
こんにちはコウカワシンです。
今回は岩崎夏海著『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』を書評させていただきます。
この本はズバリ!
「どんな分野でも活かせるマネジメント力の応用」
という内容が書かれています。
『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』とは
オーストリア生まれの経営学者ピーター・F・ドラッカーの書いた「マネジメント」は世界で1番読まれた経営学書で、マネジメントに関する書籍の中で最もベーシックな本です。
『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』の主人公川島みなみは高2の夏に野球部のマネージャーとなりマネージャーは何をすべきなのかを学ぶため本屋でドラッカーの著書「マネジメント」に出会います。
マネジメントとは「管理」「経営」という意味です。ドラッカーはこの言葉を「組織に成果を上げさせるための道具・機能・機関」と定義しました。
川島みなみは一見「経営」と「野球部マネージャー」という関係がなさそうなものであるにも関わらず「組織」という観点から応用し野球部を変革していきます。
著者の紹介
岩崎夏海(いわさきなつみ)
1968年 東京都生まれ。
東京藝術大学美術学部建築学科卒業。作詞家の秋元康氏に師事。放送作家として「とんねるずのみなさんのおかげです」「ダウンタウンのごっつええ感じ」等のテレビ番組の制作に参加。アイドルグループ「AKB48」のプロデュース等にも携わる。その後、ゲームやウェブコンテンツの開発会社を経て、現在はマネージャーとして株式会社吉田正樹事務所に勤務。
本書のキモ
本書のキモはドラッカーの「マネジメント」を武器に弱体野球部のマネージャーになった川島みなみが変革をしていき甲子園出場を果たすまでのサクセスストーリーにあります。
この小説にはあらゆるところにマネジメントで学んだ経営学ともいえる運営法が示され「個人は組織に」「組織は個人に」のあり方を説いてくれています。
随所にドラッカーの「マネジメント」が出てきますが大事なことはそのことを「どのように活かすか?」に尽きます。
みなみがドラッカーをどう活かして野球部員や監督の心を動かしたか?
目が離せなくなること間違いなしです。
目次
『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』の目次
プロローグ
第一章 みなみは『マネジメント』と出会った
第二章 みなみは野球部のマネジメントに取り組んだ
第三章 みなみはマーケティングに取り組んだ
第四章 みなみは専門家の通訳になろうとした
第五章 みなみは人の強みを生かそうとした
第六章 みなみはイノベーションに取り組んだ
第七章 みなみは人事の問題に取り組んだ
第八章 みなみは真摯さとは何かを考えた
エピローグ
あとがき
本書のポイント
川島みなみのドラッカー「マネジメント」の学習内容として以下の事を学び実践しました。
『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』のポイント
- 人を管理する能力それは真摯さ
- 「われわれの事業は何か」それは顧客と市場の観点である
- 真のマーケティングは「顧客の何を買いたいか」
- 「働く人たちに成果をあげさせる」
- 専門家が効果的であるためにはマネージャーの助けを必要としている
- 成長には準備が必要
- 人のマネージメントとは人の強みを生産に結び付け人の弱みを中和することにある
- 消費者運動はマーケティングにとって恥である
- 仕事を生産的なものにする4つ
- 自己管理は強い動機づけをする
- 新しい満足を生みだすこと
- 社会の問題について貢献する
- 成長とは打率である
- 市場において目指すべき地位は最大ではなく最適である
- 成果こそ、目的である
人を管理する能力それは真摯さ
マネージャーに必要なのは知的な能力や人の好き嫌いで評価するのではなく何が正しいかだけを考えてチームに対する真摯さが必要だと言ってます。
「われわれの事業は何か」それは顧客と市場の観点である
組織の定義づけをするにあたり「顧客が誰か」という問いが最も重要です。ここでの定義づけでは「野球部だから野球をやる」というのではなく「野球部として顧客に何を与えられるか」が大事なのです。
真のマーケティングは「顧客の何を買いたいか」
定義づけにあたり「顧客に提供できるものは何か」を知ることに真のマーケティング能力がつきます。
「働く人たちに成果をあげさせる」
働く人たちに「働きがい」を持ってもらうために責任を持たせる必要があります。責任を持つことが成功するにはそれぞれの専門分野において知識と経験が生かされるところにおいてです。
専門家が効果的であるためにはマネージャーの助けを必要としている
専門家のアウトプットは知識であり情報です。その知己や情報を組織の言葉で翻訳するのがマネージャーの仕事ということです。
成長には準備が必要
人のマネージメントとは人の強みを生産に結び付け人の弱みを中和することにある
消費者運動はマーケティングにとって恥である
消費者が不満を持つ、これすなわち我々が消費者の声を聞けていない、いわゆるマーケティング不足である可能性が高いのです。素直に反省しなければいけません。
仕事を生産的なものにする4つ
- 分析:仕事に必要な作業と手順と道具の確認
- 総合:作業を集め、プロセスとしての編成
- 管理:仕事のプロセスの中に方向付け、質と量、基準、そして例外についての管理手段を組み込む
- 道具:仕事を生産的に必要なすべてのもの、そして分析や管理に必要なもの、それは道具
自己管理で強い動機づけをし強い責任感を持つ
自己管理により自らの仕事の進捗をマネジメントできるようになります。そしてそれは仕事に対し強い動機づけをもたらし、最善を尽くすようになります。それにより強い責任感を持つことができます。
新しい満足を生みだすこと
成長する経済にこそ企業の存在価値があります。それはイノベーションという新しい満足を生みます。
社会の問題について貢献する
社界に貢献することで企業の存在価値が高まります。
- 自らの組織に特有の使命を果たす
- 仕事を通じて働く人を生かす
- 自らを含め社会の問題について貢献する
成長とは打率である
成長には失敗がつきものであり挑戦することで成長が促されます。つまり成果です。そして成果とは打率です。人は、優れているほど新しいことに挑戦し失敗をします。最初は打率が低いかもしれませんがそのうち上がってくるものです。マネジメントとは失敗を恐れず「意欲」を大切にしなければいけません。
市場において目指すべき地位は最大ではなく最適である
組織の規模が大きければ大きいほど統率が取れなくなります。どのような組織においてでも最適であることが一番に成長する可能性を秘めているのです。
成果こそ、目的である
組織を運営する中での目的は成果であります。成果を追うことで働く能力と意欲を生みだします。
アクション
この本の特徴となっているのがドラッカーの「マネジメント」を細かく解説してそれを野球部という特殊な世界で活用している事。
だから我々が生きる社会において応用することは比較的容易と感じました。
だがそれを今までにやらずにきた。原因は成功する意識・目標を持たずにいたからだと思います。
みなみのように自分に置き換えて考える意識があればと感じました。
それとやらない理由の一つとして「楽しくやる工夫」がないからもありますね。この部分だけ取ってもたいへん感心しました。
まとめ
この本は2009年に出版され2011年には映画化されてたのですね。
今さらながらに知らなかったのが恥ずかしいです(笑)
けど、読んでみて良かったなあと思います。
高校野球というスポーツの世界でもマネジメントは大事だし応用によっては戦略的な進展も望めるという視点を教えていただいたことに感謝したいと思います。
ということはです・・・マネジメントとはどのような形態や状態にでも使える経営学ということになりますね。
どのような立場の人でも充分にマネージャーとして活躍できるのです。
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