
こんにちはコウカワシンです。
今回は、スペンサー・ジョンソンさんの著書【チーズはどこへ消えた?】から学ばせていただきます。
【チーズはどこへ消えた?】はどんな本?


【チーズはどこへ消えた?】は、ズバリ!「危機管理能力向上」教本です。
本書はこのような本
著者のスペンサー・ジョンソンさんは医師で作家。本書以外にも『迷路の外には何がある?』『頂きはどこにある?』といった自分自身をマネジメントするためのヒントを与えてくれる本を出されています。
本書は、20年以上も売れ続ける世界的ベストセラーで、大谷翔平(おおたに・しょうへい)選手の愛読書の一つであり、アップル、IBM、メルセデス・ベンツなどの世界のトップ企業が研修テキストに採用したことでも有名です。
本書を読むだけで人生の価値観が変わる一冊ともいえます。
本書がおすすめな人は?
【チーズはどこへ消えた?】がおすすめな人
- いつも先々が不安で恐怖を感じている人
- 安定した生活がいつまでも続くと思っている人
- これまでの常識や現状にとらわれて行動できない人
【チーズはどこへ消えた?】の要点は?


「チーズ」とは?「迷路」とは?
【チーズはどこへ消えた?】のあらすじ
この物語に登場するのは、ネズミの「スニッフ」と「スカリー」、小人の「ヘム」と「ホー」です。
この2匹と2人は「迷路」の中に住み、「チーズ」を探します。彼らは迷路をさまよった末に、それぞれ別の方法でチーズを発見します。
その場所チーズ・ステーションCには、チーズは潤沢にあり、しばらく2匹と2人はこのパラダイスに満悦します。
ヘムとホーは、このチーズ・ステーションCの近くに住むようになり、ほかの場所へチーズを探しに行かなくなりました。
スニッフとスカリーはチーズ・ステーションCでチーズを堪能する前にその周りの状況を調べたり、何か異変が起きていないかを探知しようとしていました。
ところがある日、そのチーズ・ステーションCにあったチーズが消えてしまいました。
ネズミたちは、本能のままにすぐさま新しいチーズを探しに飛び出していきましたが、小人たちは、チーズが戻ってくるかもしれないと無駄な期待をかけ、現状分析にうつつを抜かすばかりです。
やがてネズミたちは新たなチーズ・ステーションNを発見し、あたり一面に見たことがないほど大量のチーズがうず高く積まれていて、初めて見るチーズが何種類かあったのでした。
しかし、やがて小人のホーが新しいチーズを探しに旅立つ決心をしましたが、ヘムのほうはなかなか動こうとはしません。
この物語の結末は?
といった内容です。
「チーズ」とは?
本書でネズミたちと小人たちが求めていた「チーズ」とは、わたしたちが人生で求めているものや理想ということです。
たとえば、仕事や家族、財産、健康、精神的な安定などの象徴をこの物語では「チーズ」で表しています。
「迷路」とは?
「迷路」とは、チーズを追い求める場所ということです。
たとえば、わたしたちを取り巻く環境、会社、地域社会、家庭の象徴が迷路なのです。
「チーズ」はなぜなくなってしまったのか?
これは自分を取り巻く環境の変化、つまり、仕事や家族、財産、健康などが損なわれたということでしょう。
このように考えれば、どのような人にとっても当てはまるし人生を左右する大きな局面であるといえます。
そのときにわたしたちはどのようにすべきかを問われるでしょう。
ネズミたちのように現状にとらわれずにすぐに行動すべきか、小人たちのように「またチーズは戻ってくる」と現状を観察しながらそれを待つのかということです。
どちらも大事な要素だと思うのですが、この物語から得たヒントを紹介したいと思います。
変われる勇気を持とう
本書を読んで思うのは「変われる勇気」を持つことです。
なぜ、変われる勇気が必要かというと次の通りです。
- 「チーズ」、つまり社会や自分を取り巻く環境は常に変化しているから
- 変化する勇気を持たなければ将来的に人生が行き詰まるから
- 変化を恐れない勇気を持ったほうが人生を楽しめるから
実際にこの物語では、チーズがなくなった現状を信じることができずにその場で動けなくなった小人たちが途方に暮れる場面が出てきます。
でも社会は刻々と変化していますから、現状がそのまま続くという保証はありません。
だったらどうするべきかを考えることが大事なのですが、そこが人間らしいところで小人たちはしばらく「またチーズが戻ってくる」と考え、行動しようとしないのです。
一方、ネズミはそのような思考はありませんから、チーズがなくなる前から辺りを散策しますし、チーズが残り少なくなってきたことも、古くなったチーズの賞味期限が近づいてきたことも気がついていました。
そしていざチーズがなくなったら新たなチーズを探そうと嗅覚を利かせて行動を開始します。
このような差が、2匹と2人の明暗を分けたということです。
これには変化を恐れる恐怖感が大きく2人の心にフタをしたといえるでしょう。
この2人は過去の経験から得た教訓と思考による方法をとったのです。その方法はたしかに大事で、うまくいくことが大半ですが、その信念と感情が先々の見方を曇らせたともいえるのです。
ですが小人ホーが、いよいよ立ち上がり新たなチーズ探しに挑みます。
冒険にはたしかに恐怖も付きまといますが、ホーは再び新しいチーズを見つけ、味わっているところを思い描くことで気力と自信を取り戻していったのです。
つまり、変化を恐れない勇気を持ったことで人生を楽しめるモードになったということですね。
逆に小人ヘムはやせ衰え、不安に満ちた感情は怒りにまで変わり、ホーの「ここを出て一緒に新たなチーズを探そう」という声も耳に入らなくなりました。
人間らしいといえば人間らしいのですが、どちらが生死をかけたサバイバルで生き残ることができるのでしょうか。
これは火を見るより明らかですよね。
「変わる」ためには何が必要か?
「変わる」ために必要な要素を本書から取り上げてみました。
- 変化は起きるものとする「認識」
- 変化に気づく「嗅覚」
- 変わろうとする「行動力」
ネズミをはじめとする人間以外の動物には本能的に備わっているものばかりですが、人間は感情とか思考がこれらを邪魔することがあります。
感情や思考は、とても大事なことなのですが、自分の身を守るために、ときには本能の感覚を研ぎ澄ませることが必要なのかなと感じました。
変わるためにはどうすればいいか?
では、実際に変わるための方法ですが、次のようなことがあげられます。
- チーズがたくさんある(安泰な)ときでも、新たなエリアを探索する
- 危機にはすばやく対応する
- 冒険をあじわいその現状(チーズ)とともに前進する意識を持つ
どれも特別に難しいことはありません。
いざというときの備えと何事が起きても受け入れる姿勢、そして行動することさえ意識できれば、対応できない危機などないということです。
【チーズはどこへ消えた?】の感想・まとめ


社会状況の急激な変化に対応するには「変化に気づく嗅覚」「変化を恐れない勇気」「変化に対応する行動力」が必要!
本書は20年以上も前に書かれたというのにいまだに読み継がれ、世界のトップ企業が教材に使い、スポーツ界や経済界の著名人も愛読している理由というのがわかった気がします。
「チーズはどこに消えた?」という思考法は、人間社会が続く以上、これからも議論し続ける必要があるし、心得ておくべき処世術と思います。
つまり、永遠の課題なんですよね。
いつの世も安泰が続くという保証はないし、変化するというのが当たり前と思っていなければ、これまでの常識にとらわれて、身動きできず人生が詰んでしまうことになりかねません。
それを避けるためにも本書は繰り返し繰り返し読むべき一冊です。
読んでいない人はぜひご一読ください。
【チーズはどこへ消えた?】の概要


本書の目次
【チーズはどこへ消えた?】
私たちがみんな持っているもの~単純さと複雑さ
ケネス・ブランチャード博士による裏話
ある集まり シカゴで
物語 チーズはどこへ消えた?
ディスカッション その夜
訳者あとがき
著者の紹介
スペンサー・ジョンソン
多くの企業やシンクタンクに参加し、ハーバード・ビジネス・スクールの名誉会員に列せられている、アメリカ・ビジネス界のカリスマ的存在。
経営学の古典的名著でありロングセラーの『1分間マネジャー』(共著、ダイヤモンド社刊)をはじめ、『1分間意思決定』(ダイヤモンド社刊)、『プレゼント』(扶桑社刊)など多数の著書を発表している。
心理学者であり、心臓のペースメーカーの開発にたずさわった医学博士でもある。
著書のなかでも、寓話に託して、変化にいかに対応するべきかを語った『チーズはどこへ消えた?』(扶桑社刊)は、日本でも400万部を超える爆発的なヒットとなった。
『チーズはどこへ消えた?』はアメリカでの刊行(1998年)当初から、IBM、アップル・コンピュータ、GM、メルセデス・ベンツなど、世界を代表する企業や官公庁で研修のテキストに採用された。
日本でも、ビジネスマンのみならず、働く女性たちや主婦層、小学生から高齢者まで、広範な読者に受け入れられ、大きな反響を呼んだ。
2017年、78歳で逝去。
主な著書
『迷路の外には何がある?』扶桑社 (2019/2/27)
『頂きはどこにある?』扶桑社 (2009/9/7)


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