
こんにちはコウカワシンです。
今回は、ゲイリー・ジョン・ビショップさんの著書【あなたはあなたが使っている言葉でできている】から学ばせていただきます。
【あなたはあなたが使っている言葉でできている】は、どんな本?


【あなたはあなたが使っている言葉でできている】は、ズバリ!「人生を上向きにできるスキル」本です。
本書はこのような本
本書の著者ゲイリー・ジョン・ビショップさんは、世界有数の人材開発企業でシニアプログラムディレクターを務め、世界中の何千人もの人にコーチングしてきた人です。
ビショップさんは本書の冒頭で「この本はあなたを励ますために書いたものだ。あなたの内に秘めた本当の能力に目覚め自分を責めるのをやめて、輝かしい人生に歩み出すのを手伝うために、私はこの本を書いた」と語っています。
もし自分が、「現状を変えたい」とか「どうすればいいかわからない」、「一歩前に踏み出すことができない」と感じる人にはぜひおすすめしたい一冊です。
本書がおすすめな人
【あなたはあなたが使っている言葉でできている】がおすすめな人
- 変わらない日常から抜け出したい人
- 現状の不安や不満を解決したいがどうすればいいかわからない人
- 一歩踏み出す勇気が出せない人
【あなたはあなたが使っている言葉でできている】の要点は?


ビショップさんは、「頭の中の言葉を置き換えれば、人生はうまくいく」と言われています。
それくらい思い込みが自分自身に与える影響は大きいということです。
本書は、 まるで隣で語りかけてくるような文章で勇気づけてくれます。
読み進めるたびにきっと新しい発見があることでしょう。



それでは本書から、私の独断と偏見で、「頭の中の言葉を置き換える」ために大事な心得の部分だけ取り上げたいと思います。
その他にも読めば読むほど「人生の指針」を持てるような内容が満載の本ですので、ぜひどなたにも手に取って読んでいただけたらと思います。
人は常に自分と会話している
人は誰でも、2種類の会話をしながら生きていると著者は言います。
それは、他の人との会話と、自分との会話です。
実は人間の一番の話し相手は自分自身であり、頭の中は、誰にとっても「心地よい」プライベートな空間なのです。
どんな人でも自分としゃべりながら、運動し、働き、食べ、読書し、ものを書き、歩き、泣き、話し合い、交渉し、計画を立て、祈り、瞑想し、眠っているときも自分との会話は続いているそうです。
研究によると、人間の頭には1日5万以上もの考えが浮かび、頭の中に自動的に浮かんでくる思想にはほとんど無反応なのに、自分が重視する思考には過剰に反応するそうです。
何が重要で何が重要でないかは、最初から決まっているわけでもないのにです。
自分にどんな言葉をかけるかで人生が変わる
研究ではさらに、自分と何を話すかによって人生の質を決定的に左右することまで証明されています。
アラバマ大学ウィル・ハート教授が「楽しかった出来事とつらい出来事、そのどちらでもない中間的な出来事を思い出してもらう実験」を行いました。
結果では「何かの出来事をまるで今それが起こっているかのように語る人は、中間的な出来事を楽しい思い出のように、つらい出来事は実際よりもっとつらいことのように感じている」のがわかったそうです。
つまり、どう表現するかで自分が置かれた状況のとらえ方や感じ方は変わってくるし、人生の過ごし方や、さまざまな問題への対応の仕方もずいぶん違ってくるということです。
自分とポジティブな会話を行えば、気分がよくなり、生産性が高まるという好影響が出ることが解明されているとおり、言葉は幸せな人生を送るためのカギになります。
一方で、自分とのネガティブな会話は気持ちを落ち込ませ、絶望を招きます。ささいな問題を大問題のように見せ、ありもしない問題をつくり出すし、話し方によっては、想像を絶する苦しみを味わいかねない状態になります。
でも、ポジティブもネガティブも人間にとっては大切な感情です。
大事なのは、本当の意味で自分の手助けをすることです。自分にとって本当に合ったヒントを示し、本当の能力を引き出すことが重要なのです。
ネガティブな言葉がネガティブな感情を呼ぶ
人間の感情の大部分が思考から生み出されているのなら、感情をコントロールするには思考をコントロールすればいい。
アルバート・エリス(アメリカの心理学者)
もっと言うなら、心の中で思い描く文章、つまり自分との会話に使う言葉を変えればいい。もっと言うなら、心の中で思い描く文章、つまり自分との会話に使う言葉を変えればいい。
そもそも感情はそこから生まれているのだから。
アルバート・エリスの言葉からわかるのは、体験の印象はとらえ方や話し方によって変わるということです。
つまり思考と感情は切っても切れない関係であるということです。さらに「人間は非合理的な考え方をする生き物」でもあることを発見したとまで言います。
たとえば、わたしたちは「自分はなんてバカなんだ」「いつも失敗ばかり・・・」「もう人生おしまいだ」と、何か悪いことが起きれば、「最悪だ」と考えます。
それが、あとから振り返れば大したことがない問題であっても、大げさに騒ぎ立ててしまうなど、こうした過剰反応が起こる直前には、ネガティブな心の声が響き、そのせいで理性的な自分がどこかへ行ってしまうのです。
人は常に理性的でいるわけではないのに、自分がいつも理性的だと思い込んでいます。ちょっとしたネガティブな会話からも悪影響をこうむって、ネガティブな感情が呼び起こされていることに気づかないのです。
たとえば、何かに取り組んでいて「すごく大変、間に合わなかったらどうしよう・・・」と思ったり、あるいは「しくじった場合」が気になって、不安や心配を感じたりしたときに、それが呼び水となって負の感情が爆発する原因になることがあります。
そのようなネガティブな声は大敵です。
「大変だ」と自分に言うほど、本当に大変な気がしてくるからです。
残念ながら、人間はそうした自動思考を常に耳にし、ネガティブな声が頭の中で鳴るのに慣れています。そうした思考の影響に気づかないまま、頭の命じるがままに行動してしまうのです。
実際にはそんなにはたいへんではないことでも、いくつも積み重なっていけば重大なことに思えたりしますよね。
苦手な家事をやらなければいけないと思ったときなどそのようなネガティブな感情にとらわれて、最悪の場合、人生に疲れてしまうこともあるでしょう。
それは、心の中の意見がネガティブだからです。
そしてそれはポジティブな「セルフトーク」(自分への語りかけ)を阻む大きな障害があるのです。
自分にとっての現実は、自分の頭でつくり出せる
痛いという気持ちを否定すれば、痛み自体もなくなる。
マルクス・アウレリウス
これはローマ皇帝でもありストア派の哲学者、マルクス・アウレリウスの言葉です。
アウレリウスは、「大切なのは、つらいときに『なんて不幸なのだ』と思うのではなく、『がんばる機会が得られて運がいい』と思うことだ」と言っています。
問題をどうとらえ、どう表現するかは、すべて自分次第であり、それは足かせにもなれば、前へ進むための踏み台にもなるということです。
アウレリウスのストア派は、自らに降りかかる苦難などの運命をいかに克服してゆくかを説く哲学を提唱しました。
たとえば、知者すなわち「道徳的・知的に完全」な人は、判断の誤りから生まれる破壊的な衝動などにさいなまされることはない、と説いています。
そのことから、人生のあり方は、状況や事情ではなく、自分との対話の仕方によって決まり、自分ならできる、あるいは自分にはできないという思考は、実際の状況よりも自分の無意識の影響を強く受けたためだと言うのです。
たしかに、どうしようもない状況もあるでしょう。
今よりも幸せになるために、目標に向かってがんばったのに、結局は何も変わらないということもあります。
あるいは、いつかは輝かしい日が来るとしても、現在とその日までのあいだは苦しい日が続くかもしれないかもしれません。
しかし、ネガティブな意識のまま、苦しい思いをするか、ちょっとでもポジティブ面を出し、意識だけでも前に進むための原動力にするかは自分次第であり、気持ちの強さも後押しするのではないでしょうか。
脳を少しずつ鍛え直そう
このように無意識というものが人生に影響を及ぼすというのは、科学的にわかってきて、思考によって脳の物理的な構造が変わるこの現象は、「神経可塑性」(しんけいかそせい)というそうです。
人は新しい物事を学び、経験しながら生きていき、脳もそれに合わせて神経の通り道を調整する。人間の思考や行動をコントロールするこの通り道は、幸いなことに、思考に注意を払うことで意識的に組み替えることができるそうです。
一番簡単なやり方は、意識的ではっきりしたセルフトーク(独り言)をすることです。自分との力強い会話は、道を切り開き、人生をコントロールする力をもたらします。
効果的に思考改造するには、無意識にこなせるようになるまで繰り返した行為が習慣になるように、強力かつ積極的な言葉を使い続けることです。
すると、自分自身のすべてが物理的な脳の構造に影響し、人生に決定的な変化が生まれます。
最初の一歩は、自分のためにならないしゃべり方はやめて、ためになるしゃべり方を意識しましょう。
正しい言葉を使い、問題を別の角度からとらえ直すことで、ものの味方、世界との関わり方は劇的に変わります。
それが先ほどの「自分にとっての現実は、自分の頭でつくり出せる」であり、ただつくれるだけでなく、そこで行動し、その中で生きられるのです。
たとえば著者は、「問題」をチャンスととらえ直すのを習慣にされています。すると問題はすぐに、自分を成長させる材料になり、ネガティブな感情をぐっとこらえて、問題に興味を持ち、積極的に関わるようになれるそうです。
最初のうちは難しいかもしれませんが、徐々にがんばっていきたいものですね。
セルフトークを主張型に変える
先ほどから、ちょこちょこと出てくる「セルフトーク」(独り言、自分への語りかけ)ですが、自分なりの現実をつくり出すために会話型から主張型に変えてみましょう。
つまり、セルフトークを対話形式にするのではなく、「主張の場」ととらえるのです。
そのときに気をつけるのは、「~する予定」とか「~するつもり」といった言葉は使わず、「~したい」という表現を使いましょう。
なぜなら、「~する予定」とかだと無意識が「それなら今やらなくてもいいか」と思い込んでしまうからです。
人はふつう、自分がやりたくないことを誓いに書き、「絶対にするぞ」とやる気をみなぎらせます;だけど、いよいよ取り組まなければという瞬間が来ると、とたんにやる気がしなくなるものです。
「ダイエットを誓ったが、ピザがどうしても食べたい」
「貯金を誓ったが、ジャケットが欲しくてたまらない」
といったことあるのではないでしょうか。
そんなときの対処法は、やはり「主張型」のセルフトークです。
「自分はどうしてもダイエットしたい」
「自分には貯金をしたい理由がある」
このほかにも「自分は~だ」「~を歓迎する」「受け入れる」「主張する」といった力強い断定的な言葉を使い、「~するつもりだ」とか「~が目標だ」といった言葉は避けましょう。
今という瞬間に主張的な言葉を使うことは、人間の心と体に大きな影響を与えるだけでなく、今の現実を変える力も持っています。
たとえば、「がむしゃらにやる」と「がむしゃらにやるつもりだ」では、印象がぜんぜん違います。
前者は現時点の人生に切り込みますが、後者では今後の可能性を表すからです。
ですので、自分の現実をつくり出すためにはセルフトークを主張型に変える必要があるのです。
【あなたはあなたが使っている言葉でできている】の感想・まとめ


死ぬ前に「後悔のない人生だった」と思うためには、自分自身が人生をデザインする必要がある。
言葉によって自分をデザインできるなら、やるしかない。
人生において後悔ばかりしている人と望みの人生を送っている人との唯一の違いは、「やったかどうか」だと、著者は言います。
どちらも人間としての違いはまったくないのに、「やったかどうか」で、人生に大きな違いが出てくるということです。
その「やる」を選択した人の特徴は、その「やる」ための意識を阻害するバイアスをうまく取り除いているところにあると思います。
それが、著者が提唱する「頭の中の言葉を置き換えれば、人生はうまくいく」ということなんですよね。
決してネガティブを排しポジティブな言葉で埋めろということではなく、自分が最適な行動ができる言葉を選ぶということなのです。
どうしても状況によりポジティブシンキングになれないときもあるでしょう。
そんなときは「今やっていることをやめる」ことが必要であり、「前に進むのに必要な行動を取る」ことも必然になってきます。
あなたはまさに今していることだ。
カール・ユング(スイスの精神学者、心理学者)
これからするつもりだと言っていることではない。
カール・ユングの言葉には、自分の人生について見つめ直し、「達成したい目標は何であるか」、「そのためには何をする必要があるか」を真摯に受け止める必要があるという強い意思を感じます。
そのためにも「~するつもり」などという言葉を排除し「~したい」と強い意思を持つことが大事ですね。
そういった意味で本書は、自分の人生をついついあいまいにし、ごまかしだらけの言葉で思考を埋めている社会人に良い刺激を与えてくれる一冊だと思います。
ぜひ一度手に取って読んでみてください。
【あなたはあなたが使っている言葉でできている】は、現在(2023年6月28日時点)amazonの本読み放題サービス「キンドルアンリミテッド」の対象になっています。
キンドルアンリミテッドは、ビジネス書からマンガまで幅広いジャンルの本が読み放題です。ぜひこの機会にご検討ください。
【あなたはあなたが使っている言葉でできている】の概要


本書の目次
【あなたはあなたが使っている言葉でできている】
第1章 最初に心に刻むべきこと
第2章 「私には意志がある」
第3章 「私は勝つに決まっている」
第4章 「私にはできる!」
第5章 「先がわからないからおもしろい」
第6章 「自分は思考ではなくて行動だ」
第7章 「私はがむしゃらになる」
第8章 「私は何も期待せず、すべてを受け入れる」
第9章 次はどこへ?
著者の紹介
ゲイリー・ジョン・ビショップ
スコットランドのグラスゴー生まれ。
1997年にアメリカへ移住し、特に存在論と現象学について数年間学んだ後、世界有数の人材開発企業でシニアプログラムディレクターを務め、世界中の何千人もの人にコーチを行う。
マルティン・ハイデガー、ハンス・ゲオルク・ガダマー、エトムント・フッサールの哲学から影響を受け、「都市哲学」という自身のブランドを創り出した。現在は、人間の能力をシフトさせて人生に大きな変化を起こすという生涯の仕事に日々を送る。
フロリダ在住。妻と3人の子どもとの5人暮らし
主な著書
『Do the work 行動を起こしたい人のための 人生を変えるワークブック』ディスカヴァー・トゥエンティワン (2020/10/23)
『どうしようもない不安を乗り越えるとんでもなく賢い人生の送り方』ディスカヴァー・トゥエンティワン (2021/5/28)
『Love Unf*cked』Yellow Kite (2022/6/23)
『Pára com Essa M*rda 』Lua de Papel (2019/1/1)


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