
こんにちはコウカワシンです。
今回は、青木厚(あおき・あつし)さんの著書『「空腹」こそ最強のクスリ』から学ばせていただきます。
『「空腹」こそ最強のクスリ』はどんな本?


『「空腹」こそ最強のクスリ』は、ズバリ!「空腹健康法実践マニュアル」です。
本書の内容
健康上、ダイエットが必要とはわかっていても挫折の連続という経験をしたことはありませんか?
しかし、空腹の時間をとるだけでダイエット効果があり、しかも健康にいいという方法を説いたのが本書です。
本書は、医学博士で糖尿病の専門医である青木厚(あおき・あつし)さんが提唱する「空腹法」をわかりやすく解説されています。
本書のターゲット
本書のターゲットは、
『「空腹」こそ最強のクスリ』はこのような人におすすめ
- 一日3食きちんと食べるのが「健康法」であると考える人
- いろんなダイエット法を試しているのに成果が出ない人
- 疲れやすい人
- 食事後はいつもボーッとしてる人
『「空腹」こそ最強のクスリ』の要点は?


本書の目的は次の通りです。
一日3食は「食べすぎ」と認識する
⇓
「空腹」の時間を作る
⇓
病気知らずの体が手に入る
それでは、医学的に正しい食事術について学んでいきたいと思います。
なぜ、「一日3食」ではいけないのか?
「一日3食」という教育の弊害
まず、お伝えしたいのが、「一日3食」の習慣は、つい最近始まったばかりだといわれています。
「一日3食」のきっかけは
- 江戸時代初期の明暦の大火(1657年)の際に、復興にあたった大工や職人に、江戸幕府が朝と晩だけでなく、昼食も提供したから
- 江戸時代後期に明かりが普及して、一日の活動時間が延びたから
- 明治維新後、政府が軍隊に一日3食提供したから
など諸説あるのですが、江戸時代までは、武士や、大工などの肉体労働者以外は、「一日2食」が一般的だったそうです。
けど、1935年、国立栄養研究所の佐伯矩(さいきただす)医学博士は、
「日本人男性が一日に必要とするエネルギーは2500~2700キロカロリーである」
とし、
「それを2食でとるのは難しく、3分割しバランスよくとることで、もっとも健康に生きることができる」
と提唱したことも、一日3食が定着する要因になったと言われています。
「一日3食」がもたらすダメージ
しかし、「一日、2500~2700キロカロリー」というのは少々多いのではないかと青木厚氏は言います。
適正はエネルギー量というのは
- 30~49歳の男性で1500キロカロリー
- 30~49歳の女性で1170キロカロリー
- 50~69歳の男性で1350キロカロリー
- 50~69歳の女性で1110キロカロリー
- 70歳以上の男性で1220キロカロリー
- 70歳以上の女性で1010キロカロリー
と、この程度であり、スポーツや肉体労働で消費するエネルギー量を加えても、一日1800~2200キロカロリー前後が一般的であると言えるそうです。
ということは、運動不足気味な人が「一日3食」は、食べ過ぎで「一日、2500~2700キロカロリー」は必要ないと言えるのです。
「食べすぎ」で体にさまざまなダメージがあります。
- 胃腸をはじめ、内臓が十分に休むことができず、疲弊してしまう
- 体内で炎症が起きやすい
- 「食べすぎ」を招き、肥満になりやすい
- 高血糖になりやすい
- 老化が進みやすい
胃腸をはじめ、内臓が休む時間がない
人体において、食べものが胃の中にある時間は平均2~3時間、脂肪分の多いものだと4~5時間程度であるそうです。そこから食べものは小腸に送られますが、そこから5~8時間かけて分解し水分と栄養分の8割を吸収し、大腸では残りの水分を15~20時間かけて吸収するそうです。
ということは、一日3度食事すると、胃腸は休む間もなく、常に消化活動をしなくてはならなくなり、どんどん疲弊していきます。
胃腸が疲弊すると体の各部に悪影響
胃が疲れると必要な栄養分を摂れなくなります。
- 疲れやすい
- 肌や髪のコンディションが悪くなる
おまけに、「胸やけ」「胃もたれ」「食欲不振」が起こりやすくなり、ひどくなると胃炎などなんらかの病気につながったりする恐れがあります。
心当たりのある方は一度検査を受けてみてください。
腸内環境も悪化すると深刻です。
なぜかというと、消化しきれなかった食べものが腸内で腐敗し、アンモニアなどの有害物質を発生させるからです。
腸の中には
- 消化を助け健康を維持する働きをする善玉菌
- 町内を腐敗させ病気の原因を作る悪玉菌
- 体が弱ると悪玉菌に変わる日和見菌
といった腸内細菌がいます。
健康なときは、善玉菌が優勢だけど、腸内に老廃物や有害物質がたまると悪玉菌が優勢になり、腸の動きが悪くなるどころか、便秘や下痢などが起こりやすくなります。
おまけに腸で発生した有害物質は血液で全身に回るというのです。
よって、免疫力が下がり風邪や肺炎、がんなども発生するといったことも起きます。
胃腸以外の内臓にも悪影響
胃腸以外の内臓にも悪影響があります。
特に肝臓。
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ不調を自覚することはなかなかありません。
ですが、たいへん働き者で、さまざまな役割を一手に担っています。
だから、食事の感覚が狭く、次から次へと食べものが入ってくると、肝臓はフル回転で働かなければならず、どんどん疲弊していきます。
疲弊すると、体が疲れやすくなったり食欲が低下したり、ゆくゆく肝炎や脂肪肝、肝硬変、さらには肝臓がんなどを引き起こすおそれがあります。
その他の臓器も休みなく一生懸命働いていることを忘れてはいけません。
わたしたちは、「食べる」という行為を「口に入れること」「食べものがのどを通過したら、終わり」ととらえがちですが、体にとっては食べものがのどを通過してからが「食事」の本番です。
人間に休息が必要であるのと同じく、内臓にもまとまった休息が必要であるのです。



今までは「一日3食、いろんなものをしっかり食べることが健康につながると思っていましたが、全然違うんですね。
無理のない食事法とは
オートファジーを働かせる
内臓を休めるとどのような効果があるかですが、最後にものを食べて10時間ほどたつと、肝臓に蓄えられた糖がなくなって、脂肪が分解されエネルギーとして使われるようになります。
そして16時間たつと、今度は体の中で「オートファジー」が機能し始めるのです。
オートファジー
オートファジーとは、体を作るのに必要なタンパク質をふだんは食べものから摂取して作っていますが、食べないことで不足すると「体内にあるもの」からタンパク質を作ろうとする機能です。
「体内にあるもの」、それは、古くなったり壊れたりした、細胞内のタンパク質で、それを集め、分解し、それらをもとに、新しいタンパク質を作るのです。
それでは食事法に移ります。
まず前提として、「一日に〇品目摂らなくてはならない」とか「「〇や△は食べてはいけない」といった細かく面倒なルールはありません。
ただ、「睡眠時間にプラスして一日数時間、何も食べない時間(空腹の時間)を作る」だけです。
ただし水分はしっかり摂りましょう。
睡眠8時間プラス8時間の空腹
オートファジーは、最後に食べものを食べてから16時間ほど経たないと活発化しません。
8時間の睡眠をとる人なら、それにプラスして8時間、ものを食べないようにすれば連続16時間になりますね。
たとえば、睡眠時間を挟むようにして前後の4時間は何も食べなければ目標を達成できます。
できれば毎日、空腹の時間を作るのが理想ですが、仕事や家庭の都合で、難しいときは、週1回、週末だけでもかまいません。
それでも十分に、体のリセット効果を味わえます。
食事の際は何をどれだけ食べてもOK!
起きてから4~5時間も経つと、さすがにお腹が空いてきてしんどくなります。けど、ちゃんとした食事を摂るまで、まだ時間が開いていない・・・。
そんなときはナッツ類を少し食べて空腹をおさめましょう。
できれば味つけなしの、素焼きのものがベターです。なぜ、ナッツかというと、低糖質で良質な脂肪が含まれ、少量で満腹感を得やすいからです。
そして、多く含まれる不飽和脂肪酸が、オートファジーを活性化させることもわかっています。
わたしがいつも食べているのは、「[Amazon限定ブランド] NUTS TO MEET YOU ミックスナッツ個包装×30袋」です。個袋に小分けされていってとても食べやすいです。
ナッツが苦手な人は、
- 生野菜サラダ
- チーズ
- ヨーグルト
などでもかまいません。
さてさて、お楽しみの食事です。
空腹の時間を経たら、基本的に何をどれだけ食べてもかまいません。
最初のうちはつらいのでご飯や麺類、パンなどの糖質の多いものや甘いもの、牛肉などを食べたくなる人もいます。
けど、体が慣れ、「空腹力」が鍛えられれば、そのような「ドカ食い」をすることはなくなってきます。
これが、この食事法の「食べ方ルール」です。
週に1回、「まる一日、ものを食べない」
もう少し頑張れそうなら、昼食や夕食を1回だけ我慢して「24時間の空腹」にチャレンジすると効果が高まるそうです。
空腹の時間が長ければ長いほど、脂肪の分解が進み、活性化するからです。
土日などの休日を利用して「体のリセットタイミング」を取ることで無理せずやることができます。
最初は慣れるために睡眠時間を合わせて「16時間の空腹」から始めるといいかもしれません。
その「16時間」が無理なら、12、14時間から始め無理をしないようにしましょう。



わたしも「空腹法」を始めることにしました。最初から16時間空けるのは難しいですが徐々に慣らしていこうと思います。
病気や病気の予防にも「空腹」が利く
病気になると薬を飲みますが、人によっては副作用があります。
ですがこの「空腹法」には副作用がありません。
そして病気や病気の予防にも効果を発揮します。
「空腹法」により改善が見込まれる病気
- 肝臓の病気(肝硬変、肝臓がん、など)
- 糖尿病
- 高血圧症の改善
- 認知症発症リスクの減少
- アレルギー(花粉症)
- 感染症
現在のちまたにあふれている食材は「糖質過多」のものが多いと言われています。
ふつうに食べても摂り過ぎるのは仕方がないことなのかもしれません。
でもそのことで、さまざまな病気や体の不調を起こすのはぜんぜん不思議なことではありません。
なかでも糖尿病の患者さんは「糖質制限」の治療をしているにも関わらず、食事制限もしているにも関わらず「糖質過多」になる可能性が大なのです。
信じられない数字ですが茶碗一杯のご飯(150g)に含まれる糖質は50gなのです。これはスティックシュガー17本分にもなるのです。
ですので他の食べものも多くの糖質が含まれていると考えるべきです。
でもだからといって、糖質をぜんぜん摂らないといったことは感心しません。なぜなら成人には1日170gの糖質が必要だからです。
糖質制限をすると、脂肪だけでなく、必要な筋肉の量まで減ってしまいます。これは、若い人や過度の肥満に悩んでいる人ならまだいいのですが、高齢者は避けるべきです。
糖質はダメだ!
といってみたり
糖質は必要だ!
といってみたり、かなり矛盾する話に聞こえますが解決策があります。
それが、空腹の時間を作る「空腹法」です。
「空腹の時間を16時間以上空けたなら、何を食べてもいい」と先ほど申し上げました。
内臓を休ませながら十分な栄養を摂る。
これに尽きますね。
糖尿病に限らず上記の病気や症状にも改善がみられるそうです。それはやはり、腸内環境が良くなるからです。
腸内環境が良くなると免疫細胞のバランスが良くなりアレルギーや他の病気も改善されます。
それからオートファジーにより感染症の原因の細菌を分解するはたらきもあるのです。今、とてもこわいコロナウィルスにも免疫細胞とオートファジーにより分解し発症しない体づくりができるはずです。
アンチエイジングにも効果!
いまやアンチエイジングを謳う本はたくさん出ていますが、老化を防ぎ疲れにくい若々しい体を作るのにも「空腹法」は適応します。
老化の原因とは「活性酸素」です。だいたい老化は40代から加速すると言われています。なぜなら、その年代から活性酸素を除去する「抗酸化酵素」の能力が急激に弱まるからです。
「活性酸素」と「抗酸化酸素」
この二つには体内の細胞内にある「ミトコンドリア」という器官が大きく関係しています。
細胞内のミトコンドリアが新しく、質が良く、数が多いほど、活性酸素のダメージを受けることが少ないとされてます。
それは新しく質の良いミトコンドリアは、抗酸化酵素が活発に働き、たくさんのエネルギーを作るわりに、活性酸素をあまり発生させないからです。
しかし、加齢や食べすぎ、運動不足などは、ミトコンドリアの質や数を低下させるため、疲労や老化の原因となってしまいます。
そこで、オートファジーです!
トータル16時間の空腹時間を作れば、オートファジーが働き、細胞の古いミトコンドリアが、一掃され、新しく生まれ変わるため、老化を食い止めることができるのです。



「空腹法」で病気の改善、予防、そしてアンチエイジングにも効果があるなんて驚きです。ますますやる気になってきました!
本書からの学び
「空腹」こそ最強のクスリ!
食べないことが薬になるなんて思いもよりませんでしたが、今までの常識であった「一日3食」をくつがえす健康法で、難しいダイエット法を使うこともなく誰でも可能な仕組みだと思います。
本書の要点
- 「一日3食」は食べすぎ
- 「一日16時間は食べない」
- 食事は何をどれだけ食べてもOK
- 病気や病気の予防に利く
- アンチエイジングにも効果あり
ポイントは
- 「一日3食」では内臓が休まらない
- 食間を16時間空けることにより「オートファジー」が働く
- 内臓の休憩時間がきちんと取れたら何をどれだけ食べても快調に動く
- オートファジーの働きで腸内環境を良くし免疫細胞のバランスも良くなる
- オートファジーの働きで新しい質の良いミトコンドリアが増え老化を食い止める



以上、大きな学びとなりました。
『「空腹」こそ最強のクスリ』の感想・まとめ


「何を食べるか」ではなく、「食べない時間を増やす」
たったこれだけのことで、健康になり、やせる・・・こういえば大げさですが画期的だと思います。
これまでのダイエット法なんて美味しくもないダイエット食を少ししか食べないのに成果が出ないと、いろいろやったわたしは感じていました。
ですが、この「空腹法」は、少しずつですが効果が出てきてると感じています。
なによりも夜しっかり眠れるようになったのは、体調が良くなったからだと思います。
ダイエットの効果は、まだ出ていませんが、「これはやせる」という確信があります。
継続してやっていこうと思います。
食べものが豊富に出回っている現在の日本。
一日3食を当然のようにし、あらゆる栄養を摂取し、知らぬ間に「肥満」判定。
このような人は多いのではないでしょうか?
実はわたしも健康診断で判定され、食事量を制限してはみてもなかなか結果が出ないという現実に悩まされています。
実は「何をどれだけ食べるか」ではなく「いかに空腹時間を作り内臓を休めるか」の仕組みを考えるべきだったと本書から学びました。
この「空腹法」は、健康を取り戻すための入門書という気がします。
ぜひご一読いただきたい本です。
『「空腹」こそ最強のクスリ』の概要


本書の目次
『「空腹」こそ最強のクスリ』
- はじめに
- 第1章 「一日3食しっかり食べる」「空腹な時間を作る」どちらが長寿と健康をもたらすか
- 第2章 無理なく「空腹」を作り、体を蘇らせる食事法
- 第3章 「糖」がもたらす毒を、「空腹」というクスリで取り除く
- 第4章 「空腹」を高めれば、これだけの病気が遠ざかる
著者の紹介
青木厚(あおき・あつし)
医学博士。あおき内科さいたま糖尿病クリニック院長。
自治医科大学附属さいたま医療センター内分泌代謝科などを経て、2015年、青木内科・リハビリテーション科(2019年に現名称に)を開設。
糖尿病、高血圧、脂質異常症など生活習慣病が専門。
糖尿病患者の治療に本書の食事術を取りいれ、インスリン離脱やクスリを使わない治療に成功するなど成果を挙げている。
自身も40歳のときに舌がんを患うも完治。食事療法を実践してがんの再発を防いでいる。
『「空腹」こそ最強のクスリ』を聴こう!
「聴く読書」ってご存知な方もいらっしゃいますよね。
1日何時間も存在する「耳のスキマ時間」が読書時間に変わります。
音楽を聴くように気軽に人気のビジネス書を楽しめます。語学や資格試験の勉強にも最適です。
文芸作品は、朗読からドラマ形式の作品まで、幅広い形式で楽しめる人気のジャンルとなっています。
『「空腹」こそ最強のクスリ』はaudiobook.jpで聴くことができます。


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