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『眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学』から学び社会の不可思議を理解しよう

コウカワシン

こんにちはコウカワシンです。

今回は亀田達也(かめだ・たつや)さんの著書『眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学』から学ばせていただきます。

本書は、現在(2021年7月29日)キンドルアンリミテッドで読み放題の対象本です。

Amazonのキンドルアンリミテッドは、ビジネス書からマンガまで幅広いジャンルの本が読み放題です。ぜひこの機会にご検討ください。

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目次

『眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学』はどんな本?

本書の目次

『眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学』

第1章 社会現象と心理学
第2章 組織・集団の心理学
第3章 職場における心理学
第4章 個人と対人認知の心理学
第5章 社会のあり方と心理学

著者の紹介

亀田達也(かめだ・たつや)

1960年生まれ。

東京大学大学院社会学研究科修士課程、イリノイ大学大学院心理研究学研究科博士課程修了、Ph.D(心理学)。

現在、東京大学大学院人文社会系研究科社会心理学研究室教授。

著書に『モラルの起源~実験社会科学からの問い』(岩波書店)、『合議の知を求めて~グループの意思決定』(共立出版)

共編著に『複雑さに挑む社会心理学~適応エージェントとしての人間』(有斐閣)、『「社会の決まり」はどのように決まるか』(フロンティア実験社会科学6、勤草書房)、『文化と実践~心の本質性社会性を問う』(新曜社)、『社会のなかの共存』(岩波講座コミュニケーションの認知科学 第4巻、岩波書店)などがある。

本書の内容

「社会心理学」は、社会の中での人々の心の動きや行動の法則を解き明かし、なぜそう感じ、そう行動するに至ったかを研究する学問です。

心理学の中でも重要かつ人気のジャンルです。

本書では、個人同士の協力、競争、攻撃、援助など「他者との関係」、そして集団・組織など個人を取り巻く「社会との関係」をテーマにする「社会心理学」をわかりやすく、かつ堅苦しくならないように図解・イラストを用いて紹介されています。

「社会現象と心理学」、「職場における心理学」、「社会のあり方と心理学」など、現代日本において興味深く読める身近なテーマを立てて、さらにこれまで行われた心理実験と結果など、「心理学」全般の内容を誌面に取り入れて解説されています。

集団や社会の中の個、対人関係を「心理学」から読み解く一冊に仕上げられています。

『眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学』 は誰におすすめか?

本書はこのような人におすすめです。

『眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学』 がおすすめな人

  • 人間に興味のある人
  • 対人関係に悩んでいる人
  • 社会の中で生きづらさを感じている人
コウカワシン

人間は社会的動物です。

個人的には自由な思想でも、なぜか知らぬ間に集団・・・社会に流されてしまいます。

このことに疑問を感じるならぜひ「社会心理学」を学んでみるべきです。

とくに社会心理学がわかればマーケティングもしやすいはずです。

多くのビジネスパーソンには必須のスキルとなることでしょう。

『眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学』 の要点は?

大学の授業などで人気の「社会心理学」ですが、内容が幅広いせいか、本としては専門書的なものが多いようです。

本書では専門的な分野に踏み込みながら、やさしく必要な知識を得られるよう、なるべく身近でわかりやすい事例を多く取り上げ、徹底したイラスト図解にてわかりやすく解説してくれています。

コウカワシン

その中から、わたしが独断と偏見でポイントをあげてみたいと思います。

社会心理学について

社会心理学とは、古くはアリストテレスが「人間は社会的動物である」と述べ、英国の哲学者トマス・ホップスは「 社会にあり 責任は個人にはない」という社会的責任を論じています。

文字通り、社会心理学は「心理学」と「社会学」から誕生しました。

個人が複数集合し、社会を形成した際に起こるさまざまなできごとを包括的に取り扱っており、社会的な状況の中での個人の行動、相互作用、集団内行動、集団間行動、環境心理学、異文化、国際間での人間行動の比較研究などに分類されます。

つまり、社会の中での人々の心理状態や行動パターンは「社会心理学」にて解明できるというわけですね。

個人的には「してはいけない」とか「こうしなくてはダメだ」とわかっていても、社会や集団の中ではその意思が表明できないということなのです。

毎年、ハロウィンのころに東京渋谷のスクランブル交差点で集まった人たちが暴徒化するのも社会心理学にに照らしてみたら起きうる現象なのです。

こういった意味で、社会心理学から人間の特性を知り、トレンドをつくることも可能ですし、個人レベルでは、将来的にどのような行動を取れば他と差別化が図れるかとか社会と同化できるかを学ぶことができるのです。

コウカワシン

社会心理学って、自分の生活には無縁かと思っていましたが、こうなると色々、見えない作用が効いている部分を感じることができますね。

社会心理学から5つ

本書では、「社会現象」「組織・集団」「職場」「個人と対人認知」「社会のあり方」などからたくさんの心理学が紹介されています。

その中から、例として知っておきたいものを5つほど取り上げたいと思います。

ネットでの炎上が激化するのはなぜか(社会比較説)(集団極化)

いまや日常茶飯事な「ネットの炎上」ですが、有名人の不適切発言やスキャンダル、バイトテロといわれる動画の公開、公務員や企業による不祥事などが話題にのぼれば、たちまちSNSなどで拡散され、非難の対象になってしまう現象です。

特徴的なのが、その非難の激化ですね。その特定された人たちへの人格を否定するばかりか、差別的な発言、さらには「死ね」といった直接的な罵詈雑言が並びます。

なぜインターネットでの炎上は激化しやすいのでしょうか?

その理由の一つとして考えられるのが「社会比較説」とされています。「社会比較説」で、同調した人たちが集団化し極端な意見が多数を占めれば一方に偏ってしまい「集団極化」も引き起こすとされています。

社会比較説

社会比較説とは、他者の多くが自分と同じ意見であることで自分の意見に自信を持ち、その考えがより強化されることです。

集団極化

集団極化とは、集団で意思決定を行う際、各個人の当初の判断や行動傾向、感情などが、集団のさまざまなやりとりを通す中で、極端な方向に強くなる現象です。

インターネットでは、自分と同じ意見の人を見つけやすく、それが次第に高じ集団極化も起きやすくなります。もちろん、インターネットの匿名性も炎上が激化しやすい大きな要因とされています。

インターネット上で同意見の人がいることで自信を持ち、その考えが強化され、集団極化では、リスキーな意見に流されてしまう・・・これが炎上激化のもとになるわけですね。

集団極化において怖いのが、意見が偏ってしまうことです。

それが安全志向の人ばかりなら安全な方向に偏りますが、リスキーな意見が多ければそちらの方向に流されてしまいます。先ほども言いましたが「人間は社会的動物」ですので、知らず知らずのうちに自分がリスキー派に陥ることがあるということなのです。

緊急事態でも人が避難しないのはなぜ?(多元的無知)

近年、日本では集中豪雨などの被害が相次いでいます。

こうした災害時には気象庁が避難勧告を出して警戒を呼び掛けていますが、それでも逃げ遅れて被害に遭う人が少なくありません。

では、なぜ避難しないのでしょうか?

それには「いま起きていることが緊急事態であると認識できていない」ことが大きな要因だとされています。

たとえば、避難勧告が出されたとき、近所の人が避難していると「危険なのかな」と感じて自分も避難しようと考えますが、誰も避難していないなら「大丈夫だろう」と考えて、自分も避難しないというわけです。

このような社会的心理学を「多元的無知」といいます。

多元的無知

多元的無知とは、特定の社会的集団の構成員に見られるバイアスの一種です。集団の過半数が任意のある条件を否定しながらも、他者が受け入れることを想定しそれに沿った行動をしている状況を指すというものです。

言い換えれば「誰も信じていないが、誰もが『誰もが信じている』と信じている」と表現できます。

このような話があります。

新型コロナウィルスの感染が世界的に広がり、予防用のマスクが全然手に入らないことがありましたよね。それに関連しネット上では、「トイレットペーパーがなくなる」といった内容の投稿が寄せられました。

これに対し、熊本市長や業界団体、経済産業省が「供給に不足はない」などとし買い占めなどを防止すべく、冷静な行動を呼びかけました。しかし「品切れになる」というデマにより買い占めが相次いだのでした。

こうした中、日本家庭紙工業会が、「現在、トイレットペーパーのおよそ98%が国内生産で、どの会社にも在庫はあり、供給量にはまったく問題がない」と改めて消費者に向けて買いだめをしないように文書で呼びかけたのです。

しかし、ネット上では、デマを訂正する投稿がある一方で「品薄になって逆に自分が困るから買わなくちゃいけなくなる」など、誤った情報だと理解しながらも買うという選択をした人も多く、人々の不安に歯止めがかかりませんでした。

このような「私はデマにダマされない、でも他の人たちはきっとダマされるにちがいない」という考えから、「自分だけは違うと自覚しながら、結果的には大勢と同じことをしている」現象を「多元的無知」と言います。

人は必ずしも合理的な判断をしない(おとり効果)

たとえば、お店でお弁当が3種類あるとして、どのお弁当を選択をするでしょうか?

  1. 松 5000円
  2. 竹 3500円
  3. 梅 2000円

お弁当の中身にもよりますが、「1の松は・・・高い、けど、3の梅では~いまいちかなあ」などと知らず知らずのうちに2の竹を買う人が多いということらしいです。

実はこれ、マーケティングでいう「おとり効果」を狙ったものなのです。1の松も3の梅も「おとり」として置いてあるだけ、お店の人が売りたいのは2の竹なのです。

おとり効果

おとり効果とは、マーケティング用語の一つで、2つの選択肢の間でどちらにしようか迷った消費者に対して、「どちらかに対して明らかに劣った」第3の選択肢(おとり)を提示した場合に、消費者が特定の選択肢を選ぶようになる現象を言います。

つまり、おとりがあると人は非合理な選択をしてしまうということなのです。

ですので、お店で同じような商品だけど、比較対象があり、どちらかに優れた部分や劣る部分があったなら、それはお店側の「おとり効果」を狙った戦力だと覚えておきましょう。

流行に乗る人・逆らう人(独自性と同調性)

どの時代にも流行があります。その流行にすぐ乗る人と乗らない人、しばらくしてから乗る人がいます。流行にすぐに乗る人とならない人には共通点があり、それが「独自性」であります。

独自性

独自性とは、他と違い、その人またはそのものだけに備わっている固有の性質です。独特の個性とも言います。

どちらも「周りの多くの人とは、違うことをしたい」という意識のもとに動いています。

流行にすぐ乗る人に対しては「流行を先取り」という独自性があり、流行に乗らない人に対しては「流行をまったく気にしない」という独自性で、ふたつの方向に分かれているだけなのです。

ですが、「しばらくして流行に乗る人」というのは、独自性ではなく「同調性」があると言われています。

同調性

同調性とは、集団内の大多数の人々が一致して示している行動、態度、集団の標準、規範などに合致する、あるいは類似した行動や態度をとることです。

つまり、「人と同じことをやりたい、仲間外れにはならないでおこう」ということです。しばらくして流行に乗る人というのは、流行りものに対し同調性の作用が大きく影響する人と言えるわけです。

そもそも、流行って、ものを売る側の人が人為的に流行りを作り出している場合が多いです。それが数ヵ月から1、2年くらい続き、またその後もどんどんと作り出された流行りが入れ替わっていくのです。

人は大なり小なり「独自性」と「同調性」があるため、自分の感性に合うものならすかさず流行に乗るでしょうし、すぐ乗らなくてもしばらくして乗るということがあります。

この作用を利用して流行が作られていくなんて、知るだけでも面白いものですよね。

協力したほうが自分の得になる?(互恵的利他主義)

「人に何かをしてもらったらお返しをしたくなる」というのは普通の人の人情というものですよね。これをみるとやはり「人間は社会的動物」だと再認識します。

これを「互恵的利他主義」と言います。

互恵的利他主義

互恵的利他主義とは、あとで見返りがあると期待されるために、ある個体が他の個体の利益になる行為を即座の見返り無しでとる利他的行動の一種です。

「困ったときはお互いさま」「情けは人のためならず」と日本には類似する良い言葉がたくさんありますが、まあ見返りをもとめてやっているというのではないですよね(笑)

最近よく聞く言葉に「ギバー(Giver)」「テイカー(Taker)」「マッチャー(Matcher)」がありますよね。ギバーとは与える人、テイカーは受ける人、マッチャーはケースバイケースで受けたら返す人ということです。

この中で、1番得をするのは誰でしょう?

答えは、ギバーです。

長期的に見てギバーが成功をおさめるのだといろいろな書籍で紹介されています。なぜなら、人は似たもの同士で仲良くなるからです。

ギバーはギバー同士で仲良くなります。それは、多岐にわたり、金銭や物品、知識や情報などをシェアすることでギバーが1番得をするということなのです。

結論として互恵的利他主義というのは誰もが心の奥にでも留めておくべき心理で、困った人がいたら助ける、自分の心が響く活動をしている人にはできるだけの寄付や応援をするというのは決して損にはならないと思います。

コウカワシン

社会比較説・集団極化
多元的無知
おとり効果
独自性と同調性
互恵的利他主義

この5つは日常的によく経験することではないでしょうか?

こんな時、自分の立ち位置をしっかりさせていないと社会というものに流されてしまうということですね。

社会心理学から学び今後に生かすには

社会心理学とは、「社会の中での人々の心の動きや行動の「法則」を解き明かして理由を研究する学問」であることは、以上のことでよくわかりました。

わたしたちが自分の生活の中で生かすうえで、どのように心得ておくべきなのでしょうか?

そのうえで大事なことは、

  • 書籍などで学ぶこと
  • 生活するうえで合理性を鍛えること

この2点です。

社会に身を置くということは色々な不合理も受け止めなくてはいけません。 そのためには自分の人間力という土台を整える必要があります。それには学習と経験を積むしかありません。

学習することで知識を得て視野を広げることが大事です。そのことが今後の行動や判断を変えてくれます。そして行動から経験が生活するうえでの合理性を身につけることに役立ちます。

コウカワシン

社会心理学で学んだことは「目先の利益に惑わされるな」ということですね。

それを防ぐためには「学習」と「合理性を鍛える」をしっかり取り組んでいきたいと思います。

『眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学』 の感想・まとめ

社会心理学こそビジネスに生かせるスキル

本書を読み感じたことは、社会心理学を学ぶことが、ビジネスであり、そのままマーケティングの学習にもつながるなあということでした。

ビジネスと言ってもやはり人間が相手ですから、「人間を知る」ということは、とても大事です。しかも社会生活において思いもかけない行動をとってしまうというのは人間ならではではないでしょうか。

今回、取り上げた5つの心理学の他にもまだまだ知っておくべきものがたくさんあります。

それが、「社会現象」であり、「組織・集団」内でのふるまいであり、「職場」における判断に役立つものがまさに目白押しという感じで学ぶことができます。

しかも図解入りでうれしいですね。

「知っていることと知らないことは大違い」とよく言われます。ですのでぜひ一読していただきたい一冊ということでおすすめします。

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この記事を書いた人

四国在住。
ミニマリスト。趣味は映画観賞と音楽鑑賞、読書、野球観戦。
映画は特に好き嫌いなくほとんどのジャンルーを観ます。音楽はジャズとクラシックが大好きです。読書は歴史書が好きでよく読みます。

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