こんにちはコウカワシンです。
最近の社会の移り変わりが速いと感じませんか?
なんだか自分だけが取り残された気持ちになったと感じる方は少なくないでしょう。そして、ツイてないと感じる場面もありますよね。
そんな時、ついつい

あいつのせいですべてが台無しだ。
とか



将来のこと考えたってしかたがない。
と他人が原因とか自分の置かれた状況にネガティブになり悩んでしまいますよね。
人生で経験するであろう悩み、とくに対人関係や自分自身の悩みについてどのような考え方で対処していけばいいかを考えさせてくれる本に出会いました。
『成長マインドセット』吉田行宏著
著者の吉田行宏氏は、元ガリバーインターナショナルの専務取締役でFC事業・経営戦略・マーケティング・人事・教育・IT・財務などの担当役員を歴任され、現在では若手経営者の育成支援と、共同での新規事業創造をされている方です。
『成長マインドセット』から学ぶこと
『成長マインドセット』の目次
プロローグ
第1章 成長とは何か
第2章 成長を阻害する1つ目のブレーキ
第3章 成長を阻害する2つ目のブレーキ
第4章 成長を促進する1つ目のアクセル
第5章 成長を促進する2つ目のアクセル
エピローグ
本書のターゲットは
『成長マインドセット』のターゲット
- 経営者
- 管理職などのマネージャー層
- 人事などの他人の成長に密接に関わるマネジメント層
- 若手ビジネスマン



ということですが、私はすべての大人が読むべき本だと思います。
それではポイントを押さえながら本書から学んでいきます。
成長とは
「成長とは自身のアイスバーグ(氷山)を大きくすること」である。
どういうことかというと今の自分自身の目に見える実力や結果を「成果」とするとその成果を達成するにあたり、目に見えていない部分(能力・スキル・ふるまい・習慣・行動・意識・想い・人生哲学)が土台となっています。
図で示すとこんな感じになります。
(出典:成長マインドセット素材)
このピラミッドの大きさを大きくすることが成長なのです。
個人差があることなので具体例を示す図がこちらです。
このピラミッドを大きくするにはバランスよく学ばないといけないのがよくわかります。
スキルだけではダメ、意識や習慣などの人生の基礎となる部分を見直し、学んでいかないと大きな成果は得られないということです。
「成長とは」のポイント
成長とは意識や想い・人生哲学を基礎にふるまいや習慣・行動に反映させ、スキルや能力を高める上でもたらされる成果である
成長を阻害する悩みブレーキを減らす5つの方法
「成長とは自身のアイスバーグを大きくすること」なのですが、すくすくと成長できない状態も予想されます。本書ではその「成長できない状態」を悩みブレーキと説明しています。
たとえば以下のことが考えられます。
悩みブレーキとして考えられるもの
- 転職の悩み
- 自分に対する他人の評価が低い
- プライベートの時間が取れない
悩みは他にもたくさんあるでしょうけど、このような持つ「悩みがあり、ブレーキを踏んでいるという認識」をことが最初の第一歩です。
悩みを減らすには5つ方法があります。
悩みを減らす5つの方法
- ブレーキの存在を知る
- ブレーキを踏まない覚悟をする
- 他責にしないのは100%
- 結果は選択できないが、行動は選択できる
- 関心の輪、影響の輪
ブレーキの存在を知る
たいていの人はブレーキを無意識に踏んで知るそうです。
ですので、まず第一歩として「自分には悩みがある」ということを認識することです。認識することにより「解決できる、できない」は別として対処する方法を探れます。
ブレーキを踏まない覚悟をする
ブレーキになってる悩みがわかりました。
では「もう悩まないぞ」という覚悟をしましょう。とはいっても「一生、悩まない」は難しいです。その場合、期限を設けることも考えましょう。
例えば、「2年間はなるべくブレーキを踏まないで進んでみる」などです。とにかく達成しやすい期限を設けてみることです。
他責にしないのは100%
何かあった場合、他者責任で片づけるのは簡単で自分は傷つきません。ですが、根本的な解決に至らずまた再発することが考えられます。
そんな時、「原因自分論」で、考えるとものごとの解決が早く、再発しない仕組みづくりができます。本書では「当事者意識」と表されています。
たとえ、他人が100%悪くても他人の考え、行動を変えるのは難しいです。物事も改善しません。
「だったら自分に何ができるか?」という思考や習慣を持つと自分の成長にもつながり、心の健康にもプラスなのです。
結果は選択できないが、行動は選択できる
誰しも結果って選べないものが多いのではないでしょうか?
たとえば、「商談で契約を取れるよう最大の努力をするけど、100%取れるとは限らない」というシーンなどです。
選べない結果に悩むというのは自分のコントロールできる範囲を超えています。悩んでも意味がありません。けど、「最大の努力」をするという行動は選べます。
もし、残念な結果になったとしても「最大の努力」をしたスキルとうまく契約が取れなかった反省・検証という大きなデーターが残ります。
それが、今後の自分の経験という成果につながります。
関心の輪、影響の輪
スティーブン・R・コーヴィーの『7つの習慣』に書かれていますが「関心の輪と影響の輪」は物事を思考する良い規準になります。
「関心の輪と影響の輪」とは
(出典:成長マインドセット素材)
「影響の輪・関心の輪」
- 影響の輪とは 自分でコントロールできるもの(自分の思考・行動)
- 関心の輪とは 自分のコントロール外のもの(他人の思考・行動、政治、過去の失敗、将来の不安)
アドラー心理学でも「他者の課題を切り捨てる」があります。
「関心の輪」に執着してもどうにもならないんです。だったら「影響の輪」で自分がどうにでもできることに注力した方が実になると思います。
「成長を阻害する悩みブレーキを減らす5つの方法」のポイント
5つの方法により悩みブレーキをかける頻度を減らし成長を加速しよう。
大きな子供ブレーキの外し方
アイスバーグの成長を阻害するブレーキは「悩みブレーキ」だけではないそうです。もう一つのブレーキの名は「大きな子供ブレーキ」です。
見た目は大人なのに中身が「子供」と同じなんだそうです。
大人の中にいる「大きな子供」の特徴
- 自己中心的
- 他者を理解しない
- 好ましくないプライド、執着
- トラウマに影響され過ぎている
- 正しい軸がない
世の中の人は大なり小なり「大きな子供ブレーキ」を持っているとされています。いつもは表に出してはいないけど、つい何かのはずみで出てしまうことはあるかもしれません。
出てしまうと怒り、恐れ、見栄、妬み、自己顕示などの負の感情に振り回されてしまいます。
負の感情に支配された人は全体視点で考えられず正しい判断や行動ができないうえ、リーダーであれば部下がついてこなくなります。
それは、成長する姿とは大きく離れてしまう行為となるのです。
大きな子供ブレーキを外す
自分自身の場合
先ほども言いましたが「大きな子供ブレーキ」は、ほとんどの人が持っています。もしそれに気づけない人は、周りの人の意見に素直に素直に聞きましょう。
もし「大きな子供ブレーキ」がかかったら
- 自分の中に大きな子供の存在があることを認識する
- その大きな子供を育てて大きな大人にする認識を持つ
素直に事実を受け入れ、少しずつ改善していくことで大人の認識に近づけます。
他人の場合
自分自身の「大きな子供ブレーキ」を外すのは簡単に見えてなかなか難しいことです。それにも増して、他人の「大きな子供ブレーキ」を外すのはさらにハードルが上がります。
なぜなら、他人のことは自分でコントロールできないからです。
下の図を見ると、自分に近しい人は「影響の輪」に近いけど、離れるにしたがって「関心の輪」に近づいています。
(出典:成長マインドセット素材)
立場的に指摘できない場合は、「この人の中にも「大きな子供」がいる」という理解だけにしておきましょう。それだけでも自分自身の心の負担が軽くなるはずです。
「大きな子供ブレーキの外し方」のポイント
- 自分自身の場合は他人の指摘を真摯に受け止め「自身にも大きな子供がいる」ことを認識し少しづつ改善する。
- 他人の場合は「影響の輪、関心の輪」により指摘できないときは「この人にも大きな子供がいる」という認識だけ持つ。
成長を促進するアクセル
自分理念・自分軸アクセルを踏む
自分のアイスバーグを成長させるためにアクセルを踏まないといけません。
それには自分軸が必要です。
自分軸
- 自分人生の哲学
- ミッション(役割・使命・任務)
- ビジョン(理想像・未来像・展望・見通し)
- バリュー(価値・値打ち)
下の図が自分軸を表しています。
(出典:成長マインドセット素材)
自分軸の成長に不可欠なのは「自分を支えてくれる言葉や考え方」です。時期や目標の高さに応じてハードルも上げていけばいいと思います。
自分軸の成長に必要な考え方
- 今の自分の状況 (担当している職務に全力投球できているか)
- 将来的にどのように自分は変わりたいか(出世する、起業する、など)
- 自分のポリシー・影響を受けた言葉 (道は開ける、など)
自分自身の経験や影響を受けた言葉などが土台になり将来への展望を計ることにより軸のブレない成長に向かいます。
正しく強い動機アクセルを踏む
自分理念・自分軸アクセルで成長の方向性が定まりました。その方向性に向かってアクセルを踏み込んでいきたいものです。それにはやはり動機が必要です。
動機付けの目標が明確であればあるほどモチベーションが上がり成長が加速します。
たとえば、
- お金持ちになりたい
- 自分の意見を世に広めたい
- 社会に貢献したい
- 家族のために頑張りたい
なども立派な動機づけです。想いが強ければ強いほど成長が速くなります。
「成長を促進するアクセル」のポイント
自分理念・自分軸を持ち将来的に目指すものに向かって動機づけしアクセルを踏み込む
『成長マインドセット』の感想
本書により成長の5原則を知ることができました。
成長の5原則
- バランスのよいアイスバーグの成長
- 悩みブレーキを外す
- 大きな子供ブレーキを外す
- 自分理念・自分軸アクセルを踏む
- 正しく強い動機アクセルを踏む
図で示すとこのようになります。
(出典:成長マインドセット素材)
人も車もアクセルを踏みながらブレーキをかけるとなかなか前に進みません。最悪、車も人の心も壊れてしまいます。大事なことは、「アクセルをあまり踏まずにアクセルを踏み込むことを意識する」ですね。
まとめ
本書は、創業4年で株式公開し、創立10年で売上高1000億円、5年間に500店舗を実現した著者吉田行宏氏の人材育成ストーリーです。
誰でもが気づける仕掛けを各所に散らしてます。
ですが本書は、ちまたのスキル本と違って、「美味しいところだけつまみ食い」するような書籍ではなく、最初から順を追って読み進めていくことにより価値がある本だと思います。
人材育成につまづく企業のリーダーの方にぜひお読みいただきたいと感じました。
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