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『シン・ニホン』から学ぶ将来の日本をドラえもんで埋め尽くせる方法

コウカワシン

こんにちはコウカワシンです。

今回は安宅和人(あたか・かずと)さんの著書『シン・ニホン』から学ばせていただきます。

本書はamazonの聴く読書「オーディブル」で、聴くことができます。

スキマ時間を活用して聴く読書してみませんか?

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目次

『シン・ニホン』は、誰におすすめか?

本書はこのような人におすすめです。

『シン・ニホン』がおすすめな人

  • これからの日本を背負って立つ若者
  • 若者を教育する指導者
  • 政治家
コウカワシン

今の日本は世界的に見ても競争力が低くオワコンとされています。

そんな日本が立ち直るには、これから日本を背負って立つ若者しだいですし、その若者たちを教育的にも財政的にも支援する仕組みが必要だと思います。

ですので、若者を育てる教育者や指導者、今の予算配分を教育にも回せる政治家の協力も必要です。

将来の日本をまた復活させるために国民全員が同じ意思にならないといけないと感じますね。

『シン・ニホン』はどんな本?

本書の目次

『シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成』

はじめに
1章 データ×AIが人類を再び解き放つ~時代の全体観と本質
 1 歴史的な革新期
 2 知的生産そのものが変わる
 3 不連続な変化はデータ×AIだけではない
 4 未来の方程式

2章 「第二の黒船」にどう挑むか~日本の現状と勝ち筋
 1 一人負けを続けた15年
 2 埋もれたままの3つの才能と情熱
 3 国力を支える科学技術の急激な衰退
 4 データ×AI世界で戦うには
 5 日本には希望はないのか
 6 まず目指すべきはAI-readyな社会
 7 日本本来の勝ち筋

3章 求められる人材とスキル
 1 ワイルドな局面で求められる人材とは
 2 普通ではない人の時代
 3 多面的なAI-ready化
 4 知性の核心は「知覚」

4章 「未来を創る人」をどう育てるか
 1 3層での人づくり
 2 国語と数学の力を再構築する
 3 未来を育てる人を育てる6つのポイント
 4 初等・中等教育刷新に向けた課題
 5 専門家層・リーダー層の育成

5章 未来に賭けられる国に~リソース配分を変える
 1 圧倒的に足りない科学技術予算
 2 日本から有能な人材がいなくなる
 3 産学連携の正しいエコシステムをつくる
 4 若い人に投資する国へ変わろう
 5 未来のための原資を作り出す私案

6章 残すに値する未来
 1 不確実な未来にいかに対処するか
 2 この星は今、どうなっているか
 3 新たなテクノロジーと接続可能な世界
 4 ビジョンから未来をつくる~「風の谷」という希望

おわりに

著者の紹介

安宅和人(あたか・かずと)

慶應義塾大学環境情報学部教授。ヤフー株式会社CSO(チーフ・ストラテジー・オフィサー)。
データサイエンティスト協会理事・スキル定義委員長。

東京大学大学院生物科学専攻にて修士課程修了後、マッキンゼー入社。4年半の勤務後、イェール大学脳神経科学プログラムに入学。
2001年春、学位取得(Ph.D.)。ポスドクを経て2001年末マッキンゼー復帰に伴い帰国。マーケティング研究グループのアジア太平洋地域中心メンバーの一人として幅広い商品・事業開発、ブランド再生に関わる。
2008年よりヤフー。
2012年7月よりCSO(現兼務)。

会社横断的な戦略課題の解決、事業開発に加え、途中データ及び研究開発部門も統括。
2016年春より慶應義塾大学SFCにてデータドリブン時代の基礎教養について教える。
2018年9月より現職。内閣府総合科学技術イノベーション会議(CSTI)基本計画専門調査会委員、官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM)AI技術領域運営員、数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度検討会副座長なども務める。

著書に『イシューからはじめよ

本書の内容

『シン・ニホン』は、ズバリ!「オワコン日本が再び立ち上がるための方法と構想」です。

amazonの書籍紹介より

◎読者が選ぶビジネス書グランプリ2021 総合グランプリ受賞!!
◎ビジネス書大賞2020 特別賞(ソーシャルデザイン部門)受賞!!
◎ITエンジニア本大賞2021 ビジネス書部門 ベスト10!
◎累計16万部突破!

30万部超の名著『イシューからはじめよ』から9年――。
渾身の力で投げ込む、ファクトベースの現状分析と新たなる時代の展望!

AI×データの発展により、時代は多面的に「確変モード」に突入した。
目まぐるしく動く社会の中、本書は以下の問いをひとつなぎにして答える。

・現在の世の中の変化をどう見たらいいのか
・日本の現状をどう考えるべきか
・企業はどうしたらいいのか
・すでに大人の人はこれからどうサバイバルしていけばいいのか
・この変化の時代、子どもにはどんな経験を与え、育てればいいのか
・若者は、このAIネイティブ時代をどう捉え、生きのびていけばいいのか
・国としてのAI戦略、知財戦略はどうあるべきか?
・AI時代の人材育成は何が課題で、どう考えたらいいのか
・日本の大学など高等教育機関、研究機関の現状をどう考えたらいいのか

ビジネス・教育・政策…全領域にファクトベースで斬り込む、著者渾身の書き下ろし!
意志なき悲観論でも、現実を直視しない楽観論でもない、建設的(Constructive)な、「残すに値する未来のつくり方」

コウカワシン

『シン・ニホン』のコンセプトは、「この国はスクラップ&ビルドでのし上がってきた。今度も立ち上がれる」です。

これは、映画「シン・ゴジラ」の中での内閣官房長官代理のセリフで、著者が感銘を受けた部分でもあります。今の現状を正しく知り、今後の対策を立て、日本の勝ちパターンを作ることが、本書の目的といえます。

『シン・ニホン』の要点は?

先ほども申しましたが、今の日本は世界的に見ても競争力が低く、今後衰退していくことが予想されます。

それはなぜかというと、社会構造が「もの作り」から「情報産業」にシフトしていったからです。今までは大量にものを作り売りさばけば潤う時代で、そこにはたくさんの人が関わっていました。

日本人の特性もそこに活かされていたと思います。ペリー来航のころは技術革新の「技」の字もなかったのに、100年で新技術を取り入れ、テレビ・自動車で世界一になり、ファミコン・ウォークマン・新幹線を作り上げたのが日本なのです。

日本人の特性とは、丁寧さ、これまでの培った技術が勝負という職人芸であり、既存のものづくりを磨きこめば勝てるとされていたことでした。

この考えは尊重すべきですし今後も大事になってくるとは思いますが、それだけでは勝てないし無駄が多いのも見逃せません。もっと簡素化すれば生産性も上がる・・・それには「AI×ビッグデータ」を活用する必要があります。

そして、日本といえば「ドラえもん」です。

わたしも小さなころからドラえもんのファンで、「こんなこといいな。できたらいいな。あんなゆめこんなゆめいっぱいあるけど。みんなみんなみんなかなえてくれる・・・」こんな歌を歌いながら妄想に明けくれたものです。

著者の安宅さんも「日本には妄想力がある」とし、この妄想力こそが日本を立ち直らせるきっかけになるとしています。妄想力で未来を創る・・・式に書けばこんな感じです。

「未来=夢×技術×デザイン」

本当にドラえもんで見たような「未来」が来ればいいですね。ドラえもんは、未来から来たネコ型ロボットです。その未来を創るのは我々じゃないですか!

だったらドラえもんを生める未来のために何ができるのでしょうか?

このためには日本の本来の勝ち筋を設定しなければいけません。

日本の勝ち筋とは、

  • 全てをご破算にして明るくやり直す
  • 圧倒的なスピードで追いつき一気に変える
  • 若い人を信じ、託し、応援する
  • 不揃いな木を組み、強いものを作る

です。

先ほども言った通り日本は「スクラップ&ビルド」で立ち直ってきたのです。社会構造がもの作りから情報産業に移ってしまった今立ち上がるべきなのです。

コウカワシン

前置きが長くなりましたが、夢ある未来のために何をすべきかを私の独断と偏見であげていきたいと思います。

日本の得意を活かす

たしかに今の状況は日本がイケていないことこの上ないです。

GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)のような企業が日本にはありません。お隣の中国にはGAFAに対抗できるBATH(バイドゥ、アリババ、テンセント、ファーウェイ)のような企業があります。

つまり、技術革新や産業革新といった波は、アメリカや中国から引き起こされ、企業価値レベルにおいても中韓に大敗し、そのような人材を養成する大学も負け、人も作れず、データ×AIの視点での三大基本要素のいずれも勝負になっていないということです。

なんだか不思議な話ですよね。日本って世界一の技術立国で、毎年のようにノーベル賞を受賞する人を輩出しているような気がしていたのですけどね。

たしかにトップ研究者はいるものの全体としての層の厚さがないというのが現状だそうで、こと理系学生の数においては人口的に少ないはずの韓国よりも少ないということです。

では、もう日本に希望はないのかと聞かれたら安宅さんは「そのようなことはない」とおっしゃいます。というのも歴史的に見て日本は新産業を生み出せなくても、それに乗っかって発展してきた経緯があるからです。

産業革命から振り返る

18世紀から始まる産業革命では、日本は完全に出遅れた存在でした。そうです。ペリー来航でアメリカが蒸気船でやってきたころには日本にそのようなものは存在していないのです。

Image from Gyazo

(出典:ウィキペディア「嘉永7年(1854年)横浜への黒船来航 ペリーに随行した画家ヴィルヘルム・ハイネによるリトグラフ」より)

その産業革命をざっくりと振り返ってみると、3つのフェーズに整理できます。

  • フェーズ1は、新技術や新エネルギーが出てきた時代。
  • フェーズ2は、高度な応用。
  • フェーズ3は、エコシステム構築。

フェーズ1のとき日本は、ほぼ何もやっていなかったということです。時代は江戸末期で、まだ鎖国をしていましたから、国民の9割は農業か漁業などで生計を立てていました。

フェーズ2は、明治時代の文明開化で、一気に教育・郵便などの基礎システム構築がなされ、富国強兵、西洋文明の吸収が急スピードで進み、二度の大戦を経て、自動車、家電、カメラなどの新しいもの作りや構造ゲームでのし上がっていきました。

フェーズ3では、さらに複雑化させたシステムを機能させ運用した新幹線やファミコン、スパコン、ポータブルオーディオなどのエコシステムの構築でさらに世界に勝利したのです。

つまり、日本は歴史的に見てもフェーズ1をやったことがないけど、フェーズ2、フェーズ3で大逆転し勝者となってきたのです。となれば、今の状況に合わせてみても合点がいくのではないでしょうか?

AI×データ時代における日本の戦略

まず下の図をご覧ください。

フェーズ1の「データ×AI化が進展」では、日本は完全に出遅れてしまいました。しかし、安宅さんは「おそらくこの新しいゲームのフェーズ1はすでに終わりに近づいている」と言われています。

産業革命同様のフェーズ2、フェーズ3が来ることは間違いないですし、フェーズ1で生み出された技術があらゆる分野、空間、機能に広まっていき、スマート化し、何でもセンシングされるようになって最適化されます。

センシングとは、センサーと呼ばれる感知器などを使用して様々な情報を計測して数値化する技術の総称を指します。詳しく知りたい方は下の関連記事をどうぞ。

今も広まりつつあるのですが、これからはあらゆる世界がデータ×AI化していきます。スマート化されたものやサービスはことごとくつながり合っていき、ゆくゆくは食べものを介して体の内部の調子すら可視化されると言われています。

まず目指すは「AI-ready」な社会

AI-Ready(エーアイ・レディー)とは、AI(人工知能)を人間が有効かつ安全に利用できる状態のことです。

内閣府が作成した「人間中心のAI社会原則」によると、 AI-Readyな社会というのは「社会全体がAIを活用して恩恵を受けられる社会」「必要に応じていつでもAIを活用できる社会」 を指し、環境保護や資源枯渇などの地球規模の問題、少子高齢化による人手不足や過疎化などの国内問題の解決には、 AI-Readyな社会の構築が必要であるとされています。

つまりは、「社会がAIに対応し普通に活用できるようになる状態」をいうのだと思います。

こうなるまでにはいろんな問題をクリアしないといけませんが、特に最優先課題となるのが「扱える人材」の補充です。日本の人材不足は深刻で計算機論文分野の論文数ではアメリカや中国に大きな差をつけられるほど少ないですし、人材数では、先ほども言ったように国民人口の少ない韓国に負けているのです。

そうはいっても、国民全体のAIリテラシーが上がらなくては、扱う人材も育ちません。ですので安宅さんは3層での人づくりを提唱されています。

未来を創る人を育てる

3層での人づくり

「AI×データ」時代に対応する人たちを3つの層に分けるとこのようになります。

  • リテラシー層(時代に即したリテラシーを身につけ、未来へのマインドの見方を育てる)
  • 専門家層(変革していくにあたって、もっとも中核となる人たち)
  • リーダー層(あらゆる活動の心棒となる人たち)

このような人材づくりが必要であるということなんですね。

これには通常の教育システムで若者を育成するだけではダメで、これについては2つの巨大なリソースの再活用がカギであると安宅さんはいいます。

第一は技術者・エンジニア層、第二にミドル・マネジメント層であります。

技術者・エンジニア層は割合として少数だけど相当量存在しているそうで、この方たちには、データ×AIスキルを持ったデータ分野そのものの専門家を目指してもらい、その他の人もデジタル素養を持つ人材に生まれ変わってもらうことだとされています。

第二のミドル・マネジメント層・・・つまりは中間管理職の方たちですが、とにかく活性化してAI×データ分野への理解を深め「ジャマおじ」「ジャマおば」にならないことが必然です。

若い人に投資する国へ変わろう

意識改革

未来を創るのは若者です。

若者に投資しない国は滅亡するとさえいわれています。そして若者に投資し誰もが輝ける社会となればとても素敵ですよね。

安宅さんは全世代参加型社会が未来を創るとされています。

確かに日本にとっても人類にとっても、相当にしんどい局面ではある。手なりの未来が受け入れがたいとき、それをそのまま待つのは負けだ。

人間の持つ、おかしな未来が来ることを予測する力は、予測される未来を引き起こさないためにある。どんなことを仕掛けたら未来を変えられるのか。それを考え、仕掛けていくのはとても楽しい。一人ひとりがヒーローになり得る時代なのだ。

僕らは少しでもましになる未来を描き、バトンを次世代に渡していくべきだ。

もうそろそろ、人に未来を聞くのはやめよう。
そしてどんな社会を僕らが作り、残すのか、考えて仕掛けていこう。

未来は目指し、創るものだ。

人生は100年時代に突入していきます。

老後資金不足2000万円問題などがあり、シニア層にとっても我々働き世代においても不安は隠せませんが健康を維持し、まだまだ働こうと思えば働ける気力を持ち、未来のために自分がなにができるかを考えなければいけません。

そのような意識改革ができれば、国として若い世代に対しての投資を惜しまない土壌ができると考えます。

予算配分

日本の科学技術に対する予算は、他の国と比べてかなり低いです。先ほども論文数の順位が低いと申し上げましたが、論文数と予算は相関しています。

たとえば、米国を代表する大学は日本の3~5倍の予算があります。教員の給与も日本の2倍となっています。日本の教員の給与は数十年据え置き状態ということで、これでは優秀な先生は日本を去るしかないですよね。

なぜこのようなことになっているかというと・・・「金がない」つまりは、科学技術に投与する予算が削られているということなんです。

でもね。日本はまだ世界第3位の経済大国です。国の予算だって170兆円あります。その中の3.2兆円でいいから科学技術分野に突っ込んでいただければ事態は大きく変わる見込みがあるんです。

ではどうするかということですが予算の再配分をする必要があります。170兆円のうち120兆円が社会保障費だそうですが、それを再配分するということなのです。

それでは「シニア層」が困ってしまうじゃないかということですが、今の日本の状態を家族としてみた場合、「家族のうちおじいちゃんおばあちゃんがちゃんとしたおかず付きのご飯を食べれるけど、お父さんお母さんではほんの少ししかお小遣いがなく、子どもたちはメザシ1つ与えられていない」というのが正直なところだそうです。

安宅さんは、「このまま行けば、この国はシニア層と過去にお金を使いすぎて衰退を止められなかった初めての大国として歴史に名を刻むことになる」と言われています。

それを阻止するためには「シニア層」にも協力いただいて社会保障費部分にメスを入れたり、元気なうちは社会で活躍していただいたりし価値を生産できる人口を増やすことが重要であるといえます。

「風の谷」としての希望

ここでは今までの「AI×データ」の話とは変わって、社会課題も含めたSDGsの話を入れてみたいと思います。

本書では、「残すに値する未来」としていろんな観点で地球のあり方を述べられています。成長発展に受けた地球のダメージは大きく、これまでのペースややり方で人間が生活を営んでいけば地球がもたないとまで言及されています。

そこで安宅さんは、新たなテクノロジーと持続可能な世界として「SDGsとSociety5.0の交点」を見据えるべきだとされています。

Society5.0 については、経団連の記事をぜひご覧ください。

そして安宅さんは「風の谷を創る」という構想を持っています。

「風の谷」とは、もちろん「風の谷のナウシカ」のことです。

『風の谷のナウシカ』には、ほとんどの空間が巨大な菌類に覆われた❝腐海❞という、人間や大半の生命体にとっては毒まみれの極めて危険な空間になった未来が描かれている。

❝腐海❞にはその毒性に耐え得る巨大な蟲たちが繁栄していて、人は❝腐海❞に覆われていない限られた空間に暮らしている。

人間の文明が発達しすぎて、バイオテクノロジーとロボティックスを組み合わせたような破滅的な兵器、巨神兵が世界のほとんどを焼き尽くし、それから1000年ぐらい経ってしまったあとの話、というのがそもそもの設定だ。

「風の谷」は、人が住めなくなった❝腐海❞の風上にあり、つねに風が吹き込んでいるために❝腐海❞の毒に覆われていない、そんな場所として描かれる。

原作含めとても好きな作品ではあったものの、扱うテーマが重く、正直10年以上も観た記憶がないぐらいの状態だったのだが、唐突に僕の上にその言葉が降りてきたのだった。

今の社会は、大都市に「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」が集まり、地方は「限界集落」に見られるように崩壊した状態です。本書では「ブレードランナー」と例えられています。

たぶんですが、このような社会では「持続可能な社会の構築」は、難しいのではないでしょうか。

そこで、「風の谷」的都市構想を打ち立てるのです。

安宅さんがいうには、たとえば、都市部に 「AI×データ」で自動化された シニア層が住みやすい世界があり、その一方で活性化された地方都市には若者が住むといった世界。つまり、一極集中のブレードランナー的なものではなく、各地方が有機的につながりながら活性化して全体を盛り上げていくといったものです。

そりゃ、費用対効果はなかなか望めないかもしれません。

誰も住んでないような場所にインフラ整備していくら元が取れるんだと考えますが、もうすでにあるものも活用しながら徐々に若い人が移り住めるような魅力ある「風の谷」を創っていく必要があると感じます。

一方、医療機関や自動化されたインフラの整った都市部にはシニア層が住むというのは意味があります。

今は、都市部に若い人などの行動する勤労層が住み、医療機関もなくインフラの整っていない過疎部にシニア層が住んでいたりします。

逆転の発想で、行動力のある若い人たちに地方の過疎部に移ってもらい、インフラや医療機関が整った都市部にシニア層が住むことで、かえて費用がかからないという可能性があります。

幸いにも、最近ではリモートでの業務が常態化してきています。過密する都市部でなくても仕事ができるということです。過疎部に住むメリットさえあれば、進んで移り住む若い人も増えてくるでしょう。

もちろん「風の谷」的都市構想は、一筋縄ではいきません。官民一体となった取り組みが必要でしょうね。

『シン・ニホン』の感想・まとめ

上杉鷹山のごとく

危機をチャンスに変えるのは簡単にはいかないけど、将来の人材育成のために国民が一丸となるという発想はものすごく共感し、安宅さんを江戸中期の大名上杉鷹山(うえすぎようざん)と重ね合わせてしまいました。

「改革は一人ではなし得ない。重要なことは改革の火を移していくこと」

上杉鷹山の名言でありますが、まさにみんなが一丸となって取り組むべき課題が満載といった本でした。

本書は分厚くて 書いてある内容は難しいのに 「シン・ゴジラ」「ドラえもん」「風の谷のナウシカ」・・・これらの親しみのある語句をつかい読みやすくされていました。

正直、本書の内容をすべて理解したとはいえないけど、安宅さんの思想が現実になればいいのにと感じました。そういった意味で本書は国民全員に読んでいただきたい・・・そんな気持ちです。

最後に安宅さんが高校生のころからいつも心にある言葉を紹介します。

「一日生きることは、一歩進むことでありたい」

湯川秀樹

素晴らしい!!

コウカワシン

最後までお読みいただきありがとうございます。

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この記事を書いた人

四国在住。
ミニマリスト。趣味は映画観賞と音楽鑑賞、読書、野球観戦。
映画は特に好き嫌いなくほとんどのジャンルーを観ます。音楽はジャズとクラシックが大好きです。読書は歴史書が好きでよく読みます。

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