
こんにちはコウカワシンです。
今回は、桑原晃弥(くわばら・てるや)さんの著書【世界の大富豪から学ぶ、お金を増やす思考法】から学ばせていただきます。
【世界の大富豪から学ぶ、お金を増やす思考法】は、どんな本?


【世界の大富豪から学ぶ、お金を増やす思考法】は、ズバリ!「大富豪の思考・行動」の教科書です。
本書はこのような本
本書の著者、桑原晃弥(くわばら・てるや)さんは、経済・経営ジャーナリストととして、成功した経営者の研究をライフワークとし、人材育成から成功法まで鋭い発信を続けられています。
本書は、大富豪として名高い、イーロン・マスク氏、ジェフ・ぺゾス氏、ビル・ゲイツ氏、孫正義氏などの考え方や生き方の共通点、世界長者番付の常連や、伝統の金持ちが持つ特性を学ぶことができます。
成功や富を手にするための「行動のバイブル」となる内容です。
つまり、本書を読むだけで「大富豪マインド」を知り、これと同じ行動を取ることで成功に近づけるということです。
本書がおすすめな人
【世界の大富豪から学ぶ、お金を増やす思考法】がおすすめな人
- お金持ちになりたい人
- 大富豪のエピソードに興味のある人
- 頭では考えられても行動に移せない人
- 大富豪マインドをしっかりと知りたい人
【世界の大富豪から学ぶ、お金を増やす思考法】の要点は?


大富豪の特質
本書で紹介された大富豪の生き方や考え方はさまざまですが、共通した特質があります。
それは次の通りです。
- 早くスタートを切る
- 自分の得意な一つに集中する
- チャンスを前にしたら、すべてを捨てて邁進する
- つまらない贅沢をせず、お金と上手に付き合う
- 自分が決めたルールに忠実であり続ける
- 勝利を手にするまで諦めることなく挑戦し続ける
- 「お金持ち」であることの責任を全うする
これを見ると、特別な何かがあるわけではないというのがわかります。
「当たり前のこと」「やらねばならないこと」を愚直に、地道に、徹底的にやり続けた人こそが成功すると本書では結論づけています。
それでは、順を追って大富豪たちの言葉に耳を傾けてみましょう。
早くスタートを切る
「発明・創意・工夫の中で一番大切なのが時間で、いくら良い発明、発見をしても、百万分の一秒遅れたら、発明でも、発見でもない」
「本田宗一郎からの手紙」
「世界のHONDA」の創業者である本田宗一郎(ほんだ・そういちろう)氏の好んだ言葉に「6日のあやめ、10日の菊」があります。
あやめは端午(たんご)の節句の5日、菊は重陽(ちょうよう)の節句の9日に用意してこそ意味がありますが、1日でも遅れてしまったら意味がないということです。
つまり、「旬はタイミングが命」ということです。
本田氏は、「せっかく良い技術を出しても、時間というタイミングがずれれば技術はタダと同じである。発明・創意・工夫の中で一番大切なのが時間で、いくら良い発明、発見をしても、百万分の一でも遅れたら、発明でも、発見でもない」というのです。
偉大な発明家であるエジソンも、発明したものが世界一早かったから「発明王」として後世まで名前が残りました。誰かの後に出したなら、それが優れていても有名にはならなかったでしょう。
多くの人は、「もう少し時間があれば考えつく」とか「それぐらい自分も考えていた」と言いわけします。
でもそれではただの負け惜しみです。
「時間」の大切さ、「スピード」の大切さ、「タイミング」の大切さを知る者だけが成功者になれるということです。
自分の得意な一つに集中する
5つの製品に集中するとしたらどれを選ぶ?
「スティーブ・ジョブズ」Ⅱ
ほかは全部やめてしまえ。あれもこれもではマイクロソフトになってしまう。
そんなものに関わっていたら、リーズナブルだけどすごくはない製品しか出せなくなってしまう」
アップルの創業者スティーブ・ジョブズ氏は一時アップルを離れていた時期があったものの1997年に倒産の危機にあったアップルに復帰します。
暫定のCEOとなったジョブズは、当時40種類もの製品を4つに絞り込みます。というのはどの製品もマーケットリーダーと呼べるようなものではなかったからです。
増えすぎた商品ラインナップを徹底して絞り込み、その一つひとつに一流のチームを集中し製品開発を進め、iMac、iPodなどの大ヒット製品をつくりあげました。
企業は大きくなるにつれ、どうしても「あれもこれも」と手を出す傾向がありますが、その理由は「他がやっているから」とか「売れている」といったあいまいなものでしかありません。
それが積み重なっていくと、製品の数は増え、多少売り上げが上がるものの「リーズナブルだけどすごくはない製品しか出せなくなる」というのがジョブズの考えなのです。
そんなジョブズの基本的な考えは、「選択と集中」であり、「自分たちが本当に使いたいものだけをつくる」です。
「使いたい」とは「すぐれた製品」をつくることであり、「すぐれていない」と思ったら、それにはさわらないという考え方こそがすごい企業になるために必要で、これに影響を受けたのが「グーグル」の創業者のラリー・ペイジ氏です。
チャンスを前にしたら、すべてを捨てて邁進する
「DVDの死」は必然であり、DVDにこだわると会社自体も共倒れになる。
「NETFLIX」
ストリーミングへ大きく舵を切ってこそ会社のためになるし、顧客のためにもなる」
今や世界190カ国、約2億人の人々が視聴するネットフリックスの創業者リード・ヘイスティングス氏の言葉です。
ネットフリックスは、もともとオンラインでユーザーにDVDをレンタルし、見終わったら郵便で送り返してもらうという世界初の「郵便DVDレンタル」をしていました。
熾烈な競争がありましたが、何とか勝ち上がり、本来なら一安心のところまで上り詰めるも、時代はインターネット経由でのデジタル配信の可能性を模索し始めていました。
ヘイスティッグスは2007年1月に中核事業であるDVDレンタルサービスからストリーミング配信サービスへと移行を決断します。
まだまだタイトル数も少なかったですが、「DVDにこだわると会社自体も共倒れになる。誰かに食われるくらいなら自分で自分を食うほうがいい」とDVDレンタルを捨て、ストリーミング配信サービスに舵を切ったのでした。
この決断以降、ネットフリックスは膨大な映像コンテンツの獲得、さらにはオリジナル映画の製作にも進出し、今やその影響力はGAFAにも匹敵するほどになっています。
これぞ変化のタイミングを逃さずにチャンスをつかむために懸命に行動した結果ですね。
つまらない贅沢をせず、お金と上手に付き合う
「財産というものは、誠実に管理せよと神がしばしの間だけ預けてくださったものだから、浪費しないのが道理だ」
「大富豪のお金の教え」
石油王でアメリカ史上最大の富を稼いだロックフェラー氏は、同時に「富は節約から生まれる」という信条を持ち、それを生涯実践されたそうです。
それは部下であろうと家族であろうと容赦することはなく、会社の経費も、家族の浪費にも厳しかったそうです。
あるエピソードでは、公衆電話代の5セントを秘書から借りたとき、秘書が「そんな小銭、よろしいですよ」とことわりましたが、「1ドルの年利が5セントだ」と厳しく叱責したそうです。
5セント、10セントといったお金を粗末にするようでは貯金などできないし、偉くなれないというのがロックフェラーの考えだったのです。
家族に対しても、富裕層の多い近所づきあいを避け、子どもたちにもバイオリンなどの習いごとの月謝はアルバイトで稼がせていて、小づかい帳には1セント単位まで収入と支出を記録させていました。
5セント10セントを大事にし、「今あるお金は預かりもの」とするロックフェラーらしいですね。
自分が決めたルールに忠実であり続ける
「小さなことで規律を破ると、大きなことでも破るようになる」
「バフェットの株主総会」
世界一の投資家ウォーレン・バフェット氏の特徴の1つに、「自分が決めたルールや原則にとことん忠実であり続ける」があります。
たとえば、何かを買うときには少年時代に身につけた「複利式の考え方」で判断します。
それがささやかな散髪でさえこう自問するのです。「本当にわたしはこの散髪に30万ドルを費やしたいのだろうか」
もちろん散髪に30万ドルかかるわけではありませんが、たとえわずかなお金でも長期にわたって運用すると大きなお金になります。
「投資とは消費を延期することだ」と考えることで、バフェットは「使う金は入る金よりも少なく」というルールをつくり実践したのです。
それから、投資における原則のひとつに「第一の原則、レースだけで帰るものはいない。第二の原則、損するレースにかけなくてもいい」もあり、その原則の大切さを理解したにもかかわらず、その原則を忘れて熱くなったバフェットは大きく負けたことがありました。
それ以降、この原則をとことん守り抜くようになったと言います。
仲間内でのゴルフのかけにしても、少額だからといっても参加することはなかったそうです。
「小さなことで規律を破ると、大きなことでも規律を破るようになる」といって断ったのでした。
人は自分で決めたルールであっても「このくらいはいいか」と甘くなることがありますが、バフェットは自らが決めたルールを徹底して守り抜くことで大きな成功を手にしたということです。
勝利を手にするまで諦めることなく挑戦し続ける
「成功するためには、成功するまでつづけることである」
「松下幸之助 成功の金言365」冒頭の言葉
パナソニック創業者の松下幸之助氏は、1894年和歌山で8人兄弟の末っ子として生まれます。極貧の中で育ち、小学校4年で中退してからは火鉢屋に丁稚奉公に出されます。
兄弟たちも早くに亡くしたことから頼るべき身内もいないし、学歴もありません。さらに身体も弱いという何重苦の中、22歳で独立し、自分で考案したソケットの製造販売を始めます。
そのソケットも4カ月かけてつくるも売れたのはわずか10円足らずでした。これでは仕事続けるどころか、明日の生活にも困ることになります。
一緒に仕事を始めた仲間は去り、ふつうなら見切りをつけるところですが、松下は粘り続けたのです。
そこにソケットの技術を生かして扇風機の碍盤(がいばん)1000枚をつくってほしいと注文が舞い込み、窮状を脱することができたとのことです。
その後も苦難の連続でしたが、決してあきらめることなく頑張り続けることで成功を手にします。
つまり、「今日諦めてしまえば、明日の成功は決してあり得ない」ということなのであって、ひとたび志を立てた以上、最後の最後まであきらめない、成功とは成功するまで続けることなのだということです。
結果が出ずにさっと身を引く人はスマートに見え、あがき続ける人は不器用に見えますが、みんなが諦めても「あと1回」と粘る人こそ最後には成功を手にするということでしょうね。
「お金持ち」であることの責任を全うする
「私は世界を改善するために時間と富を使っている」
「ブルームバーグ」
総合情報会社ブルームバーグの創業者マイケル・ブルームバーグ氏は慈善事業でも毎年、全米トップクラスといわれる数億ドルを寄付して評価を得ています。
そんな彼は、「日曜の夜が一番好きだ。次の朝、目が覚めれば、またたっぷり5日間は仕事できる」というほどの仕事の虫でもあります。
15年勤めたソロモン・ブラザーズを退社し、その後の身の振り方を考えたとき、自分が得意とするコンピューターの知識と金融界でのキャリアを活かして起業することを決めます。
高度なシステムを安く、素人でも使いやすく提供すれば人を絶対に惹きつけると考えてのことでした。
ブルームバーグはメリルリンチを皮切りに次々と顧客を獲得します。1990年にはビジネスニュースの配信も始め、老舗のダウ・ジョーンズやロイターをしのぐほどの企業となりました。
結果、莫大な富を得たブルームバーグは、やがて慈善事業と政治に多くの時間と富を割くようになります。
「わたしほど運のいい人間はいない。わたしは幸運だった。わたしは世界を改善するために時間と富を使っている」
そんなブルームバーグは、2002年からニューヨーク市長も務めますが、約20万ドル(約3000万円)の歳費の受け取りを拒否し、1ドルで働いたということです。
【世界の大富豪から学ぶ、お金を増やす思考法】の感想・まとめ


「信念」と「実行力」と「やり続ける力」こそが、成功者になれるただ一つの道。
愚直に、地道に、徹底的にやり続けた人こそが成功できる。
日本のプロ野球とアメリカのメジャーリーグで活躍したイチロー選手の名言に「小さなことを積み重ねることが、とんでもないところへ行くただ一つの道」というのがありますよね。
世界の大富豪や成功者のエピソードを紐解いていくと、まさにこの言葉に尽きると感じました。
「信念」を持ち、「実行」する。そして愚直に「やり続ける」ことでしか自分の希望にたどり着けないということです。
「そんなことはわかっているよ。だけど、心が折れるというか・・・、あきらめが肝心ということだってあるじゃない?」と思ったなら、いま一度、本書を読んでみましょう。
もしかしたら、前が見えない閉塞感、絶望感が少しは軽くなり、霞が晴れてくるかもしれません。
そのような効果がなかったとしても、何か心に残るものがあるかもしれません。
悩んでいるとき、苦しいときは、気がそぞろになっていることが多いです。
いったん落ち着くためにもおすすめしたい一冊です。
【世界の大富豪から学ぶ、お金を増やす思考法】の概要


本書の目次
【世界の大富豪から学ぶ、お金を増やす思考法】
はじめに
第1章 時間を味方にする「早く」と「速く」にこだわる
第2章 自分の得意なことに集中しよう
第3章 チャンスを前にしたらすべてを捨てて邁進するまず飛び込む
第4章 お金は賢く上手に使う 節約&人生を謳歌する
第5章 自分の決めたルールにとことん忠実であれ
第6章 勝利に貪欲であり続ける支配する、勝つまで諦めない
第7章 「持てる者の義務」を意識し続ける
参考文献
著者の紹介
桑原晃弥(くわばら・てるや)
1956年、広島県生まれ。慶應義塾大学卒。
経済・経営ジャーナリスト。
業界紙記者などを経てフリージャーナリストとして独立。
トヨタ式の普及で有名な若松義人氏の会社の顧問として、トヨタ式の実践現場や、大野耐一氏直系のトヨタマンを幅広く取材、トヨタ式の書籍やテキストなどの制作を主導した。
一方でスティーブ・ジョブズやジェフ・ベゾス、イーロン・マスクなどの起業家や、ウォーレン・バフェットなどの投資家、本田宗一郎や松下幸之助など成功した経営者の研究をライフワークとし、人材育成から成功法まで鋭い発信を続けている。
主な著書
『ウォーレン・バフェット 賢者の名言365』かや書房 (2023/2/27)
『スティーブ・ジョブズ名語録』PHP研究所 (2010/8/2)
『トヨタ式「すぐやる人」になれる8つのすごい! 仕事術』笠倉出版社 (2019/12/18)
『ウォーレン・バフェットの「仕事と人生を豊かにする8つの哲学」』KADOKAWA (2021/12/2)
『逆境を乗り越える渋沢栄一の言葉』リベラル社 (2020/9/26)
『1分間アドラー』SBクリエイティブ (2015/1/27)
『amazonの哲学』大和書房 (2019/2/7)
『イーロン・マスクの言葉』PHP研究所 (2018/10/22)
『1分間バフェット』SBクリエイティブ (2012/12/25)
『トヨタ式5W1H思考』KADOKAWA (2018/9/21)
『イーロン・マスク流「鋼のメンタル」と「すぐやる力」が身につく仕事術』プレジデント社; 第1版 (2022/9/1)
『仕事の悩みをあの手この手で解決する!』KADOKAWA (2023/4/3)
『伝説の7大投資家』KADOKAWA (2017/6/10)
『ウォーレン・バフェット 巨富を生み出す7つの法則』朝日新聞出版 (2013/10/3)
共著
『マンガでわかる イーロン・マスクの起業と経営』standards (2022/11/26)
『自由な生き方を創造する 美輪明宏の言葉』リベラル社 (2022/12/20)
『マンガでわかる 決算書の読み方』ビジネス教育出版社 (2023/1/24)
『バフェットの投資戦略 ’00~’22』standards (2022/10/26)
『人を大切にし組織を伸ばす 稲盛和夫の言葉』リベラル社 (2021/4/21)


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