
こんにちはコウカワシンです。
今回は、小林弘幸(こばやし・ひろゆき)さんの著書『免疫力が10割』から学ばせていただきます。
『免疫力が10割』はどんな本?


『免疫力が10割』は、ズバリ!「免疫力さえ強化すればコロナなんて怖くない」がよくわかる本です。
本書の内容
新型コロナウィルス感染症の脅威は、なかなかおさまらない状況が続いています。
ワクチンの接種体制が今後整っていくとはいえ「抗体をつくるワクチンでは感染予防が困難である」と2020年春に判明した予測が出ています。
この新しい感染症はまだまだ研究途上にあるため最新の情報を取りに行く必要があります。
厚生労働省の新型コロナウィルス感染症関連のニュースを逐一チェックすることをおすすめします。
わたしたちが今やらなければいけないのは、新型コロナウィルス感染症について
- 感染しない
- 感染させない
- 重症化させない
です。
心がけることとして
- マスクの着用
- 手洗い・消毒の励行
- 三密の回避
ということが、他人に感染させないための対策でたいへん重要なことです。
それと同時に感染してしまった時のための対策を進めることが大切です。
健康体なら体がもつ免疫力で発症しにくいデーターが出ています。
新型コロナウィルス感染症で一番怖いのが重症化。
世界で見たとき、新型コロナウィルス感染症の致死率は約3%。
残りの97%は免疫の力で打ち勝っているのです。
人類の免疫システムは鉄壁で、たとえ敗れて細胞へ感染を許しても、すぐに次の対策を決めて、被害の少ないうちにウィルスを追い出してくれるのです。
しかし、鉄壁の免疫システムも何らかの原因で傷害を持つと重症化してしまいます。
免疫を下げる原因としては
- 食生活の乱れ
- 生活習慣の乱れ
- ストレスによる自律神経の乱れ
が考えられています。
それに付け加えて加齢により免疫力が低下することは避けて通れないことでもあります。
でも、不健康な生活を改めたら免疫力を高められ、新型コロナウィルス感染症の重症化リスクを回避できます。
世界や国を救うワクチンや抗ウィルス薬の開発は個人の力ではどうすることもできませんが、発症しないための対策は自分自身でできるし、効果的です。
たとえ今、現在
- 先天性疾患を持つ人
- 重度の疾患である人
であっても、今日より一歩でも健康になることは可能です。
できるかぎりで、免疫力を高める行動をとりましょう。
そのことの大切さを教えてくれるのが医師の小林弘幸(こばやし・ひろゆき)さんの著書である本書です。
本書は最新の研究データから解き明かす新型コロナウィルスの傾向と対策プラス朝・昼・夜の免疫力アップ習慣を教えてくれます。
本書のターゲットは
・全人類
『免疫力が10割』の要点は?


本書の目的は次の通りです。
どんな人も
⇓
健康な生活習慣を過ごし
⇓
免疫力をあげ今よりも健康になり
⇓
新型コロナウィルス感染症に打ち勝つ
腸内環境と自律神経を整えれば病気知らず
新型コロナウィルス感染症の特徴
- 空気感染ではなく、飛沫感染や接触感染である。
- ウィルスの目的はわたしたちの細胞への侵入と増殖
特徴的にはインフルエンザなど、多くの風邪ウィルスに共通する感染経路で、体内に侵入したウィルスは、主に肺や気管支などの細胞に入り込み増殖していきます。
それにより、肺や呼吸器の組織はダメージを受けますが、それだけでは機能不全になり、死に至るわけではありません。
免疫細胞の暴走
新型コロナウィルスは、免疫細胞を暴走させるスイッチをオンにして、免疫システムが肺などの細胞を攻撃し次々に炎症を広げていく「サイトカインストーム」を引き起こします。
これこそが、症状を致命的なものとするのです。
免疫システムは暴走し、自らの細胞を攻撃しながら、見えない敵を倒そうと大量の❝サイトカイン❞という物質をまき散らし、抗体をどんどん作ります。
今、身体を蝕んでいるのは、ウィルスではなく自分たちであるとは気づかずに。
もうお気づきかと思いますが、重症者ほど抗体が多いのです。
重症化の原因は免疫力が弱いから
新型コロナウィルスは、感染しても多くの人が無症状か軽症で済みます。
重症化しやすいのは、
- 肥満
- 糖尿病などの基礎疾患
- 高血圧
- 高齢で免疫の低下
してる方たちなのです。
実際、基礎疾患を持っていてもまだ免疫の元気な20代の人たちは、ほとんど重症化しません。
免疫力が高く、健康ならば、ワクチンはいらない
渡来の抗体をつくるワクチンではなく、別の免疫の力を活かすワクチンの研究が進んでいます。
けど、まだまだ開発には時間がかかるし、われわれの元にやってくるのはいつの日でしょうか?
ですが、絶望する必要などないのです。
なぜなら、免疫力が高ければ、新型コロナウィルスはほぼ抑えられるからです。
免疫力を高め、新型コロナウィルスに打ち勝ちましょう。
免疫力向上は腸内環境を整えるべし
免疫力強化に重要なこと
新型ウィルス感染症のおさらいとして
- 不健康な状態だと免疫力が低下する。
- 免疫力が低いと新型コロナウィルスに感染しやすく、増殖を止められない。
- ウィルスに対抗し、免疫細胞が「サイトカイン」をたくさん出し始める。
- 本来、免疫を制御するはずのレギュラトリーT細胞が減ってくると、免疫が暴走しする。これをサイトカインストームという。
- 免疫が肺などの組織細胞を攻撃し、肺炎や呼吸不全を引き起こす。
新しい言葉が出てきましたね。
「レギュラトリーT細胞」
レギュラトリーT細胞
レギュラトリーT細胞とは、免疫の暴走を防ぐため、T細胞(ヘルパーT細胞、キラーT細胞)やB細胞の動きを抑えて過剰反応をさせない細胞です。


出典:豊橋ハートセンター
上の図を見ていただければわかりますが、自然免疫と連携して、ヘルパーT細胞が、
- キラーT細胞には、ウィルスに感染した細胞に攻撃
- B細胞には、抗体を産生してウィルスの動きを止める
する指令を出します。
それにより、ウィルスの動きが止まり、体内で増えていったウィルスを減らすことができます。
このように免疫細胞同士が連絡を取り合うために「サイトカイン」という物質を産生しているのです。
健康体だったなら、身体の中のこのようなしくみが発症を抑えてくれるのですが、「レギュラトリーT細胞」が不健康な身体であったがために減ってしまった場合、免疫細胞が暴走してしまうのです。
これを「サイトカインストーム」といいます。
いわば、こういった状態です。
戦場にて、
- ヘルパーT細胞は、司令官
- キラーT細胞とB細胞は、戦士たち
- レギュラトリーT細胞は、戦略参謀
戦略参謀のいなくなった軍隊が歯止めが利かず暴走してしまう状態が「サイトカインストーム」なのです。
新型コロナウィルス感染症は「サイトカインストーム症候群」である
この「サイトカインストーム」が新型コロナウィルス感染症の重症化に至ることが2020年5月に量子科学技術研究開発機構理事長の平野俊夫氏によって発表されました。
ウィルス単体の毒性は、新型コロナウィルスよりインフルエンザウィルスの方がよほど怖いのですが、この「サイトカインストーム」により、自分自身を守るはずの免疫細胞が火の玉のように暴走し、全身に炎症を引き起こす免疫の過剰反応が重症化の原因なのです。
「サイトカインストーム」は、なぜ起こる?
免疫細胞が過剰に反応し、やり過ぎっちゃったのが「サイトカインストーム」ですが、なぜこうなるのでしょうか?
やはりこれは、「レギュラトリーT細胞」が減少したから起こるのですが、なぜ減少したのでしょう?
考えられることは2つ
- 新型コロナウィルス感染によるT細胞の減少?
- 基礎疾患や生活習慣の乱れによるレギュラトリーT細胞の減少
まだ仮説の段階ですが、新型コロナウィルスによりT細胞が減少したと考えられています。
まあ、なんといってもウィルスですから体に害を及ぼすことはあるでしょう。
それよりも元々の基礎疾患や不健康な生活習慣により体を守る免疫細胞が減るのは改善すべきです。
とくに、レギュラトリーT細胞は腸に多く生息する免疫細胞です。
腸内環境の悪化は新型コロナウィルス感染症の重症化に大きく影響していると考えられています。
腸内環境を整えよう!
腸には、身体の中の免疫細胞の6割が生息しているそうです。
腸を守らずにいたら、食べ物の栄養と一緒にウィルスも全身に送ってしまいます。
そして「腸内細菌(善玉菌)」も大事です。
なぜかと言いますと、免疫力は腸内細菌の中の善玉菌によって支えられているからです。
腸内環境がもっともコンディションのよくなる弱酸性を保ち、腸内のバリア機能を高め、細菌の繁殖やウィルスの感染を防いでくれるからです。
その効果は
- 免疫細胞の分化に影響を与える
- レギュラトリーT細胞の分化にも寄与
- 神経伝達ホルモンの生成に関与し、免疫力を高める
分化というのは、細胞が新たな性質を持つ別の細胞に変わることです。
善玉菌が産生する短鎖脂肪酸が腸内のT細胞をレギュラトリーT細胞へ分化させます。
腸の平和は善玉菌
有能な善玉菌ばかりなら良いのですが、腸内には、悪玉菌、日和見菌といった厄介な菌も存在します。
- 善玉菌(腸の消化吸収を促進し、老廃物を除去する)
- 悪玉菌(有害物質をつくり出し、腸の炎症を引き起こす)
- 日和見菌(ふだんは何もせず、腸内環境が悪化すると悪さをする)
善玉菌は
- 食べ物を栄養として分解する
- 老廃物を分解する
- 悪玉菌の増殖を防ぐ短鎖脂肪酸を産生する
と、このような働きがあります。
「腸内環境を調える」とは、善玉菌がきちんと働けるようにすることです。
一方、悪玉菌が増えると腸内に炎症を起こし免疫力の低下により、有害な細菌やウィルスが粘膜を越えて侵入し、感染症や下痢などを引き起こします
そして悪玉菌の増加は全身の老化が進行し不健康になっていくのです。
善玉菌と悪玉菌はつねに戦いを繰り広げています。
お互いが相手の住みにくい環境をつくり出しているのです。
だから、悪玉菌の住みにくい環境をつくり、善玉菌にしっかり働ける環境をプレゼントしましょう。
自律神経のバランスが腸内環境と脳の好循環を生み出す
腸内環境を健全にするには自律神経も整える必要があります。
自立神経は、体中に張り巡らされ、内臓の働きや、血管の収縮・拡張、温度調節、呼吸など生きるのに必要なあらゆる体の動きをコントロールしています。
自律神経は、
- 交感神経(身体を緊張させ、活動的にする)
- 副交感神経(身体をリラックスさせ、休ませる)
が、バランスを取って働いています。
日中に活発に動けるのは交感神経の働きで、夜にぐっすり眠れるのは副交感神経の働きなのです。
この二つの神経が1対1のバランスで切り替わることが、心身が健康的に機能できる理想的な状態です。
自律神経の乱れは「万病のもと」である
交感神経と副交感神経の切り替わりで神経伝達ホルモンの分泌が調整され、体内時計がリセットされます。
自律神経を整えるには、朝・日中・夜に最適な行動をとることが大切です。
- 朝、朝日を受けることによりセロトニンを分泌し、交感神経のオーダーに応えて身体が活発化します。
- 日中には、交感神経が急上昇します。そのときに無心なれる時間を一瞬でいいから作りましょう。無心とは「何も考えない時間」です。
- 夜は、しっかり湯船に浸かって身体をリラックスし、寝る前は刺激になるもの(テレビ・スマホ)を避け、良質な睡眠をとれるようにしましょう。
このことで自律神経を整えると、ストレスを溜めない生活に近づけ、心身ともに健康的になれます。
「脳」と「腸」はつながっている
ここまでで、「腸内環境」と「自律神経」を整えることが大事なのはお伝えしました。
なぜ大事なのかは、「腸には脳に次いで多くの神経細胞が存在する」からです。
たとえば、強いストレスを受けて、すぐさまお腹が痛くなったことはありますよね。緊張したら下痢気味になったりとか・・・。
これは腸にある多くの神経細胞の反応なのです。
腸は下痢や便秘などの不具合が起こると、神経細胞を通じて脳に不快感を送り返します。それて脳が腸の不快をストレスと感じ、また自律神経を乱してしまい、そうしたことが相互に影響し合って、負のスパイラルを生み出してしまうのです。
もちろん負のスパイラルとは反対の「好循環のスパイラル」を生み出すこともできます。
それには良い生活習慣を持つことが不可欠なのです。
- 良い食生活
- 運動
- 良い睡眠
は、良い生活就活の根幹です。
しっかり整えていきたいものですね。
免疫力強化の生活習慣メソッド
それでは一般的に良いとされる生活習慣を列記していきます。
朝の習慣
- カーテンを開けて、朝日を浴びる
- コップ一杯の水で腸を目覚めさせる
- 朝食で自律神経のスイッチを入れる
- トイレタイムをつくり、排便の習慣を身体に覚えさせる
- 良いウンチ、悪いウンチで腸内環境をチェック
- 「ゆるスクワット」で効率良く筋肉を鍛える
昼の習慣
- 鏡の前で、ニッコリ、笑顔をつくる
- 「ゆっくり動く」「ゆっくり話す」
- 「ワンツー深呼吸」で交感神経にストップをかける
- 怒りが収まらないときは、階段を上り下り
- 座り過ぎに注意、すきま時間のストレッチで腸を動かそう
- 仕事中でも1分ほどのストレッチを
- 30秒のタッピング(顔や頭を指でトントン叩く)で手軽にリラックス
- ストレスと距離を置き、無心になれる時間をつくる
夜の習慣
- 夕食は「眠る3時間前」に済ませよう
- 首まわりをほぐして副交感神経の働きを高める
- お風呂で深部体温をゆるやかに温める
- 腸の動きを高める「お風呂エクササイズ」をする
- 寝る前の「3行日記」で、ストレスをデトックスする
- 寝る前に部屋を片づけ、翌日の準備を済ませる
- 眠る1時間前には、スマートフォンを手放す
免疫を高める「食事習慣」
- ゆっくり噛んで、食事を楽しむ
- 発酵食品を2種類以上食べて、善玉菌を取り入れる
- 1種類のヨーグルトを食べ続けてみる
- 「ネバネバ食材」と「フルーツ」で善玉菌をサポート
- 水溶性食物繊維で便秘しらずの腸になる
- 大さじ1杯のアマニ油で腸を整える
- 間食は食物繊維の豊富なドライフルーツがおすすめ
- お酒を飲むときは、同量の水を飲む
- むやみに薬に頼らない



全部をやるのは難しいでしょうから、できるところから始めてみましょう。健康は良い食事習慣・運動習慣・良い睡眠習慣でつくられます。あせらずにじっくりやっていくことが大事ですね。
『免疫力が10割』から学ぶこと
腸内環境と自律神経を整えれば病気知らず
怖い怖い新型コロナウィルス感染症も毒性的にはインフルエンザよりも弱く、自分自身が健康に気を配っていたら感染したとしても重症化しないことがわかりました。
とにかく、生活習慣の見直しから始めるべきなのですね。
本書の要点は!
本書の要点
- 新型コロナウィルスは免疫力の強さで撃退できる
- 免疫力の低下が重症化の原因である
- 腸内環境を整えることが免疫力アップにつながる
- あわせて自律神経を整えるため生活習慣を見直す
- 新型コロナウィルスの最新情報を必ず見る
ポイントは!
- 腸内環境を整える
- 自律神経を整える
- 免疫力を強化する生活習慣を身につける



以上、大きな学びとなりました。
『免疫力が10割』の感想・まとめ


本書を読むまでは、ニュースにより連日の「新型コロナウィルス感染症」の感染者数とか、重症化された方、死亡された方の報道ばかりがクローズアップされ、
やれ「PCR検査だ」とか「緊急事態宣言」だとか、生活に脅威を与えるばかりの情報が錯綜し、国民に恐怖ばかりの情報しか伝えられていなかったのではないかと感じました。
まだまだ実態のわからないことばかりかもしれませんが、「今、わたしたちにできることは、健康状態を保ち続けること」に尽きます。
そのうえで、本書のような安心を与えるようなニュースも欲しいなあと思いますね。
たしかに、知っている人は知っていることでも知らない人が多い現状。
政府が本書を国民全員に配るべきです。
本書は「新型コロナウィルス感染症」の発症を防ぐにとどまらず、いろんな病気についても「免疫力を高める」ことで、今よりも健康的に生活できるということを教えてくれます。
人間の本来の免疫システムの鉄壁さに驚くばかりですが、その免疫力を上手く活用できていない人の多さを感じました。
そのことにつき本書をはじめ「腸内環境」や「免疫力」関連した本も最近、多く出版されています。
まずはぜひ本書を手にお取りください。
『免疫力が10割』の概要


本書の目次
『免疫力が10割』
プロローグ
はじめに
第1章 わたしたちの「免疫システム」と新型コロナウィルスの真実
第2章 「腸内環境」と「自律神経」から免疫力を高める
第3章 免疫力を強化する生活習慣メソッド
おわりに
著者の紹介
小林弘幸(こばやし・ひろゆき)
順天堂大学医学部教授。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。
1960年、埼玉県に生まれる。
順天堂大学医学部卒業後、1992年に同大学大学院医学研究科修了。
ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任。
国内における自律神経研究の第一人者として、アーティスト、プロスポーツ選手、文化人へのコンディショニングやパフォーマンス向上指導を行う。


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