
こんにちはコウカワシンです。
今回は、メンタリストDaiGo(めんたりすと・だいご)さんの著書『一瞬でYESを引き出す心理戦略』から学ばせていただきます。
『一瞬でYESを引き出す心理戦略』はどんな本?


『一瞬でYESを引き出す心理戦略』は、ズバリ!「良好な人間関係を築く」ための戦略本です。
本書の内容
現代社会において「快適な人間関係」や「人との信頼関係」は、誰もが求めていますよね。
どちらも幸福な人生に必要です。先行きが見えない今だからこそ人とのつながりが必要であると感じます。「人の心をつかむ」ことにより円満な人間関係が築ければこれに越したことはありません。
メンタリストDaiGo(めんたりすと・だいご)さんのようにメンタリズムを駆使して人の行動や態度、言葉などから相手の心理を読み解き、思うままに誘導できる技術があれば、作為的であるにせよ、物事がうまく運び、良好な人間関係が構築できるとは思いませんか?
そのような魔法使いのような本が本書です。
メンタリズムはふつうの人では会得できないスキルだと思われていますが、そのようなことはなく、誰でもちょっとした意識を持つことで、使うことができると言われています。
つまり、メンタリズムとは!
- 人と人がよりよい関係性を築く
- ビジネスパーソンに必須
- 誰でも使えるようになる
という技術なのです。
メンタリズムにより、相手の「心を読んで、心を操る」ことが良好なコミュニケーションツールになるのです。
本書のターゲット
本書のターゲットは
『一瞬でYESを引き出す心理戦略』のターゲット
- 営業マン
- 販売員
- 交渉する機会の多い人
- 部下の心を掌握したい管理職



ですが、私は20代~50代くらいの現役バリバリの全社会人が読むべき本だと感じました。
『一瞬でYESを引き出す心理戦略』の要点は?


メンタリズム4つの基本
メンタリズムを実践するにはまず「メンタリズムの基本」を押さえなくてはいけません。
メンタリズムの基本
- 観察する(外見や言葉に現れたものから手掛かりを探る)
- 分析する(手がかりをもとに、心理を読み解く)
- 信頼される(相手を理解し、信頼を勝ち取る)
- 誘導する(暗示を入れ、人を動かす)
観察する
観察するといってもその対象は様々です。相手の表情や体の動き、言ってること、また相手が持っているものや身につけているものも含まれます。
ただ「見ている」だけではいけません。しっかり「観察」することが大事です。たとえば、会話中の相手の表情に注目すると、心の変化は目元と口元で判断できるとされています。
- 興味を示している時は、目線は上下に動く、口は軽く開いている。
- つまらないと思っている時は、目線は左右に動く、口は固く閉じている。
顔全体から見ればごくわずかな変化ですが、心理状態を把握することができます。
持ち物に関しても観察すると面白いことが解ってきます。
相手のバッグにはどんなものが入っているか、中は整理されているか、開いた手帳にはどのくらい予定が入っているか・・・この情報だけでも相手の几帳面さや人間関係、社交性など、その人に関するかなりの情報が分かります。
そして観察で得た情報を「貯金」します。その貯金は後々、メンタリズムを駆使するネタになってくれます。
ここで言えるのは「観察とは、見てる回数ではなく、意識して見てるかどうか」なのです。そして、その情報をどう利用するかという目的づけも大事です。
観察するのポイント
- 「見ている」と「観察する」は違う。
- 「観察する」=意識して見る。
- 観察で得た情報は「貯金」
分析する
「観察」したらその情報を「分析」です。「観察」と「分析」はセットなのです。たとえば、相手との会話で得た情報の中に、相手がよく使う言葉があるとします。その言葉も観察の対象です。
DaiGoさんは以前、出演したイベントのアナウンサーの方が「狙い」とか「目的」が適当な部分に「企み(たくらみ)」という単語を使われていたことに注目しました。
ふつう、「企み(たくらみ)」って策略(さくりゃく)とか陰謀(いんぼう)といった負のイメージがあります。
ならば、ふだんから何かを企もうと思う人なのか、人を蹴落としてでも、という野心家なのか・・・と様々な推理をされ、最終的に「この人自体が、人から企まれることが多い人で、人にだまされたり、裏切られた経験があるのではないか」という解釈をし、的中させました。
ふつうなら、「人の心」は見ることができません。だけど、この情報により「心から出てくるもの」は見ることができます。メンタリズムでは、それを見て、分析して、投げ返して、戻ってくる反応を見る作業をするのです。
その他にも、相手の会話、持ち物、体の距離で職業や生活環境まで読み取ることができます。意識して観察した情報を「分析」することで使える情報になるのです。
分析するのポイント
- 「観察」と「分析」はセット。
- 相手のよく使う言葉、持ち物、体の距離などで性格、職業、生活環境などをはかり知ることができる。
信頼する
人が心を許すのは「信頼関係」を築けたときです。相手からの信頼を勝ち取ることが、後々の「相手を思い通りに動かす、誘導する」ための大きなポイントになります。
「信頼を勝ち取る」=「心を開かせる」ですが、そのために有効な手法を用います。その中の一つが「自ら先に打ち明ける」ことです。
相手よりも先に、自分が自分のことを話す・・・自己開示なのですが、初対面の場合、先に個人的なことを話してくれたという事実により「この人は信用に足る人だ、信頼できる人だ」という心理を引き出す手助けになります。
その自己開示は、相手の情報を引き出すための「誘い水」となります。
それから、信頼される方法の一つに相手の動きを真似る「ミラーリング」というのがあります。その名のごとく「鏡のように同じ動きを真似したり模倣したりする」ことです。
それを相手に悟られず、動きやしぐさを合わせていくことに意味があります。なぜなら、行動をマネると人は、「なんだかフィーリングが合うなあ」と思い親近感を持つきっかけになるからです。
誘導する
いよいよ本丸の「誘導する」です。
観察し、分析し、心を開かせて信頼関係を築けたら、相手をこちらの思ったように誘導する・・・相手を思い通りにコントロールするステップとなります。
例えばこのようなシチュエーション
目の前で友達がピザを食べています。
「お、ウマそうなピザを食べてるね。オレ、昼飯食べ損ねて腹ペコなんだ。」
すると友達は
「そうなんだ。少し食べるかい?」と言って分けてくれるでしょう。
そこで、あなたは「悪いね、なんか催促したみたいで~」
結果的に催促しているけど、あなたは「ひと口くれ」とはひと言も言ってません。あなたの会話を聞いて、友達が自発的にくれただけです。
似たような話をもう一つ
「なんだか暑い部屋だなあ」
とシャツの袖をまくると、相手は「エアコンをつけましょうか」と言って、
エアコンのスイッチを入れてくれるでしょう。
これも同じこと。
あなたはひと言も「エアコンをつけてほしい」とは言ってません。
つまり、相手に命令することなく、あくまでも自発的にこちらのしてほしい行動を起こさせているのです。これがメンタリズムにおける「思い通りに相手を動かす誘導」の基本ということです。
ここで大事なことは、相手があたかも「自分で選んだ」「自分自身の意志で行った」と思わせなければいけないということです。
もし相手にこの働きかけを気づかれてしまったらその時点で誘導やコントロールはできなくなります。そしてこの働きかけを可能にするのが「暗示」です。
メンタリズムにおける相手の誘導やコントロール=「暗示」なのです。相手に「暗示」かける方法の一つに「マーキング」があります。
「マーキング」とは、相手に伝えたい情報を強調したり、変化をつける技術です。
たとえば、会話をしながら特定の言葉のときだけ声の大きさを変えてみる。そして、それまでより少しでも声が大きくなると、聞く人は無意識にその差を感じ取り、印象に残るというのです。
そしてこんな例も
こちらの新製品は大好評でお問い合わせが多く、すでに累計〇〇台以上もお買い上げいただき、お買い上げ後も「買ってよかった」という声が多く寄せられています。
ご自宅用に購入するほか、プレゼント用に買ったというお客様も多く、2台買いしたというケースも少なくありません。
このセールストークの中に「買う」という意味の単語が表現を変えて6回も登場しています。これが「特定の言葉を多用し、何度も繰り返す強調テクニック」なのです。
さらに声の変化やしぐさや動作、表情も合わせるとより一層強調しやすくなり、相手にとって強く印象に残るはずです。
誘導するのポイント
相手の誘導、相手のコントロールとは、イコール、暗示のことである。
メンタリズム応用編
第2章「手ごわい相手の「YES」を引き出す心理戦略」から抜粋です。
メンタリズムが生かせるシーンといったらやはり商談とか接客におけるビジネスの現場ですよね。
本書では、いろんなシチュエーションで取り上げています。
気になったものを抜粋しました。
- 商談・交渉の前に結果は9割決まっている
- 相手の本音を引き出す暗示
- その場の主導権を1.3秒で握れる世界共通の方法
- あなたの評価をうなぎ登りにする記憶コントロール術
- 『渡る世間は鬼ばかり』に隠された高度な心理戦略
それぞれを取り上げてみます。
商談・交渉の前に結果は9割決まっている
ビジネスをする相手とはいえ、人間と人間は「信頼」で成り立っている話は先ほどしました。よりよい関係で交渉・商談をする前にプライベートな話が一つでもできると信頼度は高まります。
それにはビジネス抜きのところでの心の結びつきが強ければ強いほど効果が発揮されます。それゆえ、そこからすでに交渉は始まっている、言い換えれば「商談・交渉前に結果は9割決まっている」といえるのです。
「商談・交渉の前に結果は9割決まっている」のポイント
交渉相手とどれくらい個人として距離を縮めれるか(相手との親密度を高めて相手を知る)
相手の本音を引き出す暗示
相手との心の距離は縮まったとはいえ、プライベートな話を聞き出したいとしてもいきなりではハードルが高いです。ここで「自己開示」の技術を使います。それは、自分が聞きたいことは、まず自分から話すということです。
たとえば、相手の兄弟のことを聞きたい場合はまず自分から「私には兄が一人います。」と切り出し「〇〇さんには、ご兄弟はいらっしゃいますか?」とすれば、相手も変な警戒はしないはずです。
この「自己開示」により相手の警戒心を解き、「兄弟の話をする空間」という暗示にかけるのです。
「相手の本音を引き出す暗示」のポイント
- 交渉・商談はメンタリズム最大限に活用できる場所。
- 「誘導」+「暗示」の効果で、相手の警戒心が説ければ成功。
その場の主導権を1.3秒で握れる世界共通の方法
交渉の場、商談の場、会議の場、どの場所でも自分が主導権を取りたくないですか?
効果的な方法があります。それは、「あいさつを誰よりも早くする」です。そうすることで、その空間をあなたが支配しているという空気となり、あなたの優位性を演出することができるのです。
自分が支配権を握っているということは、結果にも大きな影響がもたらされます。ですが、場所によってはあいさつもできないなんてこともあると思います。
その場合はどうするかですが、「相手よりも先に行動する」が無意識でも効果を発揮します。肝心なのは「いちばん最初であること」なのです。
自分が主導権を握ると、相手に対して優位である以上に自分がストレスを感じない空間を作れることに意味があります。特別難しいことを言う必要はありません。
「こんにちは」とかのあいさつから始まり「「どちらまで行かれるんですか?」とか「今日は思ったより混んでますね。」程度の言葉を相手の目を見ながらいうことでOKなのです。
「その場の主導権を1.3秒で握れる世界共通の方法」のポイント
あいさつや行動でその場の空間を支配する
あなたの評価をうなぎ登りにする記憶コントロール術
「伝えたい事を何度も繰り返して提示する」というのは先ほども説明しました。
それもこれも相手の記憶として残ってほしいからです。それに付け加えて、効果を発揮するのが、「繰り返すタイミング」です。これには「エビングハウスの忘却曲線」を基にするのが良い方法です。
(出典:代々木進学ゼミナール)
人間の記憶は時間とともに薄れていきます。そこで繰り返し提示するのがベターなのです。打ち合わせやプレゼンで情報をしっかりアピールしたい場合、まず最初の20分が勝負なのです。
そこで、繰り返し提示して、相手に記憶に強く印象付けることが第一歩です。そしてさらに20分後に、表現を変えてまた繰り返します。
さらに復習曲線に従い、その日のうち、翌日、1週間後と、繰り返してアピールするのです。
「あなたの評価をうなぎ登りにする記憶コントロール術」のポイント
- 「エビングハウスの忘却曲線」を基に忘れかけたタイミングで再プッシュ。
- 印象や好意も繰り返した接触回数で決まる。
『渡る世間は鬼ばかり』に隠された高度な心理戦略
相手の心をYESに誘導するには相手の納得感が必要です。いかにしてこちらの情報を相手に認識させるか、記憶に焼き付けるかはたいへん重要です。
『渡る世間は鬼ばかり』の脚本家、橋田寿賀子さんはこの繰り返しのテクニックを使われているとのことです。
橋田さんは、脚本を書く時に、その後の展開にも伏線となる重要なセリフは、言い方、言う状況、そして言う人をかえて必ず3回言わせるようにしているそうです。
視聴者は、そのセリフを伏線として記憶の片隅に残し、後の展開でその伏線が出てきたときに「ああ、あのときのあれだったのか」となるのです。
素晴らしいですよね!
このテクニックを応用するポイントとして次のルールがあります。
- これだけは絶対に伝えたいという重要事項をひとつに絞り込む
- それ以外の情報は捨てるくらいの勇気を持つ
- ひとつの企画書に3~10回くらい自然に登場するようにその言葉を入れる
ポイントは「表現を変えて繰り返す」」です。
「『渡る世間は鬼ばかり』に隠された高度な心理戦略」のポイント
書くにせよ話すにせよ、重要なメッセージや相手に伝えたい情報、売り込みたい情報は、表現を変えて必ず3~10回は繰り返す。
メンタリズム実践編
第3章の「あなたから「また買いたい!」と思わせる心理戦略」から抜粋です。
買う人だけを3秒で見分けるテクニック
電気屋さんでテレビを買い替える見込み客の見分け方を例にあげますと電気屋さんに来るお客さんは様々な人がいます。
- 買いたい人(説明してほしいけど販売員に声をかけられないお客さん)
- 考えている人(買うつもりだけど迷っているお客さん)
- 買わない人(販売員に声をかけて欲しくないお客さん)
販売員が見込み客を見つける目安が「テレビのリモコンを触る人」でその5割がテレビを買うお客さんなのだそうです。本当に買いたいお客さんはパンフレットを見たりリモコンを触ったりし、テレビに興味を持ちます。
同じところを行ったり来たりしたり、販売員を探してキョロキョロし始めます。そこが声かけのタイミングです。販売員に求められるのはニーズに応じて声をかけるタイミングを計り臨機応変に対応してくれるということです。
このような販売員は見込み客を逃しません。新幹線の車内販売員もお客さんの「買いたいサイン」に敏感です。特に窓側に座っているお客さんは「買いたい」のに声をかけづらい状況にあるそうです。
そこでお客さんの方では声をかけられる前に販売員に視線を送っていることが多いのだそうです。
その視線を見落とさないように販売員は窓側に座っているお客さんに視線を送り、お客さんとアイコンタクトを取るように心がけているそうです。
「買う人だけを3秒で見分けるテクニック」のポイント
目があった人に声をかけるべし
圧倒的に売れている販売員の「立ち方」
セールストークは大事です。
どのような点に気をつければいいかというと、最初に一度、お客さん側に立つことです。
「売る側」としてではなく「売られる側」に立って話をすることです。
たとえば、
最初の声掛けで「家電って、こうやって見るだけでもワクワクしますよね。ぼくも家電好きだから、お客さんと一緒になって新製品とか触ってるんですよ」
などと、ひと言ふた言の雑談を挟みます。
そこでお客さんが、「そうだよね」「その気持ち、わかるよ」などと応じてくれます。
そこでようやく
「もし聞きたい事があったら、声をかけてくださいね」
とか
「そうそう、そのテレビはぼくも前から気になっていたんですよ」
とセールストークに入っていきます。
このようにすると、とても自然に商談に入っていけてると思いませんか?
その時の立ち位置も大事です。
最初から、お客さんの横に立って接客するのです。
このような立ち位置だと、「販売員がお客さんに商品をすすめる」でなはく「ふたりで一緒に商品を選んでる」という感じになります。
お客さんから見れば、まるで仲の良い友達と買い物してる感覚になると思います。
商品をすすめる人ではなく、一緒に選ぶ人になる。対面ではなく横並びで接する。
お客さんに「この人から買いたい」と思わせる人に近づくコツだと思います。
「圧倒的に売れている販売員の「立ち方」」のポイント
「売れる販売員」は自然なセールストークと横並びで接客する。
損をしなければ、誰もが商品を欲しくなる
一般に、人間は得をする喜びよりも損をする恐怖の方が強いそうです。
だから、買って損をしないために、自分よりも詳しい人に意見を聞きたがります。
ですので販売員はお客さんからの質問や問い合わせに常に堂々としていなくてはいけません。
「どれがいいですかね?」「これって、他とどう違うの?」などと聞いてくるお客さんはたいていが「自分では選べない」人。自分の意見だけで選ぶと損をするかもしれないという恐怖がある人です。
販売員に相談することにより「損はしたくない」という安心感を得たいのです。
ベテランに限らず新人販売員でもお客さんにとって頼りになる相談相手にならなければいけません。
商品知識がなかったとしても「私はよく知らない」という雰囲気は絶対に出してはいけません。
堂々とした態度と表情で「どのようなシーンでお使いになりますか?」とか「旧製品との違いはこの2つです」など、自分の持ってる知識をフル活動してお客さんに安心感を与える言葉がけを心がけましょう。
「損をしなければ、誰もが商品を欲しくなる」のポイント
- 得するより損することを人は嫌う。
- 販売員は持てる知識をフル活用して堂々とした態度で頼りになる相談相手となろう。
あなたの狙い通りに商品が売れていく「選択の暗示」
人は、商品の情報が少なくて、勝つ価格帯の選択肢が2つしかない場合、やく70%の人が価格の安いものを選び、価格帯の選択肢が3つになると中間(真ん中)のものを選びやすいという現象があります。
これを「ゴルディロックス効果」と言います。この「ゴルディロックス効果」を使って自分の売りたいものを、お客さんに選んでもらうという誘導も可能になります。
どのようにするかというと
売りたい商品(B)があるなら、あえてBよりもハイグレードなAと、Bより安価でローグレードなCを一緒に並べて提示します。
そうすれば、お客さんは極端性を回避しようと、“中を取って”店が売りたいBを選びやすくなるというわけです。



わたしだったらワザとに端っこを狙いそうな気がします(笑)
「あなたの狙い通りに商品が売れていく「選択の暗示」」」のポイント
売りたい商品は、常に「真ん中」
希少価値の高いものに購買意欲を感じる「希少性の原理」
人は「今だけ」とか「売り切れ御免」などの言葉に弱い生き物です。
それは、「今買わなきゃもう手に入らない」とか「数が少ないからみんな買いたがるはず」などの心理が動くからです。
人には「なくなってしまう」という恐怖、そして手に入れられなかった時の後悔が心の奥底にあります。
このような「限定品販売」は手に入れられるチャンスが少ない(希少性の高い)ものにより価値を感じて購買意欲を掻き立てられます。
「希少価値の高いものに購買意欲を感じる「希少性の原理」」のポイント
- 無くなってしまう恐怖は強く働く。
- 「今しか買えない」と思わせればほしくなる。
メンタリズム補足
第4章の「人間関係のストレスをなくす心理戦略」から抜粋です。
人間関係の怒り、ストレスを消し去り、仕事で成果を上げる習慣
人間関係はいつも良好とは限りません。そんなときに大事なのは「怒りの扱い方」や「ムカついた時の対処の仕方」です。
ムカついたときの対処の仕方としてまずは、「時の経過 感情の冷却期間を作る」です。つまり、「ムカついたら一回、冷静になって気持ちを整理しろ」ということです。
それからもう一つ、「書いてアウトプットする 筋が通っている事だけ残す」も効果的です。
相手にイラっときたりムカついたとき、家に帰って、そのムカついたことを神に書き出すのです。とにかく、自分は何にムカついたのか? その理由は? をすべて、箇条書きでいいから書き出すのです。
ムカつくことを書き出したら、筋が通っている事だけ残し、自分の感情だけでムカついた事に線を引いて消します。
これは、何の意味があるかというと「自分の怒りやムカついている感情を一旦、脳の外に出して目に見える形にしてみる」ことで、可視化し、それにより冷静さを取り戻す効果があるからです。
怒りの情報をすべて能の外に出して、冷静になって論理と感情のバランスが整理されます。
「人間関係の怒り、ストレスを消し去り、仕事で成果を上げる習慣」のポイント
「書いてアウトプットする」は効果的な感情整理法。
「ニガテな人」をなくす唯一の方法
人間関係を良好なものにするのは誰もが思う事ですが、中には「ニガテな人」もいますよね。そんな「ニガテな人」でも仕事上、関わらなくてはいけないシーンはよくあることではないでしょうか?
アドラー心理学でも年上・年下に関わらず「尊敬」という言葉を使って「相手に関心を持つこと」を書いてあります。本書では、それに踏み込んで「自分より優れているところ」を探すように説いています。
それも3か所です。
相手が自分よりも優れているところを3か所探すメリット
- 仕事で有利になる
- 尊敬が生まれる
するとどうなるかというと
良い所を見れば人間関係が良くなる
ではなく
人間関係をよくするために良い所を見る
となります。
「「ニガテな人」をなくす唯一の方法」のポイント
「ニガテな人」をなくすには、相手を「尊敬」しよう。
メンタリズムでチャンスをつかむ
第5章の「ミスを取り戻すどころか、チャンスに変えてしまう心理戦略」から抜粋です。
長い人生の中では誰でもミスや失敗はそれなりにあることだと思います。
それが相手の「怒り」を買うこともあるでしょう。そのような時、「許してもらえる謝り方」をするべきです。それは「大げさに謝る」です。
たいていの人は失敗を「小さく」見せます。それとは違いあなたは「わざと大きく」見せるとしてみることです。人間には感情があり、期待以上のことをしてもらうと、感情のバランスをとるために「悪いな」という気持ちになるのです。
もちろん誠意は見せないといけませんが、その心理を利用して、相手の怒りが収まるのを待ちます。このやり方は、クレーマー対策でも同じです。
クレーマーという人たちは「自分を特別扱いしてほしい人」なのです。相手の「謝罪の期待度」を上回ることが肝心であり、やりすぎ、オーバーなぐらいがちょうどいいと思います。
期待を上回る謝罪効果は相手に対して「なかなか誠実でしっかりした人物」というプラスの評価につながります。
自分のミスですら利用する。ミスをして謝るという気の重いシチュエーションですら、誠実さをアピールする絶好のチャンスだと考えられる人ならば、さらにステップアップできるはずです。
「メンタリズムでチャンスをつかむ」のポイント
- 謝る時は誠意をもって大げさに。
- ミスをしたこともネガティブに捉えずチャンスに変える。
『一瞬でYESを引き出す心理戦略』の感想・まとめ


- 観察、分析、信頼、誘導
- 相手の「YES」を引き出す心理戦略
- 「買いたい!」と思わせる心理戦略
以上のことを駆使し、どのような相手にも対応できるというのは、とても強みになりますね。営業職や若手の会社員の方にとって良質なビジネス本になると感じます。
なによりもわかりやすい文章でいろんな人に教えたいというDaiGoさんの心情がよくわかりました。相手に対するだけではなく自分に対してもポジティブに歩んでいけるというふうに考えていきたいと思います。
本書のターゲットである組織の中で働くビジネスマンだけではなく、実際の日常生活においてもありがちなシチュエーションに使えそうなスキルが詰まった本です。
メンタリズムとは、「行動や態度、言葉などから相手の心理を読み解き、思うままに誘導する技術」このことを頭に入れ日常を過ごせば、必ず自分にプラスになって帰ってきます。
会社の部下、家族に向けて読ませたい一冊であることは間違いがありません。
『一瞬でYESを引き出す心理戦略』の概要


本書の目次
『一瞬でYESを引き出す心理戦略』
第1章 あなたはもっと評価されるべき。今こそ仕事にメンタリズムを
第2章 手ごわい相手の「YES」を引き出す心理戦略
第3章 あなたから「また買いたい!」と思わせる心理戦略
第4章 人間関係のストレスをなくす心理戦略
第5章 ミスを取り戻すどころか、チャンスに変えてしまう心理戦略
著者の紹介
メンタリストDaiGo(めんたりすと・だいご)
著書累計は200万部突破、大学教授、企業顧問、慶応卒 、英国のメンタリズムを日本に初めて紹介。心理学を応用し、ITサービスから遺伝子検査まで開発したりしています。
実際は2匹の愛猫と一緒に、月300冊の本を読むただの本の虫。
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