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『思考の整理学』から学ぶこれからの時代を自ら飛翔する飛行機型人間になるコツ5つ

コウカワシン

こんにちはコウカワシンです。

今回は外山滋比古(とやま・しげひこ)さんの著書『思考の整理学』から学ばせていただきます。

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目次

『思考の整理学』はどんな本?

『思考の生理学』は、2008年に東大・京大生協の書籍販売ランキングで1位を獲得して以来たびたび1位を獲得し、根強い支持を得ているズバリ!「思考法」入門書です。

本書はこのような本

本書の著者・外山滋比古(とやま・しげひこ)さんは、「先生と教科書に引っ張ってもらうグライダー型ではなく、エンジンを積んで、自分の頭で考え、自力で飛び回れる飛行機型の人間こそ、これからの時代には必要」と言います。

『思考の整理学』は1983年に刊行、1986年に文庫化した学術エッセイであり、時代を超えた不朽のバイブルです。

自分の頭で考え、アイディアを軽やかに離陸させ、思考をのびのびと飛行させる方法とは何かを広い視野とシャープな論理で知られる著者が明快に提示します。

本書は、聴く読書としてオトバンクの「audiobook.jp」で聴くことができます。

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まずは試してみませんか?

本書がおすすめな人

本書は、このような人におすすめです。

『思考の整理学』がおすすめな人

  • 企画などを担当しているビジネスマン
  • 新社会人
  • これからの時代に必要な思考力を身につけたい人

『思考の整理学』 の要点は?

今や時代は、IT化が進み、AIが社会基盤に組み込まれてきました。つまりは、優秀な人材が倍増したのと同じで、どんどんと生身の人間の仕事を奪って行っている状態です。

この流れは、これからも変わることはなく、自分の頭で考えてアイデアを生み出せる人しか生き残れなくなるということを意味します。

このことはこれまでも、他の記事でも言い続けてきました。

たぶん、このような状況になるのは10、20年前くらいには予想できなかったですね。

でも外山さんは、気づいていました。しかも30年前にです。コンピューターに席巻され人間の仕事がなくなっていくことに警鐘を鳴らされていたのです。

そんなとき、人間は何をすべきか?

どのような部分を変えないと生き残れないか?

それにはどのようにすべきか?

そういうことを端的にまとめられた本がこの『思考の整理学』なんです。

コウカワシン

今回は、この『思考の整理学』をざっくりではありますがポイントをわたしの独断と偏見で取り上げてみたいと思います。

グライダー人間より飛行機型人間

わたしは空を飛ぶものが好きでグライダーが悠々と空を飛ぶ姿を見ると憧れます。

あのグライダーは、どこから飛び立つのでしょうか?

たぶん小高い丘の上からか、何かに空に導かれ、そこから翼を解き放つ的な飛び方・・・つまりは、自力で重力に逆らって飛び上がるような飛び方はできないわけです。

これを外山さんは、学校で授業を受動的に受けている学生を 「学校はグライダー人間養成所だ」 とたとえました。

学校で先生が教える知識をそのまま頭に詰め込み、その詰め込み具合をテストで評価し、評価の高い学生が受験でも成功し高学歴となり、社会に出ていきます。

別に詰め込み教育がいけないというわけではありませんが、創造性を問われると対応できない人が多いというのは、これまでの教育の悪い部分といえます。

最近では、受験でも考える力を試される問題が出てきてはいるもののまだまだ道半ばといったところですね。

たしかにグライダーは飛んでる姿が美しく優雅です。ですが、自力で飛び立つことはできないし、その場の状況、つまりいきなりの横風などのアクシデントが来た場合にうまく対処できるでしょうか?

その点、自前でエンジンなどを持つ飛行機は、自分の意思で飛び立てますし、何かのアクシデントがあった場合でも、何らかの調整によりかわすことが可能と考えます。

これを人間にたとえると、ただ知識だけ持つ人より、自分の持てる知識を駆使し思考し判断できる人のほうが、先のわからぬ将来を生き抜くためには有効であると思いますね。

倉庫型より工場型

頭の優秀さ=記憶力の優秀さ」が、これまでの教育で大事にされてきた価値観です。つまり人間の頭を「倉庫」に見立てて、知識をどんどん蓄積し、中にたくさんのものが詰まっていればいるほど結構なことだということでした。

倉庫としての頭にとって「忘れる」ということは一大事で、博識は学問のある証拠というのが常識的な価値観でした。ところが、こういう人間の頭脳に恐るべき敵が現れました。

それがコンピューターです。

コンピューターは、記憶する倉庫としてすばらしく、いったん入れたものは失わない、必要なときにはすぐに取り出せる、しかも整理も完全であるという非の打ちどころのない発明品です。

倉庫としての頭脳合戦に人間がコンピューターに勝てるはずはありません。それでも人間の頭はこれからも、一部は倉庫の役割をはたし続けなければいけないし、それだけではなく新しいことを考え出せる「工場」でなくてはいけません

倉庫なら、入れたものをなくさないようにしておけばいいけど、ものを作り出すには、保存保管の能力だけではしかたがありません。

だいいちに工場にやたらものが入っていては作業能率が悪いのは当然で、よけいなものは処分する必要があります。つまりは「忘れる」ということです。工場がスムーズに動くように作業の邪魔になるものを捨てることが大事になってきます。

でも、倉庫として頭脳も必要です。忘れるということは倉庫としては危険視されますが、工場の作業効率アップのための整理として、行うべきだと外山さんはいいます。

勉強し、知識を習得する一方で、不要になったものを処分し整理する必要があり、何が大切で何がそうでないかの取捨選択が大事になってきます。

そして考えることを減らす、頭に休養を与えるといったことも大事なことです。人間は1日のうちに30000回以上の意思決定をしているそうです。その頭の負担を減らしてやるのが、工場化へのステップとなっていきます。

外山流「思考の整理」より5つのコツ

カクテルをうまくつくる

お酒のカクテルって美味しいですよね。あれはただ単に複数のお酒を混ぜ合わせただけではなく、お酒の分量や混ぜ合わせる方法を色々と変えて、美味しいお酒にしあがっていきます。

ものの考え方もこれに似ています。

かりにA、B、C、Dの4つの説がすでにあるとします。自分が考えたXは、どれとも違っているけど、強いて言えばB説に近い。そこでB説を援用しながら、自説Xを展開するというやり方を使うといった感じです。

注意すべきはへたに混合しないことです。A、C、Dを否定するにしても、自説Xの影がうすくなってしまってはいけないからです。

つまりは、A、B、C、Dを混ぜ合わせればカクテルのようにはなるけど、ただのちゃんぽん酒になりかねません。美味しいカクテルを作るには、分量を考えメリハリを効かし混ぜ合わせる方法を間違えないことです。

とにかく書いてみる

考えが頭の中でうまくまとまらない・・・そんなときってありますよね。

自分なりに調べて資料はいっぱいあるのに、どのようにまとめたらいいかがわからないというのは、切実な悩みです。まとめという作業がいかにたいへんかは、わたしも身にしみて感じています。

その面倒さにてこずったりした経験がある人は、しだいに整理したり、文章にまとめたりすることを敬遠するようになります。大学の卒論など経験した人は共感してもらえるのではないでしょうか。

でも、時間は有限ですので、期日までにはしあげないといけない。焦りますよね。そのようなときはどうすればいいのでしょうか?

外山さんは、「とにかく書いてごらんなさい」と言われます。

たしかに頭の中は混とんとしたままで、構想がうかばない、混乱しているといった感じで、いくらなんでもこのままでは書き出すことができないと思う人はいると思います。

でも、「気楽に書けばいい、あまり大論文を書こうと気負わないことである」と外山さんは付け加えます。たしかに、いいものを書きたいと思わない人はいませんが、思ったから書けるものではありません。

むしろ、そういう気持ちをすてた方がうまくいくとも言われています。

ここで思い浮かんだのが、前田裕二さんの『メモの魔力』です。

前田さんのようにものごとを書き並べ、抽象化し、自分の考えを乗せていく、「第2の脳」として活用すれば、いままで頭の中でもつれていたものがハッキリと見えるようになり、点と点をつないで行くかのごとく文章になっていきます。

注意点としては、論文にしてもレポートにしても書いては消し、消しては書くといったことをしていれば、いったい自分が何を書きたかったのかわからなくなりますから、とにかく終わりまで書いてしまいましょう。

そこで全体を読み返してみて、訂正や修正をやればいいのです。

寝かせてみる

難解な問題・・・どのように解決していいかわからないとき、みなさまならどうしますか?

19世紀のイギリスの小説家ウォルター・スコットは、寝て考える人だったようです。やっかいな問題が起こるたびに「いや、くよくよすることないさ。明日の朝、7時には解決しているよ」と言われたそうです。

いまここで議論するより、ひと晩寝て、目を覚ましてみたら、自然に、おちつくところにおちついているということを経験上知っていたのでした。

このことは理にかなっているのか、北宋時代の中国の欧陽脩(おうようしゅう)という政治家は、文章を作るときに、すぐれた考えがよくうかぶ3つの場所として、馬上、枕上、厠上をあげました。

そのなかでも枕上・・・つまり朝、目をさましてからがもっともすばらしい考えがうかぶとされ、スコットと同じですね。ドイツの数学者ガウス、ドイツの物理学者ヘルムホルツも同じだったとされています。

このあとの「朝飯前」でも書きますが、朝は頭がスッキリして新たな考えがうかびやすいのと、難解な問題も、あまり考えつめていては、良い案がうかばず、しばらく時間を置いて考えを醗酵させた方が名案がうかぶということでしょうね。

朝飯前

1日のうちの時間の使い方ですが、人間の脳が活発に動くのは午前中だということは、『神・時間術』の記事でも取り上げました。

著者の樺沢紫苑(かばさわ・しおん)さんは、この時間術によって、効率をアップし、できる仕事量を倍加されてきました。

それだけ朝の時間って、頭の回転度が違うのです。つまりは夜考えることと朝考えることは同じではないとも言えます。実際にわたしもブログ記事を書くにあたり、夜に書いた文章を朝見返したら、へんてこな文章にあきれることがあります。

ということで、朝の頭脳が夜の頭脳よりも優秀であることは事実であると言えますが、食事前と食事後でもかなりな差があると言います。

実体験で、お腹がいっぱいになると眠くなることがありますよね。空腹時の方が頭の効率的には良いということです。

日本には「朝飯前」という言葉があります。朝飯前とは、「朝の食事をする前、『そんなことは朝飯前だ』(=朝食前にもできるほど、簡単だ)」といった意味にとられるのが普通です。

でも外山さんは「朝飯前」の解釈を変えました。朝飯前とは、 「どんな難しいことでも、朝飯前にすれば、さっさと片付く、朝の頭はそれだけ能率がいい」というふうにです。

朝飯前の時間を活用するために、朝食を抜く、あるいは朝食と昼食を兼ねるというのもアリな考えですね。

異分野の人と交流せよ

なかなか発想が出ないとか、ボギャブラリーが少ないって感じるときってないですか?

わたしは、よくあります。

自分の無力さを感じるときってだいたいこんなときです。でも本書でヒントをいただきました。それは、外に出て異分野の人と話をすることです。

そりゃ、そのようなことがぜんぜんないわけではありませんが、自分から意識して外に出るというと、何かしら気づきがあるものです。

だいたいに同じ職場の人としか関りがないとか、一人でこもってもんもんと思考を練っても出てくる考えって、「今までとどこが違うの?」といった程度しかない場合があると思うのです。

たしかに外に出て誰とでもやみくもに話をするのはハードルが高すぎますが、気心が知れていて、なるべく縁のうすい人の集まりに参加して、ときには現実離れしたような話をしようものなら、ひょんなことから新しいアイデアを思いつくかもしれません。

本書の項にもありますが、セレンディピティの着想も可能になるというものです。

セレンディピティ

セレンディピティ とは、偶然に思いがけない幸運な発見をする能力、またはその能力を行使すること。偶然の出来事から、大切なことや本質的なことを学びとること、あるいはその能力。

思わぬ偶然ともいえますが、このようなことは経験された方も多いのではないでしょうか?

いろんな視点から見ることで気づくということが多いと思います。異分野の人と活発に交流することで得られる気づきは得難いものですよね。

「気心知れた、なるべく縁のうすい人なんて、どうすれば会えるのだ?」と思われるでしょうけど、たとえば、同窓会で何年もあっていない旧友と会うでもいいですし、Facebookやオンラインサロンなどの交流会に参加してみるのもいいかもしれません。

とにかく自分に刺激を与えちゃいましょう。

『思考の整理学』 の感想・まとめ

AIの進化に負けないためにも「自分で考える」は大事!

『思考の整理学』は、この30年間で200万部以上も売れたロングセラー作品です。

どの項も端的で読みやすく具体例が満載で、東大・京大の学生さんがこぞって読むのがよくわかる気がしました。ということは、もうすでにこれからは「思考」の時代なんだと彼らは悟っているということですね。

日本人は発想が苦手とか言われてきました。あまり、世界初といった製品が出ないのも今までの「知識を詰め込むだけの教育」が主流だったからでしょうね。

けどこれからの時代は、人マネよりもオリジナリティの価値が求められます。そういった意味で、これからのグローバル化する社会を生き抜くためにも読んでおいて損ではない名著であると思います。

ぜひご一読ください。

『思考の整理学』の概要

本書の目次

『思考の整理学』

1. グライダー
  不幸な逆説
  朝飯前

2. 醗酵
  寝させる
  カクテル
  エディターシップ
  触媒
  アナロジー
  セレンディピティ


3. 情報の❝メタ❞化
  スクラップ
  カード・ノート
  つんどく法
  手帖とノート
  メタ・ノート


4. 整理
  忘却のさまざま
  時の試練
  すてる
  とにかく書いてみる
  テーマと題名
  ホメテヤラネバ

5. しゃべる
  談笑の間
  垣根を越えて
  三上・三中
  知恵
  ことわざの世界

6. 第一次的現実
  既知・未知
  拡散と収斂
  コンピューター

あとがき
文庫本のあとがきにかえて

著者の紹介

外山滋比古(とやましげひこ)

1923年生まれ。

東京文理科大学英文科卒業。お茶の水女子大学名誉教授。

『英語青年』編集長を経て、東京教育大学、お茶の水女子大学などで教鞭を執る。

専攻の英文学に始まり、テクスト、レトリック、読書、読書論、エディターシップ、思考、さらに日本語論の分野で、独創的な仕事を続けている。平明で論理的な日本語を開拓したエッセイストとしても定評がある。

著書『思考の整理学』『ことわざの論理』『「読み」の整理学』『知的生活習慣』など多数。

コウカワシン

最後までお読みいただきありがとうございます。

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この記事を書いた人

四国在住。
ミニマリスト。趣味は映画観賞と音楽鑑賞、読書、野球観戦。
映画は特に好き嫌いなくほとんどのジャンルーを観ます。音楽はジャズとクラシックが大好きです。読書は歴史書が好きでよく読みます。

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