
こんにちはコウカワシンです。
今回は越川慎司(こしかわ・しんじ)さんの著書『AI分析でわかったトップ5%社員の習慣』から学ばせていただきます。
『AI分析でわかったトップ5%社員の習慣』はどんな本?


『AI分析でわかったトップ5%社員の習慣』 は、ズバリ!「生産性爆上げ人間になるためのマニュアル」です。
本書はこのような本
「働き方改革」が始まったものの・・・
「残業できない・・・」
「仕事が終わらない~」
「休みたいけど、休めない~」
と、ネガティブに毎日を過ごしている人も多いそうです。
そのような人に向けて、本書は、「効率よく成果を出す方法」を教えてくれる一冊です。
『AI分析でわかったトップ5%社員の習慣』 は、現在(2021年8月20日)amazonの本読み放題サービス「キンドルアンリミテッド」の対象本です。
キンドルアンリミテッドは、ビジネス書からマンガまで幅広いジャンルの本が読み放題です。ぜひこの機会にご検討ください。
そして、聴く読書amazonオーディブルで聴くことができます。
ぜひオーディブルを導入して読書効率を高めていきましょう!
本書は誰におすすめか?
本書はこのような人におすすめです。
『AI分析でわかったトップ5%社員の習慣』 がおすすめな人
- 同僚よりも成果を出したい人
- 生産性を上げたい人
- 新社会人
『AI分析でわかったトップ5%社員の習慣』 の要点は?


どの会社でも「エース」と呼ばれる誰よりも仕事の成果を上げる人がいますよね。
彼らは、いったいどのような考えで、どのように行動しているのでしょうか?
越川さんは、 ビジネスパーソン1万8000人を定点カメラ・ICレコーダー・GPSで調査、AI分析した働き方 から 効率よく成果を出す人の「共通点」 を探し出しました。



それでは、わたしの独断と偏見で要点をあげてみたいと思います。
トップ「5%社員」の五原則
成果を出すトップ「5%社員」には、共通の五原則というものがあります。
トップ「5%社員」の五原則
- 「目的」のことだけを考える
- 「弱み」を見せる
- 「挑戦」を「実験」と捉える
- 「意識改革」はしない
- 「ギャップ」から考える
1.「目的」のことだけを考える
「トップ5%社員」は、過程よりも結果重視
「トップ5%社員」は、過程よりも結果を重視します。
「5%社員」に対してアンケートやヒヤリングを行い、その結果を4社のAIサービスを使って分析しました。すると、高い頻度で出現する名詞は「結果」や「目標」でした。そして「達成する」「成し遂げる」という動詞が多く使用されていました。
これらの言葉は、95%の一般社員よりも3倍以上使用されていたのです。
つまり、成果が伴わなければ過程は評価しないということです。これは、結果的に失敗に終わったプロジェクト後の対応に一般社員と大きな違いがあると言います。
一般社員なら「失敗してしまったけど、頑張ったし、みんなとも協力できたからよかった」考えますが、それで終わらないのが「トップ5%社員」なのです。
「トップ5%社員」は必ず、失敗を失敗で終わらせることなく、失敗の発生原因をつきとめるチャンスだと考え、次の行動で修正していきます。
「転んでもただでは起きない」ともいえますが、プロセスを重視するのは当然ながら、それを逃げ口上に使ってはいけないということを「トップ5%社員」は、知っているのです。
その他にも「目的」を達成するための心得として
- 時間を大切にする
- 自分で目標を設定し達成を目指す
- 仕事は「量ではなく質」と考える
といったことを重要視しているのも一般社員とは大きな違いとなって表れるといえるでしょう。
2.「弱み」を見せる
自己開示で信頼ネットワークを構築
「トップ5%社員」は、むやみに敵をつくらず味方をつくり信頼ネットワークを構築します。そのために自ら「自分の気持ちや考え方を包み隠さず伝えて、相手から共感や理解を得る」ように自己開示していくのです。
これは相手の精神的なハードルを下げ、何でも言い合える「心理的安全性」が守られるので、相手も心を開き、様々な情報をを聞き出すことができるのです。
心理的安全性
心理的安全性とは、職場やチームのメンバー一人ひとりが恐怖や不安を感じることなく、安心して発言・行動できる状態のことを指します。
たとえば、「こんなことを聞いたら笑われるかな?」とか「こんなことしたら怒られたりしないだろうか?」といった不安を取り除くかないと、相手も心を開かないということです。
「トップ5%社員」は、この原理を理解していて、ちょっとした気遣いと配慮で、信頼できる人脈を作っていけるのです。
好意の返報性
自己開示の関連ですが、「トップ5%社員」は、自分の弱みも見せてしまいます。
たとえば、自分のわからないことは、そのままにせず質問し、新たな知識を得ようとします。そうすることで上司からも信頼され、部下からも慕われるようになります。
それと同時に「相手の腹を割らせるには、自分も腹を割る」・・・これは心理学で「好意の返報性(へんぽうせい)」に通じるものがあり、「相手が腹を割ったのだから、自分も」という気持ちにもなるからだといいます。
つまりは戦略的に自分の弱み(考え)を見せて、相手の正直な考えを聞き出せるということになります。
例えば、同僚の働きがいを聞いてみたいと思ったら、「お前の働きがいって何?」と一方的に聞いていても12%の人しか答えてくれません。
一方、先に「自分がどういう時に働きがいを感じたか」というストーリーを伝え、その上で「働きがいを感じたことある?」と聞くと78%の人が自分の働きがいを答えてくれます。
まずは自分の身の上とか、考えを相手に話し、相手が安心して自分のことを話すようになるという心理は以前にも他の記事でも取り上げました。






なんだかメンタリストDaigoさんの本ばかりですが、なんでも言い合える心理的安全を保障するには、自己開示が前提条件になるということなんですよね。
3.「挑戦」を「実験」と捉える
「トップ5%社員」は自発的に行動する
「5%社員」は、自発的に行動して自分の活躍できるフィールドを見つけます。天性の能力や運を否定はしません。
しかし、成果を出し続けてトップ5%の評価を得る人材は、共通して行動の量が多いことが特徴的です。
95%の一般社員よりも、「5%社員」の方が、会話やチャットで接する人数が多く、会議での発言頻度は一般社員より32%多く、社内での移動距離も22%長かったのです。
すごいですよね。やはり「トップ5%社員」の方は、行動力がハンパないと言えます。
そんな「トップ5%社員」は、結果が第一で過程は気にしないと先ほど申し上げました。一般社員だと「どうせ失敗してしまうから、やっても意味がない」とやる前から決めてかかりますが、「トップ5%社員」は、そんなことはしません。
すべては学び
「トップ5%社員」であっても失敗することはあります。
しかし、先ほども言ったように失敗をしても「どこがダメだったからこうなったのか」「何を変える必要があるのか」といった点を問い続け、失敗した理由を明らかにして次に活かそうとします。
失敗をしてもそれを改善の材料とし、次の行動を修正していけば、成長できますし、成功に近づいていきます。
そもそも「トップ5%社員」は、失敗をさほど悪いように思ってなく、むしろ成功しても学びがないことをネガティブに捉えると言います。
・発明家エジソンも「失敗したわけではない。それを誤りだと言ってはいけない。勉強したのだと言いたまえ。」とか、「私は失敗したことがない。ただ、1万通りの、うまく行かない方法を見つけただけだ。」と失敗をポジティブに捉えていました。
・名将・野村克也も「失敗と書いて、せいちょう(成長)と読む」と言いました。
「トップ5%社員」は、先人たちと同じ「このつらい経験によって学びを得たから、次は失敗しない」と、失敗を自分にとってプラスの材料に変えるクセを持っていると言えます。
迷った時は苦しいほうを選択
「トップ5%社員」は、チャレンジャーです。自分の行動を変える実験によって経験を得るために、あえて苦しい選択をすることもあるそうです。
苦しい選択といえば、聞こえは悪いですが、「自分がまだ経験していないことにあえて挑戦することを選択」するのも「トップ5%社員」の特徴とされています。
この迷った時には苦しいほうを選択ということで、前日書いた『ソニー再生』を思い浮かべました。


『ソニー再生』では、5000億円という巨額の負債を抱えたソニーの社長を引き受け、社長在任中の6年間でみごと負債を完済し20年ぶりの最高益をもたらした平井一夫さんの熱い思いを知ることができました。
事態の大きい小さいはあると思いますが、迷った時は苦しいほうを選択する人というのは、結果、達成や成し遂げるといった「目的」を重視する「トップ5%社員」であり、彼らならではなのだと思いますね。
4.「意識改革」はしない
「行動を変えるには意識を変えないとダメだ!」という主張の自己啓発本が多々あります。しかし、「意識が変わらないと行動を変えられない」というのは間違いです。
意識を変えることは必要です。ただ、それをじっと待っていても何も起こらないことを「5%社員」は理解しています。
行動により意識を変える
「トップ5%社員」は、行動を変えることにより意識が変わります。これは、行動してみたら変化が起きたことを自覚し「行動を起こすことに意味がある」という意識に気がつくからです。
つまりは、「行動こそが意識変革」なのです。
5.「ギャップ」から考える
目標から逆算して考える
彼ら「5%社員」は、目的を達成することを山登りのように捉えます。
はじめに山の頂上を意識し、今自分がどの位置にいてどれくらいの時間とコストをかけて頂上に到達するかを逆算し行動を起こしていきます。
「トップ5%社員」は、漏れなく逆算の思考法をやってます。適切な目標設定が定まったら、その設定した目標からブレイクダウンして「今月やるべきこと」「今週やるべきこと」「今やるべきこと」を明確にしていくのです。
自分の能力を把握し、必要な時間や費用などを勘案しながら達成時期を意識することが重要なのです。
タイムバケット的な考え方ですね。


両学長のリベラルアーツ大学の記事に詳しい説明がありますので、よろしければご参照ください。
仕事においてもプライベートにしても逆算して考えるという方法は自分の人生をフォーカスするうえで大変大事なことだと思いますので、ぜひ自分なりに設定してみる価値はあります。
そして「トップ5%社員」は、タイムバケットを作ってから行動に移るまでのスピードが速いのです。最低限の計画ができたら即行動です。
たしかに差し戻しがあったり、行動修正などに手間取り、目標までの時間がかかるようにも見えますが、スタートが速く、修正するかしないかの判断が明確なので迷わず行動を継続でき、いち早く頂上に到着できるのです。
チームでプロジェクトを進める上でもこの効果は絶大で、目的思考で行動派の「トップ5%社員」がリーダーを務めるようなチームは、明確な目標と目的をメンバーと共有し、納期から逆算してプロジェクトを進めます。
トップ「5%社員」のすぐやる習慣
それでは、生産性を上げるために彼らが習慣としているものを見ていきましょう。
トップ「5%社員」のすぐやる習慣
- 席にいない、動き回る
- メールの返信が15分以内
- まず単独行動する
- 新たな経験を好む
- 学びをすぐに実践する
- 仕事の締め切りに遅れない
- すぐにメモを取る



ではこの中から3つほどピックアップしてみます。
席にいない、動き回る
仲間を作るために奔走する
「トップ5%社員」は、とにかく行動派です。成果を上げるための行動を惜しみません。顧客や社内のチームのメンバーと自発的に接点を作り、会議ではなく「会話」を増やします。
つまり、「接点を多くする」ということですが、そのことで直接自分の思いを伝え、仲間を増やし、人を巻き込んでいきます。多様な人たちとタッグを組むことでスピード感をもって課題を見つけ解決していきます。
仲間が増えれば、できる仕事量も増え、依頼できる仕事は仲間たちに積極的に振っていきます。つまり、「トップ5%社員」は動くことで「仕事の質」を高めているのです。
ギバーとなり信頼を高める
仲間を作り成果を上げるためには、相手に動いてもらわなくてはいけません。「トップ5%社員」は、相手との関係づくりにも気をつかいます。つまりは信頼関係を築くということです。
良好な信頼を築くのに、先に何かをしてあげる(Give)が重要です。そうすることにより相手から支援を得る(Get)ことができます。
「トップ5%社員」はギバー(与える人)として、一生懸命に相手のサポートをします。先ほどの「返報性の原理」で、相手が何かしてくれると、お返しに何かしたくなるという心理効果を巧みに使うのです。
メールの返信が15分以内
「トップ社員」は、レスポンスが速い
社内外から送られてくるメールやチャットに素早く反応するのも「トップ5%社員」です。相手を待たせれば待たせるほど仕事の進捗が遅くなるのをわかっているからです。
そして「トップ5%社員」は、メールなどの送り方も工夫しています。メールの本文を105文字程度に抑え要件が明確に伝わることを重視し、即返信します。
簡略化メールは、「ドライ」「失礼」という人もいるかもしれませんが、そう思われないように日頃からコミュニケーションを取り、関係性を深めておく努力も「トップ5%社員」は、しています。
相手を待たせない 魔法の言葉「今いいですか?」
仕事を進めていく上でミーティングや相談をすることがあります。そのために相手にわざわざ時間を作ってもらうようなことをしないのが「トップ5%社員」です。
「トップ5%社員」は、相談事がある場合は「今いいですか?」と尋ねて、相手が応じてくれたら、その限られた時間で目的を達成するために話を要点だけにしぼり時間を取らせません。
『トヨタの会議は30分』の記事にも書きましたが、できる社員は、要点をペライチ(A4用紙)に書き、内容を一目瞭然にし、上司からすぐに決裁をもらいやすくする工夫をしています。


相手を待たせない 魔法の言葉「それはできません」
そして、仕事ができるがゆえに多くの仕事や相談が降ってくるのも「トップ5%社員」です。人間にもやれることにげんかいがありますから、全部を受けていては仕事に支障をきたすことがあるかもしれません。
「トップ5%社員」は、そのような場合、自分がやるべきではない仕事を「それはできません」と明確に断り、自分が本当にやるべき仕事に注力します。
自分がやるべきではない仕事を判断する能力はすごく重要で、即答することでかえって信頼も持ってもらえるのです。
新たな経験を好む
「トップ5%社員」は、好奇心旺盛で常に新しい情報をキャッチしようとします。躊躇なく、今の自分にない情報やスキルに興味を持ち、その習得に熱心になります。
そんな「トップ5%社員」は
- 新しいもの好き
- 変化や刺激を好む
傾向があります。
たしかにデメリットもありますが、デメリットよりもメリットが大きいと判断したら即行動するのです。
金曜日に見つけたタスクを来週やる
今週のうちに終えれなかった作業を来週に持ち越すということはありますよね。その達成できなかった事柄や中断した事柄に対して、より強い記憶や印象を持つことはストレスとなって残る場合があります。
そんなとき「トップ5%社員」は、金曜日の午後などに内省していることが多いそうです。今週1週間を振り返り出した成果とムダな作業を見つけ出して、次の行動につなげようとします。
つまり、来週の準備を金曜日にしておくということですね。これは、『整える習慣』の記事にも書いた金曜日の夜に「来週必要なモノ」を揃えておくの部分に重なります。


「トップ5%社員」は、金曜日に改善タスクを出し、月曜から実際の改善行動をするべく準備するのです。その行動に期待感を持ち月曜からワクワクしながら出社する。
一般社員と差ができるのは当たり前ですね。
『AI分析でわかったトップ5%社員の習慣』 の感想・まとめ


できる人間は習慣が違う
「意識の高い人」というのは、根本的に先々のことを考えて素早い行動を取ります。よく「意識高い系」と呼ばれる人がいますが、こちらは言うことは立派だが行動が伴わない人が多いそうです。
つまり、「意識の高い人」と「意識高い系」とはまったくの別物といえます。


「意識の高い人」が「トップ5%社員」であり、たとえ言うことが立派でも行動が伴わず成果も出せない人を「意識高い系」で、「その他の95%社員」に組み込まれる人となります。
根本的に考え方が違うとも言えますが、明らかな違いは、圧倒的な「行動力」だと思います。
本書を読み、これまで学んできたことをすべて網羅しているなあと感じました。
まずは本書を読んで、自分に足りないものを部分的に学んでいくことが「トップ5%」になれる近道だと思います。
このブログをお読みの方は百も承知のことばかりかもしれませんが、読んでみる価値はあると思いますのでぜひご一読ください。
『AI分析でわかったトップ5%社員の習慣』の概要


本書の目次
『AI分析でわかったトップ5%社員の習慣』
はじめに
序章 AIで1万8000人分析してわかった、ずば抜けた結果を出す人の五原則
第1章 良かれと思ってやってしまう「95%社員」の行動
第2章 トップ「5%社員」のシンプルな思考と行動
第3章 トップ「5%社員」の強いチームをつくる発言
第4章 トップ「5%社員」のすぐやる習慣
第5章 今日からできるトップ「5%社員」のルーティン
あとがき
著者の紹介
越川慎司(こしかわ・しんじ)
株式会社クロスリバー 社長 株式会社キャスター 執行役員
国内および外資系通信会社に勤務、ITベンチャーの起業を経て、2005年に米マイクロソフトに入社。
業務執行役員としてパワポなどの責任者を経て独立。
2017年にクロスリバーを設立し、メンバー全員が週休3日・リモートワーク・複業。
国内外の700社以上にコンサル提供。
ムダな時間を削減し社員の働きがいを上げながら利益を上げていく「稼ぎ方改革」の実行を支援。
著書に『AI分析でわかったトップ5%リーダーの習慣』、『超・会議術~テレワーク時代の新しい働き方』、『科学的に正しいずるい資料作成術』、『働く時間は短くして、最高の成果を出し続ける方法』、『巻込力』、『謝罪の極意~頭を下げて売上を上げるビジネスメソッド』、『週休3日でも年収を3倍にした仕事術』、『仕事の「ムダ」が必ずなくなる 超・時短術』、『ビジネスチャット時短革命 メールは時間泥棒 メールを48.6%も減らす働き方 できるビジネスシリーズ』、『働きアリからの脱出 個人で始める働き方改革 』など多数。


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