炎の講演家 鴨頭嘉人(かもがしらよしひと)の真髄は「人材育成術」にあり

こんにちはコウカワシンです。

今回は、YouTuberで炎の講演家としても有名な鴨頭嘉人さんの『稼げる話術』から学ばせていただきます。

鴨頭さんのYouTubeサイトがこちら⇒鴨頭嘉人(かもがしらよしひと)

鴨頭さんは「マクドナルド伝説の日本一店長」という経歴を持ち、超人気の講演家でその熱い語り口についつい引き込まれます。

この『稼げる話術』は、その卓越した話術のハウツー本というだけではなく、「人材育成」という視点で、若手社員を育てられる上司になる秘訣を伝授してくださってます。

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目次

『稼げる話術』の内容

『稼げる話術』の目次

はじめに
第1章 仕事で最重要なのはコミュニケーション力
第2章 リモートワークのコミュニケーション術
第3章 対面のコミュニケーション術
第4章 パブリックスピーキングの伝える技術
第5章 稼げる人材を育成する話術
おわりに

鴨頭嘉人さんは、19歳で上京しマクドナルドにアルバイトとして4年、そして正社員となり21年間務めます。その後は退社して独立開業。自身の経営する複数の会社以外にも様々な団体を立ち上げられています。

この活躍の土台になっているのが、マクドナルド・スーパーアドバイザー職時代の上司、藤本孝博氏との出会いだったとされています。

藤本氏の言葉数こそ少ないものの、豊かなコミュニケーションの力により救済され、「一気に自分の世界が変わり、行動する勇気が湧き上がってきた」とされています。

その藤本氏から学び、自身が現場で得たノウハウをミックスし本書に「人とのコミュニケーションの取り方」を説くスキル、心構えを示した内容となっています。

タロー

鴨頭さんは素晴らしい上司に出会えた事で自己改革ができたんだね。それで今の活躍があるんだあ。

パソコンくん

そうだね。あの熱い講演も「人とのコミュニケーション」を上手く取りながらされているそうだよ。
でなければ人の心をわしづかみにはできないからね。

『稼げる話術』はどのような人におすすめか

こんな人におすすめ

  • 営業マン
  • ビジネスマン
  • 管理職
  • 経営者
コウカワシン

どの職種、どの役職でもコミュニケーション力は必要不可欠です。
会社や現場などでコミュニケーションを円滑にできない人はぜひ読んでいただきたいですね。

『稼げる話術』の要点

仕事で最重要なのはコミュニケーション力

コミュニケーションを円滑にとるには「コミュニケーションのスキル」が必要です。

コミュニケーションのスキル

「伝達力」(自分の想いを伝える力)
「聴く力」(相手の話をじっと聞く力)
「洞察力」(物事の本質を見抜く力)
「承認力」(相手を認める力)

どれも大事な要素ですよね。

鴨頭さんは話術はまず「聴く力」と「洞察力」であるとされています。

なぜなら、「相手の欲しいもの」を探らないと自分が提供できるサービスがわからないからです。

「伝達力」というのは、そのあとに来ます。相手の話をじっと聞き、物事の本質を見抜く、そしてそれに対して適切な提案をすることが第一なのです。

もちろん、相手を認めることも必要です。相手の意見を否定し自分の意見を通すのでは納得してもらうのは難しいでしょう。

このすべてのスキルを構成するベースは、「相手を考える気持ち「マインド」(考え方、心の傾け方)」にあるのです。

これにはどれだけ話術を磨いても、気持ちがこもっていないコミュニケーションとなり、相手の心に決して届かないと言われてます。

人はメリットで動く

コミュニケーション力を実践に使うには、どのような点が必要でしょうか?

鴨頭さんは、「相手に対してのメリット」だと言います。

交渉相手に「自分のサービス」を売り込みたい気持ちはやまやまですが、交渉事の鍵を握るプレゼンの実践的な伝える技術は「相手のメリットを話す、伝える」ということになります。

プレゼンの心得

  1. 「顧客(相手)へのメリットと評判」
  2. 「会社の決裁に必要な数字」
  3. 「決裁者のメリット」

以上のことが、重要かつ必要になります。

一個人への売り込みならば、「会社」という文言を「相手及び相手の家族」という風に置き換えると良いと思います。

1.「個人(相手)へのメリットと評判」

提供するサービスを利用することにより、顧客(相手)にどんなメリットがあるかを明確にすることが重要です。

そして、ほかの顧客からの評判も加えることです。これにより、プレゼンター(自分)の主観だけではなく、客観的な視点も加わり納得していただける材料が増えます。

2.「会社の決裁に必要な数字」

大きな組織ほど、決裁権は経営陣が持っています。プレゼン相手が、内容を会社に持ち帰り、決裁者に伝えます。

プレゼンで「理論」「感情」「状況」を内容に込めても、正しく伝わらない場合があります。それに明確な数字を加えることで納得してもらいやすくなります。

たとえば「このサービスを利用していただくことで御社に〇〇〇万円のリターンがあります」とか「利用していただくことで〇〇%の費用が削減できる見込みです」など提示すれば、プレゼン相手が決裁者に向けて説明しやすくなります。

3.「決裁者のメリット」

これが超重要とのことです。

鴨頭さんが、ある人事部を決裁者と仮定して、決裁者のメリットをプレゼン内容に加えた例をあげられていますので紹介します。

「本年度、人事部から発令された『人事2029』にありました『新しい人材の登用とチャレンジの機会の創出』というテーマに沿って、このプロジェクトを進めたことが、成果が出た最大の要因だったと感じています。

つまり、このプロジェクトでは、カスタマー(顧客)からの信頼度をアンケートがプラス2ポイント、経常利益の改善率が0.2%の獲得。それだけではなく、新しい人材の成長というわが社の未来に対して、大きなリターンを獲得したという意味でも、期待以上の成果が報告できたということを心からうれしく思います。

このようなチャンスをいただけたことを心より感謝申し上げます」

「お客様からの信頼度が2ポイント、アップし、会社の利益率の改善が0.2%あった」という数字的な結果だけではなく、決裁者の「人事部」が掲げる「新しい人材にの登用とチャレンジの機会の創出」というテーマに沿ったから、このようなことができた。

つまり、決裁者(人事部)が経営陣に対しての説明においても、提案者(自分)の評価が上がるだけでなく、人事担当者の評価も上がるように、先回りしてプレゼンするということなのです。

コウカワシン

3つのポイントを押さえて相手のメリットを考えることは、提案を通すのに大きな武器になります。
特に3番目の決裁者利益を考えるということはマクドナルドでの上司、藤本さん直伝で、「決裁者のメリットをいれないプレゼンなんてプレゼンやない。ええか、決裁者は人間なんやで」と教わったそうです。
まさに人心掌握術といえますね。

セールストークの極意

相手に何かを「売る」とか「提案する」ときに話し方の「型」(フォーマット)を心得ておくと強力な武器になります。

セールストークの「型」(フォーマット)

最初は、「問題」を投げかける
2番目に「解決策」を出す
3番目に「根拠」を提示する
4番目に「未来」を語る
最後に「行動」をうながす

これは、テレビショッピングなどでも採用しているものですよね。

どんな分野でも言い方は違えど、この「型」を使っていると思われます。

それでは、例を使って流れを確認してみます。

ある「果汁ジュース」を売り込みたい場合

「ねえ、最近、夏バテで・・・」/「問題」の投げかけ

「でも、この果汁ジュースを飲めば大丈夫!」/「解決策」を出す

「なぜなら、この果汁ジュースは静岡県〇〇町で収穫した無農薬の最高級品を使用して、純度100%で、余計なものは入っていません。そして、実験の結果、なんと、皮からもきれいになる効果が得られました。だから、人間の体にも安全なのです。」/「根拠」の提示

「この果汁ジュースを飲むようになって、シワがなくなりました」
「夫婦仲もよくなっちゃいました」
「もう、腰が痛くなくなったんだよ」/「未来」を語る

そして、「お支払い方法は~」とアナウンスされ、最後の締めくくりに向かいます。

「いまから30分以内に電話をくださったあなたには、さらに20箱つきます。

しかも、気に入らなかったら、30日間、完全返金システムをご用意。

まだまだ、これだけではございません。

さらに、送料はすべて『果汁ジャパン株式会社』が負担します!」/「行動」をうながす

このような「型」を使うと抜群に説得力がありますよね。

コウカワシン

わたしもブログにこの「型」を使いたいなあと思いました。
がんばります!

スピーチで気をつける点

「WAB」の活用

もし不特定多数の人たちの前でスピーチをする時に気をつけるべきは、「その人たちに話を聴いてもらう」ということです。

鴨頭さんは、「話す前と後で、聴き手にどのような変化をもたらしたか」を念頭に置いているそうです。

これには、ただ行き当たりばったりに話すのではなく、あらかじめ設計図をつくったうえで話し始めることをいつも習慣づけているとのことです。

この目標を簡略して「WAB」と名づけられました。

「WAB」とは、「Who」「A地点」「B地点」の頭文字をとった造語です。

「WAB」

「W」=Who。誰に向かって話しているのか
「A」=A地点。相手はいま、何を思っているのか。
「B」=B地点。目的を持って話した後の状態

1対1でも、大衆においても、聴き手は、「自分にメリット」がなければ話を聴いてくれません。

どんなに自分が伝えたい内容でも相手が欲する情報でなければいけません。

そこで、「誰に対して話をするか]を意識し、聴き手が現在いる「A地点」から、「B地点」に行きたいと思うように、相手に伝わるような話をしなければいけないということです。

相手が欲しいものをプレゼントするから、相手も「A地点」から「B地点」に行く行動を起こす。

自分が言いたい事を言うのではなく、「相手がどうやったら『B地点』に行けるだろうか」をいつも意識することが大事です。

でも、自分が言いたい主張を抑えて、相手にとって聞き心地のいいことだけを話すのとは違います。

あくまでも、相手が自発的に「B地点」に行きたいと思うように、いろいろな話材を提供し、相手に伝わるように持っていくのが重要です。

スピーチの技術

スピーチを円滑にするための技術があります。

スピーチの技術

  • スピーチを「型」にはめる
  • オープニングでは聴き手を緊張させる
  • 「共感」によって聴き手を引き込む
  • 即興スピーチは「最後のひと言」から考える
スピーチを「型」にはめる

人前で話をする場合は、「WAB」をふまえ、セールストークのときと同じく「型」が必要です。

スピーチ内容を「型」にはめることにより、スムーズな情報の提供につながります。

鴨頭さんの鋭い感性でしゃべるトークは、ただ単に感覚でやっているのではなくて、きちんと「型」にはめて意識的にされているとのことです。

スピーチの技術とは、「WAB」と「型」の2つを意識して習得しましょう。

コウカワシン

人に伝えたいことがしっかり伝わるようにするには、「型」を使って順序立てた方がよりよく伝わるということですね。

オープニングでは聴き手を緊張させる

オープニングで大事なことは、聴き手を注目させることです。

ある意味、緊張した状態でないと聴き手を注目させることはできないのではないでしょうか。

たとえば、オープニングでいきなり、こういう人がいます。

「みなさん、初めての場で、はじめての人ばかりで、ちょっと緊張なさっているかもしれないので、いちど体をほぐしてからはじめましょうか?」

一見良さそうに聞こえますが、すごくもったいないことをしていると鴨頭さんは言います。

「人は緊張感がある時の方が聴ける状態」なのです。

聴き手がリラックスしたら「聴く力」も同時に下がります。聴き手が「何があるんだろう?」という聞きたくなる感覚にするべく緊張感を持たせなくてはいけません。

例をあげてみます。

ある税理士さんのセミナー

「今日は2021年度の税制改革のポイントを3つだけお伝えします。この3つの内容をみなさんが聴いて実行したら、これからの15年間で350万円の税金を払わないですみます。いまからその3つをお伝えしようと思います。2時間半ですが、よろしくお願いします。」

どうですか? ふつうなら眠たくなるような話でも、「自分に対するメリット」があるため、最初から緊張して聴くに違いありません。

マクドナルドでも似たような話があったそうです。

マクドナルドでの記憶

鴨頭さんがマクドナルドで店長を指導するスーパーバイザー職をしていたころ、当時全国に200人ほどのスーパーバイザーがいて、その全員に対して、国家資格の「食品衛生管理者」試験を受けるための事前研修会の通達がきたそうです。

受け取った全国のスーパーバイザーは、口々に、

「ふざけるな、人事部、なめてるのか」
「おれたち、どれだけ忙しいかわかっているのか」
「「1日中、研修受ける暇なんて、ないんだよ」

と爆発寸前でした。

だから、研修なんてまともに受ける気がありません。それでも集まり1クラス100名単位で、眠たくなることが予想される研修室で外部からきた講師を待っていたら、その講師はしょぼくれた感じの初老のおじさん。

でも、このおじさんが開口一番こう言いました。

「このなかに、3人のバカがいます。私はこの食品管理者の研修ばかりしていまして、いままで6万人が受講してきました。もう合格率は決まっています。97%なので、このなかで3人は落ちます。きっとマクドナルドのような大企業で、3%の落ちた側に入ると、将来は真っ暗なんでしょうね。では、授業を始めます。」

教室にいる全員が「えーっ」となるわけです。

この外部講師のおじさんは、経験上、受講生の心情をくみ取っています。

ですが、目的は「WAB」です。受講生に好かれようとは思っていません。

聴き手を少々、恐怖に感じるくらいの緊張感で、受講させ、「B地点」(全員合格)に行かせるために、講義を聞かせることだけに集中したのです。

コウカワシン

人に注目してもらうには色々と戦略がいるものですが、根底にあるのは「相手のメリット」なんですよね。

「共感」によって聴き手を引き込む

聴き手は、スピーチする人と「共感」したときに、最も話に聴き入ってくれます。

鴨頭さんは、聴き手の人が若い人達の場合、オープニングに自分が学生時代のことを話されるのだそうです。

  • 自分が野球の名門である愛媛県の今治西高校野球部の出身であること。
  • 兄も同じ野球部出身で甲子園でベスト4、国体では優勝した5番バッターだったこと。
  • 自分が入学した時には周りが大騒ぎして、今治じゅうの注目を集めたこと。
  • でも自分は兄と違い3年間レギュラーがとれなかったこと。
  • みんなが期待外れだとバッシングし、街で知らないおじさんからも罵倒されたこと。
  • でも自分は、だれよりも早くグランドに出て独りで練習し、昼も弁当を5分で食って練習し、夜は残って独りで練習したけど、試合には出られない。
  • けど、自分は野球をやめなかった。何を言われようと、やめない。ここで負けたら、一生負け犬だ。と思いながら高校3年間を過ごしてきた。
  • でも、このコンプレックスにまみれた高校3年間があるから、今の自分がある。これが今の自分の原動力であり、できないことは決して悪いことじゃない。コンプレックスは武器になる。

これって、かなりな「共感」を生むそうです。たぶん自分と重ねている人が多いのでしょうね。

若い人相手にスピーチするときは、場合によっては人生経験が少ないため、先に「共感」がないと集中して話を聴いてくれません。

それから「聴く力」が弱い学生さんを「聴きたい」気持ちにさせるには、いちど目線を下げて、いっしょに上がっていくという「共感」から入る手法が効果的だと言われています。

コウカワシン

それにしても鴨頭さんの経歴ってすさまじいですね。このような体験が今の地位を築く原動力になるのは同世代としてすごく分かりますし、若い方だって共感しますよね。
それから目線を下げるというのはすごく勉強になりました。

即興スピーチは「最後のひと言」から考える

スピーチにおいて、最後のまとめを明確にしておかないと聴き手に「締まらない」印象を持たれることになります。

鴨頭さんは「最後のひと言」=「締めの言葉」は、何かの集まりにでも行ったら、考えておくべきだと言います。

極論をいうと、いきなり集まりの最後に「締め、お願いします」とか「最後にひと言お願いします」というのがきたらとっさに、最初に決めておいたワードを使うことができるからです。

たとえば、「私たちはかならず達成できる集団である」みたいなことです。それを共有できることがらに結び付けていくだけで、立派なスピーチになります。

例をあげますと、

「この年度末の3か月前、達成率は87%でしたが、あきらめずやりとげる集団だったからこそ、今回101%という結果が得られました。つまり『私たちは達成できる集団なのです。』来年もまたこのような優秀な皆さんといっしょに働けることがうれしくてたまりません。本日は本当にありがとうございました。」

という締めくくりなら誰でもが「ああ、よかった」という印象を持ってくれるのではないでしょうかね。

場の雰囲気を決定づける「最後のひと言」は、用意しておくことが大事です。

コウカワシン

さすが〇〇さん!と言ってもらえるようなスピーチを心がけたいですね。

心の声を聞いて動かす人材育成術

今の若い人(20代、30代)は、お金よりも「自分の存在価値を認められること」に満足を得ます。

「自分は何のために生まれてきたのか」を知ることに価値観を感じるのです。

そのような人たちとコミュニケーションをとるには、何に気をつけるべきなのでしょうか?

わたしにも経験がありますが、大事なことは「世代間ギャップを埋めようとしないこと」なんだそうです。

つまり、相手の価値観を変えようとは思わないことです。

そこで、必要なのが「受け入れること」だそうです。

そこで、そのような若い部下のいる方に質問です。

部下についてどれくらいのことを知ってますか?

部下について

  • 入社年月日はいつ?
  • 家族構成は?
  • 血液型は?
  • 趣味は?
  • 小学校の時の夢は?
  • 学生時代の部活動は?
  • 好きな映画は?
  • いま、もっとも興味を持っていることは?
  • いまの夢は?
  • いま、何に悩んでいるか?

部下のプライベートなことまでよく知ってないと答えることができない質問ばかりですね。

最初は誰にもわからないものですが、意識して部下とのコミュニケーションをしっかり取っている人はきちんと把握しています。

この質問を通じて、上司は部下をよく見るようになり、部下を「見る目」が変わってきます。

部下は自分のことをわかってほしいのです。
部下は自分のことを受け入れてほしいのです。

上司が自分を知り、受け入れてくれる態度は、部下にとって、とても心強く感じます。

だから、上司の方から部下に歩み寄るべきなのです。

上司が部下のことを知ろうとしたとき、上司の心が変わります。
心が変わると、行動や言動が変わります。
上司が変わるだけでなく、チームが変わり、ひいては会社の業績も上がっていくのです。

では、部下の操縦法として気をつけるべき点をあげていきます。

部下の操縦法に際しての心得

  • 「報・連・相」(報告・連絡・相談)
  • 答えを持たずに部下の話を聴く
  • 部下の「声にならない声」を聴く
  • 自発的に動く部下を育てる
  • 部下を承認する

「報・連・相」(報告・連絡・相談)

「報告」「連絡」「相談」

これは、上司に対して部下が行うことですね。しかし、「うちの部下は、報連相ができない」という人がいます。

でも裏を返せば部下が報連相できない状態を上司自身がつくり出している可能性があります。

多くの上司は、部下の話を「聞いて」いると思ってます。でも実際は、多くの上司は部下の話を「聴いて」いないのです。

この「聞く」と「聴く」は大きく違うと言います。

  • 「聞く」とは、情報として話の内容を理解すること
  • 「聴く」とは、感覚を研ぎ澄ませて話を受け入れること

もうひとつ付け加えるなら、「聴く」は耳だけでなく、全身を使って聴くということです。

部下は、そのような上司の態度をしっかり見ています。自分の方に向き直し、全身で聴く、場合によってはメモをとる、このような真摯に向き合ってくれる上司には、何でも報告、連絡、相談をしたくなります。

先ほども言いましたが、若い人は自分を受け入れてくれる人にしか心を開きません。「聞く」を「聴く」に変えただけでも部下との信頼関係は劇的に変わります。

答えを持たずに部下の話を聴く

「聴く力」のふたつ目の段階は「自分の答えを持たないで聴く」です。

例をあげますと、

5月の終わりごろ、新入社員からこんな話がありました。

「現場には慣れたのですが、モチベーションが上がらなくて・・・」

多くの上司は心の中でこう思うのではないでしょうか?

(よくある五月病だな。よし、ここは一発おれの体験談でも話してやるか・・・)

部下の話がまだ終わらぬうちから、自分が何を話そうか、そのことばかり考え、そのうち、途中で話をさえぎり自分がしゃべり出してしまうのです。

「いいか、モチベーションというのは、そもそも自分で上げていくものだ。おれも新人の頃は・・・」

と。たしかに話の中に解決策があるかもしれません。けれども部下は、

「また始まったよ。もう相談するのはやめておこうかな」

と感じて、当然のことながら本音を言わなくなるでしょう。

たしかに上司に泣き言を言えない環境になってしまってます。

このような状況では、部下が上司を信頼して相談できないでしょう。

否定がない環境であれば、人は本音を言います。
否定されそうだと思うと、本音を言うことができなくなります。
上司が「否定するまい」と思っても、それは関係ありません。
部下が「否定されそうだ」と感じてしまったら、部下は本音を言いません。

だから大事なのは、部下の話をしっかりと最後まで聴きましょう。途中で口を挟んではいけません。
上司がとるべきは、「自分の考えを持たずに最後までしっかり話を聴くこと」なのです。

では、先ほどの例の続きから試してみることにしましょう。

部下「最近、モチベーションが上がらなくて・・・」

上司「そうか・・・。自分では何が原因だと思う?」

部下「はい、仕事には慣れたのですが、朝起きても会社に行こうという気分にならないんです。」

上司「そうか、そういうときってあるよな。でも他には原因ないのか?思い当たるふしとか・・・。いっしょに原因を考えよう。」

部下「じつは・・・母が病気で入院してしまって」

真面目な社員ほどプライベートな話題を持ち出してはいけないと思っているものです。プライベートが原因でモチベーションが上がらないのは極めて自然。それを受け止めてあげないと問題を解決することはできません。

上司「そうか、いま、お母さんはどうしているんだ?」

部下「なんとか気を取り直して治療を頑張っています。早く良くなってもらいたくて、毎日、仕事が終わったら病院に見舞いに行ってるんです。」

上司「そうか、偉いなあ。もしかまわないなら、お母さんの病気のことをおれからメンバー全員に言っておくよ。だから、終業時間の18時になったら、すぐに病院にお見舞いに行きなさい。お母さんの力になってあげなさい」

じっくりと部下の話を聴き、原因まで把握することができ、最善の答えを出すことができました。

部下は上司を信頼し、仕事にも身を入れてくれることと思います。モノのためではなく、お金のためではなく、心で働いてくれる部下はこのようにして真摯な態度で向き合ってくれる上司のもとで育つのです。

部下の「声にならない声」を聴く

「聴く力」の究極は、部下の「声にならない声」を聴くことです。

難しいですよね。相手の秘めた想いを探るのですから。

たとえば、こんな場面に出くわしたことはないですか?

「あっ、今、この人はうそをついてるな」と、相手の心と言ってることが違うってところです。

このことはマクドナルド時代の上司であった藤本さんから学んだそうです。

そりゃマクドナルドは東京エリアだけでも当時約400店舗ありましたから、なかなか回ることができない状況です。

でも以前に会ったことがないスタッフのこともじっと様子を伺い、適切な言葉をかける藤本さんにに尋ねたことがあったそうです。

鴨頭「どうしてあのスタッフさんが考えていることがわかるのですか?」

藤本「ええか、嘉人。部下の『声にならない声』を聴けるようにならんと、上司はお払い箱やで」

つまり「部下が言えないこと、内に秘めている声を聴くことができてこそ、上司は必要とされる」ということ。

鴨頭さんはこの日から、部下の声にならない声を聴くトレーニングを始めたそうです。

キャノン電子の坂巻久会長の著書『見抜くリーダーは本質を見極めよ』を読みふけり、中でも「社員の背中を見れば、社員の状態はわかる」という言葉からヒントを得てトレーニングを積まれたそうです。

気づきとして、「無意識のうちに人は体のどこかで自分の思っていることを表現する」とし、それを見逃さないようにして、部下の心を見抜く・・・。

このトレーニングは、毎日実践することで、だんだん身についてくるとのことです。

自発的に動く部下を育てる

部下を育てるという点において、部下のモチベーションを上げてやることが一番成長するきっかけになるのではないでしょうか。

「上司に言われたからやるのではない。自分がやりたいんだ!」

「お客様の笑顔のために、いま自分ができることを考えてしよう!」

このように本人のやる気が出てきたらシメたものです。

目的意識を持たせるのも大事ですが、部下の「欲求」に応じるのも上司の仕事です。

会社組織で考えるべきは、「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現欲求」の3つを満たしてあげる必要があります。

「社会的欲求」は社会人であり「社会やコミュニティーの一員である」と感じるだけで満たされます。

つまり会社員なら、会社に所属しているという自覚がそうです。

そこで、上司たるものがもっとも力を入れるべきは「承認欲求」を満たしてあげることです。

「承認欲求」が満たされた部下は、自らその上の「自己実現欲求」へと突き進んでいきます。

つまり「自発的に動く部下」の誕生となるわけです。

部下を承認する

部下の「承認欲求」を満たすために5つの「承認力」を使いましょう。

5つの「承認力」

  • 「結果承認」
  • 「プロセス承認」
  • 「行動承認」
  • 「意識承認」
  • 「存在承認」
「結果承認」

部下が何か仕事で結果を出した時、上司が「褒める」ことで、部下が認められたと自信になり、かつ上司が見てくれていると自覚するようになります。

「プロセス承認」

結果が出るに至ったプロセスを承認されると部下はその努力も報われ認めらえたと大きな自信につながります。

「行動承認」

一見、「プロセス承認」とかぶると感じますが、この2つは大きな違いがあります。

行動承認は、結果が出なくても行動を承認するということです。「今回は、残念だったけど、あれほど努力してたものね。おれは知ってるからね。」とまあ、慰めともいえるのですが、ほとんどの部下は「次は必ず結果を出す」とモチベーションの維持につながります。

「意識承認」

先ほど「部下の声にならない声」をくみ取るのが上司の仕事と申しましたが、部下の「意識」をくみ取るのも上司の仕事です。

たとえ、部下が仕事で失敗しようとも、部下の「意識レベル」を計り、承認するくらいのことができなくては、上司の前ではビクビクしたスケールの小さな仕事しかできない部下になってしまいます。

「存在承認」

ただ部下がそこにいるだけで承認します。

歌の文句ではないけど、「君がいるだけで元気がもらえるよ。今日も来てくれてありがとう!」なんて言われたら、部下も愛されてる感がハンパないのではないでしょうか。

この5つの「承認力」で、大事なことは「承認のハードルを下げる」ということです。

つまり、できるだけ低いレベルで良いので承認することが大事です。

承認は「量」が大事です。一度だけでなく部下を承認する機会を増やし承認することが大事です。

それには部下を承認する場面に「気づく」ことが重要です。

何でもそうですが、部下を育てるのに一番有効なのは「部下を承認する」ことで、その機会を増やすごとに部下の成長を感じることができると思います。

コウカワシン

部下一人ひとりに同じような「承認」をするのはとても大変ですが、これをやれる人が、理想の上司像ですね。

「承認」とは心の報酬

鴨頭さんの管理者向けの研修では受講生から、このような質問をされるそうです。

「部下を叱ってばっかりいてはだめだということはわかりました。これからは、部下を褒めて育てていこうと思います。ただ、褒めてばかりいても緊張感のない職場となってしまう気がするのですが・・・褒めることと叱ることのバランスは、どのようにとればよいのでしょうか」

鴨頭さんの答えは、「部下を褒めて育てるべきか、叱って育てるべきかと考えがちですが、大切なのは、あくまでも『承認すること』です」

つまり、「承認する」=「褒める」ではないということなんですね。

承認とは、「褒める」ことでも、愛情をもって「叱る」ことでもない・・・承認とは人と人との「関わりあい」から生まれると言われています。

「褒める」とは、部下が結果を出したときに行うアクションです。

「叱る」とは、部下がやってはいけないことをやったときのアクションです。

そして「承認」とは、日常のコミュニケーションのことを指すとのことです。

いわば、信頼関係ということですね。

部下は、自分が調子がいいときも悪いときも見守ってくれる上司に頼もしさを感じ、信頼してくれるのです。

コウカワシン

「親が子供を慈愛で育てていくのと同じく、部下にも愛情をもって承認する」ことが一番大事なのでしょうね。

『稼げる話術』の感想・まとめ

「伝達力」「聴く力」「洞察力」「承認力」

本書では、人生におけるコミュニケーションスキルである「伝達力」「聴く力」「洞察力」「承認力」をあますところなく示してくれました。

このすべては、「相手を考える気持ち(マインド)」がベースになっています。

どれだけ話術を磨いても、気持ちがこもっていないコミュニケーションでは、相手の心に届かないのですね。

「相手を考える気持ち」に裏打ちされた真のコミュニケーション力や話術を身に付けるに最適な入門書であり、教科書であると思います。

ぜひ一度読んでみてください。

コウカワシン

最後までお読みいただきありがとうございます。

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この記事を書いた人

四国在住。
ミニマリスト。趣味は映画観賞と音楽鑑賞、読書、野球観戦。
映画は特に好き嫌いなくほとんどのジャンルーを観ます。音楽はジャズとクラシックが大好きです。読書は歴史書が好きでよく読みます。

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