
こんにちはコウカワシンです。
今回は、井上裕之(いのうえ・ひろゆき)さんの著書【本物の気づかい】から学ばせていただきます。
【本物の気づかい】は、どんな本?


【本物の気づかい】は、ズバリ!「気づかいこそ人生を変える」ということを教えてくれる本です。
本書はこのような本
本書の著者は、歯科医で世界初のジョセフ・マーフィー・トラスト(潜在意識の権威)公認グランドマスターである井上裕之(いのうえ・ひろゆき)さんです。
井上さんは、累計130万部もの著作があり、本業の歯科医の傍ら、世界的な能力開発プログラム、経営プログラムを学んだ末に、独自の成功哲学「ライフコンパス」をつくり上げ、全国各地で講演を行なっています。
そんな井上さんは「一瞬の気づかいが一生の武器になる」と言います。
本書は、「人付き合いで一番大切なことは気づかい」であることや、誰でもちょっとした気づかいができるようになる習慣、気づかいによって人間関係の向上や自分自身の心の平穏まで取り戻せる方法を教えてくれます。
本書がおすすめな人
【本物の気づかい】がおすすめな人
- いつも「気が利かない」と言われる人
- 「気づかい」の習慣を身につけたい人
- 何をすれば「気づかい」になるかを知りたい人
【本物の気づかい】の要点は?


「気づかい」は一生の武器になる
著者は、人付き合いで一番大切なことは「気づかい」だと言います。
著者の歯科医院で患者さんに向き合うときもほんの一瞬の気づかいをすることで相手がよろこんだり、笑ったりし心がほぐれていくのを感じるそうです。
結果、患者さんはリラックスし、本音を話してくれ、いい治療ができるのだそうです。
「相手の心をほぐす」という「気づかい」がいい結果を生むことから、「人生の質は気づかいによって高まる」とさえも言います。
気づかいから生まれるメリットはいろいろとあるのですが、その中から3つほどピックアップしてみました。
人から好かれる
気づかいとは、相手への思いやりや愛情を行動であらわすことなので、気づかいのできる人は必ず人に好かれます。
たとえば、「この人は、わたしにすごく関心を持ってくれている」「こんな些細なことまで気づいてくれる」という印象を抱いてもらえれば、「またお会いしたいなあ」「この人に○○さんを紹介したいなあ」など、人とのご縁に恵まれる機会が増えます。
良縁は、何ものにも代えがたい武器になります。
近道をして成長できる
もし、初めて取り組むことに不慣れでなかなかうまくできなかったとします。
でも、気づかいができれば、必ず誰かが見ていてくれて、手を差しのべてくれます。
結果、かわいがられる人になり、いろいろなことを教えてもらえて成長のスピードが速くなり、成長の近道が拓けます。
人生で成功できる
著者は「IQの高い人よりもSQの高い人が成功する」と言います。
IQというのは、「知能指数」を指し、SQというのは、「生き方の知能指数」「社会的指数」といった、人と関わる力や社会性の高さを指します。
相手の感情を理解するとともに自分の行動が相手に及ぼす影響も考え、対人関係を円滑にする能力に長け、「気づかい」のできる人は当然、SQの高い人といえます。
そのような人は必然的に敵が少なく、それにより人生で成功する確率も高くなるのです。
気づかうことで得られる3つのこと
自分のファンが得られる
プライベートでも仕事でも、気づかいすることで、相手から好かれる可能性が高まります。
つまり、「自分のファン」ができるということです。
ファンをつくるときに欠かせないのが普段からの気づかいです。
つまり「利他の心」を持つことです。
利他とは、「他者貢献」のことで自分を犠牲にして、他人のために尽くすことを指します。
「自分は相手(他者)に対して、社会に対して何ができるか」を考え、行動していけば、会社でも、お客さんからも、社内のスタッフからも好かれてファンができ、もちろん成績(売上)も上がっていきます。
チャンスが増える
自然に気づかいできる人は、見返りを求めません。
何事も損得勘定で行動する人もいますが、自然に気づかいできる人は「与える人」(ギバー)です。
アダム・グラントさんの著書『GIVE&TAKE「与える人」こそ成功する時代』では、「与える人」(ギバー)が「損得バランスを気にする人」(マッチャー)、「自分の利益を優先させる人」(テイカー)よりも成功するとしています。
見返りを求めずに気づかいを続けていると、仕事が増えたりご縁に恵まれたりするなど、チャンスが確実に増えるということです。
心豊かに生きられる
気づかいをされた相手はうれしいと感じます。素直に感謝されます。
たとえ、言葉に出して感謝されなくても態度でよろこびが伝わってきます。態度で示されなくてもまず敵意を向けられることはないでしょう。
そういった相手の姿は、自分にとってもよろこびになります。
つまり、気づかいをすればするほど、自分の中によろこびが増え、心豊かに生きられるようになるのです。
どうすれば「気づかい」の習慣が身につくか?
気づかいで得られることは、まだまだあるのですが、この記事では省略させていただきます。
気づかいを習慣化することで、得られるメリットは強大です。
でも、「わたしは気が利かない性格だから、気づかいができない」と悩む人もいらっしゃるでしょう。
それでも著者は、気づかいを習慣化することは誰でもできると言います。
それを本書から3つほど紹介させていただきます。
気づかいの3つのポイントを身につける
気づかいを習慣化するために、次の3つのポイントを押さえましょう。
- 「自分がうれしいと感じること」を相手にする
- 相手の立場になって「うれしいと感じてもらえること」を考える
- 周囲を観察し「人は何によろこびを感じるか」を学んでいく
一つひとつを解説はしませんが、「自分がうれしいと感じること」は、誰でもされてうれしいものです。
「混んでる電車で席をゆずる」とか「おいしいお菓子を贈る」などのことで、自分がそのようにされたらうれしいと感じたなら相手にもしてみるのです。
自分が「ありがとう」と言えることは、相手にとってもうれしいと感謝されるものです。
つまり答えは「自分の中」にあるのです。
ただ、人は十人十色ですから、みんながみんな自分と同じ好みとか、「そんなことされてもありがた迷惑」ということもあるでしょう。
そんなときは、相手の立場になって「うれしいと感じてもらえる」ことを考えるべきです。
最初は難しいかもしれませんが、ふだんから愛情をもって相手を観察していれば「よろこびポイント」もわかってきます。わからなければ直接聞けばいいのです。
そうやって、まずは自分の周囲を観察し「人は何によろこびを感じるか」を学んでいくことが、気づかいを習慣化できるようになる基になっていきます。
「すぐに」「直接」「何度でも」が最強
仕事でもプライベートでも人と人のつながりは大切です。
仕事で、意中の人に声をかけたいときに、紹介があるのとないのとでは、相手に与える印象が当然違いますし、プライベートでも特に家族や友人といった親しい間柄においても、きちんとしたつき合いは、ふだんからの気づかい次第です。
つまり、人と良好なつき合いをしたいなら、適切な気づかいをすることが必要ということです。
その気づかいの目安というのが、「すぐに」「直接」「何度でも」です。
たとえば、「人に紹介された」とか「友人が入院した」という場合には、「すぐに」行動しましょう。
「人に紹介された」なら、すぐに会いに行くべきだし、「友人のピンチ」にはすぐに駆け付けるくらいの気づかいがなければいけません。
それを「遠いから」「忙しいから」「時間の調整ができないから」と行動を起こせないでいると、気づかいのタイミングを失い、良好な人間関係が築きにくくなります。
自分のことよりも相手のことを優先して行動を起こすことこそが、気づかいの精神であり、利他の精神です。
誰かを代理で立てるよりも「直接」に自分が会いに行くことで誠意が伝わりますし、友人が入院しているときには「何度」も勇気づけに行けば、友人からの信頼度も高まります。
こういった例だけでなく、「すぐに」「直接」「何度でも」は、最強の気づかいスキルです。
トイレをピカピカにしよう!
一流のお店やホテルのトイレはいつもピカピカです。
便座や便器はもちろん、洗面台や鏡がいつもきれいに磨き上げられていて、ダストボックスも空に近い状態、ペーパータオルや布のタオルも過不足なく置いてあります。
まあ、そうでない場合もありますが、それは働いている人の「おもてなし」への意識が統一されていないことが原因でしょう。
「おもてなし」=「気づかい」です。
たぶん、「自宅のトイレなんて自分や家族以外は使わない」かもしれませんが、誰も見ていないところでこそ気づかいを見せましょう。
外出先でも自宅でも、自分がトイレを使ったあとは、次に使う人のためにきれいにしておく気づかいが大切です。
誰も見ていないところで、次の人のことを考えて気づかいをするということが自然にできるようになれば、「相手の立場になって考える」ことが習慣化されて、どういった場面でも相手本位の気づかいができるようになります。
著者の話では、そもそも一流の人はトイレ掃除をとても大切にしているそうです。
タレントで映画監督のビートたけしさんは、居酒屋であろうと公衆トイレであろうと、自分が使ったあとのトイレの掃除をし続けているのは有名で、「自分の成功の秘けつはトイレ掃除をしているから」と公言されているそうです。
パナソニック創業者の松下幸之助さんも次のような言葉を残されています。
- 「便所はみんなが使う、自分たちのものである。それを掃除するのに、何の理屈があるものか」
- 「たとえ仕事ができても、常識的なことや礼儀作法がわからないのなら、松下で働く意義は薄い」
しかも松下幸之助さんは、自ら自社工場のトイレ掃除を率先して行ったそうです。
このほかにも、イエローハット創業者の鍵山秀三郎さんも、業績の悪いときにこう言いました。
「社員の心を穏やかにするためには、まず職場環境をきれいにすることが大事。汚い環境の中で、彼らに『きちんとしろ』と言ったってできるわけがない」と自ら環境整備をし、一番にトイレ掃除をされたそうです。
自分が入ったあとにトイレをきれいにするということは、次の人への基本的な気づかい、社会人としての常識です。それから自分自身が心穏やかになることにもつながるのです。
【本物の気づかい】の感想・まとめ


「気づかい」は、人生を変える
本書の「おわりに」の冒頭に、人生でチャンスをつかむために、「育ち」や「学歴」は関係ないと記されています。
チャンスをものにするために大事なのが「人間力」ということです。
必要なのは、人に自分を好きになってもらうこと、「応援したい」と思ってもらえる人になることです。
そのためにも「気づかい」をする姿勢が大事ですし、それが結果、礼儀作法や自分磨きにもつながり、しかも心を落ち着かせることにも役立つとすれば、いいことだらけではないでしょうか。
気づかいとは、利他の心です。
利他の心とは、「何かをもらったら感謝する」「相手がよろこぶことをする」「相手が何をすればよろこぶかを考える」といったことです。
誰にでもできる簡単なことですが、これが自分自身の人生も変えていくのです。
自分の中にある「人に対するやさしさや思いやり」をもっともっと表に出すべきです。
そういった意味でも一度読んでいただきたい一冊です。
【本物の気づかい】は、現在(2023年8月4日時点)amazonの本読み放題サービス「キンドルアンリミテッド」の対象になっています。
キンドルアンリミテッドは、ビジネス書からマンガまで幅広いジャンルの本が読み放題です。ぜひこの機会にご検討ください。
【本物の気づかい】の概要


本書の目次
【本物の気づかい】
はじめに
第1章 「なぜか好かれる」気づかい
第2章 「人間関係がうまくいく」気づかい
第3章 「ワンランク上」の気づかい
第4章 「プライベート」での気づかい
おわりに
著者の紹介
井上裕之(いのうえ・ひろゆき)
いのうえ歯科医院理事長。歯学博士、経営学博士。
1963年、北海道生まれ。
東京歯科大学大学院修了後、世界レベルの技術を学ぶためニューヨーク大学、ペンシルベニア大学、イエテボリ大学で研鑽を積み、医療法人社団いのうえ歯科医院を開業。
自身の医院で理事長を務めながら、東京医科歯科大学、東京歯科大学非常勤講師、インディアナ大学客員講師など国内外の6つの大学で役職を兼任している。
その技術は国内外から評価され、特に最新医療・スピード治療の技術はメディア(情報番組「未来世紀ジパング」)に取り上げられ、注目を集めている。
世界初のジョセフ・マーフィー・トラスト(潜在意識の権威)公認グランドマスター。
本業の傍ら、世界的な能力開発プログラム、経営プログラムを学んだ末に、独自の成功哲学「ライフコンパス」をつくり上げ、「価値ある生き方」を伝える著者として全国各地で講演を行なっている。
主な著書
『一流の人間力』ディスカヴァー・トゥエンティワン (2023/5/26)
『【1日1分』中村天風】人生のすべてをつくる思考』青春出版社 (2022/8/9)
『人生の黄昏を黄金に変える「賢者のかけ算」』サンマーク出版 (2023/4/18)
『人生を自由にしてくれる本当のお金の使い方』あさ出版 (2021/10/16)
『自分で奇跡を起こす方法』フォレスト出版 (2008/9/27)
『人間関係が整うとすべてうまくいく』KADOKAWA (2023/1/19)
『最高の引き寄せ豊かさへの扉をひらく潜在意識7つの法則 』KADOKAWA (2020/3/27)
『「変われない自分」を一瞬で変える本』PHP研究所 (2018/7/23)
『本物の続ける力』WAVE出版 (2019/8/23)
『がんばり屋さんのための、心の整理術』サンクチュアリ出版 (2014/7/12)
『潜在能力が開花する速聴インプット術』フォレスト出版 (2022/10/21)
『潜在意識を使いこなす人ムダにする人』フォレスト出版 (2016/6/20)
『一流の死に方』講談社 (2014/7/28)
『やってはいけない50の習慣』PHP研究所 (2021/8/2)
『30代でやるべきこと、やってはいけないこと』 フォレスト出版 (2011/7/30)
『嫌われない断り方69フレーズ』PHP研究所 (2022/10/26)
『なぜかすべてうまくいく 1%の人だけが実行している45の習慣』PHP研究所 (2013/11/1)
『「学び」を「お金」に変える技術 』かんき出版 (2012/9/18)
『1ランク上のステージに行く「つながり力」』桜雲社 (2018/7/20)


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