
こんにちはコウカワシンです。
今回はスティーブン・R・コヴィーさんの著書『7つの習慣』から学ばせていただきます。
『7つの習慣』は、オトバンクの「audiobook.jp」で聴くことができます。
「audiobook.jp」は、聴く読書としてスキマ時間などに聴き流せて便利です。
なお、『7つの習慣』には、マンガ版もあり、520ページと長い本書の内容を読みやすくまとめてくれています。
『7つの習慣』はどんな本?
本書の目次
『7つの習慣』
はじめに
第1部 パラダイムと原則
□インサイド・アウト
□7つの習慣とは
第2部 私的成功
第1の習慣 主体的である
□パーソナル・ビジョンの原則
第2の習慣 終わりを思い描くことから始める
□パーソナル・リーダーシップの原則
第3の習慣 最優先事項を優先する
□パーソナル・マネジメントの原則
第3部 公的成功
□相互依存のパラダイム
第4の習慣 Win-Winを考える
□人間関係におけるリーダーシップの原則
第5の習慣 まず理解に徹し、そして理解される
□共感によるコミュニケーションの原則
第6の習慣 シナジーを創り出す
□創造的協力の原則
第4部 再新再生
第7の習慣 刃を研ぐ
□バランスのとれた再新再生の原則
再び、インサイド・アウト
私がよく受ける質問
付録
問題解決のための索引
著者の紹介
スティーブン・R・コヴィー
1932年~2012年 アメリカの作家、経営コンサルタント
1952年ユタ大学卒業。1957年ハーバード・ビジネス・スクールでMBA取得。
1976年ブリガムヤング大学にて博士号取得。ブリガムヤング大学で、学長補佐、および経営管理と組織行動学の教授を務める。
フランクリン・コヴィー社の共同創設者であり副会長。
英国『エコノミスト』誌によれば、コヴィー氏は今、世界で最も大きな影響力を持つ経営コンサルタントとされている。妻サンドラ・メリル・コヴィー氏とユタ州プロボに住み、9人の子供と36人の孫を持つ。熱心な末日聖徒イエス・キリスト協会/モルモン教の信徒であり、信者向けの信仰書も執筆している。
2012年7月16日、自動車事故の負傷がもとでアイダホ州アイダホフォールズの病院で死去。(79歳没)
著書に、『人生を成功させる7つの秘訣』、『7つの習慣 成功には原則があった! 個人、家庭、会社、人生のすべて』、『7つの習慣 ファミリー家族実践編 家族にも原則があった!』上、『7つの習慣 ファミリー 家族実践編 家族にも原則があった!』下、『7つの習慣 ファミリー』、『7つの習慣 名言集』、『7つの習慣 原則中心リーダーシップ21世紀を生きぬくための原則中心のパラダイム』、『第8の習慣「効果」から「偉大」へ』、『7つの習慣 演習ノート ビジネス、プライベート、家庭で、効果的な人生を送るための成功への原則がよくわかる!』、『ビジネスに活かす12のストーリー』、『自分を変える12のストーリー』、『マネジメントを考える8つのストーリー』、『家族を支える16のストーリー』、『子どもたちに「7つの習慣」をリーダーシップ教育が生み出した奇跡』、『スティーブン・R・コヴィーの至言 新訳』など。
共著に、『7つの習慣 最優先事項「人生の選択」と時間の原則』、『偉大なる選択 偉大な貢献は、日常にある小さな選択から始まった』、『グレート・キャリア 最高の仕事に出会い、偉大な貢献をするために』、『結果を出すリーダーになる』など。
本書の内容
『7つの習慣』の内容は、ズバリ!「キング・オブ・自己啓発書」です。
amazonの書籍紹介より
全世界4,000万部、国内240万部を超え、今も読み続けられるビジネス書のベストセラー『7つの習慣』は、人生哲学の定番として親しまれてきました。
今回スティーブン・R・コヴィー博士没後1年を期に、『7つの習慣』が本来持つ「人格主義」に基づき、原書に忠実に訳し直しました。
よりわかりやすく理解しやすい完全訳の『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』。
豊かな人生を望むすべての人にお届けします。



その 書籍『7つの習慣~成功には原則があった!』 をさらに読みやすくしたのが、今回取り上げる『完訳7つの習慣~人格主義の回復』というわけです。
『7つの習慣』は誰におすすめか?
本書は、このような人におすすめです。
『7つの習慣』がおすすめな人
- 社会人
- 就活中の学生
- リーダー、指導者



どのような立場の人でも悩みや迷いはあると思います。
心の支えが欲しかったり、他者との関りの軸が欲しいと感じたなら、本書はその一助になると思います。
『7つの習慣』の要点は?
『7つの習慣』は、全世界で3000万部以上の売上げを記録し、日本でも200万部以上が販売されています。2002年、『フォーブス』誌の「もっとも影響を与えたマネジメント部門の書籍」のトップテンにランクインし、『チーフ・エグゼクティブ・マガジン』誌では「20世紀に最も影響を与えた2大ビジネス書」のひとつに選ばれたのです。
本書は、「成功するための法則」という本ではなく、「成功するために必要な習慣を身につける」という土台作りを主体とした内容が満載といった本です。
ですので、「一度読んだら終わり」ではなく、日常を過ごしていく上で、自身の変化と成長を感じるおりには、読み返して参考にするべき本であると感じました。



520ページほどある分厚い内容の中から、要点をわたしの独断と偏見で選ばせていただきます。
インサイド・アウト
いきなり「7つの習慣」に入る前に、コーヴィーさんが、土台となる考え方を示してくれています。それが「インサイド・アウト」です。
インサイド・アウト
インサイド・アウトとは、内から外に向かって問題を解決する手法です。
アメリカの哲学者ウィリアム・ジェームズの「心が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる」という言葉には、このインサイド・アウトを端的に示したものといわれています。
何か問題が起こったとき、自分自身の内面、つまり「問題をどのように見ているか、そして、どのようにすれば問題解決になるか」を主体的に考えることから始まります。
心、内面を変えるということは、「物事に対する自分自身の観点を見つめ直し、改めるべきは変えていく作業」です。しかし、「人はよくもわるくも自分の見たいように物事を見ている」ことから、改める作業というのはなかなかに困難です。
要するに、「何を見るかというよりも、どのようなレンズを通して見ているかが問題であり、そのレンズこそが一人ひとりの世界観をつくっている」ということです。
コーヴィーさんが、さまざまな企業でリーダーシップ開発の研修をしていた頃、IBMの管理職能力開発セミナーで「コミュニケーションと認知」というテーマで講義をされたそうです。
講義の準備をしていて、「人は物事をどう認知し、それがどう行動をどのように支配するのか、ものの見方が行動にどう影響するのか」、強い関心を持つようになったそうです。
そして、自身の息子さんのことで悩んでいたことを重ね、そして悟ったそうです。
「状況を変えたければ、まず自分たちが変わらなくてはいけない。自分が本当に変わるには、ものの見方を変えなくてはならない」と。
コーヴィーさんは、「ものの見方」に関する研究と並行して、1776年のアメリカ合衆国独立宣言以来これまでアメリカで出版された自己啓発、一般向けの心理学、自助努力などに関する文献を片っ端から調べたそうです。
いやあ~半端ないことですが、それが本書『7つの習慣』の内容に注ぎ込まれているといっても過言ではないのです。
「インサイド・アウト」の考え方として、「問題の責任は自分」ということがあります。責任自体を自分の中に置くことで、内側から外側へ問題を含めた物事のとらえ方を変えていこうということです。
つまり「責任自分論」ということですね。
「責任自分論」では、おかれた状況を決して他者のせいにはしません。それは、自立し他者に依存しないということでもあるのです。
「依存から自立へ、そして相互依存へと至る「成長の連続体」を導くプロセス」・・・これが『7つの習慣』のコンセプトであると言えます。
まず想像していただきたいのが赤ん坊。赤ん坊は、何をするにも他者に頼らなくては生きていけません。つまり、他者に依存しているということなのです。
赤ん坊から大人へ成長し自立していきます。それは本来ならば、他者に依存または支配されなくても生きていけるということです。つまり自分の行動は自分で責任が取れるということでもあります。
自立した人は、自分で努力し、他者と協力し、最大限の結果を出すことができます。それが「相互依存」という状況です。
依存状態にある人は、望む結果を得るために他者に頼らなくてはならない。自立状態にある人は、自分の力で臨む結果を得られる。相互依存状態にある人は、自分の努力と他者の努力を合わせて、最大限の成功を手にする。
つまり、自立が最終目的ではないのです。というのも、人生とは本質的にきわめて相互依存状態だからです。
自立していても、相互依存的に考え行動できるまで成熟していなくては、個人としては有能でも良いリーダーやプレーヤーになれないからです。
その理由として「人間は社会的動物」だからですね。相互依存状態にある人は、自分の内面で自分の価値を強く感じられると同時に、他者を愛し、与え、他者からの愛を受け止める必要性を認識しています。
知的に相互依存の状態にあれば、他者の優れたアイデアと自分のアイデアを結び付けることができるのです。よって、他者と深く有意義な関係を築き、他の人々が持つ寛大な能力と可能性を生かすことができるということです。
長々ともったいぶりましたが、「7つの習慣」についての説明です。


(出典:リクルートマネジメントソリューションズより「7つの習慣とは」から)
この図から、辿ってみますと、第1、第2、第3の習慣(私的成功の習慣)で、依存から自立へと成長し、第4、第5、第6の習慣(公的成功の習慣)において自立から相互依存へと成長をもたらします。
第7の習慣は、再新再生の習慣で、他の6つの習慣を経てさらに磨きをかけ、成長し続けるためにあります。



つまり、「私的成功の習慣」と「公的成功の習慣」をたえず意識して、つねにアップデートすべきなのです。
まず自分自身がやるべきこと( 私的成功の習慣 )
第1の習慣「主体的である」
主体性とは、自発的に率先して行動することだけを意味するのではない。
人間として、自分の人生の責任を引き受けることも意味する。私たちの行動は、周りの状況ではなく、自分自身の決定と選択の結果である。
私たち人間は、感情を抑えて自らの価値観を優先させることができる。人間は誰しも、自発的に、かつ責任をもって行動しているのである。
つまり、 「主体的である」とは、「自分自身の決定と選択の結果」であるということを意味します。
主体性のある人は、自分に行動に責任を持ち、状況や条件づけのせいにはしません。自分の行動は状況から生まれる一時的な感情の結果ではなくて自分の価値観に基づいた自分自身への選択の結果であると知っているのです。
たとえば、すぐキレる人がいます。すぐキレる人はこれまでの状況や経験において、自分自身がコントロールできていない・・・つまりこれまでの人生が条件づけや状況に支配されていることであり、支配されていることを自分が選択したといえるのです。
そのような選択をすると、人は反応的になります。反応的な人は、周りの物理的な環境に影響を受けることになります。
「天気が良ければ気分も良くなるが、天気が悪いと気持ちがふさぐ」や「人にちやほやされると気分がいいが、そうでないと殻をつくって身構える」など、自分をコントロールする力を他者に与えてしまっているということです。
主体的であればこそ、衝動を抑え、価値観にしたがって行動する能力を発揮し、深く考えて、自分をコントロールできるのです。それにより成長や成功の機会も大きく変わります。
関心の輪/影響の輪
自分がどのくらい主体的な人間か自覚する方法の1つに、自分の時間とエネルギーを何にかけているかに目を向けるというものがあります。
自分の関心のあること(健康や家族のこと、職場の問題、国家財政、核戦争など)を一つの輪でくくるのです。


イメージ的にはこのような感じです。このように関心事を輪の中に入れてみるのです。こうして見てみると関心の輪に入れてみたものの自分がコントロールできるものとできないものに分かれることに気づきますよね。
つまり、自分でコントロールできるものは影響を及ぼすことができることであり、それを影響の輪でくくるのです。


この2つの輪のうち、自分の時間と労力を主にかけているのはどちらだろうかとすると、それによって主体性の度合いがわかるというものです。
主体的な生き方をしている人は、関心の輪の中の影響の輪を広げていきます。そのポジティブなエネルギーが影響の輪を広げていくということなのです。


主体的な人は、影響の輪の領域に労力をかけている。自分が影響を及ぼせる物事に働きかける。主体的な人のエネルギーには、影響の輪を押し広げていくポジティブな作用があるのだ。
一方、反応的な人が労力をかけるのは影響の輪の外である。他者の弱み、周りの影響の問題点、自分にどうにもできない状況に関心が向く。
こうした事柄ばかりに意識を集中していると、人のせいにする態度、反応的な言葉、被害者意識が強くなっていく。
自分が影響を及ぼせる物事をおろそかにしてしまうと、ネガティブなエネルギーが増え、その結果、影響の輪は小さくなっていく
たしかに(直接的にも間接的にも) コントロールできる問題 やコントロールできない問題はありますが、それを解決する第一歩はわたしたち自身が踏み出さなければいけません。
自分の習慣を変え、影響を及ぼす方法を変える。コントロールできない問題ならば、自分の態度を変える。つまりは解決策というものはすべて、自分の影響の輪の中にあるのです。
その影響の輪のもっとも中心にあるのは、決意し、約束をしてそれを守る能力であります。自分自身や他者に約束をし、その約束に対して誠実な態度をとることが主体性の本質であり、もっとも明確に表れるものです。
この第1の習慣「主体的である」の意義として、人間の持つ自覚と良心という能力を使えば、自分の弱点、改善すべき点、伸ばすことのできる才能、変えるべき行動、やめなければならないことの意識をすることができます。
そして、自分の人生の主導権を握るために、何かを約束してそれを守ること、目標を立てて達成のために努力することを念頭におけば、おのずと目の前に道が開けることでしょう。
第2の習慣「終わりを思い描くことから始める」
人の評価はどのようなときに語られるでしょうか?
たとえば、自分の葬儀の時に弔問客にどのように偲んでほしいかを深く考えてみることは、これからの自分の人生を見つめ直すのに十分な動機になると思います。
第2の習慣「終わりを思い描くことから始める」というのは、人生におけるすべての行動を測る尺度、基準として、自分の人生の最後を思い描き、それを念頭において今日という一日を始めるということです。
そうすれば、本当に大切なことに沿って、今日の生き方を、明日の生き方を、来週の生き方を、来月の生き方を計画することができ、人生のビジョンを有意義な形で実現できるようになります。
自分にとって本当に大切なものを知り、それを頭の中に植えつけ、そのイメージ通りになるように日々生活していれば、人生がまるで違ったものになるということです。
ミッション・ステートメントをつくってみる
終わりを思い描くことから始める習慣を身につけるには、個人のミッション・ステートメントを書くのがもっとも効果的だ。
ミッション・ステートメントとは、信条あるいは理念を表明したものである。
個人のミッション・ステートメントには、どのような人間になりたいのか(人格)、何をしたいのか(貢献、功績)、そしてそれらの土台となる価値観と原則を書く。
ここでいうミッション・ステートメントとは、「個人憲法」のようなものですね。
自分ならどうありたいのか・・・つまり自分にとってのゆるぎない基準、人生の重要な基礎となるものを文章化するのです。そしてそのミッション・ステートメントをあらゆるものごとを計るものさしとして使うのです。
自分の人生におけるミッションを見出し、意識できれば、内面に本質ができます。人生を方向づけるビジョンと価値観ができ、それに従って長期的・短期的な目標を立てることができます。
では、ミッション・ステートメントにおける自分の中心に置くものを決めましょう。人は気づかぬうちになにかしら人生の中心に置いているものがあるといいます。
それは、配偶者や家族、お金、仕事、所有物、娯楽・・・友人や敵だったりとさまざまです。そしてほとんどの人は複数、中心が重なり組み合わさっています。
さまざまな要因の影響を受け、周りや自分の状況によって、中心になるものがころころと変わり生活の主導権を取ることがあるかもしれません。
しかし、中心をころころと変えて生きる人生はジェットコースターのようなリスクを伴ないます。それよりは明確な中心を一つ持ち、そこから常に高いレベルの安定、指針、知恵、力を得られることが理想です。
そこで人生の中心に正しい原則を据えれば、人生を支える堅固な土台ができ、人生のすべての部分がよく調和し、主体性を発揮できる人間になることができます。
第3の習慣「最優先事項を優先する」
第3の習慣は、第1、第2の習慣で身につけたことを実践し、個人的な結果を得る習慣です。それには第1、第2の習慣の土台が不可欠です。
自分の主体性を意識し、それを育てていかなくては原則中心の生き方はできません。つまり自分の考え方を自覚し、それをどのように変えれば原則に合わせられるかを理解して初めて、原則中心の生き方ができるということです。
特に第2の習慣である「 終わりを思い描くことから始める 」で、最終目標ができたなら、原則にしたがって突き進むべきなのですが、人生には数々のやるべきことが待ち構えています。
そこで、その「やるべきこと」をマネジメントすることが最優先事項を優先するということなのです。
人のやるべきことは重要で緊急の用事である第Ⅰ領域、緊急でないけど重要な第Ⅱ領域、緊急だけど重要でない第Ⅲ領域、緊急でも重要でもない第Ⅳ領域からなっています。


第Ⅰ領域は重要で緊急ですが自分を拘束支配すること。第Ⅰ領域ばかり意識していたらいずれ打ちのめされ疲弊してしまうでしょう。そのような人は緊急でも重要でもない第Ⅳ領域に逃げ場を求めます。
第Ⅲ、第Ⅳ領域にだけ意識を向け時間を使っている人は根本的に無責任な生き方をしています。なぜならこの2つは緊急であろうがなかろうが重要ではないからです。
で、最後に効果的な人というのはできるだけ第Ⅱ領域に時間を割き、生活の中で第Ⅰ領域が占める割合を小さくしていると言います。
第Ⅱ領域は、緊急ではないが重要な活動です。人間関係を育てる、自分のミッション・ステートメントを書く、長期的な計画を立てる、予防メンテナンスを怠らない、準備する。
たしかにこのような活動はやらなければと思っていても緊急ではないから後回しにしがちです。でも、効果的な生き方のできる人は、これらの活動に時間をかけているのです。
ここでちょっと問題です。
質問1 現在はしていないが、もし日頃から行っていれば、あなたの私生活に大きくポジティブな結果をもたらすと思うことを1つ挙げるとしたら、それは何だろうか?
質問2 同様に、あなたの仕事や専門分野で、ポジティブな結果をもたらすと思うことを1つ挙げるとしたら、それは何だろうか?
この質問はどちらも第Ⅱ領域に入ります。どちらも自分の意思で行え自分に対して確かな成長を授けてくれます。
つまり効果的な生き方をするためには第Ⅱ領域に十分に時間をかけることが重要です。そこでこの「優先事項を優先する」におけるマネジメントをきちんとやることが求められます。
第Ⅱ領域の活動に自然と時間を使えるようになるように働きかける。それは原則を理解し、原則を中心に置いて、生活できるようになります。
目的と価値観が明確な形で示され、それに従って日々の決断を下せるようになり、それがバランスのとれた人生を生きることに役立ちます。
最後に、興味深いことを申し上げますと、「7つの習慣」はどれも第Ⅱ領域に入るということです。どの習慣も人間にとって根本的に重要で、これらを日頃から実践すれば、人生が大きく変わり、驚くほど実用的な違いを人生にもたらすのです。
他者との関わり(公的成功の習慣)
私的成功し自立を果たせたなら、他者との関係強化、つまりは公的成功に向けて行動することが重要です。それが相互依存の考え方になります。
他者との関係強化は、「信頼」をなくしては成り立ちません。銀行の預金口座に残高を増やすように、人と人の関係で生まれる信頼を貯えておくことを銀行の口座にたとえて「信頼口座」といいます。
信頼口座の残高が高くなればなるほど他者との関係が良好になり、よりよい相互依存を築くことができます。そしてお互いがお互いを信用し信頼口座の残高を増やすほど成功への近道が見えてくるものです。
そういった公的成功のためのステップへとまいらせていただきます。
第4の習慣「Win-Winを考える」
「 Win-Win を考える」は、人間関係におけるリーダーシップの習慣である。
人間だけに授けられた四つの能力(自覚・想像・良心・意志)すべて発揮して、お互いに学び合い、お互い影響し合い、お互いに得るところのある人間関係を育てていくための習慣である。
Win-Win(ウィンウィン)とは、「自分と相手、双方が勝ち組」になるようにうながすという考え方です。つまり、お互いの利益になり、お互いに満足できる結果を目指すための方法を考えるということです。
まず、知識として入れておきたい人間関係の考え方として、
- Win-Win(自分も勝ち、相手も勝つ)
- Win-Lose(自分が勝ち、相手が負ける)
- Lose-Win(自分が負けて、相手が勝つ)
- Lose-Lose(自分も負けて、相手も負ける)
があります。
よく問題を解決するに当たり、どちらかが泣き寝入りなんて事態がありそうなものですが、Win-Winとなるよう取り組めば、どちらかが泣き寝入りをしないようにうまく問題解決できるはずです。
もし、どちらにも実りがないのなら、Win-Win or No Deal(自分も勝ち相手も勝つ、それが無理なら取引しないことに合意する)という選択をするべきです。
良好な相互依存の関係を築くためにお互いにとって最良の解決を図る姿勢は常に持ち続けたいものですね。そのためにも大きな思いやりと勇気が必要だということです。
第5の習慣「まず理解に徹し、そして理解される」
あなたが、配偶者、子ども、隣人、上司、同僚、友人、誰とでも他者とうまく付き合い、影響を与えたいと思うなら、まずその人を理解しなければならない。
しかし、それはテクニックだけでは絶対にできない。
あなたがテクニックを使っていると感じたら、相手はあなたの二面性、操ろうとする気持ちをかぎとるだろう。
「何でそんなことをするのだろう、動機は何だろう」と詮索するだろう。
そして、あなたには心を開いて話をしないでいい、と身構えることになる。
信頼口座の残高を高める上で本当に大事なのは「相互理解」であります。 そして、相互理解の前にやるべきことが「相手のことを理解する」です。
つまり、「自分のことを理解してもらう前に、相手のことを理解する」 ということを習慣づけることが大事なのです。
たとえば、子どもが「学校に行きたくない」という心の中の気持ちを打ち明けたとします。自分なら子供に対してどのように接し、どのように子どもの窮状を救うでしょうか?
よくあるパターンが、最初は子どもの話を聴いていても、話の途中から自分の経験をもとに意見を言い、子どものいうことを全否定してしまう、それにより子どもは、「親は自分のいうことなんか聴いてくれない」となり、金輪際、心を開こうとはしなくなります。
こういった事態にならないためには、まず子どもの話をしっかり聴くことに徹しなくてはいけません。子どもと相互依存の関係になるためには、「相手の身になって聴く、共感による傾聴」が必要なのです。
子どもに対しても、誰に対してもですが、話をよく聴かないまま、相手を評価したり、探ったり、助言しようとしたり、解釈したりせず、相手の身になり、共感して傾聴することが大事なのです。
「共感による傾聴」を身につけるために参考になる4つの段階のスキルがあります。ポイントになるのは相手の話を注意して真剣に聴こうとする姿勢を持つことです。
「共感による傾聴」を身につけるために4つの段階のスキル
第一段階 相手の言葉をそのまま繰り返す
第二段階 相手の言葉を自分の言葉に置き換える
第三段階 相手の気持ちを言葉にする
第四段階 相手の言葉を自分の言葉に置き換えると同時に、相手の気持ちも言葉にする
第一から第二、三とステップアップしていけば、相手は自分の助言を受け入れやすくなり、信頼口座の残高が増えていくと思われます。
第6の習慣「シナジーを創り出す」
公的成功の締めくくりは「シナジーを創り出す」です。
シナジーとは、「ものや事柄、人などが複数存在することで、お互いに作用し合い、効果や機能を高めること」つまり相乗効果という意味ですね。
本書では、「全体の合計が個々の部分の総和よりも大きくなること」としています。
シナジーは、原則中心のリーダーシップの神髄であり、原則中心の子育ての神髄でもあります。これは第1から第3までの私的成功を備え、第4、5の習慣を実践した結果なのです。
つまりは、第Ⅰから第5までの習慣というのは、人間の内面にある最高の力を引き出し、、一つにまとめ、解き放つ、ここまで学んできたすべての習慣、シナジーの奇跡を創り出すための準備だったということです。
このシナジー効果により、コミュニケーションのレベルは格段に上がります。


シナジーは心を湧き立たせる。創造することは心を湧き立たせる。
心を開いたコミュニケーションが生み出すものには、驚くべきものがある。シナジーは、大きな成果、意味のある進歩につながる。
それは否定しようのないことである。だから、リスクを負ってでもシナジーを起こす努力はする価値があるのだ。
シナジーは、1+1が8にも、16にも、あるいは1600にもなることです。強い信頼関係から生まれるシナジーによって、最初に示した案よりもはるかに上回る結果に到達できる可能性もあるということです。
ただ、シナジーに到達できず、「取引なし」にもできない場合でも、真剣にシナジーを目指していたら妥協するにしても、より高い妥協点が見つかるとされています。
ですので、まずはそれぞれがしっかり「自立」し、強い個々が「相互依存」の関係をつくり、より高いシナジーを目指して取り組むことがベストであるということです。
さらに自分磨き(再新再生の習慣)
第7の習慣「刃を研ぐ」
最後に鎮座する第7の習慣は「刃を研ぐ」です。
「刃を研ぐ」とは、自分の人生対してできる最大の投資ということです。というのも、人生に立ち向かうとき、あるいは何かに貢献しようとするときに使える道具は、自分自身しかありません。
つまり、「自分自身のアップデートはかかせないよ」ということなのです。
そこで自分自身の価値を維持し高めていくには、自分という人間をつくっている4つの側面の刃を研いでいかなくてはいけません。それが再新再生の習慣なのです。
その4つの側面というのが、肉体、精神、知性、社会・情緒です。


肉体的側面の再新再生の目的は、仕事をして周りの環境に適応し、生活を楽しめる肉体能力を維持し高めることです。
それには自身の肉体に効果的に気を配り、大切にすることで、身体に良いものを食べ、十分な休養をとってリラックスし、定期的に運動することが必要です。
精神的側面は自分の核であり、中心であり、価値観を守り抜こうとする意志です。
精神的側面の再新再生は、人生に対してリーダーシップを与え、第2の習慣「終わりを思い描くことから始める」と深く関係しています。
精神の再新再生の刃の研ぎ方は、人によってまったく異なった方法が考えられます。著者のコヴィーさんの場合は、毎日聖書を読み、祈り、瞑想することが精神の再新再生になっているそうです。
知的側面の刃を研ぐとは、継続的に学ぶこと、知性を磨き広げていく努力をすることです。著者コヴィーさんのおすすめは優れた文学をを読む習慣を身につけることです。
社会・情緒的側面の刃の研ぎ方は、人と接すること。ふだんの生活で人と接する中で刃が研がれていきます。たしかに他の再新再生より時間はかからないが訓練は必要です。
そのため第1、第2、第3の習慣から「自立」し、第4、第5、第6の習慣を身につけて「相互依存」の状態を創り出すスキルはぜったい必要であると言えます。
自分を再新再生するプロセスを行うためには、肉体、精神、知性、社会・情緒の四つの側面すべてにわたってバランスよく刃を研がなくてはならない。
四つの側面はそれぞれに大切だが、四つのバランスを考えて磨くことによって最大の効果が得られる。
どれか一つでもおろそかにしたら、他の三つの側面に必ず悪影響が及ぶ。
これは個人に限らず組織でも同じである。
これは、たしかにそう思います。
どれが、優先的にではなく、バランスよくです。
まさに「心技体」が整ってこそ人生が充実するということです。
『7つの習慣』の感想・まとめ
キング・オブ・自己啓発書は、繰り返し読むことに意味がある
ここまでの話で、「な~んだ、こんなことなら知ってるよ」と思われた人もいると思います。
わたしも本書を3回ほど読み、すでに知っていることの確認を繰り返しています。たしかに知っていることばかりではあるのですが、その時その時で、新鮮な気持ちになるのです。
まさに再新再生ですね。
つまり『7つの習慣』の一言一句を暗記する必要はなく、この本の意味や内容だけを頭に入れ、今後ことあるごとに読み返すことが大事だなあと気づかせてくれる本だと思います。
この真理や価値は、たぶん変わることはないと思います。
まさに「キング・オブ・自己啓発」の頂点にある本だと思います。
もし、まだ読んでなくて、少しは興味が湧いてきたと思うならぜひ読んでみてください。
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