず、発想のワクを広げる❝革命的❞思考法「ラテラルシンキング」を磨き、人間にしかできない発想力を身につけようという内容の本です。

なお、本書はamazonの本読み放題サービス「キンドルアンリミテッド」の対象になっています。

「amazonの読み放題サービス」キンドルアンリミテッドは、ビジネス書からマンガまで幅広いジャンルの本が読み放題です。ぜひこの機会にご検討ください。

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目次

『ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門』は、誰におすすめか?

本書はこのような人におすすめです!

『ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門』 がおすすめな人

  • 企画担当者
  • 常に新しいアイデアが欲しい人
  • 企業家

『ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門』はどんな本?

本書の目次

『ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門』

はじめに

第1章 ようこそ! ラテラルシンキングの世界へ
 ◇ラテラルシンキングってどんな思考法?
 ◇13個のオレンジを3人で分けるには?
 ◇なぜ、ラテラルシンキングが必要なのだろう?
 ◇あなたの身近にあるラテラルシンキング

第2章 ラテラルシンキングに必要な3つの力
 ◇疑う力 ~固定観念を打ち破る~
 ◇抽象化する力 ~物事の本質を見抜く~
 ◇セレンディピティ ~偶然の発見を見逃さない~

第3章 最小の力で最大の効果を出す
 ◇努力しないで大きなリターンを得るには?
 ◇ケース1 小さな工夫で定時離陸を実現した航空会社

第4章 相手の力を利用する
 ◇弱者が生き抜くための3つの方法
 ◇ケース1 トップ企業にはりついた化粧品メーカー
 ◇ケース2 「業界第2位」をアピールしたレンタカー会社

第5章 異質なもの同士を組み合わせる
 ◇新しい価値は「組み合わせ」から生まれる
 ◇ケース1 スティーブ・ジョブズのマッチングセンス
 ◇ケース2 ユニークな喫茶店 成功の秘密

第6章 先の先を読む
 ◇目先の利益だけを追求しない
 ◇ケース1 やがて生まれる需要に賭けた松下幸之助
 ◇ケース2 未来の世界を見通したトーマス・エジソン
 ◇ケース3 有利な報酬を選んだジョージ・ルーカス

第7章 ムダなものを捨てない
 ◇ムダなものは本当にムダなのか?
 ◇ケース1 タダのものを生かした浅野総一郎式ビジネス
 ◇ケース2 ❝もったいない❞がもたらしたノーベル賞

第8章 マイナスをプラスに変える
 ◇「ダメな部分」に隠れている宝物を探そう
 ◇ケース1 小林一三の逆転発想
 ◇ケース2 夕張市「負の遺産」を学ぶツアー

第9章 ラテラルシンキング力を試してみよう
 ◇Q1 何もない宿泊施設
 ◇Q2 ある喫茶店主の深い悩み
 ◇Q3 海外から押し寄せる質問メール
 ◇Q4 新しい調味料を売る方法

おわりに

著者の紹介

木村尚義(きむら・なおよし)

株式会社創客営業研究所 代表取締役。 アカデミーヒルズ六本木ライブラリー個人事業研究会会長。

流通経済大学卒業後、ソフトウェア開発会社を経て、OA システム販売会社に転職。たったひとりでパソコンショップの運営を任されるが、パソコンマニアの常連に接客と機種説明を任せるなど、ラテラルシンキングを駆使して売上を5倍にする。

その後、外資系IT教育会社にて、それまでの経験を生かした研修を展開。2万人以上の受講生から好評を得る。従来の発想の枠を越え、常識にとらわれないビジネススタイルを「創客営業」と名付け、全国にてセミナーを実施中。

本書の内容

『ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門』 は、ズバリ!「発想力の多様性を育てる本」です。

amazonの書籍紹介より

『ずるい。』
この言葉から、皆さんはどんなイメージを受けますか?
・抜け駆け?
・ルール違反?
・独り占め?

周りにも、ずるいと思わせるような人がすぐに思い当たるのではないでしょうか。
こんなご時世だからこそ仕方ないと思うべきなのか。
それとも、実はずるい生き方が賢い生き方なのか。

「ずるい」という言葉には、一般的にはあまり良いイメージはありません。
しかし、一口に「ずるい」と言っても、いろいろな「ずるい」があります。

人を出し抜いて非難されるような「ずるい」もあれば、
「その発想はなかった……」と周囲をくやしがらせるような「ずるい」もある。
本書で扱うのは、こちらの「ずるい」です。

・常識にとらわれず、自由な発想を可能にする考え方
・最短ルートで問題を解決する考え方
・お金や時間をかけずに目的を簡単に達成する考え方

そんな思考法が本当にあるのか……?
あるんです。 それが、本書で紹介する「ラテラルシンキング」。

コウカワシン

ラテラルシンキングは、自由で柔軟な思考法です。ユニークであり、スマートであり、新鮮です。

「そうか、そんなやり方があったのか!」

本書は、そんなおどろきを発想できるコツがわかる内容になっています。

『ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門』の要点は?

「その手があったか!」

誰でも人生のうちで、このように感じたことがあったと思います。

自分で思いついたならまだしも、他人が今までにないアイデアで成功している姿を見て「ずるい~」と思ったことはないですか?

「してやられた~」と思いますよね。

たとえばですが、合コンなどである人が「集金係」を買って出てくれました。「集金係]なんて面倒なだけですから、誰もやりたがりません。

「やりたければ、どうぞ」ということになり、その人が担当になりました。

そして支払いをカードにしてポイントをもらい得をしたということです。

❝ずるい❞って言いたくなりますよね(笑)

何か問題が起こった場合には、その解決策を考えなくてはいけません。

もちろん、地道にじっくり解決していく方法もありますが、ちょっとした発想の転換で、今までにない楽な方法でゴールにたどり着けるかもしれません。

それが本書で紹介しているラテラルシンキングという考え方です。

ラテラルシンキングは、

  • 常識にとらわれず、自由な発想を可能にする
  • 最短ルートで問題を解決する
  • お金や時間をかけずに目的を達成してしまう

という思考法です。

本書では、その考え方とその必要性、ラテラルシンキングを使う際のコツを教えてくれます。

コウカワシン

その中からわたしの独断と偏見でポイントを紹介します。

ラテラルシンキングってどんな思考法?

発想のワクを広げる思考法「ラテラルシンキング」

ラテラルシンキングは、マルタの医師で心理学者のエドワード・デボノ博士が1967年に提唱した水平思考の考え方で、「どんな前提条件にも支配されない自由な思考法」ということです。

これと、対比するのが「ロジカルシンキング」(論理的思考法)です。

ロジカルシンキング

ロジカルシンキングとは、A→B→Cというようにものごとを順番に積み上げながら、筋道立てて正解を導いていく考え方です。

ですので、思考の各ステップが正しくつながっていないと答えが出せない。つまり、論理の運び方に無理があれば正解にたどり着けないということになります。

このように一歩一歩階段を上がるかのように答えに近づいていくのがロジカルシンキングなのです。

常識や経験から、「正解」を導くために論理を掘り下げていくので、垂直思考と呼ばれることもあります。

これに対してラテラルシンキングは、解決策を導くための順番や過程はあまり問題ありません。

それどころか、スタート地点からジャンプして、いきなり答えに到達してもいいのです。

そしてラテラルシンキングには唯一の正解はなく、正解を導き出す際に視点を広げるためさまざまな選択肢が生まれます。どんなものであれ、問題の解決になるのならそのすべてが正解という考え方なのです。

これは、考え方にもよりますが、選択肢が多ければ多いほど、バラエティに富んだ正解が見つかるということでもありますね。

ラテラルシンキングの特徴

ラテラルシンキングの特徴を上げますとこんな感じです。

ラテラルシンキングの特徴

  1. あらゆる前提から自由になれる
  2. 今までにないものが生まれる
  3. 問題が最短ルートで解決される
  4. お金/時間/手間が節約できる
1.あらゆる前提から自由になれる

ラテラルシンキングは、「常識」にしばられず、ものごとを異なる角度から見ることを心がける思考法です。

たとえば、とんちで有名な一休さんの小話で「このはしわたるべからず」がありますよね。

「このはしわたるべからず」の立て札に対し、橋の真ん中を通って渡るという逸話ですが、これも立派なラテラルシンキングだと思います。

「そんなの誰だってできる」ということですが、この発想は、「コロンブスの卵」と同じで常識にとらわれていたら思いつきもしないと思います。

2.今までにないものが生まれる

あらかじめ与えられている前提がひっくり返されるので、まったく新しいものが生まれやすいとのことです。

でもそれは特別なことではなくて、異質なもの同士を組み合わせたり、既存の価値観を逆転させたりしてそれまでになかったものを生み出すということなのです。

ですので、発明や開発の場では、ラテラルシンキングが大いに活躍します。

たとえば、「機能性チョコレート」と「野菜寿司」というのは、意外なものの組み合わせですが、健康志向の高まりのおかげで人気が高まっているそうです。

チョコレートに乳酸菌や食物繊維配合、ストレス改善に寄与するGABAなどで「機能性表示食品」とすることや野菜寿司では野菜がたくさんとれてヘルシーという意外性は、ベジタリアンの訪日外国人はもちろん、体型が気になる女性にも人気ということです。

「機能性チョコレート」

「野菜寿司」

既存の価値観を逆転させたものとしましては、「パイロットの消せるボールペン」なんてイケてますよね!

歯医者さんが作ったチョコレート」というのも面白いですよね。これも逆転の発想ですね。

そして、言わずと知れた「カップヌードル」!これもカップと麺を組み合わせた大発明品です。

トクホコーラ」も意外性ありな商品ですね。

とまあ~まだまだあるのですが、思いつくだけでもラテラルシンキングによって生み出されたものがたくさんあります。

これらの商品が生まれる前には、このような発想自体がなかったと思います。

ですので、これからもラテラルシンキングで生み出せる商品やサービスはまだまだ伸びしろが大きいということですね。

3.問題が最短ルートで解決される

前提条件として、問題解決のために、法律や道徳に反しないものなら何をやってもいいというのがラテラルシンキングです。

たとえば、大阪でトラブルが発生したとして、東京から一刻も早く現地に向かわなければならなくなりました。

そんなとき、電車の時刻表を見て、最短の乗り継ぎを探すのがロジカルシンキング(論理的思考)です。

それに対してヘリコプターで現地まで飛ぶという発想をするのがラテラルシンキングです。

常識で考えるとありふれた発想のまま終わりますが、常識にとらわれないと、このようにふつうなら気づかない近道や、「その手があったか!」という奥の手を発見できるというわけです。

つまり、結果として問題を解決する方法は一つではないということに気づきますし、❝最短ルート❞を見つけやすくなるというメリットまであるということなのです。

4.お金/時間/手間が節約できる

あくまで結果論ながら、ラテラルシンキングでは、問題解決をするにあたり、お金や時間、手間を節約できる場合があるそうです。

本書では、大阪万博を例に説明されています。

1970年に開催された大阪万博での話

主催者は「ある問題」に悩まされていました。

早くに会場に入ろうと開門前から入口に押し寄せた観客は、ゲートが開くと人気のパビリオンに向かって一斉に走り出すのです。

ところが、入場者の数に比べて入口付近のスペースが極端に狭いため、急いでいる人同士がぶつかって大危険でした。

警備員がいくら「走らないで!」と忠告しても効果なし。これでは、いつ事故が起きてもおかしくない状況でした。

来場者の安全を確保するには、どのような解決策があるのでしょうか?

これをロジカルシンキングで考えてみます。

  • 警備員の増員
  • ゲートの拡張
  • 入場者を制限するための柵を設置

この方法が、無難ですよね。

ところが、実際に施した解決策は別のものでした。

要するに来場者が走らないようにすればいいのです。

主催者は、入場を待っている人たちに、小さな会場案内図を配りました。

走りながらでは文字は読めません。ですので急いで走る人はずいぶんと減りました。

もし、ゲートを拡張したり、警備員を増員する案を採用したなら、余分ともいえる工事の手間と時間、お金が必要になりましたが、紙を配布するだけなら、負担はぐんと少なくなります。

ラテラルシンキングとは、このような効果も期待できるということなのです。

「ロジカルシンキング」と「ラテラルシンキング」の関係は相互補完

ここまで見ると、「ロジカルシンキング」と「ラテラルシンキング」は相いれない・・・対立した関係に見えますが、実は決して対立する考え方ではないといいます。

そして、問題を解決するときに、どちらかひとつを採用しなければならないわけでもないのです。つまりは「ロジカルは不要」という話ではないということなのです。

ラテラルシンキングで考えると、たくさんの選択肢が得られるのは確かです。その選択肢の1つひとつについて、現実に実行できるかどうか、実行するうえで問題がないかどうかはロジカルシンキングで考察します。

なぜなら、たくさん選択肢があったとしても、最終的に実行するのはひとつだけだからです。

ですので、思考の順序としては、ラテラルシンキングで発想し、次の段階はロジカルシンキングで検討するのが良いということなのです。

ラテラルシンキングに必要な3つの力

ラテラルシンキングで多様な考え方を掘り出し、ロジカルシンキングで検討し深掘りするというやり方は、最強な思考法といえますが、ラテラルシンキングができる「環境」がないとうまく考えることができません。

ラテラルシンキングに必要な環境をつくるために必要な3つの能力を鍛えましょう。

その3つの能力とは、

  • 疑う力
  • 抽象化する力
  • セレンディピティ

です。

疑う力

固定観念を打ち破る

ラテラルシンキングの天敵といえるのが「固定観念」です。

固定観念とは、「~であるべき」「~になるはず」など、人の思考をワクに押し込む考え方で、常識や先入観、思い込みなどがそれに当たります。

固定観念にとらわれると、ありきたりな発想しか思い浮かばなくなりますし、まちがった結論を導く場合もあります。

そこで、ラテラルシンキングでは、常識や先入観など、あらゆることをひっくるめて「疑ってみる」ことが大事になってきます。

「それ、本当に正しいの?」
「なぜ、こういうことをしているんだろう?」
「もしかしたら、違う見方もあるかもしれない」

このような疑う力がなければ、新しい発想は生まれません。

常識を疑ってみる

おもしろい見本が、缶とかペットボトルで売られている「お茶」です。

今では、ふつうにコンビニとか自動販売機で売られていますが、缶入りのお茶を売り出した当初は、「お金払ってわざわざお茶を買う人なんていない」といわれてきました。

でも今では、飲料メーカーのほとんどが缶やペットボトル入りのお茶を製品としてラインナップしています。

これは「売れない」という常識を疑った商品企画者の勝利といえますね。

思い込みを疑ってみる

海外でおもしろい話があります。

「魔のカーブ」の対策法

ある場所に、自動車事故の多い「魔のカーブ」がありました。カーブは急なのだけど見通しが悪いわけではなく、ガードレールも道路灯も整備されていて、一見では事故など起きないように見える場所です。

地元の人たちは「標識がないから事故が起きる」とか「カーブミラーを設置すればいい」などの意見が出て、そのたびに対策していましたが、事故は減りません。

もうあとは、

  • 道路を広げる
  • 信号を設置する
  • 警察官に交通整理させる

などの対策しかないように思われました。

どれも常識的な安全対策ではありますが、またまたの費用や負担がかかってしまいます。

ところが、画期的なアイデアで、事故を減らすことに成功しました。そのアイデアというのが

ガードレールを取り外して、センターラインを消す

というものです。

これで、確実に事故が減ったそうです。なぜかというと「ドライバーが慎重になり、スピードを出さなくなったから」だそうです。

ふつうなら先ほどのように、「何かを設置しないと事故は減らない」という思い込みがあったのですが、その思い込みを疑ったことで事故の減少につながったということなんですね。

疑う力を鍛える

繰り返し言いますが、 ラテラルシンキングでは、常識や先入観など、あらゆることをひっくるめて「疑ってみる」ことが大事になってきます。

そのキーワードになるのが、「なぜ?」「本当?」「今はね」です。

固定観念を打ち破る最強の言葉「なぜ?」

思い込みを持たない子どもが連発する言葉「なぜ?」・・・でも、そのうちに「確かにそうだなあ~」とか「何でだろう?」と考え込むことはないでしょうか?

  • なぜ、必要なのか?
  • なぜ、不可能なのか?
  • なぜ、同じでなければならないのか?

子どものようにまっさらな気持ちで「なぜ?」と疑ってみると、いつもなら簡単に流してしまいがちなものでも、違った見方があるかもしれません。

「本当?」

最近では情報が多くて、中にはフェイクニュースがあったりするそうです。

大事なことは、前提となっている情報が常に正しいとは限らないということです。その情報が正しいという「思い込み」にもとづいて判断すると、まちがった結論を導いてしまいます。

目の前にある前提を鵜呑みにせず「本当?」と自分自身に疑問を投げかけてみることが大切です。

「今はね」

あらゆることが時間とともに変化していっています。

たとえば、電話を携帯できるようになるなんて思いもよりませんでした。

携帯できるようになった電話で写真や動画を撮ったり、ネットにつないで動画を視聴できるようになったり、財布や家の鍵を持たなくてもよくなったりと、技術革新により考えられなかったことができるようになりました。

数年前、10年前には「不可能」だったことが、いまは簡単にできるようになるというのは、これからも続いていくことでしょう。

「××製なんて、品質が悪くて誰も使わない」
「そんなことが、○○円でできるはずがない」
「△△をやるなら、1時間では絶対無理だよ」

仮に今、そうだったとしても、簡単に納得してはダメです。

そして「今はね」とつぶやいてみることです。

異世界の人と対話をする

固定観念を打ち破るためには、「人との対話」が有効です。

それも自分とは住む世界が全く違う人、つまり「異世界の人」と積極的に対話すべきです。

おもな「異世界の人」としてあげられるのが、

  • 外国人(言語、宗教、生活習慣が違うため)
  • 世代の違う人(世代が違うことで考え方や価値観が違うため)
  • 異業種の人(違う職業の人とは、業界の常識や慣例が違うので、そもそもの考え方が違う可能性があるため)

などの人たちです。

できるだけ、自分の属している世界とは「遠い」人と交流し対話することが大事ということです。

疑うことは悪いことではない

誤解のないようにですが、「あらゆることを疑ってみる」というのは、「だれかれかまわず、なんでもかんでも疑ってみる」ということではありません。

人の発言に対し「それって本当?」「絶対そう言い切れる?」と食い下がってばかりでは「つきあいづらい人」だと敬遠され、それがエスカレートすると人間関係が壊れる原因となるやもしれません。

そのような疑い方は絶対避けるべきです。

相手を疑うというのではなく、提示された前提を疑ってみるということが、固定観念をのくさりが破壊され、自由な発想を手に入れることができるということです。

抽象化する力

物事の本質を見抜く

ラテラルシンキングに必要な能力に「抽象化する力」があります。

抽象化とは、ものごとの注目すべき要素を重点的に抜き出して他は捨て去る方法です。

たとえば、ものごとを1本の木とすると注目すべき「本質」や「機能」といった幹だけにして余分な枝と葉を除くことを指します。

(出典:「凡人が、ブレない夢(Coreビジョン)を描くには抽象表現が最適」より)

「本質」を見抜けば発想が広がる

では、ラテラルシンキング流の抽象化を実践してみます。

鉛筆の本質は「書く」ことです。だから短くなって書くことができなくなると捨てられます。それは鉛筆としての機能を果たせなくなるからです。

では、「書く」という行為を抽象化すると、鉛筆の代わりはいろいろありますよね。

ボールペン、サインペン、シャープペンシル、筆や万年筆、クレヨンなど、文字や絵が表現できるものでいいなら何でもいいということになります。

このように、すでに存在するものを別のもので代用できないかと考えてみることは、発想を広げるうえで大変効果的なのだということです。

抽象化の3つのステップ

抽象化は、次のような順序で考えます。

対象の特定 → 抽象化 → 具体化

では、この順序を踏まえ、例をあげてみます。

自動車王ヘンリー・フォードの例

時代は19世紀の末、当時の人たちの「足」は、まだ馬車が主流でした。

フォードは、みんなが「速い馬車」を欲しがっているのを知っていましたが、当時まだ一部の富裕層の持ち物だった自動車に注目したのです。

そのときのフォードの思考パターンがこれです。

馬車(対象の特定)
  ↓
速く移動するもの(抽象化)
  ↓
自動車(具体化)

そして、自動車をできるだけ安く庶民に供給しようと、大量生産に挑戦したのです。

そのために1台ずつ手で組み立てていた自動車を、流れ作業でで生産するようにし、富裕層だけの乗り物だった自動車を、大衆車「T型フォード」の開発で世に広めたということです。

本質は見方によって変化する

木の幹に当たる「本質」を見分けるときには、「○○するもの」の「○○」に何が入るかを考えることが大事です。

先ほどの鉛筆なら「書くもの」、自動車なら「速く移動するもの」といったようにです。

このように、ものの使いみちを考えながら、○○の部分を埋めていくことで、ものごとを抽象化する力が身につきます。

セレンディピティ

偶然の発見を見逃さない

セレンディピティとは、「何かを探しているときに、それとは別の価値あるものを偶然見つける力」であり、言い方を変えれば「偶然を偶然として無視しない力」「偶然を何かに関連づける力」とも表現できます。

偶然は発明の母

実は、わたしたちの身の回りにあるものは、よくよく調べると偶然から発明されたものばかりです。

たとえば、

  • パン(小麦のおかゆを炎天下に放置してたら偶然できた)
  • ワイン(ブドウの果汁を瓶に入れておいたら自然発酵して偶然できた)
  • 電子レンジ(航空機のレーダーを開発していたら偶然できた)

というような感じでほかの用途のつもりが偶然にできた産物というのがかなりあるのです。

感性のレーダーを研ぎすませる

セレンディピティとは、「偶然を偶然として無視しない力」です。

つまり、偶然が起きたときに、それが何かに応用できるのではないかと考えることがカギを握ります。そして偶然とは、何か特別なことが起きたときではなく、日常の出来事からすくいとるものなのです。

偶然からインスピレーションを得るためには、感性のレーダーを磨き、あらゆる方向に張り巡らせておくことが重要ということなのです。

そこで、身につけておきたいのが、「驚くクセ」です。

何を見ても驚くことなく、何を聞いても「そんなことくらい、知っているよ」と高をくくっていると、感性はどんどん鈍くなります。

感性が鈍くなると、発想も貧弱になります。

ですので、なんでも当たり前だと考えるのではなく、当たり前のことにこそ驚くクセをつけることがセレンディピティを見つける訓練になります。

驚くのは「無理やり」でも良いそうです。

無理やりの感動でも、脳がダマされて、どんなことにでも自然に感動できるようになります。

セレンディピティは、常に驚き、感動することで磨かれていくということです。

『ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門』の感想・まとめ

コンピューターに人の代わりはできない

本書ではラテラルシンキングについて、いろんな例をあげて説明されていました。

水平思考の考え方であるラテラルシンキングでこそ、人間だけが持ち合わせた能力であり、「コンピューターに人の代わりはできない」と言い切ることができます。

外山滋比古先生の『思考の整理学』ともかぶる部分の多い本書は、ぜひこれからの時代をになう人に多く読んでほしいと思います。

わたし自身もこれからの人生をラテラルシンキングロジカルシンキングをフル活用していきたいと思います。

コウカワシン

最後までお読みいただきありがとうございます。

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この記事を書いた人

四国在住。
ミニマリスト。趣味は映画観賞と音楽鑑賞、読書、野球観戦。
映画は特に好き嫌いなくほとんどのジャンルーを観ます。音楽はジャズとクラシックが大好きです。読書は歴史書が好きでよく読みます。

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