
こんにちはコウカワシンです.。
2021度予算案が成立確実になりました。
なんと106兆円だそうです。
とてつもない数字にただただ唖然でありますが、コロナ対策には致し方ないといえます。
税収が2020年度当初予算に対し1割ほど少ないにも関わらず予算を積み上げなくてはならない・・・。
とくれば、国債発行増は免れないわけで、ますます借金は増えていきます。
社会保障も改悪されていく中、わたしたちはどのように身を守っていかなくてはいけないのでしょうか?



ぼくらは将来このままでいいのかなあ?



そのままでいいわけないけどヒントになる本を見つけたよ。
その本は、
『国がダメでも「脳」がある』 茂木健一郎著
2011年の発行ながら、なんだか今のことを言ってるみたいな気がします。
今回は、茂木先生の『国がダメでも「脳」がある』から学ばせていただきます。
『国がダメでも「脳」がある』はどんな本?
本書の目次
『国がダメでも「脳」がある』
はじめに
第1章 古い「マインドセット」を捨てる
第2章 ストレスに負けない「雑食脳」をつくる
第3章 楽観回路をきたえて「楽天脳」をつくる
第4章 柔軟性にとんだ「共感脳」をつくる
第5章 やる気と感動にあふれた「意欲脳」をつくる
おわりに
『国がダメでも「脳」がある』の目的とターゲット
本書の目的
本書の目的は、
個人の能力(脳力)を高め、成長を促し国に頼らずとも生きていける人材を増やす
です。
本書のターゲット
ターゲットは、
- 自己成長をする人
- 自分に自信がない人
- 若手社会人



コロナ禍でいろいろな価値観が変わりつつあります。
これからの社会はさまざまな変革が起きるのではないでしょうか。
若手社会人だけでなく、はばひろい年齢層の人も柔軟でへこたれない能力(脳力)と精神力が必要と思います。
『国がダメでも「脳」がある』 の要点は?
それでは、本書からポイントを押さえてまいります。
古い「マインドセット」を捨てる
もう空気を読む必要なんかない
人間は社会的な生き物だから、どうしても組織という群れを作りたがります。
だからか、不景気になって、元気をなくした人が増えると、自分も落ち込まなきゃいけないような気がします。
この現象は脳科学的に証明できるそうなのですが、コミュニケーションを円滑にしたり、社会状況に合わせて自分の生き方や行動を合わせることをしてしまいます。
でも、ときにはそれが成長の足かせになる・・・とも言われています。
そこで、茂木先生は、「もう空気を読む必要はない」と言います。
SNSを見ても友人とかお気に入りの人の投稿に「イイネ」する
インターネットの普及が、日本社会では同調圧力を助長する方向で機能している・・・と言えます。
最近では「スマホと距離をとろう」という認識が広まりつつありますが「他人と合わせる必要がない」という考え方はなかなか浸透しませんね。
「他人と合わせない」・・・個性的な人物は昔からいました。
有名なところで言えば、織田信長と坂本龍馬ではないでしょうか?
そもそも織田信長や坂本龍馬は、日本の改革に名を残した人ですが、当時の日本では異端児扱いされてましたよね。
新しい考えを遠ざけようとするのは日本の伝統なのかもしれません。
組織から独立し、自由な個人としての立場から、日本の国を守るために私利私欲を捨てて尽くす生き方は、なかなか日本では受け入れられなかったといえます。



これを聞いて、ドキッとしましたね。
わたしのまわりにも変わった発言する人がいますが、それが斬新すぎて誰もついていけないのです。
しかし、しばらくすると「彼が言ったことが当たってる」とすることがあるんです。
先見の明があるということなんですよね。
自分はこの程度と決めつけない
社会や組織に頼って生きていると、とかく他人と比べてしまいます。
あまりにも世の中に合わせようとして、自分の能力を活かしきれていない若い人が多いと感じてしまいます。
それと同時に自分のことを過小評価しすぎて、「どうせ自分はこの程度」決めつけてしまっているのではないでしょうか。
脳科学的に見て「自分はこの程度だ」と決めてしまうことは、脳にとって楽なことなのです。
脳は、なるべく楽をしようとする性質があり、また一方で、苦しいことを進んでやろうともするのです。
苦しいことをして、それを乗り越えられたときは何十倍の喜びがあるとも言われています。
たとえば、学生時代に苦しい練習をして大会に臨み、優勝を目指した方は、この気持ちがわかるのではないでしょうか?
学生のときだけでなく、仕事面においても言えることですよね。
特に、能力を限界近くまで発揮してやっとクリアできる高さのハードルを乗り越える喜びは何物にも代えられませんよね。
そのとき、脳の中では快感物質のドーパミンが大量に分泌されます。
茂木先生談
だからますますそのことが好きになり、ますます上達する。
これをドーパミンによる強化学習といいます。
できるとわかっていることを続けても、この強化学習のサイクルはまわりません。
ですので、「自分はこの程度」と決めつけてしまう態度は、一見謙虚なように見えますが、実は努力しないことの言い訳に過ぎないということなんです。



それを防ぐには、「今」を充実させることだけ考えるではないでしょうか?
そうすれば、自分の能力を決めつけてしまうようなことはしないはずです。
ストレスに負けない「雑食脳」をつくる
脳の中に多くの「他者」を住まわせよ
「どうせ自分はこの程度だから」とか「自分の専門ではないから」といい、新しいことに挑戦しない人と、する人とでは、脳の中でどのような違いがあるのでしょうか?
大きな違いとしては、自分の脳の中にできる「内部モデル」が変わってくることです。
茂木先生談
人間の脳の中には、他人に対する「内部モデル」というものが存在します。
誰かと向き合っているとき、どうふるまえばいいか、何を話せばいいか、私たちは脳内に存在する「内部モデル」、いわば脳の中の「他者」を参照しながら行動しているのです。



なんだか難しい話だなあ



わかった。説明するよ。
たとえばです。
自分が得意とする分野以外、つまり「よく知らない」ことについて偏見を持つことはありますよね。
茂木先生も、「テレビはくだらないものだ」という偏見を持っていました。
それは、茂木先生の中に「テレビ関係者」の内部モデルがなかったからなんです。
けど、実際にテレビの仕事をしてみると、製作者やスタッフがどんな現場で、どんな拘束条件のもとで仕事をしているのか、苦労が見えてきたそうです。
そのことが、ご自身の頭の中に「テレビ関係者の内部モデル」ができあがっていったという実体験があります。
それによりコミュニケーションも深まり、仕事もうまくいくようになったそうです。



このように、自分の中に内部モデルが多ければ多いほど、自分の世界が広がるといえるのではないでしょうか。
そうすれば、自分自身に対しても理解ができ、人としての成熟度が高くなると思います。
偶有性を避けることが一番のリスク
偶有性(ぐうゆうせい)とは、
茂木先生によると、「世の中には、必ず不確実な部分が存在し、確実な部分と混在している」
このことを脳科学では、偶有性(ぐうゆうせい)と言うのだそうです。
2010年には、ギリシャの財政危機がありましたが、これにより、日本の株価にも影響を与えましたよね。
本当なら、ギリシャの国家財政の問題が、世界経済に影響を与えることはないのですが、ギリシャがユーロ加盟国であったためにユーロの信用不安が起こり、世界の金融システムを大きく揺るがしたのです。
それだけ、世界のネットワークが密になり、局地的に起こったことでさえ、世界に広がり影響を及ぼす時代が来たのです。



つまり、リスクは常にそばにあると考えた方がいいんだね。



そう。いやなことを避けようとしても、逃げられないときもある。
人生はオセロゲーム。戦局によって黒い面が白い面に返されたり、その反対があったりということが常に起こるよね。
「一寸先は闇」というけど、人生の次の瞬間に何が起こるかはまったく予想できないんだよ。
今までの日本社会は、偶有性を避けてきたようなところがあります。
ですが、現状では世界的なコロナウィルス感染症の広がりにより日本もその真っただ中にいます。
コロナ感染者に対する偏見なども社会分裂を起こすきっかけとなりうるのです。



今とるべきは、偏見差別によりコロナ感染者を孤立させるのではなく、チーム一丸となってコロナ撲滅対策を取ることだと思います。
柔軟性にとんだ「共有脳」をつくる
脳は他人のために行動するとき喜ぶ
「人とのつきあいほど、脳にとって栄養素になるものはない」と茂木先生は言います。
人間の脳の偏桃体(へんとうたい)には、「他人のために何かしてあげたい」という利他的な行動の回路があることがわかっています。
茂木先生談
他人に何かをすることは、自分にとってもうれしいことだと感じられる働きが人間の脳にはあるのです。
前にも述べましたが、人は喜びや達成感などを感じたとき、脳内からドーパミンという物質を分泌させます。
ドーパミンは、自分のためだけでなく、他人のために何かしているときにも同じように分泌されます。



世のため人のためだよね。



そう!それが自分のためでもあるんだよ。
日本では、あまり一般的ではありませんが、欧米では養子をもらって育てることを普通に行うそうです。
それは自分の遺伝子を持った子孫を残すのとは違いますが、見ず知らずの人に親切にしてあげるのも、貧しい国の子供たちに援助の手を差し伸べるのも、人間の脳に組み込まれた利他的な回路があるからといわれています。
「何かしなければ」と無理をしなくても、誰の脳の中にも備わっているということです。
やる気と感動にあふれた「意欲脳」をつくる
技術革新も「無駄なこと」から生まれる
現代に生きる人たちは、仕事にしても勉強にしても、効率ばかりを追求しようとします。
茂木先生談
そのため何かに興味を持ったとしても、「そんなことをやっても仕事の役に立たない。無駄だ」といった一言で、簡単に自分の興味を切り捨ててしまう、ほとんど無意識と化した習慣があるように思います。



手厳しいなあ。



そうだね。でも、こうも言ってるよ。
ところが、見落としてははならないのは、効率というものは「やっていくうちにしか上がっていかない」という性質を持っていることです。
茂木先生談



つまり、興味を持ったなら、やってみる。「何でもやってみなきゃわからない」ってことだね。



そう。人間の脳って、何かに興味を持って取り組むと、だんだんに要領がつかめて効率が良くなってくるんだって。
けど、そこまでいくには「何か始めてみよう」と無駄ともいえる動機づけが必要だよね。
茂木先生は、その無駄なことをやるエネルギーが必要だって言ってるよ。
たとえば、何かを作るにしても、基礎研究は欠かせません。
それは、どの研究が技術革新に結びつくかは、革新が起こってみないとわからないからです。
それを、「これは役に立つ」とか「これは役に立ちそうもない」と仕分けしていたら、やがては水源地を失った川のように、技術そのものが衰退します。
これは、どのような分野においても言えることです。
正直言って、実際には、この社会のほとんどのものが「無駄なこと」から生み出されたものといっても過言ではないのです。
一見無駄に見えることを真剣にやるという行動は、脳の活性化をも促します。
茂木先生談
脳の元気さをはかる指標はいくつかありますが、そのうち重要なのが「無駄なことにどれくらいエネルギーを注げるか」なのです。



「まず思い切って当たってみる。その上で、いかにうまくいくか、持てる知識を活用していく。」
by松下幸之助
素晴らしい名言ですよね。
こういう意識がこれからも必要なんだと思います。
『国がダメでも「脳」がある』 からの学び
本書は、「自分を❝高度成長❞させる55のヒント」を示し、個々が能力(脳力)を高めることが、将来的に自分を助け、他人を助け、それによって、未来への希望を育てる手段を説いています。
本書の要点は、
- 今までの固定観念を捨て柔軟になる
- 何にでも興味を持ち無駄なことでも取り組んでみる
- 利他の心を持ち、自分の喜びとする
ポイントは、
自分はこの程度と決めつけない
自分の中に「内部モデル」をたくさんつくる
人とのつきあいは、脳にとって栄養になる
何にでもチャレンジしてみる



以上、大きな学びとなりました。
『国がダメでも「脳」がある』の感想・まとめ
先日、投稿した『アウェー脳を磨け!』と内容が被る部分がありますが、茂木先生が言いたいのは、「自分自身の力」を高めることで、国に頼らずとも自立した人生が歩めるということです。
コロナウィルス感染症の収束まで、まだ時間がかかり、経済復興もこれからです。
今は個人個人がルールを守り、他人への気遣いを忘れず、「自分にできる努力」をするときだと思います。
本書は「自分を❝高度成長❞させる55のヒント」が記されていて、このブログで全部は紹介していませんが、
これからどのような危機が来ても、「骨太な思考力」で、乗り切る手立てを教えてくれる気がします。
ぜひ、手に取って読んでいただきたい一冊です。
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