
こんにちはコウカワシンです。
今回は、サミュエル・スマイルズ著『自助論』から学ばせていただきます。
『自助論』は発刊から160年も経っているにもかかわらずいまだに世界中の人々に読まれているベストセラーです。
アダム・スミスやニュートン、シェークスピア、ミケランジェロ、コロンブス、ガリレオ・ガリレイなど、さまざまな分野で活躍した有名、無名の人々300人のエピソードや言葉を引用しながら、「自助」の精神の重要性を説いています。
なお、本書はamazonの本読み放題サービス「キンドルアンリミテッド」の対象本です。
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『自助論』は、誰におすすめか?
本書はこのような人におすすめです。
『自助論』が、おすすめな人
- がんばってもがんばっても成果が出ていない人
- 何をやっても飽き性の人
- 具体的な目標のある人



本書の真理である格言「天は自ら助くる者を助く」 は、「天は、他人に頼らずにひとりで努力する者を助けて幸福を与える」という意味です。
つまり、いまがどんなにつらくて苦しくても努力を重ねることが成功への架け橋となってくれるのです。
ですので、いままで惰性で生きてきて将来が不安な人にもおすすめであるといえます。




『自助論』はどんな本?
本書の目次
『自助論』
1章《自助の精神》人生を自分の手で開く楽しみを知る
2章《忍耐》たったこれだけで努力が苦ではなくなる!
3章《好転を確実に生かす》この「改善」の手が、いま打てるか!
4章《仕事》いつも最高の成果を生むための基本原則
5章《意志と活力》「使命感」が器を何倍にも大きくする
6章《時間の知恵》成功者はみなこの「実務能力」を生かしている!
7章《金の知恵》❝楽するため❞にはこの汗をかけ!
8章《自己修養》頭脳と心・体の、効率よく痛快な鍛え方
9章《出会い》人生の師・人生の友・人生の書を持っているか
10章《信頼される人》人望・人格」の力は一生通用する最高の宝だ!
著者の紹介
サミュエル・スマイルズ
1812年 スコットランドハディントン生まれ。
イギリスの作家。医師。
はじめ医師であったが、本書『自助論』の大成功後、文筆に専念する。
本書には至るところに深い人生の知恵があふれており、生き方の根本を鋭く説く「不朽の名著」として、世界的なベストセラー&ロングセラーになっている。
本書の他に『向上心』などがある。
本書の内容
『自助論』は、ズバリ!「自己実現の手引き」です。
amazonの書籍紹介より
1858年に出され、日本では福澤諭吉の『学問のすすめ』と並んで読まれたという
明治の大ベストセラー『西国立志編』の現代語訳版
(原題は『Self-Help, with Illustrations of Character and Conduct』)。
「天は自ら助くる者を助く」という独立自尊の精神を広めた、古典的名著である。
アダム・スミスやニュートン、シェークスピア、ミケランジェロ、コロンブス、ガリレオ・ガリレイ…。
さまざまな分野で活躍した有名、無名の人々のエピソードや言葉を引用しながら、「自助」の精神の重要性を訴えている。
この現代語訳版では若干削除されている部分もあるが、読みごたえは十分である。
「世界を動かそうと思ったら、まず自分自身を動かせ」と語ったソクラテス、
「天才とは、一つの問題に深く没頭した結果生まれるものだ」としたビュフォン、
「死やいかなる苦行が待ち受けていようとも、一つの魂を救うためには、
たとえ一万回でもその中に飛び込む覚悟がある」と語ったザビエル。
成功を収めた偉人たちの言葉からは、信念や使命感、努力の力を感じることができる。
本書は、イギリスが世界最強であった時代に書かれたものである。
巻末の「訳者のことば」で訳者は、「そのころに比べて現在のイギリスの勢いがやや衰えているのは、
自助の心を持ったイギリス人の数が少なくなったからである。
いわゆる『成熟病』がイギリスに災いしたのである」と語っている。
成熟期を迎えた現在の日本にこそ、必要な1冊なのかもしれない。(土井英司)



テーマである「自助」とは、自分を自分で助けるという意味です。
「天は自ら助くる者を助く」という言葉の意味を深く教えてくれます。
活気にあふれる国の基盤となるのは、人が自分自身を助ける「自助」の精神だと著者は断言しています。
本書では、欧米人300人の例をあげて、この世は因果応報・善因善果・悪因悪果の世であるというということを論じられている内容となっています。
『自助論』の要点は?
本書は、最初から最後まで名言の宝庫です。
なんせ300人の英知が詰まっています。



その中からポイントをわたしの独断と偏見で選んでみました。
「天は自ら助くる者を助く」とは
この「天は自ら助くる者を助く」という概念は、先ほども申しましたが、 「天は、他人に頼らずにひとりで努力する者を助けて幸福を与える」 という意味です。
本書が元になり明治時代に広まった『西国立志編』の中で、中村正直氏がこのように訳しました。
聖書の言葉ではなく、ラテン語以来の古いことわざで、イソップ童話「牛追いとヘラクレス」の教訓にもなっています。
この「自助の精神」を説く意味として本書では、このように語られています。
外部からの援助は人間を弱くする。自分で自分を助ける精神こそ、その人間をいつまでも励まし、元気づける。
大切なのは、一生懸命働いて節制に努め、人生の目的をまじめに追求していくことだ。それを周囲に身をもって示している人間は多い。彼らの地位や力はどんなに取るに足らないものだとしても、現代はもとより将来の社会の繁栄に大きく寄与している。
われわれ一人ひとりが勤勉に働き、活力と正直な心を失わない限り、社会は進歩する。反対に、怠惰とエゴイズム、悪徳が国民の間にはびこれば、社会は荒廃する
人間は、読書ではなく労働によって自己を完成させる。つまり、人間を向上させるのは文学ではなく生活であり、学問ではなく行動であり、そして伝記ではなくその人の人間性なのである。
「人生には、足を止めて休んでいる時間などありません。他人からの援助と自らのいっそうの精進は共に欠かせないものです。」
フランスの政治家アレキシス・ド・トックビルが友人にあてた手紙より
われわれは自らが自らに対して最良の援助者にならなければいけないのである。
「天は自ら助くる者を助く」 のまとめ
自分で自分を助ける精神こそ、「自助」の根幹であり、外部の援助に頼っていては、人間として弱くなる。勤勉に休みなく努めることで人生の目的を追求することができ、本の知識を詰め込むだけではなくしっかり行動することで人格も磨かれる。
よって、「われわれは自らが自らに対して最良の援助者にならなければいかない」ということなのです。



つまり、自分でしっかり考えしっかり悩んで努力し、怠けることなく継続し続けた者に「成功」の女神が微笑むということなのですね。
成功するために守ること
積み重ねが大事
何事もたゆまない努力が必要です。
誰でもそうだと思いますが、「偶然できた」「偶然思いついた」というのは、ありえないですよね。何事も成果を出そうと思ったらたゆまない努力が大事になってきます。
例をあげると、本書で紹介されたミケランジェロとニュートン。
ミケランジェロ(イタリア・ルネッサンス期の彫刻家、画家、建築家、詩人)
ミケランジェロは、彫刻を完成させるまでに、他人が重要とは思えない細かな修正を重ねていました。ミケランジェロは、美の完成とは、どんなにささいな問題でも重要な意味を持つということを知っていたということです。
ニュートン(イングランドの自然哲学者、数学者、物理学者、天文学者)
ニュートンがリンゴを落ちるのを偶然見て「万有引力の法則」を発見したわけではなく、それまでに長年こつこつと続けてきた重力の研究があったからこそ木から落ちるリンゴにインスピレーションが湧いたのです。
まあ、たしかに生まれついての非凡な能力がなければ、いくら努力を重ねても偉人のような成果は出さないかもしれません。でも、勤勉と努力がすばらしい成果を生み出すことはまちがいないことです。
しかも天才と称賛される人物ほど、必ずといっていいくらいねばり強い努力家であるのです。歴史上の偉人はとにかく粘り強いです。
発明王エジソンも電球の発明に1000回の失敗をしました。1000回の失敗を記者から問われると、「1000度の失敗をしたわけではない、1000のステップを経て電球が発明されたのだ」と返したのです。
ですから、われわれもねばり強く努力を継続していけばそれなりの成果を出せるということなのです。それは反対にいくら才気にあふれていても移り気で忍耐力にかけていれば成功というものはなしえないということです。
時は金以上なり
「時は金なり」ということわざがありますよね。
「時は金なり」
ベンジャミン・フランクリンの言葉。
時間は大切なものであり、金銭と同等の価値がある。だから、時間をむだに費やしてはならない。
本書では「時は金なり」あらため「時は金以上なり」といいます。
オックスフォードのオール・ソウルズ・カレッジにある日時計 をご存知でしょうか?
その日時計には、「時間とは消滅するものなり。かくしてその罪はわれらにあり」と刻まれているそうです。 永遠なるこの世の真理の中で、時間だけは自由にまかされてはいるけど、過ぎ去った時間は二度と戻りません。
過去の偉人たちはその貴重な時間を有効に使い豊かな思想や功績を生み出し、その宝を後進のわれわれに譲り渡してきたのです。
ということで、時間というものがどれだけ貴重な財産なのかということがよくわかります。
まさに「時は金以上なり」です。
その貴重な財産である時間を意志薄弱で怠惰な人間は目的もなく過ごしています。そのような人間はチャンスがすぐ手に届くところにあっても気づかずに幸運を見逃してしまいます。
反対に幸運の女神を抱きとめようと虎視眈々と狙っていれば、きっと驚くほどの成果が得られるということです。そのために時間を正しく活用すれば、自己を啓発し、人格を向上させ、個性を伸ばしていけます。
もし自分が怠惰な生活を送り、それを正そうという気があるなら1時間でも自己啓発に充てることで数年で見ちがえるような自分に会うことができるでしょう。
1時間が無理なら1日のうちで15分でいいから自己修養に目を向けることで、1年後にはたしかな効果があるはずです。
考えてばかりいずにまず実践
「がんばってもがんばっても認めてもらえない・・・」
そんなときってありますよね。
もちろん世間から認めてもらえず辛酸をなめた経験を持つ偉人も多いそうです。ですが真にすぐれた人間は、他人の評価に重きを置かず、自らの本文を誠心誠意果たして良心を満足させることを無上の喜びとしたのです。
本書では天然痘の予防法を発見したエドワード・ジェンナーを紹介されました。
エドワード・ジェンナー(イギリスの医学者)
まず天然痘という病気ですが、オルソポックスウイルスに分類されるウイルスで、人間のみに感染します。
ウイルスを排泄する患者の呼気による空気感染や飛沫感染、患者の皮膚病変との接触やウイルスに汚染された患者の衣類や寝具なども感染源となります。
急激な発熱や頭痛、悪寒で発症します。一時的に解熱するも口腔や咽頭粘膜に発疹が出現し、顔面や四肢、そして全身に発疹がひろがります。
ジェンナーは、 「牛痘(牛がかかる疱瘡)にかかった者は天然痘にかからない」という地域の伝承からヒントを得て、種痘の効能について研究を重ねました。
ですが、同僚の医師たちからは一笑され、あげくの果てには、「そんな突飛な説を振りかざして同業者を困らせるなら医者の世界から追放する」と脅されたりもしました。
でも、師である名医ジョン・ハンターは、「考えてばかりいないで実践してみなさい。ただし、忍耐強く正確にやってみることだ」と後押ししてくれたのです。
医師の仕事のかたわら、20年かけて天然痘予防の研究を続け、自分の発見の正しさを信じ自分の息子に3度にわたってワクチンの接種を試したそうです。
ジェンナーの発見について、はじめは黙殺され、ついでに露骨な敵意が巻き起こり、誹謗と中傷、そして石を投げつけられるなどの目に遭わされましたが、理解ある貴族の力もあり、医学界の風向きが徐々に変わっていったということです。
ジェンナーは成功の頂点に立っても、なかなか世間に認めてもらえなかった無名時代の謙虚さを忘れなかったとのことです。
成功するために守ることのまとめ
時間は有限の資産です。1分たりともムダにせず、自己啓発に努め、たゆまない努力を重ねましょう。たとえ世間に認めてもらえなくても常に信念を持って実践すれば道は開けます。



いまは認めてくれなくても、信念を貫き、努力を重さ練ることが大事ということですね。そういえば、後世に名前が残る人の中には死後に評価される人も多いです。
ちょっと、自分的には複雑な気持ちになりますが、「人類の進歩」ということなれば納得かなあ。
そして「時は金以上なり」・・・この概念は、胸に刻みたいと思います。
ビジネスを成功させる6つの原則
ビジネスを成功させるための六大原則も紹介されています。
ビジネスを成功させる六大原則
- 注意力
- 勤勉さ
- 正確さ
- 手際のよさ
- 時間厳守
- 迅速さ
どんなビジネスにも、効率よく運営するのに欠かせない原則が6つあり、それが、 「注意力」「勤勉さ」「正確さ」「手際のよさ」「時間厳守」「迅速さ」 です。
一見すると、「な~んだ、こんなことか」というふうに思うでしょうけど、実際はこのようなささいなことがらが、人間が世の役に立ち、幸福や繁栄を得るには極めて大切な意味を持っています。
なぜなら、人間の生活は元来、このようなささいなことがらから成り立っているからです。ちょっとした行動の繰り返しでその人の人格や国家の性格が形成されるのです。
特に「時間厳守」は、人間の良心の問題です。約束というのは、それがはっきり決めたものであれ暗黙の了解であれ、一つの契約です。
フランスの国王ルイ十四世は、「時間厳守は国王としての礼儀だ」と語りました。国王のような誰もが服従するであろう人でも「時間」の大切さを理解していたのです。
これはわれわれのような一般人にとっても義務であり、ビジネスに携わる人間にとっての必須条件であります。これにより信用を勝ち得ることができますし、反対に時間にルーズなら信用を落とすことになります。
約束を守れない人間は、相手の時間を不当に浪費するばかりでなく、相手の誠意に対する裏切り行為をしているのです。そのような人間は必ず世間の評判を落とすことになるでしょう。
ビジネスを成功させる6つの原則 のまとめ
人生においてもビジネスにおいても、必ず6つの原則を守り、小さな信用を重ねていくことが成功への大前提ということです。



「注意力」「勤勉さ」「正確さ」「手際のよさ」「時間厳守」「迅速さ」
どれも大事です。
特に「時間厳守」は、人間としての信用に大きく関わりますね。
肝に銘じたいと思います。
『自助論』の感想・まとめ
まず今日、自分の「変革」手をつけよう
いつの時代でも幸福や繁栄というのは自分の行動から生まれるものです。決してその国の制度の力ではありません。
日本でも「老後2000万円問題」がクローズアップされ、年金制度の事実上の破綻を国の責任だと憤る人がたくさんいます。
たしかに気持ちはわかりますが、本書の「自助の精神」からすると、そこには主体性がないとしかいいようがないのです。他者に頼る姿勢の危うさをヒシヒシと感じるのではないでしょうか?
そして、いまなおコロナウィルス感染症により、人生設計が狂ってしまった人も大勢います。明日、生きる資金も途絶え、政府の補助金頼りという綱渡りの生活を送る人も多いことでしょう。
「自助の精神」により、しばらくの生活資金を自力で貯えておく努力をしておくことこそ、いま求められる生活防衛能力であり「自助の精神」だと思います。
この『自助論』が生まれた背景をたどりますと、当時のイギリスは、世界最強の国でした。この最盛期のイギリスを支えたのが自助の心をもったイギリス国民だったのです。
本書の原題となった「自助」とは、勤勉に働いて、自分で自分の運命を切り拓くことであります。つまり、他人や国に頼らないということでもあります。
「天は自ら助くる人を助く」は、その自助をまっとうした人にこそ訪れ、本書では300人もの実例をあげて教えてくれました。
最後に本書では、天才でもなく財産も地位もない人間でも、他人に頼らず独力で、勤勉と節約によって成功できるとあります。
これは、これからの未来を創っていく若者にぜひ読んでほしい作品であるし、それをサポートする先輩社会人も読むべきところのたくさんある作品だと思います。
ぜひご一読ください。




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