
こんにちはコウカワシンです。
今回は、斉藤孝(さいとう・たかし)さんの著書『1分で大切なことを伝える技術』から学ばせていただきます。




『 1分で大切なことを伝える技術 』はどんな本?
本書の目次
『 1分で大切なことを伝える技術 』
まえがき
第1章 「1分」の感覚をこう養え
第2章 万能!川のフォーマット
第3章 1分間プレゼンテーション
第4章 コミュニケーションを学ぶための素材
第5章 実践!ケース別・1分の使い方
第6章 賞賛文化を根づかせよう~「褒める」「励ます」が日本を変える~
あとがき 話が長いのはもはや環境問題だ
著者の紹介
斎藤孝(さいとう・たかし)
1960年 静岡県生まれ。
東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科学校教育学専攻博士課程を経て、明治大学文学部教授。
専攻は身体論、コミュニケーション論。
著書に『声に出して読みたい日本語』(草思社、毎日出版文化賞受賞)、『身体感覚を取り戻す』(NHKブックス、新潮学芸賞受賞)、『「できる人」はどこがちがうのか』(ちくま書房)、『質問力』『段取り力』(以上、ちくま文庫)、『仕事力』(筑摩書房)、『コミュニケーション力』(岩波新書)、『斉藤孝の「ガツンと一発」シリーズ』(全13巻、PHP研究所)、『会議革命』(PHP文庫)、『ストレス知らずの対話術』『使える!『徒然草』』(以上、PHP新書)など多数。
小学生向けセミナー「斎藤メソッド」主宰。
本書の内容
内容がないのに長い話を我慢しながら聞いた経験は誰にでもありますよね。
それは日本人が「簡潔にまとめて話す」というトレーニングを行っていないからです。
本書では「1分で何でも伝えられる」をコンセプトにし、1分で過不足なく、しかも相手の心に残るように伝える方法を伝授してくれます。
聞き手との間に川が流れているとイメージする「川のフォーマット」方式は、すべてのコミュニケーションの基本になり、「一分間プレゼンテーション」の他、「謝る」「教える」「質問する」「相談する」「指示する」「初対面」「叱る」などの技術をおしみなく伝授してくれます。
ですので、長い話という「環境問題」を解決するための内容となっているということです。
『 1分で大切なことを伝える技術 』 は誰におすすめか?
本書がおすすめなのはこのような人です。
『 1分で大切なことを伝える技術 』 がおすすめな人
- 報連相(報告・連絡・相談)の技術を身につけたい人
- プレゼンをよくする人
- 自分で話が長いと感じる人



よくお客様と商談する営業マンは端的に伝える必要性がありますよね。
ポイントを押さえて、順序よく説明したい場合に参考になるヒントが本書にはあります。
『 1分で大切なことを伝える技術 』 の要点は?
斎藤さんは「話が長い」というのは、もはや環境問題だと言います。
どのような話でも「1分」で伝えることができると言います。たしかに細かい説明がいるものもありますが、まずどのようなことも「1分でまとめて話す」を心がけると、相手が理解する度合いが大きくなります。
本書では、「1分で話すことの大切さ」「1分という感覚の養い方」「1分で話す実践編」など、現代の社会人が身につけるべきスキルが満載です。



その中からわたしが独断と偏見でポイントをあげてみました。
コンセプトを一文で表す
プレゼンにしても商談にしても、まず相手に伝えたいのは「何がコンセプトであるか」です。
でも、これは「趣旨」「要旨」「あらすじ」というものとはニュアンスが違うと斎藤さんは言います。そうではなくて、それらを組み上げ抽象化した概念というものがコンセプトだとされています。
そして、その抽象化した概念を一行で表すのではなく、一文で表せれば相手に効果的に伝わりやすいと言います。「〇〇が○○である」のような感じですね。
それが物事を遂行させる命題とするなら「○○を○○させよう」であったり、あるいは「○○は○○か?」といった疑問形でもいいのです。
一文で、よりわかりやすく伝えるためにキーワードとなる言葉を入れ、余計な言葉を除き、自分がもっとも伝えたい本質のすべてを盛り込めているかが大事となります。
さらに、相手の心が動かされるかどうかも重要で、ただ単に余計な言葉を除いただけの要約文では、伝わりこそすれ、「ああ、そうですか」で終わってしまいます。
ポイントは、受け手の知識・経験が引っかかってくるような、釣り針的なキャッチフレーズを入れることがベターで、相手の心を揺らすとのことです。



「キャッチフレーズ」の「キャッチ」とは、まさに心をつかまれるということ。
そのような言葉がコンセプトに盛り込めたら、余計な言葉で補足することなく相手に「一文で伝わる」ということですね。
1分の話に「踏み石」を置く
プレゼンなどで、簡潔にテンポよく話を進めていくことは、とても重要なスキルで、話し手のテンポが遅いと、なんだか要領を得ない話をダラダラ聞いてしまうということになりかねませんよね。
たしかに、流ちょうな話は聞きやすいし、話がスムーズに運ぶのはいいのですが、後から思うと「何の話だったっけ?」と思うことはありませんか。
「いろいろ話したけど、相手に何の話だったか伝わっていない」ということを防ぐためには、「話の間に踏み石を置く」ということが重要です。
たとえば、相手と自分との間に「川」があるとします。相手が川を渡りきることができれば、話を理解してもらえたということにし、話を聞けば聞くほど川を渡り自分に近づいてくることが理想です。
ですが、川には流れがあり、内容が難しかったり高度であればあるほど急流となります。つまり、話がうまく伝わらない場合だと相手が川に流されてしまい溺れてしまう・・・理解されないまま終わるという結果になります。
ですので、話が伝わりやすいようにポイント(踏み石)を置き、相手がうまく川を渡れるようにしないといけません。ですので話し手は、話をする前に大事なポイントを聞き手の知識レベルに合わせ、まとめて話すことが重要です。
斎藤さんのおすすめは、重要ポイントを箇条書き、または図化し川のイメージを描くと良いとのことです。紙に二本の線を引き川を表して、その間に石を数個(まあ3つくらい)書き、内容を考えて埋めていくといった具合です。


絵のイメージとしてはこんな感じですね。
もちろん、聞き手の知識が豊富なら、踏み石はもっと少なくてもいいし、逆に子供が相手なら、踏み石の数を増やしたほうがいいといった感じでいけばいいでしょうね。
いずれにしても、川に渡った後で「何を得ることができるか」は、明示しておく必要があります。



いままで、相手に沿ってポイントを置くというよりは、自分にとって都合のいいポイントを踏み石にしてきたと反省しています。
もっと、わかりやすいポイントをあげれるように努力します。
話す力をつけるために、「真似る」ことが重要
やはり話ベタよりは話し上手になりたいですよね。
そこで、斉藤さんは「どんなシチュエーションで話せるようになりたいか、相手にどう思ってもらいたいかを考えるべきだ」とされています。
というのは、話し上手になるにもスポーツと同じで、ルールやトレーニング方法が違うからです。ビジネスのプレゼンが上手くなりたいのに落語ばかり聴いてもあまり参考にならないのと同じですね。
それを踏まえたうえで、もっとも手っ取り早い方法は「モデルを探して真似ることだ」と提案されています。自分が目標としたい対象を見つけ、そのポイントを抜き出して再現し、周囲にいる誰かに聞いてもらうということです。
よくスポーツなどでは、対象の人のトレーニング法を分析し、取り入れるたりしますよね。それと同じで、話す技術もとにかく真似てみて近づけるように努力してみることが話し上手になるにも有効です。
わたしはよく、両学長リベラルアーツ大学や、マコなり社長のYouTubeを見ていますが、どちらも人を引きつけ、自分の主張をわかりやすく解説するという点で、すごく参考になるし憧れます。
ということで私も以前から、お二人をモデルにしてポイントを押さえて練習をしたことがありました。すると、人から「説明うまいね」といわれるようになりました。
たしかに話すということは日常的なことだから、スポーツのように練習するという感覚がなかなか身に付かないかもしれませんが、「話し上手になる」という意識を明確にすると、あんがい自分なりに考えて練習や言葉選びの習慣が身に付くとわたし自身身をもって言えることだと思います。



「真似こそ上達の近道」。これは不変の常識ということですね。
自分の目標とする人がいるなら、どんどん真似て上達しましょう。
『 1分で大切なことを伝える技術 』の感想・まとめ
言葉は、チャンスだ。
言葉の発し方次第で人の心をつかんだり、自分の力を認めてもらったり、相手の気持ちがなごやかになったり、といった変化が起きる。
反対に言葉の使い方を誤ったり、口調がぞんざいになったりすると、すべてを台無しにしてしまうこともある。
この冒頭にある言葉に、人間として生まれてことの喜びを感じ、人間としての責任を感じるのは、わたしだけでしょうか?
言葉をあやつり、他人と感情を含めたコミュニケーションを取れる動物は、人間以外ありませんよね。ですので、言葉というものがどれほど大事なものかが本書でよくわかりました。
今回は、話し方の要点になる部分と話し方の上達するヒントしかあげていませんが、本書には、「1分」という感覚を磨くためにストップウォッチを使うトレーニング法や、仕事にも役立つ「謝る」「教える」「質問する」「相談する」「指示する」などのシーンに応じた実践的な使い方が学べる方法が満載です。
時間を置いて何回でも読み返すことが自分への理解度が増すと感じます。
そういった意味でも一読されてみたらいかがでしょうか。




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