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【働き方2.0VS4.0】から学ぶこれから日本に起きるグローバル化適応術

コウカワシン

こんにちはコウカワシンです。

今回は、橘玲(たちばな・あきら)さんの著書【働き方2.0VS4.0 不条理な会社人生から自由になれる】から学ばせていただきます。

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目次

【働き方2.0VS4.0 不条理な会社人生から自由になれる】は、どんな本?

【働き方2.0VS4.0 不条理な会社人生から自由になれる】は、ズバリ!「日本人総フリーエージェント化」へのすすめ書です。

本書はこのような本

現在の日本社会の多くは、「働き方1.0」の年功序列・終身雇用の日本的雇用慣行型の働き方です。

ですが最近では、成果主義に基づいたグローバルスタンダード「働き方2.0」に移行しつつあります。

この流れは留まるところを知らず、シリコンバレーで主流である高い専門性を持つ人がプロジェクトごとに離合集散を繰り返していき、それにともないフリーエージェントが台頭する社会へと変貌するといわれています。

この波は、必ず日本にもやってきます。

ということで、本書はこの流れを読み、自分自身の人的資本を高め、グローバル化する社会を生き残るためのヒントを与えてくれる一冊です。

本書がおすすめな人

【働き方2.0VS4.0 不条理な会社人生から自由になれる】がおすすめな人

  • 将来の社会の動きが気になる人
  • 自分の持つスキルがオワコン化するのではないかと心配な人
  • 10年後20年後の社会が気になる人
  • 将来の自分自身にとって最適な青写真を考えたい人

【働き方2.0VS4.0 不条理な会社人生から自由になれる】の要点は?

本書で警鐘を鳴らすのは、世界の急速な経済発展(グローバル化)とテクノロジーの驚異的な性能向上により働き方が「未来世界」へと向かうなかで、わたしたち日本人の働き方がいまだに「前近代世界」のタコツボに押し込められていることです。

まさに「1周遅れ」の状態で、流れに乗れない日本が将来的に生き残るには何が必要かを、政治家や官僚だけではなく、各個人が考えていかなくてはいけません。

著者の橘玲(たちばな・あきら)さんが、その答えの一つとして「フリーエージェント」として、世界企業で働くことを提案しています。

コウカワシン

それでは、わたしの独断と偏見で「これからの日本の働き方」、もっと進化した「フリーエージェント化」、「将来的な流れ」といったことにフォーカスしてみたいと思います。

本書は、これまでの橘さんの書籍の内容を多く引用していて、それから「人生100年時代」に対しての橘さんの所感も示されています。

ですので、ぜひ本書を手に取ってじっくり読み、将来に備える糧としていただきたいと思います。

働き方の定義

まず本書でいう「働き方の定義」をご紹介しておきます。

  • 働き方1.0 年功序列・終身雇用の日本的雇用慣行
  • 働き方2.0 成果主義に基づいたグローバルスタンダード
  • 働き方3.0 プロジェクト単位でスペシャリストが離合集散するシリコンバレー型
  • 働き方4.0 フリーエージェント(ギグエコノミスト)
  • 働き方5.0 機械がすべての仕事を行うユートピア/ディストピア

「働き方1.0」の年功序列・終身雇用の日本的雇用慣行は、この頃の働き方改革により、徐々に「働き方2.0」である成果主義に移行しつつあります。

実は、もう世界では「働き方2.0」がふつうで、日本が周回遅れで移行しようとしているのです。

さらに世界では、「働き方3.0」、そして「働き方4.0」へと移行しているというから、どんどん日本と差がつく恐れだってあるのです。

日本が「働き方2.0」に移行しなければいけない理由

日本が「働き方2.0」に移行しなければならない理由として、第一に安倍政権が進めた「働き方改革」のほかに、日本企業を取り巻く過酷な転職環境にありました。

日本を代表するIT企業NTTでは、NTT持ち株会社の研究開発人材の3割が、35歳になるまでにGAFAなどに引き抜かれているそうです。

GAFAとは、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンという、検索、スマートフォン、SNS、EC(電子商取引)で圧倒的なシェアもち、市場の土台を支配しているグローバル企業です。

そのGAFAが、日本企業から若くて優秀な人材を次々と引き抜いているのです。

NTT研究開発職の初任給は21万5060円、修士課程が23万7870円ですが、GAFAなどは新卒でも優秀なら年収数千万円で採用するそうです。

日本企業から人材が流出するのは米シリコンバレーIT企業だけではなく、中国の通信機器大手のファーウェイも日本国内の新卒採用で初任給40万円を提示するなど、グローバルな風が日本企業を襲っているのです。

こうした事態を受けNTTデータは「トップ級のIT人材獲得を狙った人事制度」を新設し、年収3000万円以上を出す場合もあるとしましたが、これは特別人材を高給で雇うが、一般社員の給与体系はそのままというものです。

それに対しGAFAは、専門職であればすべての社員が年収数千万円(あるいはストックオプションを加えて数億円)なのです。

これを見てわかるように、転職市場はもうすでに「グローバル化」していて、日本企業にもその波がやってきているのです。

これに乗り遅れまいとする日本企業はもうすでに動いているということです。

「働き方2.0」とは?

ここで、「働き方2.0」(成果主義)についてのおさらいです。

この働き方は、これまでの年功序列で重視された勤続年数が高い社員ほど賃金や役職が上がる人事評価制度とは異なり、成果を上げることで会社への貢献度を評価するという特徴があります。

これまで長年にわたって続いた「働き方1.0」の経緯から、なかなかに成果主義に対して腰の重かった日本企業ですが、近年ではバブル崩壊などもきっかけとして導入が進んできているそうです。

あのトヨタ自動車社長の「終身雇用難しい」発言でもあったように日本企業も変わるべき時期が到来したということなのです。

成果主義に基づく処遇システムの代表格である「年俸制」を導入している企業は32.3%と、約3社に1社の割合に上っていますし、「職務給・役割給」の導入企業も全体の35%あるそうです。

成果主義による人事制度やジョブ型雇用は人件費の抑制やモチベーション向上、生産性向上に貢献するとされ、しかも世界的なスタンダードであるため日本の大企業だけではなく中小企業も徐々に転換していくものと思われます。

「働き方4.0」の波は日本に来るのか?

ではでは世界では「働き方2.0」以上なことはないのかというとそんなことはありません。

ネットフリックスという、配信登録制のストリーミングサービスのプラットフォームでは、人事方針を説明した社内資料で次のようなことを発表しました。

  • すべてのポストにもっとも優秀な人材をあてる
  • 業界最高水準の報酬を支払う
  • 将来の業務に適さない人にはお金を払って辞めてもらう
  • 有給休暇を廃止する(従業員の裁量で休む)
  • 人事考課制度は時間と労力のムダ

これが何を意味するかというと、「働き方3.0」でいう「プロジェクト単位でスペシャリストが離合集散」モデルです。

これによるメリットは、なんといっても「スピーディーでムダがない」という雇用体系が取れることです。おまけに成果も出やすいのも特徴でしょう。

日本ではあるプロジェクトを行うとき、会社内の専門家ともいえない人物をトップに充て、ダラダラと検討を重ね、実行に至るまでに時間がかかりすぎます。

それが「働き方3.0」ではスペシャリストたちが集い、最適解のやり方を迅速に進め、成果が出たら即解散というなんともスピーディーなうえに多大な成果・利益を生んでくれます。

さらにそれが進めば、各スペシャリストたちは「フリーエージェント」となり、それぞれの能力を売り込んで仕事をしていきます。

なんだかプロ野球選手が球団とかわす契約みたいな感じですね。そして能力の高いスペシャリストは、あの大谷翔平選手のように世界の舞台に飛躍していくのです。

これが、もうシリコンバレーではふつうの働き方になっていっているというのです。

このような流れは、いずれ日本にも訪れるでしょうし、日本企業も本腰入れてグローバル化しないと会社を存続することすら難しくなっていくということです。

「未来世界」で生き延びるには

「働き方2.0」では、旧来型の雇用は維持するのが難しく、生き残れる分野のスキルを習得し高めていくしかありません。

たとえば、プログラミング技術が生き残れるスキルとして見られていますが、人間誰でも得意不得意がありますから、みんながそのスキルを取得するのは難しいでしょう。

しかも最新技術はこれからもどんどん進化していきますから、それについて専門知識を身につけるには、ずーっと学習していかなくてはいけません。

「人生100年時代」ですから、だいたいに20~80歳にかけて仕事をするとして、そのように最新技術を追うように学習し続けるというのも無理がありますよね。

だったら何をすればいいかになりますが、やはり「好きなこと、得意なことを仕事にする」というのが、長続きするヒントになると思います。

というのも、好きなことや得意なことならいくらでも続けられる可能性があるからです。

たとえば、医師の日野原重明(ひのはら・しげあき)さんが105歳まで診療を続けられたのも医師の仕事が好きだったからにちがいないからです。

考えてみれば、20歳から80歳までの60年間を好きでもない労働をするのは苦役でしかありません。

だったら、好きなこと得意なことをマネタイズして生きていくほかはないでしょう。

もちろんすべての人がこのようなことができるわけではないのが残念ではあります。

そのほかに「夫婦」であるなら、共働きで長く働き、世帯としてマネタイズする可能性を最大化するというのも著者の意見です。

これを「長く働く、いっしょに働く」と言い、人生100年時代の人生設計においては、大きな力になることは間違いありません。

日本の将来は明るい(?)

人口が減少している日本ではイノベーションも起こらず、このままでは世界に置いていかれるという悲観論があります。

でももうグローバル化が進む世界では、日本の会社が競争に負けたとしても、世界にはたくさんの会社がありますから、そこで働くか、フリーエージェントとして生きていけばいいと著者は言います。

ズバリ!「働き方4.0」です。

大事なのは自分の人的資本を労働市場に効率的に投資して富を獲得することで、給料はどこの国の会社からもらっても同じです。

たとえば、日本酒をはじめとした日本の食べ物は、世界から注目を集めていて、必ず外国の会社が自社で提供したいと考えているのではないでしょうか。

農産物もしかり、B級グルメだって注目されるでしょう。

そういう技術が欲しい会社は日本人でスキルを持っている人に募集をかけると思います。

工芸品も世界に発信できるだろうし、建設技術のスキルを持っている人だって、十分に生かせる余地はあります。

つまり、チャンスはどこにでもあるということです。

それから日本でいることのメリットは、世界で起きているイノベーションや人的な異動がゆるやかに日本に入ってきているところです。

アメリカではトランプ政権が誕生して以来、共和党と民主党の主張の食い違いから、社会が分裂し互いに憎み合い、政治的党派が基準になりました。

ヨーロッパでも、大量のアフリカや中東からの移民が押し寄せたことで「極右」が台頭し、社会の混乱が続いています。

イギリスでは「ブレクジット」(EUからの離脱)を巡って国論が二分し、フランスでは「ネオリベ的改革」(新自由主義)に反対する「黄色いベスト」デモが起きました。

日本の政治にも問題があるにしろ、世界を見てみたら「まだマシ」です。

著名な国際政治学者イアン・ブレマーは、「大国の中で民主主義が比較的うまく機能しているのが日本」だとして、

  1. 人口減で失業率が低い
  2. 移民の大量流入がない
  3. SNSの普及度が他国に比べて低いことでポピュリズムへの耐性が高い

という3点を挙げています。

たしかに世界の潮流は、いずれ日本にも来ることが予想されますし、日本でも格差が広がることは間違いありません。

ですが、それにともなうさまざまな問題は、すべて先行する欧米ですでに起きています。

これが「1周遅れ」のメリットで、これから日本社会が体験するであろうことは、欧米の混乱を観察していれば、ほぼ予測できます。

ですので、これを幸運として、的確に備えればいいのです。

日本の政治家や官僚がこの大きなアドバンテージをどのように活かすのかはわかりませんが、個人レベルにおいては対処可能です。

世界の動きをしっかりとらえ、自分なりの戦略を立て、持てるスキルを磨き続けられる人がやはり生き残れると言えるのです。

【働き方2.0VS4.0 不条理な会社人生から自由になれる】の感想・まとめ

「日本人でいることに幸運を感じ、人的資本を高め、長く働く、いっしょに働く」を基本とする。
しかし、「働き方5.0」にも魅力を感じるなあ~(笑)

橘玲(たちばな・あきら)さんの本は、どれも残酷で厳しい視点を持っていて、気持ちが沈みがちになりますが、何かしら針で突いたような小さな穴から光を指してくれるようなヒントをくれます。

これを道しるべと取るか机上の空論と取るかは、その人次第ですが、真剣に考えないと生き残れない問題でもあります。

「働き方4.0」的な考え方は、橘さんの著書にはどれにも書いてあり、社畜として生きてきた人にとっては、まさに救世主とでもいえるものばかりです。

今までは、日本流の「働き方1.0」で、なんとかなってきましたが、今や「働き方2.0」が現実味を帯びてきて、しかも「働き方4.0」がもうそこまで来ているといたら、今からでも考えておかないといけないでしょう。

わたしが興味があるのは、「働き方5.0」。

もう人間が仕事をするのではなく、機械がすべての仕事をやってしまう社会です。

機械が人間を養うという感覚にでもなるのでしょうね。まさに人間が機械のペットになってしまうのかも・・・。

映画「ターミネーター」が現実になる社会なんて・・・ちょっと恐ろしいですね。

そういう空想ができるのも本書の魅力です。

ぜひ興味ある人に本書のすべてを読んでいただきたいものです。

【働き方2.0VS4.0 不条理な会社人生から自由になれる】は、現在(2023年6月23日時点)amazonの本読み放題サービス「キンドルアンリミテッド」の対象になっています。

キンドルアンリミテッドは、ビジネス書からマンガまで幅広いジャンルの本が読み放題です。ぜひこの機会にご検討ください。

【働き方2.0VS4.0 不条理な会社人生から自由になれる】の概要

本書の目次

【働き方2.0VS4.0 不条理な会社人生から自由になれる】

はじめに 「未来世界」と「前近代世界」に引き裂かれて

1. 生き方・働き方が衝撃的に変わる未来
2. 前近代な身分制社会・日本
3. 会社や管理職はなくなるのか?
4. 「未来世界」で生き延びる方法

おわりに 日本の未来は明るい

著者の紹介

橘玲(たちばな・あきら)

1959年生まれ。早稲田大学卒業。

2002年、国際金融小説『マネーロンダリング』でデビュー。同年、「新世紀の資本論」と評された『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』が30万部を超えるベストセラーに。

2006年『永遠の旅行者』が第19回山本周五郎賞候補。

『言ってはいけない 残酷すぎる真実』で2017新書大賞受賞。

橘玲公式サイト http://www.tachibana-akira.com/

主な著書

シンプルで合理的な人生設計』ダイヤモンド社; 第1版 (2023/3/7)
バカと無知』新潮社 (2022/10/15)
残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』幻冬舎 (2015/4/10)
言ってはいけない』新潮社 (2016/4/16)
幸福の「資本」論』ダイヤモンド社; 第1版 (2017/6/14)
スピリチュアルズ 幻冬舎 (2021/6/23)
もっと言ってはいけない』新潮社 (2019/1/17)
新版 お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』幻冬舎 (2017/8/4)
無理ゲー社会』小学館 (2021/8/3)
貧乏はお金持ち』講談社 (2011/3/22)
女と男 なぜわかりあえないのか』文藝春秋 (2020/6/19)
「読まなくてもいい本」の読書案内』筑摩書房 (2019/5/10)
臆病者のための億万長者入門』文藝春秋 (2014/5/20)
不条理な会社人生から自由になる方法 働き方2.0vs4.0』PHP研究所 (2022/3/18)
(日本人)』幻冬舎 (2014/8/7)
裏道を行け ディストピア世界をHACKする』講談社 (2021/12/15)
上級国民/下級国民』小学館 (2019/8/6)
臆病者のための株入門』文藝春秋 (2006/4/20)
人生は攻略できる』ポプラ社 (2019/3/6)
マネーロンダリング』幻冬舎 (2003/4/10)
2億円と専業主婦』マガジンハウス (2019/11/21)
言ってはいけない中国の真実』ダイヤモンド社; 第1版 (2015/3/5)
国家破産はこわくない ダイヤモンド社; 第1版 (2013/3/14)
バカが多いのには理由がある』集英社 (2017/1/25)

コウカワシン

最後までお読みいただきありがとうございます。

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この記事を書いた人

四国在住。
ミニマリスト。趣味は映画観賞と音楽鑑賞、読書、野球観戦。
映画は特に好き嫌いなくほとんどのジャンルーを観ます。音楽はジャズとクラシックが大好きです。読書は歴史書が好きでよく読みます。

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